内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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2011年12月

内部被曝 アルファ線によるDNAの切断とその後の異常再結合 矢ヶ﨑克馬氏

内部被爆・放射線によるDNAの異常結合について                    琉球大学名誉教   矢ヶ﨑克馬   ●放射線の作用は「電離」 福島原発事故では原子炉から放出された放射性埃(放射性微粒子)が住民の生活空間に押し寄せ、放射線を発射しています。子どもが内部被曝したというデータも出ていますが、まず放射線がどういうことを体の中に引き起こすかというと、分子を切断するという作用があるのです。一般に「放射線」と呼んでいるものは、専門的に少し突っ込んで言えば「電離放射線」という名前がついています。「電離」とは、原子の中に回っている電子を原子から吹き飛ばすことで、これが分子を切断してしまうのです。分子が切断される相手、例えばDNAが切断された場合は、がんのもとになるDNAの組み換えなどが起こってしまう。そのほか体の組織についても、いろいろな機能をつかさどっている組織の分子を切断するので、体に様々な機能障害などが出てくる。ですから、放射線作用というのは、これが基礎にある以上、健康にとって害はあっても利益は何もない。このことをまずご報告しておきたいと思います。 ●電離は分子切断 分子についてちょっと説明します。分子を作る力は電子が対(ペア)を構成することによります。これによってすごく大きな結合力ができる。電子のペアがわれわれの世界の一番の基礎です。では、放射線が分子に当たればどうなるか。ペアをなしている電子のひとつがはじき飛ばされてしまうので、ペアが破壊される、つまり分子が切断されてしまうのです。 ●DNAの切断はきわめて有害  例えばDNAが1 本破壊された場合を考えてみましょう。DNAというのは巨大な分子がまったく同じ構造のものが2つ重なっている。2つあることによって細胞分裂などする時に確実に同じ遺伝子をコピーできるという構造になっているのです。 DNAが1 本だけ切られるような被曝は、主に外部被曝のガンマ線によるものです。それに対して、内部被曝で問題になるアルファ線、ベータ線はどういう切断をするか。2本とも切断してしまうような非常に密度の高い切断を行います。 ガンマ線がやってくるとまばらに分子を切断していきます。この場合、生物学的な修副作用があるので比較的確実に元どおりにできる。ところが、内部被曝の場合に主な被害を与えるアルファ線やベータ線では、ぎしぎしと分子を切断していきます。アルファ線は体の中では紙1 枚の厚さほどしか進みません。なぜそんなに短い距離しか進めないか。1 個1 個分子を切断するのにエネルギーを使うのですぐ止まってしまう。40 マイクロメートルという短い間にウラン235 などはなんと10 万個も分子を切断するのです。こうしてぎしぎしと分子が切断されると、ガンマ線のように平常に結びつくことが非常に確率的に低くなります。間違ってつながってしまう。つながる先を間違えて異常再結合した場合は、遺伝子が変性され、これらが生き残って活動すると大変な状態になります。20 年、30 年経ってからがんが発生すると言われます(晩発性がん)。子どもたちに与える影響というのは、変性されて発がんのもとになるような不安定となったDNAを子どもたちに伝えていくということなのです。遺伝子でなくて一般の細胞分子が切断されたような時には、遺伝的あるいは発がんの効果のほかに、例えば神経線維が失われて戻らなかった場合には機能不全が一杯起こってくる。様々な体調不全が出てくる。原爆ぶらぶら病という体の不調もそこからくるのです。

放射性セシウムを1日10ベクレル摂り続けると700日(約2年)で体内蓄積量は1400ベクレルを超える

   低線量被曝者の会共同代表で「低線量被曝の脅威」(J・マーティン・グールド著 緑風出版 2011年 )の訳者でもある、竹野内真理さんは、週刊金曜日10月14日号に「ベラルーシから フクシマへの警告 放射性セシウム内部被曝の真実」の論文を寄せています。この中で 竹之内さんはセシウム137を1日10ベクレル食物から摂取していくと、700日(ほぼ2年)で体内のセシウム137の濃度が1400ベクレルを超す、というグラフを紹介しています。これは放射線防護委員会(ICRP)が作ったグラフです。 このグラフからわかるように、毎日10ベクレル取り続けていてもアウトです。毎日1ベクレル以下ならなんとかセーフかも?というレベルであることがわかります。 学校給食は0ベクレル/㎏の食材を使うべきです。   そして、ベラルーシの医師スモルニコワ・バレンチナさんは講演で体内に蓄積したセシウム137は子どもの体重1kgあたり20~30ベクレル/kgから医学的対策が必要になり、体重1kgあたり50ベクレル/kgからは危機的状況になると言われています。  これは体重15kgの子どもであれば、20×15=300ベクレルから医学的対策が必要                  50×15=750ベクレルから危機的状況ということ です。                 

上尾・子どもを放射線から守る会 緊急要望書 2011年12月22日提出

 上尾・子どもを放射能から守る会が2011年12月22日上尾市に提出した、緊急要望書です。12月27日に交渉を持ちます。外部被ばくと内部被ばくを合わせて1ミリシーベルト以下にすることや、学校給食を1ベクレル以下にすることを求めた、とてもいい内容です。裏付けとなるデータもしっかり記載されています。ぜひ、参考にしてほしいと思います。 上尾子どもを守る会 緊急要望書2011年12月22日提出 (2)

体内のセシウム137の危険なレベルは? ベラルーシの医師スモルニコワさん

体内のセシウム137の危険なレベルは? (体重1kgあたりのセシウム137の蓄積量) 安全なレベルは?もちろん、0Bq/kg!……だけど不可能。 子ども(14歳まで)    20~30Bq/kg……医学的対策が必要 子ども(14歳まで)    50 Bq/kg  ……危険なレベル 大人           200 Bq/kg  ……医学的な対策が必要 大人           500 Bq/kg  ……危険なレベル ベラルーシの医師スモルニコワ・バレンチナさんの講演より 2011年11月23日   ところが、福島県立医大は内部被ばく1mSvまでは安全として、以下のような計算をしています。なんと、体内にセシウム134が20,000ベクレル、セシウム137が31,000ベクレルあって初めて、内部被ばく1mSvになる、というのです。第3回福島県県民健康管理検討委員会(2011年7月24日開催)の当日配布資料にありました。  この大人で体内に5万1000ベクレルある、ということは、体重50kgの人ならば1020ベクレル/kgの放射性セシウム(体重1kgあたりの放射性セシウム ベクレル/kg)がある、ということです。 これは上記のスモルニコワさんが医学的対策が必要とする、200ベクレル/kgの5倍。医学的対策が必要とされる500ベクレル/kgの実に2倍です。  福島県がホール・ボディー・カウンターで子どもたちの内部被ばく検査をしています。「もう誰も内部被ばく1mSvの子どもはいない」と言っていますが当たり前です。それどころか、0.1mSvでも子どもの小さな体に5,100ベクレルのセシウム134、137がある、ということです。南相馬市の子どもの0.1mSvの子は体重40kgくらいであれば、場合によっては127ベクレル/kgの放射性セシウムを蓄積している場合がある、ということです。これはスモルニコワさんの指摘しているように、極めて危険なレベルです。  福島県の子どもたちの内部被ばくがなかったことにすることはできません。 福島県 ホールボディカウンターによる内部被ばく検査 検査の結果について 2016年2月26日公表  

2月18日(土)肥田舜太郎先生講演会 in 埼玉県志木市 『内部被ばくの真実』

[ 2012年2月18日; 10:00 AM to 12:00 PM. ] 「肥田舜太郎先生講演会 内部被ばくの真実」 日程 2012年2月18日(土)会場 志木市民会館大ホール   (東武東上線志木駅東口下車徒歩14分。または志木駅東口下車すぐ丸井目の前     バス乗り場②③④すべて可。昭和新道下車1分バス170円 )受付 8時45分時間 9時40分~12時会費 500円定員 700名(要申し込み)保育あり(保育代別)    2歳〜小学低学年(お菓子・保険代として100円〜200円頂く予定です。)   1歳半〜お子さまは保育士と相談しますのでご連絡下さい。   保育を預ける保護者の方はなるべく9時15分くらいまでにお越しください。講演    会スタート時間がずれないようにご協力お願い致します。講師 医師 肥田舜太郎     1917年広島生まれ  広島で軍医として勤務中に被爆。    以後66年にわたって、ヒバクシャを治療に携わってきた。    著書に『ヒロシマを生きのびて』『内部被曝の脅威』  スタッフ大募集です!スタッフの方は肥田先生講演後お昼を一緒に囲みます。 講演会のご予約•お問い合わせ は5年後10年後子どもたちが健やかに育つ志木kodomosukoyakashiki@yahoo.co.jp ① 参加者氏名(ふりがな)②参加人数(大人・子供(学年)保育希望の有無)③ご連絡先アドレス④ご連絡先お電話番号⑤お住まいの市区町村⑥事前に肥田先生に質問したい内容 肥田舜太郎さん講演会 2012年2月18日 5年後10年後子どもたちが健やかに育つ志木新

12月18日(日)木下黄太氏 in 埼玉県志木市 『福島第一原発事故後の今』

[ 2011年12月18日; 6:15 PM to 8:15 PM. ] 「木下黄太講演会 in 埼玉県志木市 福島第一原発事故後の今」 日時 12月18日(日)時間 18時15分〜20時15分(質疑応答含む)場所 しきふれあいプラザ(丸井ファミリーフォーシーズン志木8F)   東武東上線志木駅東口徒歩1分(マルイファミリー志木 志木駅改札を出  て右手)   ふれあいプラザ専用の駐車場はありません。丸井地下の駐車場(市営)もしくは          近隣のコインパーキングをご利用下さい。なるべく電車でお越しになることを   お勧め致します。               参加費: 一人500円※託児はご用意できませんが、お子様連れでのご参加もお待ちしております。 講師 木下黄太さん    1976年徳島県生まれ 阪神大震災・オウム事件・東海村JCO臨界事故などを取   材。土壌汚染や健康被害の状況を独自に取材・調査している。 放射能防御プロジ    ェクト。ブログ『福島第一原発事故について考えます』http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/5f08f774cd205399a4bf805206390caf     講演会のご予約•お問い合わせ は kodomosukoyakashiki@yahoo.co.jp08031513189講演会主催者  吉川

福島第一原発から放出されたセシウム137の日本全国への土壌沈着量予想 安成哲平

 全米宇宙研究大学連合 ゴダー地球科学技術研究所 安成哲平研究員、ノルウェー大気研究所 アンドレアス・ストロー氏、東京大学物理学部 早野龍吾教授、ノルウェー大気研究所 カリフォルニア大学シエラ・ネバダ研究所 ジョン・F・ブッカート、ノルウェー大気研究所 サビネ・エッカート、名古屋大学地球水循環研究センター 安成哲三教授のグループが、日本全国へのセシウム137の沈着量の推定した地図を、2011年11月14日公開された、全米科学アカデミー紀要 電子版に発表した。 英語版原文    

放射性セシウムの長期摂取による体内残存量の経時推移 ICRP PUBLICATION111

   北海道札幌市教育委員会は2011年11月28日、学校給食では少しでも放射性物質が検出された食材を使わないことを決定しました。参考:北海道新聞2011年11月29日朝刊  低線量被曝者の会共同代表で、2011年6月25日にペトカウ効果についての本『人間と環境への低レベル放射能の脅威』アーネスト・スターングラス、ラルフ・グロイブ著を翻訳された、竹野内真理さんがICRP(放射線防護委員会)が作ったグラフを訳されています。(下記に掲載)  これを見ると、毎日1ベクレル食べ物や水から摂取していても、2年後(700日)には200ベクレルほどの放射性セシウムが蓄積します。  しかし、毎日10ベクレル食べ物や水が摂取していると、2年後(700日)には体内の放射性セシウムの蓄積量は1400ベクレルを超えます。  体重60kgの大人でも、体重1kgあたり23ベクレル/kg。これは心臓の細胞が侵され、不整脈がでるレベル20~30ベクレル/kgに相当します。(ユーリ・I・バンダジェフスキー著『放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響』参照)  これがもし、体重15㎏の子どもであれば、その体重1kgあたりのベクレル数は93となります。体重1kgあたり50ベクレル/kgを超えると、生命に関係する臓器(脳、心臓、腎臓、肝臓、脾臓、すい臓、など)が病気になり、命の危険がある言われます。このレベルの約2倍の放射性セシウムの蓄積量になります。毎日10ベクレルの摂取は子どもたちにとっては危険すぎます。(上記 同書 参照)  文科省が11月30日にいったん出した、学校給食40ベクレル/kg以下の食材しか使わないようにする、という趣旨の通知の基準は高すぎます。   学校給食の食材は札幌市のように 0 ベクレル/kgであるべきです。

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