2014年12月
福島の原発事故で100ミリシーベルト以上の被ばくをした住民は1003人
2014年12月31日内部被ばくと健康被害 資料
「福島県ではガンは増えない」「108人の子どもたちの甲状腺がんは放射線の影響ではない」と、福島県立医大、放射線医学総合研究所、環境省、文部科学省、東大グループなどが大合唱しています。 原発事故早期帰還と生活再建のために 河田東海夫 20140410 えっ、福島県民の内部被ばくで1ミリシーベルトを超えたのが26人だけ?最大は3ミリシーベルト?目を疑う、河田東海夫(NUMOフェロー)のスライドです。このスライドは、福島への住民帰還を阻害しているのが、「1mSvの呪縛」だとして、「除染で1mSvはただちに達成できない」「1mSvに固執するべきではない」と説いている資料です。 政府事故調は、甲状腺等価線量 100ミリシーベルトに相当する、1万3000cpmをスクリーニング検査で出た福島県住民は901人いた、福島県が放射線医学総合研究所のアドバイスに従い引き上げた10万cpmを超えた福島県住民は102人いた、と政府事故調(中間報告 Ⅴ 福島第一原子力発電所における事故に対し主として発電所外でなされた事故対処)にあります。 以下、全文を紹介します。福島県民、最大3ミリシーベルトはデマです。 前双葉町町長 井戸川克隆氏からもご自身の被ばく体験を伺いました。2011年3月12日、東京第一原発1号機の爆発、井戸川克隆氏はそのがれきをかぶっています。彼は、同日夜、福島県立医大でホール・ボディー・カウンター(WBC)を受け、体内にヨウ素131が31万ベクレルあったことを確認しています。以下は、このヨウ素131の粒子口径が1.0マイクロメートルとしたとき、31万ベクレルは1000ミリシーベルトに相当する、という資料もあります。 『井戸川克隆氏 体内にヨウ素131 31万ベクレル。内部被ばくは1シーベルトか?』 政府事故調(中間報告) Ⅴ 福島第一原子力発電所における事故に対し主として発電所外でなされた事故対処 より pp.304~306 4 被ばくへの対応 (5)住民の被ばくへの対応について b 事故後のスクリーニングレベルの引上げ オフサイトセンターの現地対策本部は、3 月12 日からスクリーニングレベルの設定に係る検討を開始し、現地対策本部は、3 月13 日午前、ERC に対し、40Bq/㎠又は6,000cpmという基準値について意見照会した。ERC は、安全委員会にコメントを要請し、安全委員会は、6,000cpm を1 万cpm80に修正すべきことに加え、1 万cpm を超えた者には安定ヨウ素剤を投与すべきことを記したコメントをERC に送付した。しかし、このコメントは、ERC から現地対策本部には伝わらず、若干の字句の修正を除き、現地対策本部意見のままでよいとするコメントが伝えられることとなった81。 現地対策本部長は、13 日14 時20 分、原災法第15 条第3 項の規定に基づき、福島県、大熊町、双葉町、富岡町、浪江町、楢葉町、広野町、葛尾村、南相馬市、川内村及び田村市の各首長に対し、当面のスクリーニングレベルを40Bq/㎠又は6,000cpm とすることを指示した。福島県は、「福島県緊急被ばく医療活動マニュアル」でスクリーニングレベルとして事前に定められていた値でもあった40Bq/㎠の基準を採用することとし、40Bq/㎠は1万3,000cpmに相当するとして、1 万3,000cpmをスクリーニングレベルとし、スクリーニングを開始した。3 月13 日に緊急被ばく医療派遣チームとして福島県を訪れた放射線医学の専門家ら82は、スクリーニングを担当する福島県地域医療課から、スクリーニング方法に関するアドバイスを求められた。同専門家らは、検討の結果、断水が続いていて除染に必要な水が不足していたこと、夜間の気温は氷点下であり、特に病人等を屋外で除染するのは危険であったこと、少ない職員で迅速に対応する必要があったことなどから、通常の方法でスクリーニング及び全身除染を実施することは困難と判断し、「福島バージョン」のスクリーニング及び全身除染の検討を行い、福島県地域医療課に提言した。その提言の一つとして、スクリーニングレベルを、IAEA の「放射線緊急事態の初期対応者へのマニュアル」が一般住民の体表面汚染に対するスクリーニングレベルとして定めていた1μSv/h(体表面から 80 1 万cpm は、安全委員会が40Bq/㎠相当として安全側に判断して採用している値である。81当委員会は、その原因についても調査したが、このコメントが安全委員会からERC にFAX 送信され、これを安全委員会事務局からERC に派遣されていた職員が受領したことまでは明らかとなったが、その後これを見た者がいないため、解明には至っていない。82福井大学、広島大学及び放医研から派遣を受けた。 10cm 離れた場所での線量率)に相当する8310 万cpmに引き上げるとの提言を行った。福島県は、前記の現地対策本部長の指示があるにもかかわらず、この提言を受け入れ、14 日以降、全身除染のスクリーニングレベルを10 万cpm とすることを決定した。なお、福島県立医科大学では、3 月12 日から、病院を訪れる患者に対して独自にスクリーニングを行っていたが、やはり水の不足等の理由から10万cpmをスクリーニングレベルとする運用を既に行っており、この点も、福島県がスクリーニングレベルを10 万cpm に上げる際に考慮された。 安全委員会は、14 日未明、ERC 医療班からの報告によって、福島県のスクリーニングレベル引上げの意向を知り、検討を行った結果、1 万3,000cpm が全て内部被ばくのヨウ素によるものとすると、安定ヨウ素剤投与の基準値となる等価線量100mSv に相当するとして84、同日4 時30 分、ERC に対し、「スクリーニングの基準値は、10 万cpm に上げず、現行のまま1 万3,000cpm に据え置いた方がよい。」との助言を行ったが、福島県は、なお10 万cpmを基準とする運用を続けた。 その後、安全委員会は、スクリーニング作業を実施している現地の意見を踏まえ、再度検討を行い、19 [...]
1巡目検査「甲状腺異常なし」 福島の子4人がん疑い 2014年12月24日東京朝刊
2014年12月31日内部被ばくと健康被害 資料
1巡目検査「甲状腺異常なし」 福島の子4人がん疑い 2014年12月24日東京新聞朝刊 2面 福島県の全ての子どもを対象に東京電力福島第一原発事故による放射線の影響を調べる甲状腺検査で、事故直後の一巡目の検査では、「異常なし」とされた子ども4人が、4月から始まった二巡目の検査で甲状腺がんの疑いと診断されたことが関係者への取材で分かった。25日に福島市で開かれる県の検討委員会で報告される。 甲状腺がんと診断が確定すれば、原発事故後にがんの増加が確認された初のケースとなる。調査主体の福島県立医大は確定診断を急ぐとともに、放射線の影響かどうか慎重に見極める。 1986年のチェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの甲状腺がんが急増した。このため県立医大は、事故から3年目までの一巡目の結果を、放射線の影響がない現状把握のための基礎データとしてとらえ、二巡目でがんが増えるかなどを比較し、放射線の影響を調べる計画。 検査の対象は一巡目が事故当時18歳以下の約37万人で、二巡目は事故後一年間に生まれた子どもを加えた約38万5000人。それぞれ一次検査で超音波を使って甲状腺のしこりの大きさや形状などを調べ、程度の軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定し、BとCが血液や細胞などを詳しく調べる二次検査を受ける。 関係者によると、今回判明したがんの疑いの4人は震災当時6~17歳の男女。一巡目の検査で2人が「A1」、残る2人も「A2」と判定され、「異常なし」とされていた。4人は、今年4月からの二巡目検査を受診し、一次検査で細胞などを調べた結果「がん疑い」と診断された。腫瘍の大きさは7~17.3ミリ。 4人のうち3人は、原発事故が起きた2011年3月11日から4カ月の外部被ばく線量が推定でき、最大2.1ミリシーベルトだった。4人はそれぞれ大熊町、福島市、伊達市、田村市に居住していた。
「セシウム・ボール」はホット・パーティクル(高放射能微粒子)NHK謎の放射性粒子を追え!(2014年12月21日放映)が隠した真実
2014年12月29日内部被ばくと健康被害 資料
[初稿]2014年12月29日 [追記]2019年10月15日 「セシウム・ボール」には不溶性のもの(主に2011年3月15日に放出)と水溶性のもの(主に2011年3月20~23日に放出)があることを追記。 NHKサイエンスZERO シリーズ原発事故⑬ 『謎の放射性粒子を追え!』(2014年12月21日放映)はひどい番組でした。この間、気象研究所 足立光司氏らのセシウム球の研究、東京理科大学 理学部 中井泉氏らのSpring-8を使った研究、筑波大学 数理物理科学研究科 末木啓介教授らの福島県郡山市、いわき市、浪江町、阿武隈高地での土壌中のセシウム球の研究をわずか30分の番組にコンパクトにまとめて放映しました。 しかし、この『謎の放射性粒子を追え!』では、なぜが中井泉氏らが発見した、ウランの存在について一切扱わず、「セシウム・ボール」という名称を繰り返していました。更に、この放射性粒子には、ウランはあったけれども、プルトニウムはなかったのでしょうか?そもそも、これをセシウム・ボールと命名するならば、これまで研究されてきたホット・パーティクルとどこが違うのでしょうか?シリーズ原発事故⑭に期待するしかないようです。 @動画さんのサイトで紹介されています。 NHK・サイエンスZERO <シリーズ 原発事故⑬> 「謎の放射性粒子を追え!」 〔1〕プロローグ 原発から放出された放射性セシウムはどのような形で環境中に運ばれて行ったのか? 当初は、鉱物粒子や硫酸塩などのエアロゾル(大気浮遊塵のこと)に付着して運ばれたのではないか、と考えられていました。 〔2〕気象研究所で40年間観測されてきた、大気浮遊塵(エアロゾル) 気象庁 気象研究所(茨城県つくばみらい市)では、空気を採取してエアロゾルを調べる研究を40年間やってきました。 原発事故当時のエアロゾルが付着したフィルターに放射性物質が捕捉されているのではないか。2011年3月14日ー3月15日の露場での500m3の空気中のエアロゾルを捕捉したフィルター(No.5-3)に、表面汚染を測定するサーベイメータ TGS-146を当ててみると、見る見るうちに545cpm前後を計測しました。 これは原発事故前と比べると、セシウム137で1000万倍の放射能。直径3.6cmのフィルターに4億個以上のエアロゾルが捕捉されていました。この中から放射性物質の粒子を見つけ出したい。 〔3〕IPと電子顕微鏡でセシウム球を発見 足立光司氏は、原発事故当時、アメリカの大学で電子顕微鏡を使った研究をしていました。気象研究所が電子顕微鏡の専門家を探していることを知り、2011年9月に帰国。IP(イメージングプレート)と電子顕微鏡を使って、セシウム球を発見しました。 IP(イメージングプレート)とは、放射線を感知する写真乾板のようなもので、エアロゾルが付着したフィルターに未着させ、数週間置くと、放射線を出している放射性物質の場所が黒く感光します。 以下は、WINEPブログ「キビタキの幼鳥の被爆像」2012-05-29 05:34から借用いたしました。 気象研究所 足立光司氏は、このIP(イメージングプレート)という手法を使い、エアロゾルのうち放射性物質の粒子のあるフィルターの部分を切り取り、スライドガラスに載せていき、また、IP(イメージングプレート)でその粒子の場所を確認、最後は顕微鏡を使いながら、マニュピレイターというミリメートル以下の作業ができる器具を使いながら、フィルターを裂いていき、エアロゾル粒子を取り出していきました。 1つ1つセシウムが含まれているかどうか、電子顕微鏡の元素分析機能を使って確認していきました。 研究を開始してから4ヶ月後、直径2.6マイクロメートル(μm)の丸い粒子が見つかりました。 成分分析をして見ると、Pb(鉛)、Cl(塩素)、Ca(カルシウム)、Zn(亜鉛)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)とともにCs(セシウム)がありました。 放射性セシウムは重量の5.5%。この粒子は セシウム球 2011年3月15日採取 直径2.6マイクロメートル セシウム134 3.31ベクレル セシウム137 3.27ベクレル と、6.58ベクレルもの放射能を持っていました。 〔4〕福島県浪江町で発見されたセシウム球 筑波大学数理物質科学研究科 末木啓介教授は、福島県 浪江町、郡山市、いわき市、阿武隈高地の土壌で、セシウム球の存在を調査し、浪江町の土壌から4個のセシウム球を見つけました。その直径は3~7マイクロメートル(μm)。 うち1つ、直径7マイクロメートル(μm)のセシウム球は セシウム134 66ベクレル セシウム137 66ベクレル ありました。 〔5〕 NHK・サイエンスZERO 「謎の放射性粒子を追え!」があえて放映しなかったこと、そして雑誌科学(2015年6月号 岩波書店)「大気浮遊塵試料からみつかった“セシウム・ボール”について」で青山道夫氏があえて書かなかったこと、それは、「セシウム・ボール」の中心にウランがあるということです。 ウランを含む原発事故由来のガラス状の大気粉塵がつくばにまで飛来 -放射光マイクロビームX線を用いた複合X線分析- これは、この番組でも紹介している、東京理科大学 理学部 中井泉氏らのSpring-8を使った研究の中で、はっきりと書かれている事実です。だいたい、NHKや青山道夫氏らは「セシウム・ボール」と命名していますが、放射性セシウムは重量のたった5.5%。あとの重量94.5%は何なの?ということにまったく触れない番組でした。セシウムだけでなく、ウランやバリウムもその中心に存在していたことが、放射光マイクロ線蛍光分光分析法(μ-XRF)や放射光マイクロ蛍光X線吸収端近傍構造(μ-XANES)スペクトル分析で明らかにしていました。 放射光マイクロ線蛍光分光分析法(μ-XRF)での「セシウム・ボール」中のウランの存在 放射光マイクロ蛍光X線吸収端近傍構造(μ-XANES)スペクトル分析でのウランの存在の分析 原子のエネルギー準位と特性X線 主な元素の吸収端とスペクトルエネルギー値 まさしく、この2.6マイクロメートル(μm)の粒子は「セシウム・ボール」などではなく、ホット・パーティクル(高放射能微粒子)です。 〔6〕 NHK・サイエンスZERO 「謎の放射性粒子を追え!」の番組の最後でも、問題を小さく見せる報道をしました。それは、「セシウム・ボール」は水に溶けない、だから肺の中に入っても肺胞の中から血液に溶けだして、健康に影響を与えることは少ない、と言っていることです。 この2.6マイクロメートル(μm)の「セシウム・ボール」は2011年3月14日の2号機のメルトダウン、メルトスルーによって、放出された核燃料デブリの微粒子であると考えられます。東電の発表では、2011年3月15日0時00分に2号機のドライベントをしています。同年3月15日6時10分2号機の圧力抑制室が爆発しています。 この2.6マイクロメートル(μm)の「セシウム・ボール」は果たして水に溶けないのでしょうか。 気象研究所、五十嵐康人氏、足立光司氏らが国際原子力機関(IAEA)の2014年2月17~21日、ウィーンで行われた国際シンポジウム「International Experts’ Meeting on Radiation Protection after the Fukushima Daiichi Accident:Promoting Confidence and Understanding」では発表したした資料です。 <参考> CHARACTERISTICS OF SPHERICAL Cs-BEARING PARTICLES COLLECTED DURING THE EARLY STAGE OF FDNPP ACCIDENT 五十嵐康人 足立光司 梶野瑞王 財前祐二 IAEA 20140218 <参考> ホット・パーティクルが水および熱硝酸に抽出される割合 五十嵐康人 足立光司ほか 日本語 20140218 上記の五十嵐康人氏の資料のように、2011年3月15日9時~15時、15時~21時の「セシウム・ボール」は水への抽出率は、それぞれ5%、ー5%でした(図の2行目と3行目)。 2011年3月15日21時~3月16日9時の「セシウム・ボール」は水への抽出率は、63.8%でした(図の4行目)。この水への抽出率とは、たった1時間水に浸しただけで水に溶けだす割合ですから、非常に水に溶けやすいと言えます。 更に、2011年3月20日9時~21時、3月20日21時~3月21日9時、3月21日9時~3月22日9時の「セシウム・ボール」の水への抽出率は、それぞれ53.5%、60.1%、53.0%でした(図の4行目と7行目、8行目)。これらもまた、水に非常に溶けやすいと言えます。 更に、図表には「熱硝酸抽出率」が記載されており、これを見ると、2011年3月15日9時~15時、15時~21時の「セシウム・ボール」は熱硝酸への抽出率は、それぞれ82.0%、69.5%でした(図の2行目と3行目)。これらの「セシウム・ボール」が肺ではなく、口から食道、胃を通るとき、強い酸性の胃液によってかなりの割合の放射性セシウムが解け、腸管から吸収されることが推定されます。 「セシウム・ボール」は不溶性である、というNHKの番組の主張は間違いです。2011年3月15日9時~21時に気象研究所(茨城県つくば市)に到達した「セシウム・ボール」(正しくはウランを中心とするホット・パーティクル)は、水に対して不溶性のものが多かったのですが、特に2011年3月20日9時~3月22日9時につくば市に到達した「セシウム・ボール」は、水に非常に良く溶けるものだったのです。 これらの水溶性の「セシウム・ボール」および気体状の放射性物質が2011年3月20日~3月26日を中心とする、東京都金町浄水場でのヨウ素131やセシウム134.137の汚染を引き起こしたのだ、と考えられます。 <参考>東京電力福島第一原発事故当時の東京都金町浄水場での水道水中のヨウ素131およびセシウム134,137<参考>東京電力福島第一原発事故時の水道水中の放射性ヨウ素(131I)の濃度の推移 【単位】ベクレル/kg 岩手県盛岡市、秋田県秋田市、山形県山形市、茨城県ひたちなか市、栃木県宇都宮市、群馬県前橋市、埼玉県さいたま市、千葉県市原市、東京都新宿区、神奈川県茅ケ崎市、新潟県新潟市、山梨県甲府市、静岡県静岡市<参考>東京電力福島第一原発事故時の水道水中の放射性セシウム(134Cs+137Cs)の濃度の推移 【単位】ベクレル/kg 岩手県盛岡市、秋田県秋田市、山形県山形市、茨城県ひたちなか市、栃木県宇都宮市、群馬県前橋市、埼玉県さいたま市、千葉県市原市、東京都新宿区、神奈川県茅ケ崎市、新潟県新潟市、山梨県甲府市、静岡県静岡市 今も、東京電力福島第一原発では、1/2号機排気筒の解体工事が行われており、1号機ベントや2号機の圧力容器からの蒸気放出によって、排気筒内部に付着したホット・パーティクルが新たに環境中に放出されています。 <参考> 「2019年9月1日、東京電力が福島第一原発1/2号機排気筒(高さ120m)の最頂部の切断、撤去に成功。舞い散る放射能汚染は?(1)」内部被ばくを考える市民研究会 資料 2019年9月4日 <参考> 「2019年9月1日、東京電力が福島第一原発1/2号機排気筒(高さ120m)の最頂部の切断、撤去に成功。舞い散る放射能汚染は?(2)」内部被ばくを考える市民研究会 資料 2019年9月6日 <参考> 「東京電力福島第一原発1/2号機排気筒解体工事、第二部分。2019年9月18日~20日」内部被ばくを考える市民研究会 資料 2019年9月23日 東京電力福島第一原発事故によって環境中に放出された「セシウム・ボール」は、不溶性と水溶性の両方があり、両方ともの健康被害を考えなくてはいけないこと。また、この「セシウム・ボール」の中心部分にウラン(恐らくはプルトニウム)もあり、酸化ウランは非常に水に溶けやすいですから、不溶性の放射性物質と水溶性の放射性物質による内部被ばくの両方の健康被害を考えなくてはいけません。 「原発事故で放出されたのは不溶性のセシウム・ボール」という議論は、内部被ばくを過小評価するものであり、間違いです。
フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の福島の外部被ばくマップ
2014年12月28日福島第一原発事故での放射能汚染地図 資料
フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、2011年5月23日「福島原子力発電所事故から66日後の北西放射能降下区域住民の予測外部被曝線量評価―住民避難対策が与える影響―報告」を発表しています。 フランス語原文 EVALUATION AU 66EME JOUR DES DOSES EXTERNES PROJETEES POUR LES POPULATIONS VIVANT DANS LA ZONE DE RETOMBEE NORD-OUEST DE L’ACCIDENT NUCLEAIRE DE FUKUSHIMA 英語版 ASSESSMENT ON THE 66TH DAY OF PROJECTED EXTERNAL DOSES FOR POPULATIONS LIVING IN THE NORTH-WEST FALLOUT ZONE OF THE FUKUSHIMA NUCLEAR ACCIDENT― OUTCOME OF POPULATION EVACUATION MEASURES ― フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、文部科学省が調査したセシウム134、セシウム137の土壌蓄積量や空間線量率の調査結果、および米エネルギー省国家核安全保障局(DOE/NNSA)が行った航空機による線量率測定に基づき、セシウム134、セシウム137の蓄積量から原発事故最初の1年間その地に留まっていた場合の住民の外部被ばく線量5ミリシーベルト/年、10ミリシーベルト/年、20ミリシーベルト/年を推定し、マップ化しました。 以下が、 フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)が作成した、 「セシウム134およびセシウム137の蓄積とそれによる外部被ばく量から求めた原発事故最初の1年間の被ばく線量を5、10、20ミリシーベルト/年の3段階で示した地図」 です。 この報告書の中で、フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、これらの被ばく線量には、① 放射能の雲がこの地域を通過した際の被ばく線量も、② 食品の摂取にともなってすでに受け、また今後受ける被ばく線量も含まれていない。だから、総実効被ばく線量(外部被ばく+内部被ばく)は、蓄積物の状態(乾燥か湿潤か)や食習慣、食品の産地によって大幅に増える可能性がある、と注意を喚起しています。 真下俊樹氏が、このフランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の報告書の日本語訳(抄訳)をされています。 福島原子力発電所事故から66日後の北西放射能降下区域住民の予測外部被曝線量評価―住民避難対策が与える影響―報告DRPH/2011-10ヒト放線防護局 仮訳 真下 俊樹
2/21(土) 2月例会のお知らせ
2014年12月25日講演会
[ 2015年2月21日; 6:30 PM to 9:00 PM. ] 2月例会のお知らせです。 日 時 2月21日(土) 18:30〜21:00場 所 浦和コミュニティセンター第6集会室(浦和パルコ10階)参加費 会員の方300円 一般参加の方600円 高校生以下は無料 テーマ 1. 参加されたみなさんからの意見交流会 2. 放射性物質の体外排出について 冬から春 堀本秀生 3. セシウム・ボールはホットパーティクル 川根眞也 4. ヤマトシジミの内部被ばく実験 琉球大学の研究から 郡山市や本宮市の野菜は食べてもいいの? 川根眞也 5. 川内原発再稼働、高浜原発再稼働と日本の核武装 川根眞也 6. 内部被ばくに関する最新情報 ① トマ・ピケティの描いた21世紀の資本。日本の「か・た・ち」 ② 第3次世界大戦は始めっていないのか?いや、始まっている。 ③ ウクライナ問題とは何か?後藤健二さんは誰に殺されたのか? 全欧安保の失敗と、東アジア共同体構想。 ④ 「食べて応援」は危険 ⑤ 内部被ばくに関する最新情報 ※例会の様子を 19:00pmからTwitcasting を使って生中継します。 (プライバシー保護のため、18:30~19:00はツィキャスをしません。ご了承ください)内部被ばくを考える市民研究会のアカウントはこちらです。ぜひサポーター登録をお願いします。 内部被ばくを考える市民研究会 Twitterアカウント @naibuhibakushim ツイキャスURL http://twitcasting.tv/naibuhibakushim ツイキャスとは? まだ使った事がない方は、ヘルプページをご参照ください。 http://twitcasting.tv/indexhelp.php ツイキャスは、iPhone、Android、パソコンからライブ中継を見る事ができ、見るだけではなく、自分で撮影した動画を配信する事も出来ます。 中継を見逃しても、保存、公開されているものは、後日見る事も出来ます。 例会ライブ履歴はこちらから見る事が出来ます。 http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/
1/25(日) 1月勉強会(会員限定)のお知らせ
2014年12月25日講演会
[ 2015年1月25日; 10:00 AM to 12:00 PM. ] 1月勉強会(会員限定)のお知らせです。 日 時 1月25日(日) 10:00〜12:00場 所 市民活動サポートセンターラウンジ(JR浦和駅東口浦和パルコ9階)会員限定です。参加費は無料。 例会に参加された方は、資料をお持ち下さい。
1/17(土) 1月例会のお知らせ
2014年12月25日講演会
[ 2015年1月17日; 6:00 PM to 9:00 PM. ] 1月例会のお知らせです。 日 時 1月17日(土) 18:30〜21:00場 所 浦和コミュニティセンター第7集会室(浦和パルコ10階)参加費 会員の方300円 一般参加の方600円 高校生以下は無料 ※例会の様子を Twitcasting を使って生中継します。内部被ばくを考える市民研究会のアカウントはこちらです。ぜひサポーター登録をお願いします。 内部被ばくを考える市民研究会 Twitterアカウント @naibuhibakushim ツイキャスURL http://twitcasting.tv/naibuhibakushim ツイキャスとは? まだ使った事がない方は、ヘルプページをご参照ください。 http://twitcasting.tv/indexhelp.php ツイキャスは、iPhone、Android、パソコンからライブ中継を見る事ができ、見るだけではなく、自分で撮影した動画を配信する事も出来ます。 中継を見逃しても、保存、公開されているものは、後日見る事も出来ます。 例会ライブ履歴はこちらから見る事が出来ます。 http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/
1号機建屋カバー2枚を戻す。2014年12月4日。放射性物質が飛散したためか?
2014年12月23日内部被ばくと健康被害 疎開・移住 資料
東京電力は2014年12月5日。試験的に外していた1号機建屋カバー2枚を元に戻したと発表しました。1号機建屋カバーを本格的解体工事で撤去するのは、2015年3月に延期です。 1号機 建屋カバー解体に向けた飛散防止剤散布と調査の状況について 東京電力 20141201 1号機の原子炉建屋カバー屋根パネル2枚(北3,南3)の戻し作業については、12月4日午前8時31分に1枚目(北3)、同日午後0時9分に2枚目(南3)の戻し作業が終了。ダストモニタおよびモニタリングポストの指示値については、有意な変動は確認されていない。また、本作業に合わせ、10月28日に発生した、屋根パネル孔部(南2屋根パネルNo.36)の開口拡大について、南3屋根パネルに拡大した孔部を覆うためのはね出し部材を取り付け、南3屋根パネルを戻したことにより、拡大した孔部を上面から覆う処置を実施。 この1号機建屋カバーの試験的な撤去で、「ダストモニタおよびモニタリングポストの指示値で有意な放射線量の変動は観察されていない」と東電が言っていますが、12月5日東京新聞朝刊1面が海水のモニタリング問題で報道したように検出限界を高く引き上げた測定であり、ダストの調査としてはやっていないのに等しい測定です。 1号機建屋カバーの試験撤去に関するモニタリングで、有意な放射線量が検出され警報が発令されるレベルとは?ー1号機 建屋カバー解体に向けた飛散防止剤散布と調査の状況について 東京電力 20141201 より (1)敷地境界のモニタリングポスト(有意な変動:+2μSv/h以上の変動)(2-1)作業現場のダストモニタ[1号機] 警報設定値:5×10-3Bq/cm3)(2-2)3号機原子炉建屋のダストモニタ(警報設定値:5×10-3Bq/cm3)(3)建屋周辺のダストモニタ (警報設定値:1×10-4Bq/cm3)(4)構内のダストモニタ (警報設定値:1×10-4Bq/cm3)(5)敷地境界付近のダストモニタ(警報設定値:1×10-5Bq/cm3) これは、敷地境界、例えばMP-1は2014年11月2日5時で、1.97マイクロシーベルト/時ありました。これが+2.0マイクロシーベルト/時、1.97+2.0=3.97マイクロシーベルト/時を超えたら、有意な変動だ、と発表されるということです。もともと1.97あるところが、急に3.97になるまで警報が鳴らないなんて、どういうことでしょうか? (2-1)(2-2)(3)(4)(5)のそれぞれのダストモニタでの警報設定値の単位はベクレル/cm3ですから、私たちがよく目にするベクレル/m3に直すとこうなります。(1ベクレル/cm3=1,000,000ベクレル/m3) ■警報設定値■ ベクレル/m3に換算すると (2-1)作業現場のダストモニタ[1号機] と(2-2)3号機原子炉建屋のダストモニタ → 警報は5000ベクレル/m3 (3)建屋周辺のダストモニタ と (4)構内のダストモニタ → 警報は100ベクレル/m3 (5)敷地境界付近のダストモニタ →警報は10ベクレル/m3 1号機建屋カバーの作業現場は4999ベクレル/m3検出されても、警報が鳴らない、ということです。これは「不検出詐欺」と同じです。 1号機 建屋カバー解体に向けた飛散防止剤散布と調査の状況について 東京電力 20141201 福島第一 「不検出」実際は汚染 東電 誤解与える海水簡易分析 東京新聞 2014年12月5日朝刊 実は、2014年9月10日の東京電力の発表した、計画では、飛散防止剤を撒き試験的に2枚の建屋カバーを撤去した後、放射性物質の飛散の状況を確認したら、残りの4枚のパネルも外して、ガレキの調査、ガレキ・ダストの吸引の作業に入る予定でした。 1号機建屋カバー解体・ガレキ撤去に伴う放射性物質飛散抑制対策について 東京電力 20140910 それが12月5日に試験的に取り外した2枚の建屋カバーを戻したのは、この東京電力の資料によれば、 ダストの状況に問題が無ければ次のステップへ。ダスト飛散の可能性が大きい場合は、飛散防止剤の追加散布→状況が改善できない場合は、屋根パネルを元に戻します p.1 1号機建屋カバー解体・ガレキ撤去に伴う放射性物質飛散抑制対策について 東京電力 20140910 つまり、飛散防止剤を事前に撒いてから建屋カバーを外したが、 「予想以上にダスト飛散が大きかった」ということではないでしょうか?だから、いったん、カバーを元に戻した、ということではないでしょうか? 10月28日午前8時23分、突風(瞬間風速18m/s)が吹き、飛散防止剤を注入していた先端ノズルが揺れて、カバーを約1m×約2m破く事故が起きました。 そのため、一時作業をこの日の中断し、翌日10月29日から作業を再開しました。 楢葉町上繁岡地区集会所の空間線量は、10月28日の11時すぎにはすとーんと下がり、その後上昇することはありませんでした。また、10月29日朝8時から空間線量率が8時~17時にかけて上昇しています。これは作業再開とぴったり一致します。作業で放射性物質が拡散していることは否定できません。ちなみに、楢葉町上繁岡地区集会所は、東京第一原発の南西13.4kmの地点にあります。 1号機建屋カバーの2枚が元に戻された12月4日前後の空間線量のグラフを見ようとしたところ、楢葉町上繁岡地区集会所の12月7日19:00から23:00までのデータ。12月8日すべてのデータ。12月9日0:00から11:00までのデータが原子力規制委員会のHPから消されていました。 お持ちの方がいましたら、お教え下さい。12月7日(日)~9日(火)午前までにこのモニタリングポストで何かが行われた可能性があります。 放射線モニタリング情報>全国及び福島県の空間線量測定結果 Top>福島:相双>大熊町モニタリングポスト>夫沢の測定結果>時系列データ>1週間分 http://radioactivity.nsr.go.jp/map/ja/time.html 放射線モニタリング情報>全国及び福島県の空間線量測定結果 Top>福島:相双>楢葉町モニタリングポスト>上繁岡地区集会所の測定結果>時系列データ>1週間分 http://radioactivity.nsr.go.jp/map/ja/time.html
使用済み核燃料から取り出したプルトニウムなど超ウラン元素(TRU)廃液
2014年12月23日内部被ばくと健康被害 原発の再稼働 資料
使用済み核燃料から取り出したプルトニウムは、肺がんを引き起こす放射性物質です。このプルトニウムを入れた廃液の入ったドラム缶が、アメリカ西部ニューメキシコ州カールズバッド郊外の核廃棄物地層処分試験施設(WIPP)で、プルトニウムなどの超ウラン元素(TRU)の廃液の入ったドラム缶が、2014年2月15日爆発しました。地表で作業をしていた、22人が内部被ばくをしました。 資料『「四国電力株式会社伊方発電所の原子炉の設置変更(1号、2号及び3号原子炉施設の変更)に係る安全性について(平成17 年7 月経済産業省)」の意見公募結果(原子炉安全専門審査会関連分)』によれば、 英仏の再処理工場で回収されたプルトニウムは単体で抽出されたものですから、母材はテイルウランが使用されましたが、四国電力が英仏に再処理を委託した使用済み燃料232tUから回収されるプルトニウムは約1.6tとされ、これをMOX燃料に加工すれば約39体となり、これは当機での装荷パターンでは約3回分にすぎません。(Pu富化度を9%-核分裂性Puの比率68%と仮定)大間原発の初装荷分(及び取替え燃料)は海外発注されるので、39体以下となることも考えられます。(東海再処理工場分は売却分に相当と仮定)すると伊方発電所で装荷されるMOX燃料の大半は、日本原燃の六ヶ所再処理事業所MOX燃料加工施設となるはずです。しかし再処理工場で抽出されるプルトニウムはウランとの混合抽出であり、Pu富化度を9%とすれば、回収ウランも9%含まれることになります。当然抽出MOX粉末には微量のFP、TRU、232U、236Uが含まれています。 資料『「四国電力株式会社伊方発電所の原子炉の設置変更(1号、2号及び3号原子炉施設の変更)に係る安全性について(平成17 年7 月経済産業省)」の意見公募結果(原子炉安全専門審査会関連分)』 1997年に茨城県東海村で、アスファルトで固化しようとして37人が被ばくする爆発事故を起こし、具体的な処分の方法や規制基準は決まっていない。ー毎日新聞 2014/11/27記者の目「核ごみ処分場建設急ぐ安倍政権」
ストップ川内原発再稼働!1.25全国集会 at 鹿児島市天文館公園
2014年12月20日内部被ばくと健康被害 原発の再稼働 資料
みなさま 2014年11月7日、鹿児島県の臨時県議会で川内原発再稼働の推進陳情を採択し、知事も受け入れ表明しましたが、大多数の鹿児島県民は認めていません。 本日、高浜の審査書案が公表され、アリバイ的パブコメに入りましたが、同様に関西に暮らす大多数の方は、再稼働を認めていないと思います。 いかに、形を取りつくろうとも、許さない、という住民の意思で、原発を廃炉に向かわせなければなりません。 川内原発は、①設置変更許可申請はクリアしましたが、残る ②工事計画認可申請、?保安規定認可申請の段階で、①と②に多くの齟齬があり、12月第 2週に予定していた②の再再補正書も提出できないでいます。手を抜きたい九電に、さすがの規制委も目をつむれないといったところでしょうか。 これからの主要な交渉対象は、九電になります。福井地裁が認めた250kmはもちろん、国が避難計画策定を命じた最低30km圏内の住民、自治体 に、九電は、説明責任があり、同意を得なければなりません。 地震、火山、避難計画など、推進側の論理はぼろぼろで、再稼働どころではありません。 これからが正念場だということを明らかにする、全国集会を下記の通り、開催します。 ご多用のことと存じますが、万難を排してご参加ください。 2014年12月18日 向原祥隆 ★スイッチは押させない★ ストップ川内原発再稼働! 1.25全国集会 ストップ川内原発再稼働!1.25全国集会 at 鹿児島市 20150125 2015年1月25日(日) 天文館公園 13:00〜14:30集会 14:30〜16:00デモ(天文館公園〜鹿児島中央駅) 主催 ストップ再稼働! 3.11鹿児島集会実行委員会(県内93団体) ——————————– ストップ再稼働! 3.11鹿児島集会実行委員会 事務局 向原祥隆 〒892-0873鹿児島市下田町292-1 TEL099-248-5455 FAX099-248-5457 info@nanpou.com ——————————–