2013年1月
ヨウ素131のよって各都道府県はどれくらい汚染されたか?
2013年01月30日内部被ばくと健康被害 福島第一原発事故での放射能汚染地図 資料
独立行政法人国立環境研究所 地域環境研究センター大原利眞氏、森野悠氏が、2011年8月25日『東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気中での挙動に関するシミュレーションの結果について』を公表しています。Geophysical Research Letters(アメリカ地球物理学連合発行)誌の学会員向け電子版に2011年8月11日付けで掲載されています。 『東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気中での挙動に関するシミュレーションの結果について』 ここでは、乾性沈着(Dry)および湿性沈着(Wet)によって各都道府県がどれくらい放射能汚染されているかのシュミレーションが掲載されています。しかし、このデータは各都道府県の総面積あたりのデータであり、1m2あたりの汚染度ではありません。各都道府県がどのような危険度にあったのか、判断するために川根が1m2あたりのヨウ素131の沈着量として計算しなおしました。 乾性沈着:大気中のガスや粒子が、拡散や重力、化学的な力などによって地面や海面に降下すること。湿性沈着:ガスや粒子が雨や雪に取りこまれて地面や海面に降下すること。 ヨウ素131の拡散シュミレーション (ヨウ素131の地表近くの拡散シュミレーション 2011年3月12日~23日)。国立環境研究所作成) 資料のpdfです。ご自由にお使い下さい。 ヨウ素131によって各都道府県はどれくらい汚染されたか 20130202
チェルノブイリ原発事故に伴う放射性物質汚染区域の地域区分 ベラルーシおよびロシア
2013年01月20日チェルノブイリ事故で何が起きたのか? 内部被ばくと健康被害 資料
チェルノブイリ原発事故に伴う放射性物質汚染区域の地域区分 ベラルーシおよびロシア ベラルーシおよびロシアでは、セシウム137、ストロンチウム90、プルトニウム238、239、240による土地汚染(ベクレル/㎡)の度合いで、緊急移住地域、移住地域、移住の権利を有する地域、放射線定期管理居住地域など(ベラルーシの名称)を規定しています。 日本では2013年1月の時点で、未だにセシウム137による土地汚染しか発表されていません。 セシウム137だけではなく、ストロンチウム90、プルトニウム238、239、240による土地汚染マップを作成、公表するべきです。データは取っているはずです。 ロシアやベラルーシでは、住民の年間平均有効被曝線量が5ミリシーベルトを越える場所では住民避難が行われています。これは外部被ばくだけではなく、内部被ばくも合わせた数値です。日本政府は年間外部被ばくが20ミリシーベルト以下になったら住民を帰還させるという政策を取っています。あまりにも人権無視の政策です。 日本政府は、内部被ばく無視の、外部被ばくのみの推定された数値で議論するのは間違いです。空間線量が0.23マイクロシーベルト/時の場所が年間被ばく1ミリシーベルトに相当するなどといううそは止めるべきです。 外部被ばくと内部被ばくと合わせた、住民の年間平均有効被曝線量が1ミリシーベルトを越える地域からの、住民避難を行う法律を制定すべきです。 セシウム137だけではなく、ストロンチウム90、プルトニウム238、239、240による土地汚染マップを作成、公表し、いずれかの基準を越えた場合の住民の移住を行うべきです。
福島原発から放出されたセシウム137の日本全国への沈着量及び土壌中濃度の見積もり 安成哲平 20111114
2013年01月16日内部被ばくと健康被害 福島第一原発事故での放射能汚染地図 資料
福島原発から放出されたセシウム137の日本全国への沈着量及び土壌中濃度の見積もり 安成哲平 2011年11月14日公表
福島県の水産物の緊急時モニタリング検査結果について 2011年3月30日から2012年12月21日まで
2013年01月04日内部被ばくと健康被害 資料
福島県の水産物の緊急時モニタリング検査結果について 2011年3月30日から2012年12月21日までのデータを分類別(1海産物 2イカ・タコ 3エビ・カニ 4貝類 5ウニ・ナマコ 6河川・湖沼 7内水面養殖 8海藻)および魚種別、市町村別および採取地、採取日の古いものから新しいものに並べてpdfにしました。 どんなものがどれくらい放射能汚染されているか、その傾向がこの1年9カ月でどれくらい下がってきているのか、または下がっていないのか、知ることができます。 ドイツ放射線防護協会は安全のため、子どもはセシウム137が4ベクレル/kg以上は食べさせるな、大人も8ベクレル/kg以上は食べるな、と提言しています。 福島県の水産物の緊急時モニタリング検査結果について 20110330 20121221 日本における放射線リスク最小化のための提言 ドイツ放射線防護協会 20110320
かつての日本各地の自然放射線はどのくらいだったのか?
2013年01月03日内部被ばくと健康被害 資料
科学技術庁(現 文部科学省)が放射線量計「はかるくん」を貸し出して、全国の自然放射線量を測定していました。1990年度から1998年度までの9年間の平均が以下です。これはかつての自然放射線量率を表しています。
岩手の圃場・牧草地除染後 6.5%が基準値超える 河北新報 2012年9月19日
2013年01月02日内部被ばくと健康被害 資料
岩手の圃場・牧草地除染後 6.5%が基準値超える 福島第1原発事故で汚染された牧草地をめぐり、岩手県は2012年9月18日、除染後に収穫した牧草が国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回った圃場が6.5%あったと発表した。同様のケースは宮城で8.9%、福島でも11.5%あったという。 岩手県畜産課のまとめによると、今春に除染作業を終え、2012年7月下旬~今月初旬に新たに収穫した県内の圃場682カ所158.8ヘクタールのうち、44カ所9.2ヘクタールで国の基準値を上回った。除染をしても放射線量が下がらなかった圃場も6カ所あった。農家が自ら除染したケースが多かったという。 同課は汚染された牧草が完全に枯死していなかったり、土の掘り起こしが足りなかったりしたのが原因とみている。2012年12月に策定予定のマニュアルに基づき、原則として来年度、2回目の除染をするという。[2012年09月19日水曜日 河北新報] ※ 以下編集者のコメントです。 まとめます。牧草 放射性セシウム 100ベクレル/kg以上が出た面積は 福島県 11.5% 宮城県 8.9% 岩手県 6.5% つまり、これらの地域で放牧している牛であれば、その牛乳から1~数ベクレル/Lの放射性セシウムは出る可能性があるということです。この地域での放牧は禁止されていますが、牧草が100ベクレル/kgを下回っているところでは、放牧がOKということです。東北・関東圏の牛乳からは1ベクレル/Lまではいかなくとも、0.2~0.8ベクレル/Lの放射性セシウムは現在でも出る可能性がある、ということです。 日本乳業協会は自主検査をしていますが、検出限界が10ベクレル/kgです。これでは放射能汚染の本当の実態を知ることはできません。ゲルマニウム半導体検出器をつかい、0.1ベクレル/kgのレベルまで検査すべきです。 乳業協会 牛乳放射性物質検査・公表に関するQ&A 20120229 ここに日本乳業協会の資料があります。 ちなみに埼玉県産の牛乳では、2012年に入ってからの最高値は放射性セシウム合計 1.7ベクレル/kgです。(川越のクーラーステーション 2012年1月26日)埼玉県で検出されただけでも、0.5ベクレル/kg(3月16日)、1.11ベクレル/kg(6月21日)、1.2ベクレル/kg(10月4日)、0.6ベクレル/kg(11月1日)出ています。 埼玉県の牛乳はどれくらい放射能汚染されているか?2012年データ
福島老朽原発を考える会 子どもたちの尿検査から見えてきたもの 20120818
2013年01月02日内部被ばくと健康被害 資料
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)が、子どもたちの尿検査から見えてきたもの、フランス放射能測定NGO“ACRO”理事長D.Boilley氏を迎えて という集会を2012年8月18日に開きました。 その時のスライドを青木一政氏からいただきました。紹介します。 まず、核戦争防止国際医師会議ドイツ支部「チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害: 科学的データは何を示している 」(合同出版 2012年3月30日)の中で紹介されていた、アンゲリーナ・ニャーグ博士(チェルノブイリ医師協会代表)のデータを青木氏がグラフ化したものです。(スライド3) チェルノブイリ原発事故で被ばくした北ウクライナ住民にあらわれた疾患です。原発事故から5年後にはガンではない、あらゆる疾患が爆発的に増加しています。このグラフは10万人あたりの疾患率ですから、このグラフで1万人を超えるということは10人に1人その病気にかかるということです。福島県、宮城県南部だけでなく、東北・関東・東海のホット・スポットと言われるところでも、このような疾患が爆発的に増加するのではないでしょうか? また、尿から検出された放射性セシウムの濃度が、内部被ばくの実態をよく現していると考えられます。国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護モデルでは、外部被ばくと内部被ばくの影響は1対1と、内部被ばくの影響を軽視しています。そのため、尿から数ベクレル/kg検出されても「健康に影響はない」ことになってしまいます。 しかし、バイオアッセイ研究センターの福島昭治氏の「チェルノブイリ膀胱炎」の研究では、ウクライナ共和国の高放射能汚染地帯に住む住民では97%が上皮異形成(がん化する一歩手前の状態)、64%が上皮内がんにかかっています。この住民の尿から検出されたセシウム137の濃度の平均は6.47ベクレル/Lだったというのです。 また、中程度の放射能汚染地帯では83%が上皮異形成(がん化する一歩手前の状態)、59%が上皮内がんにかかっています。この住民の尿から検出されたセシウム137の濃度の平均は1.23ベクレル/L(スライド4) つまり、尿から放射性セシウムが1ベクレル/Lも検出される状態は、膀胱がんを引き越しかねないほど危険なレベルまで内部被ばくしている可能性がある、ということです。 そして、福島老朽原発を考える会が、フランスのNGO団体アクロ(ACRO)と協力して、行った福島県、宮城県、岩手県、などの子どもたちの尿検査結果がスライド5~8です。 スライド5は、福島市の子どもたち10名の尿検査を2011年5月19日~21日の採取して計測したものと、その2か月後7月23日~25日に採取して計測したものです。9名の子どもは2カ月後には尿中の放射性セシウムの濃度は減少していますが、1名の子どもだけは微増しています。 9名の子どもは1回目の計測(5月下旬)の後、福島県外に避難したのですが、微増だった1名の子どもは福島市に住み続けていました。 スライド6は岩手県のホット・スポットである、一関市の4歳の女の子の尿検査の結果です。1回目は2011年9月に測定し、尿から放射性セシウムが4.6ベクレル/Lも出ていました。祖母の畑でとれた野菜、しいたけ、山菜を食べていたそうです。家にあった干ししいたけを測定したところ、1810ベクレル/kgでした。その後、野菜を西日本産、北海道に切り替えたところ、3ヶ月後に尿中の放射性セシウムは1.0ベクレル/L以下になりました。その更に2か月半後の測定では0.2以下になっていました。 スライド7は福島市の17歳の運動部に所属している男子です。放課後2時間外で練習、土日も練習か試合。2011年7月末の検査で放射性セシウムが3.47ベクレル/Lでした。検査前までは食材の産地も気にしないで食べていましたが、検査結果がわかってからは食材の産地を選び、ミネラルウォーターを飲むようにしました。しかし、尿中の放射性セシウムの減少の割合は半減期150日程度でした。これは17歳の子どもにしては減少の割合が少な過ぎます。放射性セシウムの生物学的半減期は 1歳まで 9日 9歳まで 38日 30歳まで 70日 50歳まで 90日 です。17歳の男子なら少なくとも38日前後であるはずです。これは、追加的な内部被ばくがあるためではないでしょうか?それが屋外で放課後2時間の部活動、土日の練習や試合による呼吸器による土ぼこりを吸うことによる、内部被ばくではないでしょうか? スライド8は23歳男性の例です。1回目約1.7ベクレル/L、2回目約1.6ベクレル/Lとほとんど減りませんでした。しかし、3回目の計測では検出限界0.38ベクレル/L未満になっています。この方はこの間、特に生活の中で自分から変えたことは何もなかったと言います。しかし、積雪のため1月~2月はソフトボールの練習がなかったこと、3月~4月は花粉症のためにマスクを着用していたそうです。つまり、呼吸器で土ぼこりを吸うことによる内部被ばくがこの方の主な原因であり、それをやめること、屋外での運動をやめ、屋外ではマスクを着用することで、内部被ばくしていた放射性セシウムが追加で蓄積することなく排出された可能性があります。 福島老朽原発を考える会 子どもたちの尿検査から見えてきたもの 20120818
1月12日「未来の子ども達が元気でいるために」お話し会のお知らせ
2012年12月24日講演会
[ 2013年1月12日; 6:30 PM to 9:00 PM. ] 「未来の子ども達が元気でいるために」…お話し会のお知らせです。 2013年1月12日(土)場所…浦和コミュニティーセンター第15集会室(JR浦和駅東口パルコ9階)時間…開場18:15 開演18:30~21:00会費…1000円(収益は全てベラルーシプロジェクトへ寄付致します) 今、日本で、世界初の出来事(原発事故)が起こっています。しかも、現在進行形です。東京近郊の子ども達が血液検査をすると、3人に2人に、白血球異常値が出ています。この事態をどう受けとめるか!?原発事故健康被害の経験があるベラルーシに学ぼう!ということで、「チェルノブイリへのかけはし」代表・野呂美加さんの呼びかけのもと3月前後に、野呂さんと共に、川根眞也先生がベラルーシへ向かいます。 今回は、出発を前に、関東の現状や、今後のことをみなさんに知って頂きたく、企画致しました。 「未来の子ども達が元気でいるために」 ★藤井努さん(市民測定所さいたまラボ代表・薬剤師)のお話し 藤井さんは、日々市民の方々の依頼にて、食べもの、土壌などを測定されています。 が、薬剤師でもある藤井さん、子どもの血液データに?を持ち、測定に来る方々に声掛けし、データを集めています。 今回は、そのデータを元に、薬剤師の目から現状、分析をお話しして頂きます。 ★水谷明子さん(鍼灸師)のお話し 事故前から安全に気をつけられていた水谷さん、女性の疾患を得意分野とする都内で診療されている鍼灸師さん。 現在、市民と科学者の内部被曝問題研究会(名誉会長 肥田舜太郎氏)の医療部会にも参加されています。今回は、その沢山の医療従事者仲間の生の声を聞き感じること、 そして、ご自身診療をされて感じる現状をお話しして頂きます。 ★川根眞也さん(内部被ばくを考える市民研究会代表・さいたま市公立中学校理科教諭)のお話し この方ほど勉強好きな方はいない!?理科の先生。日々、生徒を守りつつ、情報を取り分析し続け、発信している先生。 今回は、子ども達の血液データの現状を受け、何故、ベラルーシへ行く必要があるのか!?行って何をするのか!? 帰国したらば…!を語ります。 貴重なお話し会となると思います。皆様、是非足をお運び下さいませ。 ※当日参加も可能です。 申し込み方法 Web…こちら(メールフォーム) Fax…048-861-7611 (お名前・お電話番号・参加人数をお書き下さい) 問合せ先…Mail earth_club4214@ybb.ne.jp Tel 080-5468-6157 新井忍 主催 内部被ばくを考える市民研究会 http://www.radiationexposuresociety.com/