内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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2018年10月

放射線被ばくを「喫煙」「飲みすぎ」「やせすぎ」「肥満」「運動不足」と比べるのは間違い

【初稿】 2018年10月29日 【改訂第1稿】 2019年4月6日 <解説>  福島民友新聞は、毎週日曜日に東大医学部卒の坪倉正治医師(福島医大特任教授、相馬中央病院、南相馬市立総合病院、ひらた中央病院)が、「坪倉先生の放射線教室」の連載をしています。毎回、「これくらいの放射線は安全です」を刷り込むような、非科学的解説が繰り返されています。今回は、2018年10月14日掲載「大事なのは『どの程度か』」を取り上げて、その議論の間違いを指摘します。 <福島民友記事> 大事なのは「どの程度か」坪倉先生の放射線教室 2018年10月14日掲載  私たちが日常食べている野菜や果物の中には、添加物や農薬ではない、さまざまな種類の発がん物質が含まれています。発がん物質が含まれる、と聞くとそれを食べるのが怖くなりますし、避けたくなるのが人情です。 数年前の話になりますが、とある国際機関が加工肉を食べ過ぎると大腸がんが増えるといった内容の発表をしました。肉をたくさん食べる国を中心に波紋を呼びましたし、「ソーセージやハムでがんになる」といったような扇動的なフレーズが飛び交いました。 それとは逆に、「これを食べれば健康になる」と言われると、その食材を毎日食べる方が増え、スーパーでは売り切れることもあります。 気持ちは分かりますが、ぜひ惑わされないでください。大事なことは、これらのリスクや有効性はあるかないかの0か1ではなく、どの程度か? どれくらいの大きさか? ということです。 例えば放射線と比べるなら、喫煙や飲み過ぎ、痩せ過ぎや肥満、運動不足などの生活習慣は100ミリシーベルトの被ばく影響よりも大きいです。現在の放射線から考えれば、文字通り桁違いです。身近すぎて目に入らない時もあるのですが、危ないか危なくないかではなく、大事な順番とその大きさを知ることはとても大切です。 記事:坪倉先生の放射線教室 大事なのは「どの程度か」 2018年10月14日 福島民友 <解説>  この、放射線被ばくと、生活習慣とを比べて発がんを議論するのは、間違いです。環境省の「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料」にも、放射線被ばくと生活習慣による発がんを比べた、下記のような図表があります。以下は2014年度版です。  この資料のように、かならず「国立がん研究センター」が研究したかのように書かれていますが、国立がん研究センターでは、実は、放射線被ばくと発がんリスクは調べていないのです。国立がん研究センターで調べているのは、「喫煙」「飲みすぎ」「やせすぎ」「肥満」「運動不足」と発がんとの関係です。国立がん研究センターのがん予防・検診研究センター予防研究部の津金昌一郎氏が、がんのリスク– 放射線、ダイオキシンと生活習慣 -という資料を作っていますが、当の放射線の発がんリスクについては、放射線医学総合研究所の孫引きでしかありません。国立がん研究センターは、放射線とがんとの因果関係を調べてもいないし、研究してもいません。放射線と発がんとの関係を調べているのは、放射線医学総合研究所であり、この放射線医学総合研究所はABCC、放射線影響研究所の流れを組む、アメリカの核兵器戦略体制を擁護する立場で管理・運営されている組織です。ビキニ事件で被ばくした、第5福竜丸の乗組員を肝臓がんを見つけながらも、見殺しにしてきた機関です。 <参考> 国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護モデルを信用したら、殺されます。ICRP pub111より  2019年1月に国立がん研究センターに筆者(川根眞也)は電話で問い合わせました。質問は2点。 (質問1)環境省の作成した「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料」2014年度版には、「出典 国立がん研究センター」として、生活習慣と発がんリスクとの関係と、放射線と発がんリスクとの関係についての一覧表がある。国立がん研究センターは「放射線と発がんリスクとの関係」を研究しているのか。ホームページを探しても研究成果の論文が1つも掲載されていないが。 (質問2)放射線が発がんリスクが自明のことである。もし、国立がん研究センターが「放射線と発がんリスクとの関係」を研究していないのであるならば、それはなぜか。その理由をお聞かせ願いたい。  2019年4月5日現在、いまだ国立がん研究センターからは回答はありません。  驚いたことに、環境省は基礎的な統一資料2017年度版(最新版)で、「生活習慣と発がんリスク」と「放射線と発がんリスク」とを別々のぺージに分けて掲載するようになっていた。発がん原因がまったく異なるものを同列に比べることが不当であることを、環境省自らが認めたものである、と筆者は考えます。以下の左が環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料」のpp.96「がんのリスク(放射線)」で、右が別のページpp.97に掲載された「がんのリスク(生活習慣)」です。 図:がんのリスク(放射線)pp.96 がんのリスク(放射線)pp.97 環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料 2018年2月28日  国立がん研究センターが、生活習慣と発がんの関係を研究した、以下の表をご覧下さい。このがんの中に「甲状腺がん」がないことにご注目下さい。また、発がんの要因に「放射線」「放射性物質」がないこともにもご注目下さい。国立がん研究センターが研究しているのは、生活習慣と発がんとの関係であり、放射線に関しては門外漢の立場に置かれています。その「国立がん研究センター」の名前を使って、さも「運動不足」の方が「100ミリシーベルトの被ばく」より発がんリスクが高い、というのは詐欺です。  そして、原発事故を引き起こしてしまった日本では、放射線被ばくは生活習慣と切り離して考えれるものではありません。もはや東日本に住む人間は、日常的な被ばく状況に置かれています。その被ばく状況の深刻なところと、比較的薄いところとで、発がんリスクを比べるべきではないでしょうか。また、日本に生活しながら、放射能汚染地帯の食べ物を日常的に食べる人と、放射能で汚染された食べ物を食べない人との発がんリスクを比べる必要があるのではないでしょうか。  国立がん研究センターの独立した、放射線被ばくと発がんリスクの調査・研究体制を求めます。 <解説> 国立がん研究センターの検索画面で、「放射線被ばく がん」と検索をかけても、検索結果が何も出てこない。国立がん研究センターは、放射線と発がんとの関係を研究した成果を何一つ持っていません。            

野原千代さんを悼む 矢ヶ崎克馬 2018年10月28日

   10月28日は野原千代さんの命日です。経済学分野で政府委員も務めた堂々たる准教授だった千代さんが一大学院生として生物学の研究を志した。時に56才。そして3/11事故に遭遇した。幼い、そして生まれ出る幼い命を守ろうとする鮮烈な想いが放射能汚染場に生きるヤマトシジミの内部被曝の研究に走らせた。事故後2ヶ月で福島入り。研究を阻止しようとする二重三重の妨害を決然とはねのけて。   放射能場でないと得られない世界史に残る実態の解明を成し、更に解明しようと体調を押して研究活動に邁進。福島入りして2年経過した頃は既に被曝が彼女を蝕んでいた。腎臓機能をやられて、被曝すると浮腫が出て体重が20キロも増す。沖縄に帰って被曝を断つと回復する。そんな状態を繰り返した。そんな中でも子どもたちの救済と研究の継続に心を込めた。全力を尽くした。    そして2015年、巨星が落ちた。花の微笑み、鉄の意志。爽やかな、透徹した誠実さを持ったこれほどの研究者が他に居ようか!再び私の心は裂けそうになった(2013年に鮮烈な生き方をした連れ合いの沖本八重美が急逝した)。   私は野原千代さんがメールの署名に使っていた「ちよどん」をそのまま彼女の呼称に使っていた。ちよどんさん、遺志は継いでいるよ。ゆっくり安らかにお眠りください( ◠‿◠ )矢ヶ崎   追悼、野原千代さん。千代さんの研究はこんなにもの各国で反響を呼んだのです。 シュピーゲル(ドイツ)http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/fukushima-strahlung-fuehrt-schmetterlingen-zu-mutationen-a-849972.html BBC(イギリス)https://www.bbc.com/news/science-environment-19245818 ルモンド紙(フランス)https://www.lemonde.fr/planete/article/2012/08/15/des-papillons-mutants-autour-de-fukushima_1746252_3244.html ルモンド紙(和訳)https://besobernow-yuima.blogspot.com/2012/08/blog-post_18.html ABC(米)https://www.abc.net.au/news/2012-08-13/fukushima-mutant-butterflies/4194240 CNN(米)消されていますhttp://www.youtube.com/watch?v=1yVNn0tlz5k FOX TV(米)https://video.foxnews.com/v/1786844712001/?#sp=show-clips 【中日新聞】原発事故が影響 チョウに異常 琉球大チーム調査  https://blogs.yahoo.co.jp/sj566029/70194279.html2012年8月11日◆死ぬ確率高く   雄の羽小さく東京電力福島第1原発事故による放射性物質の影響で、チョウの1種「ヤマトシジミ」に遺伝的な異常が出たとする調査結果を琉球大の大滝丈二准教授(分子生理学)らの研究チームがまとめ、11日までに英科学誌電子版に発表した。ヤマトシジミは人が生活する場所に多く生息する。チームは昨年5月と9月、福島県内のほか茨城、東京など計10カ所で採集した。5月に集めた成虫144匹から生まれた卵をふ化させて育て、孫の世代まで調べたところ、いわき市や広野町など福島県内のチョウは、子の世代で死ぬ確率がほかの地域に比べ高かった。線量が高い地域ほど雄の羽のサイズが小さくなっていた。子の世代では全体の約2割で羽の配色パターンや斑点の数などに異常があり、親の世代よりも1.5倍高い発生頻度だった。9月に採集した成虫約240匹では、子の世代の約5割で異常が見つかった。 追悼、野原千代さん。国際的総合科学ジャーナル誌「Nature」での発表2013年8月6日The biological impacts of the Fukushima nuclear accident on the pale grass blue butterflyhttps://www.nature.com/articles/srep00570    

現在プルサーマル発電を実施しているのは関電高浜3、4号機と九電玄海3号機の3基だけ

 現在プルサーマル発電(MOX燃料使用の原発)を実施しているのは関西電力高浜3、4号機(福井県)と九州電力玄海3号機(東松浦郡玄海町)の3基だけです。九州電力は、鹿児島県で川内原発3号機の新設を目論見、また、佐賀県の玄海原発4号機(2018年10月現在再稼働中)のMOX燃料での発電(プルサーマル発電)を狙っています。  47トンにも及ぶ、日本のプルトニウム保有。 日本は原発で使うための、使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する権利を認められた、唯一の非核兵器保有国。しかし、プルサーマル発電がほとんど動いていない現状では、日本が保有す47トンのプルトニウムは、日本の潜在的な核兵器保有を示すこととなり、北朝鮮の非核化の妨げになっています。日本が保有する47トンのプルトニウムのうち、31.1トンが核分裂性のプルトニウム239です(資源エネルギー庁『我が国のプルトニウムの管理・利状況について』2018年4月3日より)。  この核分裂性のプルトニウム239、31.1トンは、どこにあるのか?先の資源エネルギー庁の資料によれば、青森県六ヶ所の再処理工場に2.3トン。各原発に1.1トン。フランスに10.5トン。イギリスに14.0トン。茨城県東海村など、日本原子力研究開発機構に3.2トンあります。  フランス、イギリスにあるプルトニウム239は直ちに放棄すべきでしょう。また、トラブル続きの青森県六ヶ所村の再処理工場は動かすべきではありません。 佐賀新聞より ■大間原発3回目運転延期 審査長引き工事2年遅れ 電源開発 佐賀新聞 2018年09月05日   電源開発(Jパワー)は4日、青森県大間町で建設中の大間原発について、安全対策工事の開始時期が約2年遅れて2020年後半になると県、大間町などにそれぞれ伝えた。原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査が長引いており、延期は3回目。運転開始も約2年遅れて26年度ごろになるとしている。 大間原発は全炉心でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う世界初の商業用原子炉。完成が遅れれば、使用済み燃料を再処理して活用し、プルトニウムを減らす国の核燃料サイクル政策の見通しがさらに狂う。世耕弘成経済産業相は4日の記者会見で「電源開発にはスケジュールありきではなく安全最優先で、審査に適切に対応してもらいたい」と述べた。 同社が14年12月に申請した大間原発の審査では、地震や津波の想定に関する議論が続き、施設の安全対策の確認作業が控える。同社は審査合格まで約2年かかるとみて工事延期を表明した。同原発の建設は08年に始まったが、東京電力福島第1原発事故の直後から進捗(しんちょく)率は37・6%にとどまる。 再処理工場稼働に影響も  プルトニウム消費の「切り札」とされる電源開発大間原発(青森県大間町)の運転開始が4日、先送りの公算となった。国の原子力委員会は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)について、現行のプルトニウム保有量の水準を超えないように制限すべきだとの指針を示しており、工場稼働にも影響を与えそうだ。 「大間原発に期待されるプルトニウム消費への寄与は大きい」。大間原発の運転開始遅れについて、日本原燃の担当者は落胆を隠せなかった。同原発は全ての核燃料にプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使う世界初の商業炉。大間原発1基で年間、核分裂性のプルトニウムを約1・1トン消費できる。 通常の原発でMOX燃料を燃やす「プルサーマル発電」では、年間で消費できるのは1基当たり多くても0・4トン程度。東京電力福島第1原発事故後、十分に消費できるほど原発の再稼働が進まず、現在プルサーマル発電を実施しているのは関西電力高浜3、4号機(福井県)と九州電力玄海3号機(東松浦郡玄海町)の3基だけ。四国電力伊方3号機(愛媛県)は広島高裁による運転差し止めの仮処分決定により現在停止中。大間原発でのプルトニウム消費の期待は大きかった。 背景にあるのは、日本の保有プルトニウムに対する米国など国際社会の厳しい視線だ。日本は非核分裂性も合わせ、国内外に約47トンのプルトニウムを持つ。これは核兵器約6千発分とされる。原子力委は米国の要請に応じる形で7月、2021年度完成予定の再処理工場の稼働を制限する新たな指針を決めたばかり。再処理工場はフル稼働すれば年間約8トンのプルトニウムを生産する。大間原発の運転開始は24年度ごろから26年度ごろにずれ込む見通しで、再処理工場が稼働しても当面限定的になりそうだ。 資料:我が国におけるプルトニウムの管理・利用について. 資源エネルギー 庁 2018年4月3日        

誰が九州での4基の原発を再稼働させたか?「脱原発候補」三反園鹿児島県知事ではないのか?

誰が九州での4基の原発の再稼働を可能にしたのか?「脱原発候補」だった、三反園鹿児島県知事ではないのか? そもそも、三反園候補の掲げる政策は、脱原発でも何でもなく、「原発慎重運転」だった。しかし、「脱原発の統一候補」として原発反対運動の側からの支持を取り付けた。唯一の脱原発に近い政策は、川内原発1号機,2号機の再稼働をめぐって、「専門家委員会」を立ち上げ、その評価を鹿児島県独自に行うというものだった。しかし、2016年7月28日に県知事に就任したにもかかわらず、2016年12月20日まで「専門家委員会」を立ち上げず、その間に九州電力が川内原発1号機を2016年12月8日から再稼働工程を始める事態を産んでいます。その「専門家委員会」もすべてが原発推進派で構成されるというものでした。 西日本新聞の記事から ■ 反原発団体「保安林解除しないで」 三反園知事に要請 川内原発の造成工事「3号機増設につながる」 西日本新聞 2018年6月7日 九電川内原発敷地内の保安林の解除をしないよう県担当者(左)に要請する反原発団体のメンバーたち    鹿児島県の反原発団体「原発ゼロをめざす鹿児島県民の会」などは6日、九州電力川内原発(同県薩摩川内市)が敷地内で保安林を伐採して造成工事をしていることに「3号機増設につながりかねない」として、県が保安林指定を解除しないよう求める要請書を三反園訓(みたぞの・さとし)知事あてに提出した。  九電は2016年6月、1、2号機の安全対策に伴う工事用資機材の保管場所をつくる目的で4・5ヘクタールの解除を申請。県は昨年、外部識者の意見も踏まえて解除予定であることを通知した。森林法では、予定通知で伐採が認められており、九電は17年6月、造成に着手した。  要請では、保安林は福島原発事故後に凍結となった川内3号機増設工事の事業実施区域にあり「(それぞれの工事で予定される)排水路や調整池の場所までも重なる。事実上は3号機の準備工事ではないか」と指摘。県が権限を持つ工事後の解除を認めず、凍結中の3号機の完全な「白紙撤回」を求めている。  県担当者は「申し入れを精査し、後日回答したい」と述べるにとどめた。九電は取材に、今回造成について「3号機増設とは関係ない」と説明する。  県によると、原発近くの保安林は海岸からの飛砂を防ぐために指定。造成工事は20年3月に終了予定で、斜面の緑化などの代替措置が確認されれば、保安林から解除される見通し。  反原発団体は「知事は『3号機増設を進める状況にはない』と言っているが、人ごとのような認識ではなく保安林解除をしないなど具体的な言動を示すべきだ」と訴えている。  佐賀新聞の記事から ■三反園・鹿児島知事就任2年 金看板「脱原発」色あせ 事実上撤回、機運失速、運動に影響 佐賀新聞 2018年7月23日  東京電力福島第1原発事故を受け、安全面に厳しい姿勢で臨む知事が原発立地県に相次いで誕生したが、方向転換などでその発信力が色あせている。2018年7月28日で就任2年を迎える鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事は、金看板として掲げた「脱原発」を事実上撤回。原発再稼働に慎重だった新潟県の米山隆一前知事も女性問題によって任期途中で辞任した。脱原発の機運が失速し、住民運動にも影響が出かねない状況だ。  「安全協定に基づき、異常発生時は速やかに連絡をもらう体制ができている」▼丸投げ 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)でのトラブルを受け、5月の記者会見で見解を問われた三反園氏は、九電に新たな要請などはしない考えを示した。就任当初に「県民の安心のため」と福岡市の九電本社へ自ら出向き、当時の瓜生(うりう)道明社長に検査徹底を迫った面影はない。 知事就任から4カ月余りの2016年12月以降、九電川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の稼働を容認。その後原発政策での踏み込んだ発言は鳴りを潜めた。安全性に関する議論は、自らの公約に基づいて発足した専門家委員会に“丸投げ”の状態。三反園氏は目下「防災対策に注力し、再生可能エネルギーを推進する」との立場だ。▼説明回避 16年は、新潟県でも東電柏崎刈羽原発再稼働に慎重姿勢を示していた米山氏も初当選し、県独自の福島第1原発事故の検証を強化。しかし、思わぬ形で辞任を余儀なくされ、作業は後継の知事らに委ねることになった。 一方、三反園氏は原発政策での方向転換に関する説明を避けたままだ。早稲田大法学学術院の首藤重幸教授(原子力行政法)は「原発に不安を抱える有権者の期待を受けて当選したのに、行動が軽すぎる。三反園氏の対応も無責任だ」と強調し、脱原発に向けた住民運動への影響も懸念する。▼厳しい視線 全国の商業原発で先駆けて再稼働した川内1、2号機は運転開始から30年以上が経過し、九電から運転延長の申請があった場合に容認するかどうかの判断が控える。周辺自治体に慎重な意見もある中、三反園氏は「国が原則40年としている」と繰り返すだけで、こうした声をすくい上げるような姿勢は見せていない。 脱原発で政策協定を結び知事選出馬を見送った平良行雄氏は「三反園知事の誕生は全国的にも大きな衝撃を与え、地方から脱原発に向けた流れをつくれるはずだった」と憤りを隠さない。知事1期目の任期折り返しを迎える中、「最後まで公約を貫いてほしい」と厳しい視線を送っている。

玄海4号機プルサーマル 必要性理解 玄海町長選初当選 脇山伸太郎氏に聞く 「正式な話なく、容認でもない」 佐賀新聞 2018年07月31日

玄海4号機プルサーマル 必要性理解 玄海町長選初当選 脇山伸太郎氏に聞く 「正式な話なく、容認でもない」 佐賀新聞 2018年07月31日  2018年7月29日投開票された東松浦郡玄海町長選で、現職から後継に推されて初当選した前町議の脇山伸太郎氏(61)が30日会見し、核燃料サイクルの観点から、玄海原発3号機で実施しているプルサーマル発電を4号機にも導入する必要性に理解を示した。ただ、現時点で九州電力から打診があったわけではなく、容認している訳でもないとも述べた。唐津市が目指す原発再稼働の同意権を広げる協議会設立については態度を留保した。(藤本拓希) ■当選から一夜明けた。心境は。 議員経験はあるが、端から見ていた町長と、実際に町長になることとは全く違う。不安もあるが、岸本町政を引き継ぎながら、私なりのカラーを出していきたい。選挙でも感じたことだが、北部と南部の旧村のしがらみをなくしていきたい。 ■選挙戦では争点にならなかったが、九州電力玄海原発とどう向き合っていくか。 福島第1原発事故では、(電気を供給している)配電区域の外に原発を持つ東京電力のおごり、慢心を感じた。九州電力には玄海町に地元意識を持ってほしい。福岡県に原発があるような意識で運営してもらいたい。 ■玄海3、4号機が再稼働した一方で、使用済み核燃料の保管量には余裕がなく、行き場がない。 (使用済み核燃料を再処理、活用する核燃料サイクルの要となる)高速増殖炉「もんじゅ」が頓挫し、青森県の再処理工場も動いていない。余剰プルトニウムも増え続けている。玄海4号機へのプルサーマル発電導入の話がくるのではという予測がある。必要であれば考えていかなければいけない。3号機でも実績があり、大丈夫ではと思う。ただ正式な話があったわけではなく、導入拡大を容認しているわけでもない。 1号機は廃炉になり、安心した。2号機は出力が3、4号機の約半分で、新規制基準に沿った安全対策費用のことを考えると、運転を延長して本当に採算が合うのか。九電が考えることだが、難しい気がする。 ■唐津市の峰達郎市長は原発再稼働などの同意権を巡り、立地自治体以外への拡大を検討する協議会の設立を新町長に打診する考えを示している。 自分の考えはあるが、県や九電と結んだ安全協定との関係もあり、今はコメントしない。ただ(同意権を拡大した)茨城方式を取ると、再稼働へのハードルは上がるとは思う。 ■人口減や若者の流出が止まらない。まず何に取り組むか。 町内には働く場所がなく、これから結婚、子育てをしようとする世代にとっては魅力ある町ではないかもしれない。年度途中であり、公約に掲げた政策推進室の新設は来年度になるだろう。まず雇用をつくり、町内に住んで働いていける環境をつくっていく。  原発、争点ならず町長選回顧 3期12年の岸本英雄町政の継承か、変革かが問われた東松浦郡玄海町長選は、現職後継の脇山伸太郎氏(61)が、変革を訴えた中山敏夫氏(63)を破った。玄海原発3、4号機が6月までに再稼働し、共に原発容認の立場だったこともあって、今回も原発は争点とならなかった。 初当選した脇山氏は17年近い町議時代の活動をアピール、定例議会での一般質問を欠かさず、地道な地域活動が評価された。現職の岸本英雄町長(65)をはじめ、新旧の町議会議長ら現町政を支える人たちの後押しを得たほか、元町議などの組織も生かして「継承」への支持を広げた。 2人の差は638票。4年前、岸本氏に330票差まで迫った中山氏だったが、後継の脇山氏に差を広げられた。前回は、小中学校の統合で学校がなくなる町北部の不満や、岸本町政の長期化への批判も追い風に票を積み上げた。今回は新人同士となり、町を二分するような争点もなく、両候補ともソフト事業を中心に訴えていて違いが見えにくかったのも影響した。 住民サービス拡充を競い合った格好だったが、原発頼みで細る歳入にどう対応するかは見えなかった。使用済み核燃料の行方や2号機の存廃といった課題もある。新町長は選挙戦で語られなかった論点への考えを示し、議会もただしていく姿勢が求められる。(藤本拓希)

10月例会のお知らせ 10月28日(日) 13:30~16:30(+30分) 浦和コミュニティーセンター 南ラウンジAB(PARCO 9階)

[ 2018年10月28日; 1:30 PM to 4:30 PM. ] 10月例会のお知らせです。 ※ 偶数月に埼玉県さいたま市で開催しています。 日 時 10月28日(日) 13:30〜16:30(17:00まで延長の可能性あり)場 所 浦和コミュニティセンター 南ラウンジAB(浦和パルコ9階)参加費 会員の方300円    一般参加の方600円    高校生以下は無料 <テーマ> 1. 九州4機、関西3基の原発再稼動 原発動かして太陽光つぶし 報告:川根眞也 2. 小児甲状腺がんについての論文 福島で小児甲状腺がんは増えないは本当か? <休憩> 14:50~15:05 3.内部被ばくに関する最新情報     ・核融合科学研究所10月23日よりトリチウム核融合実験 2019年2月21日まで     ・厚生労働省の食品の放射能汚染検査の実態 0.1ベクレル/kgまで調べなければ意味がない    ・復興庁「放射線のホント」のうそ   報告:川根眞也    15:05~16:10  4.会員のみなさんからの意見交流会 ※ この部分はツィキャスしません。 ※ 懇親会もあります。お時間のある方はどうぞ。 ※ 諸事情によりプログラムが変更になる場合があります。 ※ 当日はツイキャス中継もしますので、会場に来れない方は是非、視聴参加ください。 http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/ こちらでは、生中継の他、過去の動画を見ることも出来ます。 聞き逃した情報などもチェックしてみてください。 それでは、沢山のご参加をお待ちしています。   【お問い合わせ】entry.naibu@gmail.com 内部被ばくを考える市民研究会事務局 内部被ばくを考える市民研究会

内部被ばくを考える市民研究会・岐阜準備会 IT研修会 関市学習情報館3階 パソコン研修室 2018年10月24日(水)・25日(木)9時~12時 随時

[ 2018年10月24日; 9:00 AM to 12:00 PM. 2018年10月25日; 9:00 AM to 12:00 PM. ] 内部被ばくを考える市民研究会・岐阜準備会 IT研修会 日時 2018年10月24日(水)・25日(木) 9時~12時 場所 岐阜県関市学習情報館3階 パソコン研修室  目的 内部被ばくに関するインターネットでの情報収集の方法と整理について    サイト検索・情報の判断・Excel活用方法 参加費 無料 ご案内 ご都合のつく時間で結構です。ご参加お待ちしています。    内部被ばくを考える市民研究会・岐阜の立ち上げの相談など 連絡先 内部被ばくを考える市民研究会 事務局にメールを E-mail  entry.naibu@gmail.com まで     または 川根眞也の携帯にご連絡ください。

「若年者甲状腺癌の臨床的検討」 武市宜雄 1997年

 広島の武市宣雄医師他が日本臨床外科医学会雑誌(1997年)に「若年者甲状腺癌の臨床的検討」という論文を書いています。 若年者甲状腺癌の臨床的検討 杉田圭三 武市宣雄他 日臨外医会誌 58(3)1997  この論文によれば、広島大学第2外科では、1973年から1995年の過去23年間に10例の若年甲状腺癌を経験した、とあります。その10例とは ※ 23年間で若年者甲状腺がんの症例10例  川根が論文から整理、注釈をつけた。 1973年-1977年(4年間) 2例1977年-1981年(4年間) 2例1982年-1986年(4年間) 0例 チェルノブイリ原発事故(1986年)までの4年間1987年-1991年(4年間) 5例 チェルノブイリ原発事故から1年後~5年後の4年間1992年-1995年(3年間)               不明1例  「甲状腺がんの発生要因として、頸部へのX線照射が問題とされ、20歳未満の甲状腺がん患者の20%にX線照射の既往があったとの報告も見られる。  Frankenthaler RA, Sellin RV, Cangir A, et al: Lymph node metastasis from papillary follicular thyroid carcinoma in young patients. Am J Surg 160: 341-343, 1990  「当科の症例では、全例、両親の被ばく、X線照射と無関係であった」、とあります。 また、 「小児甲状腺がんの特徴として、(1)男児の比率が成人に比べ高い。男女比は1:1.5~2.6と報告されている。(2)初診時、頸部リンパ節転移、肺転移を起こしている症例が多い。(3)進行度の割に予後良好であることが多い。(4)肺転移に対してヨウ素131治療の有効例が多い。などが報告されている。 症例1は気管、反回神経に湿潤し、多発性肺転移を起こした進行がんであり、これらの特徴を備えている。  小児甲状腺がんの場合、発症機転として結核、気管支喘息様の症状で見つかることがあり、注意が必要とされる。」 と書かれています。  また、奈良県立医科大学耳鼻咽喉科の清水直樹医師は、日本小児耳鼻咽喉科学会の会誌(2008年)に「当科における小児甲状腺癌の検討」という論文を書いています。 当科における小児甲状腺癌の検討 清水直樹 他 奈良県立医科大学耳鼻咽喉科 2008  この中で、「奈良県立医科大学耳鼻咽喉科では1990年から2006年の過去17年間に7例の小児甲状腺がんを経験した。」「性別は男性3例、女性4例で、年齢は8~16歳、平均年齢は11.6歳であった。病理組織型は、乳頭がん6例、濾胞がん1例と、成人同様乳頭がんが多く認められた。」と述べています。また、「頸部リンパ節転移は全例に認められ、T4の3症例(8歳の女の子、8歳の男の子、12歳の男の子)はすべて肺転移を認めた。」とも書かれています。「小児・若年性甲状腺がんの特徴としては、死亡率は低いが、再発が多いことがあげられる(野口志郎:小児甲状腺癌の特徴.内分泌外科,17:247-250,2000)。症例1(8歳の女の子)は術後3年目に肺転移、症例4(12歳の女の子)は術後2年後にリンパ節再発を認めている。これらの結果からは、局所再発や遠隔転移に対する対策が治療上重要であると考えられる。」とも。 表1 小児甲状腺がん症例症例 年齢 性 触診所見 病理診断 病床病期  経過年数   その他   診断年月1     8  女 びまん性 濾胞がん T4N1bM1 15年10カ月  肺転移  1991.5チェ事故5年1カ月2     8  男 びまん性 乳頭がん T4N1bM1  1年 9カ月   肺転移  2005.6チェ事故9年2カ月3    12  男 びまん性 乳頭がん T4N1bM1   転院   肺転移   不明4    12  女 結節性  乳頭がん T3N1bM0  6年 5カ月  リンパ節再発                                      1990.1チェ事故4年6カ月 5    12  女 結節性  乳頭がん T1N1bM0  1年 8カ月          2005 . 7チェ事故 9年3カ月 6    13  男 結節性  乳頭がん T3N1bM0 10年 9カ月           1996 . 6チェ事故10年2カ月7    16  女 結節性  乳頭がん T2N1bM0 16年 5カ月         1990.10チェ事故4年6カ月 ※ 診断年月は川根が経過年数から計算した。この論文の発表年が2008年。経過年数は2007年3月までと判断して、診断年月を計算した。<凡例> 症例1  2007年3月-15年10カ月=1991年5月 チェルノブイリ事故から5年1カ月経過  まとめると、以下のようになります(川根)。 1990ー1993年の4年間 診断症例 3例(チェルノブイリ原発事故から4年~7年後) 1994ー1997年の4年間 診断症例 1例(チェルノブイリ原発事故から8年~11年後) 1998ー2001年の4年間 診断症例 0例(チェルノブイリ原発事故から12年~15年後) 2002ー2006年の5年間 診断症例 2例(チェルノブイリ原発事故から16年~21年後) 不明 1例 ※ チェルノブイリ事故当時の年齢 3歳、3歳、3歳、7歳、11歳、産まれていない、不明。  国立がん情報センターの統計から小児甲状腺がん(0-19歳)の罹患について抜き出し、年ごとの罹患者数、および10万人あたりの罹患率を川根が整理しました。Excelデータです。 甲状腺がん 全国がん罹患数・率 推定値1975 2011年 国立がん研究センターがん情報サービス

東電福島第一原発事故で放出された、ヨウ素131とセシウム137の沈着量シュミレーション 日本原子力研究開発機構が作成した動画 2011年9月6日付け

東電福島第一原発事故で放出された、ヨウ素131とセシウム137の沈着量シュミレーション 日本原子力研究開発機構 2011年9月6日付け 2011年3月12日から4月30まで積算沈着量の動画 4. Report to the Japan Atomic Energy Commission, etc. (2011.9.6, etc.): Analysis on dispersion and surface deposition of I-131 and Cs-137 over Eastern Japan by WSPEEDI WSPEEDI analysis on dispersion and surface deposition of I-131 and Cs-137 over Eastern Japan until the end of April was carried out, and the results were provided to the Ministry [...]

国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護モデルを信用したら、殺されます。ICRP pub111より

[初稿]    2018年10月1日 [改訂第1稿] 2019年2月24日 大石又七さんが放射線医学総合研究所で、「白い影が」と言われたのは、2000年の検査ではなく1992年の検査でした。また、肺ではなく、胃の白い影を指摘されていました。お詫びして訂正いたします。    国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護モデルを信用したら、殺されます。  日本政府、福島県、各自治体の放射線防護モデルは出所はすべて放射線医学総合研究所(千葉県千葉市)。そして、この放射線医学総合研究所(NIRS)は悪名高きABCC(米軍合同委員会。注:日米合同委員会は誤訳。)と放射線影響研究所(RERF)の流れを組む、被ばくの調査はするけれども、治療せず、の機関。簡単に言えば、日本の原発労働者の被ばくと健康被害のデータを収集し、アメリカの渡すための機関です。 大石又七『ビキニ事件の真実』みすず書房 2003年7月24日 2600円 より (ビキニ事件被災で東大病院、国立東京第一病院に入院)退院後から、放医研は国の予算で俺たち(第五福竜丸乗組員)の被ばく記録を取りつづけた。だが発病しても治療しない。入院直後は(放医研は)みんな俺たちの味方で、親身になって治療に取り組み、加害国アメリカに対しても厳しく対応してくれていたのに。放医研がこれまでに出した論文や年報の中には俺たち第五福竜丸乗組員の検査結果が報告されている。しかし、個人個人には何も教えてくれなかった。この記録を見ると、放医研は早い時期から俺たち(第五福竜丸乗組員)の肝機能障害を把握していた。また年報には書かれていないが、血液検査で染色体に異常があったことも分かっていた。染色体に異常があれば奇形児が生まれる。だが、放医研の(年報等を見ると)それらのことも基本的に被ばくと関係ないと決めつけているように見える。 亡くなった(第五福竜丸乗組員の)仲間たち 久保山愛吉 40歳 肝機能障害(急性放射能症) 1954年9月23日死亡 水爆実験遭遇から約7ヵ月後 川島正義  40歳  肝硬変 肝機能障害     1975年死亡          同    21年後 増田三次郎 54歳 肝臓がん(原発性) 肺血栓等1979年死亡          同    25年後 鈴木鎮三  50歳 肝硬変 交通事故      1982年死亡           同    28年後 増田祐一  50歳  肝硬変(脳出血)      1985年死亡            同    31年後 山本忠司  59歳 肝臓がん(多発性)肺がん・結腸がん 1987年死亡       同    33年後 鈴木隆   59歳 肝臓がん(原発性)     1989年死亡            同    35年後 高木兼重  66歳 肝臓がん(原発性)     1989年死亡            同    35年後 久保山志郎 65歳 肝臓がん(原発性)     1996年死亡            同    43年後 服部竹冶  66歳 肝臓がん(心不全)     1997年死亡            同    53年後 安藤三郎  71歳 肝臓がん(原発性)     1997年死亡            同    53年後                 大石又七『ビキニ事件の真実』pp.103~104 一部抜粋 (編集者注)この後も、2人の乗組員の方が亡くなられています。 平井勇   71歳 肝臓がん(原発性)   2003年死亡            同   59年後    見崎吉男  90歳 肺炎          2016年死亡           同   62年後  大石又七さんも、他の乗組員も、毎年1回、放医研の定期健康診断を受けていました。全身の健康診断をしていました。1992年に、大石又七さんが放医研の健康診断を受けたとき、医者の顔に暗い影がさっと走ります。大石さん「先生、どうしたのですか?」と。医師「いや、少し胃に白い影が」。心配になった大石さん、他の病院へ行って、胃の精密検査を受けます。しかし、胃は何とも異常はない。そこで、全身をくまなく調べてもらうと、見つかったのが肝臓がん。放医研が1992年までの検査で肝臓がんを見逃すわけがない。つまり、放医研は、第5福竜丸の乗組員のからだを毎年調べ、どんながんになって、どのように死んでいくのかを調べていたのです。  これが放医研の実態です。放医研の「放射線被ばくの早見表」など飛行機やCTスキャン1回分などと比べて、これくらいの放射能は安全、などと信じていたら、放射能に殺されます。国立がん研究センターも同じ系列の調査・研究をやっているので、その伝えようとしている内容を吟味することが必要です。こと放射線に関してはうそが多い機関です。(編集者:川根眞也)  この放射線医学総合研究所(NIRS)は、国際放射線防護委員会(ICRP)の下部組織のような機関であり、日本独自の放射線防護理論など研究していません。すべて、国際放射線防護委員会(ICRP)の理論に支配されています。その国際放射線防護委員会(ICRP)がpub111という文書に中で、「毎日1ベクレル食べ続けると」「毎日10ベクレル食べ続けると」という、チェルノブイリの住民の被ばく検査に基づく、実例から内部被ばくのグラフを作成しています。これは一面の真実を現しています。その解説文とともに紹介します。 【出典】ICRP Publication111 原子力事故または放射線緊急事後後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用 2008年10月 日本語版 pp.7~8 (17) 汚染された食品の経口摂取による被ばくは,地域で生産される食品の食習慣における相対的な重要性に応じて,慢性摂取または一回摂取のいずれからも生じる可能性がある。一例として,図2.2 に,1000 Bq の137Cs を一度に摂取した場合(一回摂取)と,毎日1 Bq または10 Bq の137Cs をそれぞれ1000 日間摂取した場合(慢性摂取)の全身放射能の変化を示す。同じ総摂取量に対して期間末期における全身放射能は著しく異なる。これは,汚染された食品を日常的に毎日経口摂取する場合と,断続的に一回摂取する場合との負荷が本質的に異なることを示している。実際には,汚染地域に居住する人々の場合,全身放射能は食品の出所と食習慣に依存する日常的摂取と一回摂取の組合せによってもたらされる。(18) チェルノブイリ事故から20 年後,チェルノブイリ周辺の汚染地域における成人の137Cs の典型的な平均日常摂取量は10~20 Bq の範囲である。また,付加的なより高い一回摂取は,例えば野生のキノコやベリー類の経口摂取による数百Bq の範囲が一般的である。これによる年間実効線量は0.1 mSv 程度である。しかしながら,情報をほとんど得ていない一部の者や非常に特殊な食習慣を持つ者は100 Bq から数百Bq の範囲の日常摂取量を示す場合がある。これは1 mSv から数mSv の範囲の年間実効線量に相当する。 (編集者注)よく、安斎育郎氏、野口邦和氏などの放射線防護学の学者が、「自然にもカリウム40などの自然放射線があるのだから、自然放射線の範囲内なら多少のセシウム137を食べても大丈夫」と言います。これはデマです。どんなにカリウムを入った食品を食べ過ぎても、人間のからだはカリウムを代謝する経路が7つあり、食べた分だけカリウムを排出します。結果として、天然のカリウムの中に0.0117%存在するカリウム40も一定程度以上に蓄積することはなく、排出されます。よく体重60kgの日本人の大人のからだには4000ベクレルのカリウム40が存在する、と言われますが、この4000ベクレルよりも増えて内部被ばくすることはないのです。  しかし、セシウム137は人間のからだの各臓器に濃縮・蓄積し、溜まっていきます。上記の国際放射線防護委員会(ICRP)のグラフのように、セシウム137を1日1ベクレル摂取すると2年後(約700日)には140ベクレルに、セシウム137を1日1ベクレル摂取すると2年後(約700日)には1400ベクレルになります。これは体重35kgの子どもであれば、体重1kgあたり40ベクレル/kgに相当し、心筋梗塞を起こしかねない、危険な蓄積量です。しかし、体重35kgの子どもでセシウム137が1400ベクレル内部被ばくしていても、国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護モデルに従えば、0.1ミリシーベルト程度しか被ばくしていないことになるのです。つまり、国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護モデルに従えば、1日10ベクレル程度食べても安全になるのです。  国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護モデルを信じて、「これくらいの放射能は安全」と食べていれば、それは死の危険です。

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