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ヨウ素131の海洋拡散予測と観測値 放射性物質 拡散 「最初は南北沿岸」 仏が予測 仙台湾到達後、東西に 2011年4月5日 読売新聞夕刊1面

<解説>  このような、ヨウ素131の海洋汚染の実態のデータがあることを知りました。当然のことながら、大地もヨウ素131で汚染されました。福島のみならず、東北・関東一円で多発している、小児甲状腺がんは、ヨウ素131で汚染された牛乳を飲んだせいではなく、呼吸によってヨウ素131を取り込んだことが主な原因であると思われます。2011年原発事故当時の仙台湾で取れた魚のヨウ素131汚染はどれくらいだったのでしょうか。宮城県は、県は放射能でまったく汚染されなかったような態度を取り、原発事故当時の放射性降下物のデータ(定時降下物)を未だに公表していません。部分的には、原発があった福島県よりも高いヨウ素131で汚染された地域が宮城県にあったはずです。宮城県は県の放射能汚染の実態がどうだったのか、情報を公開するべきです。このままでは、がんや白血病が自己責任の問題になりかねません。 ■放射性物質 拡散 「最初は南北沿岸」 仏が予測 仙台湾到達後、東西に 2011年4月5日 読売新聞夕刊1面  福島第一原子力発電所から、高濃度の放射性物質を含む水が海に流れ出している問題で、放射性物質の拡散は方向によって大きな差があり、最初は沿岸を南北に広がり、東西にはすぐに広がらないことが、仏国立科学研究センターなどの計算でわかった。政府は、「放射性物質は拡散して薄まる」と強調しているが、海域ごとに注意深く監視していく必要がありそうだ。  仏グループは国際原子力機関(IAEA)の要請を受け、福島県沖の海底地形や潮流、水温、塩分濃度をもとに拡散を予測。公表された動画では、同原発から海に出た放射性物質が沿岸に沿って南北に広がった後、北側の仙台湾から東西に拡散していく様子がわかる。

加圧水型原発の致命的な欠陥は蒸気発生器。蒸気発生器の細管はギロチン破断するとメルトダウンにつながる。1991年2月9日関西電力美浜原発2号機、レベル3。

 多くの全国紙は、次々と再稼働していく原発のトラブルについて、まったく報道しません。または、報道する場合でも地域限定で、九州の原発のトラブルは西部本社版だけで。福井県の原発のことは大阪本社版だけで。というように。首都圏で新聞を購読している人々には、九州や四国、福井県で起きている原発のトラブル、放射能漏れの事故は伝えられていません。 <参考>『高浜原発4号機、2018年8月21日から再稼動工程。再稼動情報を伝えるのは地元メディアと赤旗だけ』 <参考>『玄海原発のトラブルと再稼動の情報をもっとも報道しているのは、佐賀新聞。佐賀新聞の購読を!』 <参考>『九州の原発の再稼動の状況がなぜ首都圏の人々に伝わらないか? 』  現在、再稼働されている原発はすべて、加圧水型原発ですが、加圧水型原発の致命的な弱点は、蒸気発生器です。この蒸気発生器がギロチン破断すると一次冷却水が一気に漏れ、メルトダウンにつながります。そのメルトダウン一歩手前までいったのは、関西電力、美浜原発2号機の蒸気発生器細管破断事故、1991年2月9日でした。この事故で、放射性希ガス(キセノン133など)約230億ベクレル(約0.6キュリー)、放射性ヨウ素約3.4億ベクレル(約0.01キュリー)が放出され、原発周辺を放射能汚染しました。  以下、中川保雄著『放射線被曝の歴史』(2011年,明石書店)から、加圧水型原発の弱点、蒸気発生器と美浜2号機事故を紹介します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <注>以下は、中川保雄氏が1991年に書いた原稿である。この時点で、日本の原発において重大事故が起きる危険性を指摘していた。それも福島第一原発のような沸騰水型原発だけでなく、加圧水型原発の危険性についても書いていた。この後20年、関西電力も東京電力も政府も何もしてこなかった結果が原発震災事故につながったのではないだろうか。そして、2番目のフクシマ原発事故が関西・北陸、九州、四国に訪れかねない事態になっている。 <注>図表は「抜本的解決のない蒸気発生器の腐食要因」(同書pp.241)以外は、川根が必要に応じて挿入したものである。 日本における被曝問題の最近の特徴 中川保雄著『放射線被曝の歴史』(2011年,明石書店) pp.237~249  原発を中心として、日本の放射線被曝問題の最近の特徴についてここで別に取り上げておこう。まず第一に、日本の原発において重大事故が発生する危険性が高まっていることを指摘しなければならない。アメリカ、ソ連についで原発重大事故を起こすのは日本の可能性が高い、という話はあちこちで聞かれる。そのような噂を現実のものとする危険性が現に高まっているのである。  関西電力の美浜原発2号炉は、チェルノブイリ事故から5年目の1991年2月9日、加圧水型炉(PWR)のアキレス腱と呼ばれる蒸気発生器の細管の1本が、まるでギロチンで切られたかのように横方向にスパッと切断され、放射能で汚染された。一次冷却水が少なくとも数十トン以上二次側に漏れた。さらに、日本の原発史上はじめてのことであるが、燃料棒の周りの一次冷却水の一部が沸騰しはじめるほど高温に達し、燃料棒が溶け出す危険が生じたために、稼働中に緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動する事態に発展した。簡潔に言えば、美浜2号炉は炉心溶融(メルトダウン:編集者注)の一歩手前までいった大事故で、チェルノブイリの悲劇が日本において再現される危険性が現実に起きたことを示したのである。さらに二次側の蒸気逃し弁などから大気中に放出された放射能により、関西電力などの初期の発表とは異なり、周辺地を汚染した。この事故はまさに日本の原発史上最も重大かつ深刻な事故であった。  蒸気発生器細管は、一方では放射能の混じった一次冷却水を閉じ込めるとともに、他方では燃料が燃えて発生した熱を二次冷却水に伝え、発電に必要な蒸気を生み出すという役目を負っている。前者の目的のためには、細管はできるだけ厚くならなければならないが、後者の目的のためには、細管はできるだけ薄いことが望ましい。このように細管は相反する性格を負わされているが、実際には発電を経済的・効率的に行うために、可能な限り薄くされ、直径およそ2cm、全長20mの細管の肉厚はわずか1.2mmという薄さである。標準型の100万キロワット級の原発では、この薄い細管がおおそ1万本納められており、放射能を閉じこめる壁となる原子炉の容器が管の総面積のおよそ95%を占めるのである。放射能を閉じこめるこの壁の総面積は、たとえるなら甲子園球場のグランドほどの面積ではあるが、その大部分が厚さわずか1.27mmのこの細管によって占められている。しかも、一次冷却水はおよそ150気圧あり、二次側の冷却水との圧力の差、およそ100気圧がこの薄い細管の壁にかかるのである。また細管は、一次冷却水に含まれる放射能、あるいは二次冷却水に含まれるナトリウムなど、腐食を起こす種々の物質にさらされており、そのうえこの薄く長い細管の周りを急激な勢いで流れる水や、発生する蒸気で揺さぶられるという過酷な条件の下におかれている。  このため、蒸気発生細管では、肉厚が薄くなったり、人の歯がやせ細るようなディンティングという現象や、穴のあくピッティング、さらには合金の粒子の境界に沿って腐食が進む、粒界腐食割れを含む、応力腐食割れと呼ばれる損傷が、絶えることなく発生し続けてきた。日本の加圧水型炉の事故の最大原因は、菅、弁、そして蒸気発生器であるが、蒸気発生器の事故が全体の3分の1以上を占め、加圧水型炉の事故の最大要因となっているのである。これに対し、電力会社や日本の政府は、(1)二次冷却水の化学処理法を改善したこと、(2)渦電流探傷検査など、損傷細管の検査技術を改良したこと、(3)レーザー溶接を使ったスリーブ補修という継ぎ当て技術を開発したこと、などを根拠に細管の損傷問題は解決されたと主張してきた。そして、このように安全管理の徹底した日本では細管破断はありえないと強弁してきた。  しかし、現実には関西電力の大飯1号炉、高浜2号炉にみられるように、定期検査が行われるたびに、多数の細管が損傷していることが発見され続けてきた。そして電力会社は、損傷した細管に次々と栓を施して、一次冷却水が流れないようにして原子炉の運転を続けてきた。ところが、栓をした細管が増えると冷却水の流れが妨げられるため、冷却水事故が起きた場合には燃料棒を冷やしにくくなり、炉心溶融事故へと発展する危険性が高くなる。通産省と原子力安全委員会は、建て前としては、個々の原発について施栓する率を定めてきた。「安全解析施栓率」と呼ばれる認可施栓率は、当初は3%程度であった。しかし、損傷細管が次々増加すると、通産省と原子力安全委員会は電力会社の申請に応じて次々に施栓率を引き上げ、高浜2号炉に至っては1990年に施栓率を25%に許可してしまった。この場合、「50%施栓率でも安全」と主張したうえで、安全解析を関電に請け負わせるというでたらめな安全審査でもって、通産省はその引き上げを許可したのである。  関西電力など電力会社は、損傷細管に施栓するという方策だけでは対応しきれず、すでに施していた栓を引き抜き、損傷個所にレーザースリーブ補修を行い、施栓率を結果的に引き下げるというような方法も採用しながら急増する細管の損傷に対処してきた。しかし、細管の損傷は、近年急激に増加しており、高浜2号炉の場合では1990年には総数1万164本の細管の4686本、実に46%が損傷しているひどさである。ところで、関電の定義によれば、肉厚1.27mmの40%以上の傷を負っている場合に損傷と言うことにされている。言い換えれば、39%以下の厚みの傷は損傷細管とは考えられていないのである。しかし、現実にはそのような40%未満の厚さの傷を負った細管も多数存在すると考えなければならない。常識的な判断に従うならば、高浜2号炉などでは、蒸気発生器細管のほとんどが損傷を受けている状態と言えるのである。  さて、今回の美浜2号炉の事故の重大性はどこにあるのであろうか。まず第一に、炉心溶融事故直前、あるいは、チェルノブイリ原発事故一歩手前まで突き進んだ事故であったことである。第二に、電力会社や政府がこぞって「絶対に起きない」と強く主張してきた蒸気発生器細管破断が、原発反対派の側から繰り返し指摘されてきたとおりにギロチン破断を免れなかったということである。加圧水型炉の蒸気発生器細管の事故は絶対に起きないという神話の下に運転が強行され続けてきたことである。第三に、原子炉の細管破断は、細管が日々さらされている振動等により金属疲労が起きたものと考えられるが、そのことも含め、細管を損傷さらには破断に至らせる原因は他にもいくつか存在する。そして、そのいずれもに抜本的な解決法がないことが明らかになったことである。第四に、事故が起きてみるとたいてい明らかになることであるが、設計ミスや施工ミス、加えて操作ミスが重なっている起きるというのが重大事故の共通現象であり、あのスリーマイル島事故やチェルノブイリ事故で見られたのと同様なミスが、日本の原発でも日常茶飯事に起きているという危険が明らかになったことである。 図 抜本的解決策のない蒸気発生器の腐食要因 NEI1990年1月号より中川保雄氏作成 『放射線被曝の歴史』 pp241  以上のような問題は、事故が起きてから次々に明らかにされつつあるがその過程で関電が前言を覆すという事態が何度も見られる。まともな議論をする大前提として、電力会社や政府が、今回の事故はもちろん、原発に関する情報を広く国民に公開する必要性がますます明らかになってきた。  チェルノブイリが起きてからでは遅すぎる。今回の事故の重要性にかんがみるならば、それは美浜2号、大飯1号など、いわゆる第一世代の加圧水型炉と呼ばれる初期の加圧水炉に限ることなく、すべての加圧水炉を即刻止め、細管の破断や損傷を徹底的に検証する必要がある。蒸気発生器細管の損傷は、何も9基の第一世代原子炉に限られたことではない。たとえば、1985年に運転を開始した高浜3号炉では、1989年の定期検査時に細管23本に損傷が進んでいることが発見された。さらに4号炉においても、1990年3月の定期検査において21本の細管に損傷が確認されたのである。これらの例も含め、近年起きている細管の損傷の原因は、粒界腐食割れ、応力腐食割れである。これらの腐食割れに対する原因は、今日においてもなお完全には解明されていない。そもそも原因が不明のこのような細管の破壊現象に対して有効に、ましてや抜本的に対処する方法など存在しないのである。それ故、すべての加圧水炉は、蒸気発生器細管の破断の危険性を常にかかえている。二本以上の細管が破断するというような事態になれば、かりに緊急炉心冷却装置(ECCS)が正常に働いたとしても、炉心の空焚きを防ぐことはできない。そうなれば、日本でチェルノブイリの惨状を再び繰り返すことを免れないのである。  若狭湾に林立する10基の加圧水型炉で、もしそのようなことが起こるならば、人口密度がきわめて高い日本においては、チェルノブイリをはるかに上回る被害は避けがたい。若狭湾一帯では放射線被曝による急性死も避けることはできないであろう。また、放射能雲が京阪神地方に流れるならば、およそ1000万~2000万の人びとが避難しなければならない事態へと追い込まれる。放射能による被曝はもちろん長期におよびであろう。京阪神の水甕、琵琶湖も汚染される。京阪神地方のガン・白血病だけを取り上げてみても、数十万人に達する危険性があることを誰も否定することができないであろう。しかも、今回の美浜2号炉の事故においてそのような重大な事故につながる兆候がいくつも見られたのである。  関西電力や政府は、美浜2号炉をはじめ、高浜2号炉、大飯1号炉等で蒸気発生器細管そのものの取り換えを進めることにより、抜本的な解決につながると主張しているが、しかし蒸気発生器細管の取り換えが新たな事故の発生原因になる可能性もある。新しい蒸気発生器細管だからと言って、抜本的に細管の損傷を防ぐことにはならない。加えて、古い原子炉やパイプに、新しい蒸気発生器細管やパイプを無理矢理に接続すると、新たな事故原因を作り出さないという保証はどこにもないのである。  改めて指摘するまでもなく、原発事故の危険性は、何も加圧水炉に限られたことではない。1989年1月6日に東京電力の沸騰水型原子炉で起きた再循環ポンプ事故も深刻な事故であった※1。沸騰水型とで再循環ポンプが停止するという事態が発生すると、チェルノブイリ原発で見られたような、核暴走事故に発展する危険性に見舞われる。再循環ポンプは、原子炉を流れる水の量を調節することにより原子炉の出力を調整するいわば心臓部とも言うべき、最重要機器の一つである。このポンプが停止したり、あるいは故障し、破壊された部品などによって冷却水が流れなくなったり、流れが悪くなると、炉心の冷却が悪くなって炉の温度が急上昇し、水蒸気の泡も急増する。そのような状態でポンプが再起動されるなどして冷却水の流量が増えると、蒸気の泡がつぶれ、水の密度が増えることによって、原子炉内を走る中性子の減速能力が高まり、その結果出力が急上昇する。あるいは落雷などの原因によって、発電機を切り離さねばならなくなったりした場合は、原子炉は止めずにタービンのみを止めるという操作が行われる。急に閉じるという操作が行われるが、その際に、蒸気をタービンに送る菅の弁が閉じられたにもかかわらず、その蒸気を別の菅に逃す弁が開かない、すなわち、蒸気の逃げ場がなくなるなど、原子炉の圧力が急に高まるということがしばしば起こる。このような場合も原子炉の圧力が急に高まり、燃料棒付近の蒸気の泡がつぶれ、核反応が急速に進み、出力が通常の10倍くらいに急上昇する。そして高温に達した燃料の一部で、溶融、破裂などの事態が起こり、蒸気と、溶けた燃料の混合物が一気に吹き出して、水を一気に沸騰させる。このようなことが起こると、原子炉の急激な圧力上昇によって核反応がさらに急激に進み、通常の出力の100倍にも増加する、という危険が沸騰水型炉には存在する。これは負の反応度として恐れられている。沸騰水型炉が核暴走へと至る道の一つである。チェルノブイリ事故の最大の教訓は、もはや出力の急上昇による核暴走事故など歴史的に過去のものであり、克服され、起こりえない、とその危険性が軽視されていたことが誤りであったことが実証されたことであったとも言える。日本の原発ではチェルノブイリのような核暴走事故は起こりえない、という日本の原発推進派の主張は、チェルノブイリ事故からなんらの教訓も学んでいない、ということを示している。 ※1 「福島第2原発3号機 炉心部から金属片」23個回収、まだ残る 破損羽根車の一部? 1989年3月1日 朝日新聞 東京電力は二十八日、福島県富岡町の福島第二原子力発電所3号機(軽水炉沸騰水型、出力百十万キロワット)で起きた再循環ポンプ水中軸受けの脱落事故で、原子炉圧力容器内に金属片が入っているのを見つけ、うち二十三個を回収した、と発表した。金属片は同容器内の中枢部である燃料棒集合体下部でも見つかっており、このように炉心に異物が入った事故はわが国では初めて。燃料棒の被覆管が異物で傷つけられ破れると、放射能漏れなど重大事故につながるが、東電は「穴はなく、放射能漏れはない」としている。しかし、予想外の出来事に、福島県など地元は大きなショックを受けている。  福島第二原発3号炉の事故においては、再循環ポンプが異常な振動を示したが、それはポンプを構成している部品に大破壊事故が起きていた結果であった。このため、大量の金属片が削られたり破損したりして、原子炉内に送り込まれた。再循環ポンプのこのような異常な振動は、ポンプにつながる配管とのつなぎ目を破壊する恐れもあった。もしも、そのようなつなぎ目でパイプが破断し、冷却水の大量喪失という事態が起これば、炉心溶融事故に至る危険性も否定できなかったのである。沸騰水型炉においても、パイプ、弁、そして再循環ポンプが事故の三大要因を占めている。福島原発事故(1989年当時:編集者注)がチェルノブイリの再現に至らなかったのも、きわめて幸運なことと言わねばならない。  この福島原発事故(1989年当時)の後、東京電力と政府の示した姿勢もまた原発重大事故の発生を危惧させるに十分なものであった。東京電力は最初、原子炉内に送り込まれた金属片をすべて回収するまで原発の運転を再開しない、と約束した。しかし、実際には金属片、粉末を完全に回収することなど不可能なことであった。安全を優先するためには、この炉は運転を停止する以外にはなかった。しかし東京電力は、1990年の秋、炉に流し込まれた金属片を残したまま運転の再開を強行するという挙に出たのである。政府はもちろんそのことを許可したのであるが、そのことと合わせて政府が行った再循環ポンプ事故の原因究明もまた、でたらめなものであった。反原発運動がアメリカの情報公開法を利用して入手した資料にもとづくと、再循環ポンプが激しい振動を起こして破壊された根本的な原因は、どうやら共振と呼ばれる現象にあった。アメリカからの技術導入、すなわち、アメリカの再循環ポンプをそっくりそのままコピーした結果が共振を引き起こした、というのがことの真相であった。しかし、政府の委員会はポンプ破損の原因は溶接にあったとし、反原発運動が指摘した共振説には頬被りを決め込んでしまったのである。それと言うのも、この委員会の責任者はかつてこの再循環ポンプの安全性を評価する委員会の重要メンバーで、きわめて安全という評価を下していたからである。今度は、事故原因の究明においてその責任をとる道を選ぶはずはなかったのである。  このように。事故原因の解明すら行われずに問題をかかえた原発の運転が強硬に再開されることになってしまったが、この一事を取り上げてみても、重大事故が起こらないとは言い難い環境の下で、日本の原発の運転は続けられているのである。  さきに述べた加圧型原子炉、また、この福島をはじめとする沸騰水型炉のいずれの原発を取り上げてみても、日本は原発から100km以内に、人口密集地帯が存在している。逆に都市から見れば、日本のいかなる大都市と言えども、100km以内に、いつ重大事故を起こすかもしれない原発をかかえているのである。都市の住民は放射能汚染の犠牲を原発立地住民に押しつけて恩恵だけを自らのものとしてきた、と指摘される。全くその通りである。しかし、スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故が起きた今日、明白になったことは、その都市住民と言えども、原発の放射能汚染から免れようもない時代を生きていると言うことである。 図 セシウム137、セシウム134、およびヨウ素131(気体状および粒子状)の5倍、の合計沈着量 T. Christoudias and J. Lelieveld 2013。 <注> 2011年3月11日の原発震災で首都、東京も放射線管理区域になった。この放射能汚染マップはEUに報告されたものである。  放射能汚染という問題についてさらに指摘しなければならないのは、今回起きた美浜原発2号炉の場合も、環境への放射能流出、放射能汚染が全く軽視されているという問題である。関西電力は事故直後、例によって環境中に放射能は漏れなかったと発表した。放射能が漏れたということが否定し難くなった後、放射能は漏れたが環境への影響はなかったと言い換えた。しかし、その関電の評価によっても、大気中におよそ50億ベクレル、海水中におよそ700万ベクレルの放射能が放出されたのである。それにもかかわらず、関電も福井県も環境への影響はない、安全であると宣伝した。そして関電は、事故が起きているさなかに、美浜原発の見学者457人を、漏れた放射能にさらしたままにしたのである。関電が発表した放射能値の信頼性はほとんどない。そのデータの根拠が全く明らかにされていないからである。明白なことは、この例にも示されているように、環境への放射能の放出、それによる住民の放射能被曝について関電も自治体もほとんど問題にしていない、ということである。

関西電力 高浜原発3号機が2018年11月7日再稼働工程を始める 欠陥原発を稼働していいのか?

 関西電力が2018年11月7日高浜原発3号機の再稼働工程を始めました。新聞各紙は「高浜3号機再稼働」と書きますが、また、定期点検中であり、総合負荷性能検査がこの後あります。この間に放射能の蒸気漏れなどの事故を起こせば、再稼働工程は中止、再稼働は延期となります。事実、2018年5月、九州電力は玄海原発4号機について一次冷却水が漏れるトラブルを起こしたために、再稼働を1か月延期しています。 <参考>『玄海原発4号機、一時冷却水漏れトラブル。九電、「水温が上昇したため」とし原因不明のまま機器交換で2018年6月16日から再稼動工程を始める。』  ですから、「関西電力が高浜3号機の再稼働工程を始めた」と書くのが正しいのであって、新聞やテレビが「高浜3号機が再稼働」と書くのは間違いです。 図 高浜発電所3号機 第23回定期検査の作業工程 関西電力 2018年11月6日 <注>2018年11月7日始まったのが、この原子炉起動試験。営業運転するには、この後、総合負荷性能検査に合格する必要がある。  今回、高浜3号機の再稼働工程を始める、と関西電力が公表したのは、なんと前日の2018年11月6日でした。原発再稼働に反対する世論を警戒して、抜き打ち的に発表しています。再稼働を知らなかった方も多いのでないでしょうか。改めて、高浜原発3号機のトラブルと被ばく事故を振り返ります。多くの全国紙は報道していません。  2018年9月10日、高浜3号機の定期点検中で、作業員が計画線量の倍超被ばく事故を起こしました。2018年9月12日、関西電力は、高浜原発3号機の蒸気発生器の細管1本と支持板の間に、長さ1センチ程度の異物を確認したことを公表しました。その後、2018年9月20日にこの長さ1センチ程度の異物は「2次系配管に含まれる酸化鉄の微粒子の塊と確認した。細管の外側を減肉させたとみられる金属片は見つからなかった。」と公表しました※1。これ以降、関西電力は再稼働工程を始める前日の2018年11月6日まで、定期点検でどのような機器のトラブルが見つかったのか、機器のどこを修理し、機器の何を交換したのか、一切公表していませんでした。また、この2次系配管に含まれる酸化鉄の微粒子の塊の写真も、元素分析の結果も公表していません。2018年9月12日の関西電力の発表では「蒸気発生器細管1本では、内側に長さ約4・8ミリのひび割れが見つかった。高温(約320度)の1次冷却水が入る部分。細管の厚さは約1・3ミリあるが、貫通はしていない。応力腐食割れとみられる。この細管も施栓する予定。」と発表※2。蒸気発生器の細管は全部で計1万146本にものぼりますが、この長さ1cm程度の異物がどこからやってきたのでしょうか。 ※1 「蒸気発生器内異物、酸化鉄微粒子の塊 高浜3号、関電が確認」 福井新聞 2018年9月21日 ※2   「蒸気発生器内に異物 高浜3号 細管1本が減肉」 福井新聞 2018年9月13日  2018年9月20日の関西電力の公表では、この酸化鉄の微粒子(スラッジと関電は呼んでいる)の出所を、以下のように説明しています。 「弁やストレーナの分解点検の際に作業員の⾐服等に異物が付着していた場合、それが配管内に混⼊する可能性があることを確認しました。また、その弁等が配管の⽴ち上がり部に取り付けられている場合、作業前後の異物確認時に目視による確認が困難である範囲があることを確認しました。」 そして、その対策とは 「弁やストレーナの分解点検時に使⽤する機材や内部に⽴ち⼊る作業員の⾐服等に異物の付着がないことを確認することについて、作業⼿順書に追記して、異物混⼊防⽌の更なる徹底を図ることとしました。」  つまり、定期点検のときには、作業員は機材をよく吹き、衣服をよく叩いてから、作業することにした、というのです。これが対策と言えるのでしょうか?  まず、疑問なのは、このスラッジ(酸化鉄の微粒子)が果たして外部からの異物であるのか、ということです。写真も公表されていなければ、元素分析の結果も公表されていません。そもそも、高温高圧で配管を流れる水でさらされているなかで、なぜ、鉄の酸化物ができたのか?ということです。配管がどこかひび割れているのではないでしょうか。異物ではなく、配管そのものの損傷である可能性が否定できません。  関西電力の説明は、ちょうど、高浜原発4号機の原子炉のふたの部分に取り付けてあった、温度計を出し入れする穴から放射能漏れ事故を起こしたときの説明とそっくりです。何でも、点検作業中の作業員の服や機材や、養生テープにくっついていたゴミのせいにするのでしょうか? <参考>『ずさんな原発管理。原子炉容器上蓋の温度計を出し入れする穴は養生テープでふさいでいた。養生テープについたゴミが放射能漏れを引き起こす恐れ。それでも高浜4号機は2018年8月31日に再稼動工程を開始』  実は、以下のように蒸気発生器の細管は1万146本もあったのですが、次々に配管が減肉(何物かによって削れて厚さが薄くなること)したり、応力腐食割れしたために、使えなくなり、蓋をして止めている状態です。この蓋をして使えないようにすることを「施栓」と言いますが、かつて、通産省と原子力安全委員会は「安全解析施栓率」を蒸気発生器の細管の3%までと定めていました。しかし、損傷細管が次々と増加すると、通産省と原子力安全委員会は電力会社の申請に基づいて次々に施栓率を引き上げていきました。高浜原発2号機にいたっては、施栓率を25%にまで引き上げることを許可してしまいました。この場合、「50%施栓率でも安全」と主張した上で、安全解析を関西電力に請け負わせるというでたらめな安全審査を行い、通産省は施栓率の引き上げを許可したのでした※3。 ※3 中川保雄『放射線被曝の歴史』明石書店 pp.241~242   今回の定期検査の時点で、高浜原発3号機の蒸気発生器の細管の「施栓率」は3%を超えています。安全とは言えません。欠陥原発は大事故を起こす前に運転を中止すべきです。すでに、この高浜原発3号機の定期点検で、労働者の被ばく事故が起きています。1日3時間10分程度の作業で、当初計画していた0.9ミリシーベルトをはるかに超える、1.81ミリシーベルトも被ばくしました。2018年9月10日午後発生したにもかかわらず、福井県に報告したのは9月12日でした。この作業員は一次系の弁の分解工事を行っていました。つまり、一次系の水が想定以上に放射能に汚染されていた、ということではないでしょうか?  朝日新聞、毎日新聞、読売新聞などの全国紙は原発のトラブルの情報をほとんど書きません。地元新聞を読む以外には、原発の放射能漏れ事故やトラブルの詳細についてはわからない状況です。欠陥原発、老朽原発がトラブルの原因もわからず、場当たり的な対応で、次々と再稼働している状況に対して、新聞各社はその責任を果たすべきであると考えます。  福井新聞の記事を紹介します。もはや、関西・北陸の原発の事故・トラブル・再稼働については、福井新聞を。九州の原発の事故・トラブル・再稼働については、佐賀新聞を、読むしかないようにも思います。ぜひ、みなさん、真実を伝える新聞を購読しましょう。 ■高浜3号の定検作業員 計画線量 2倍超被ばく 2018年9月13日 午前5時00分 福井新聞  関西電力は12日、定期検査中の高浜原発3号機(加圧水型軽水炉、出力87万キロワット)の原子炉格納容器内で作業をしていた協力会社の作業員が、1日分の計画線量の2倍を超える外部被ばくを受けたと発表した。法令で定める年間限度量は超えておらず、内部被ばくや皮膚の汚染はなかったとしている。  関電によると、作業員は東亜バルブエンジニアリング(兵庫県)の下請け会社の50代男性。10日午後、1次系の弁の分解点検を約3時間10分行った。管理区域から退出する際に線量計を確認したところ、計画値の0・9ミリシーベルトを大きく超える1・81ミリシーベルトの被ばくが分かった。  作業員の被ばく線量低減のため、一日1ミリシーベルトを超える作業に従事する際は、事前に労働基準監督署長への届け出が必要。関電は同日中に敦賀労基署へ線量超過を報告した。  今回の作業では線量計の警報音が聞こえるようイヤホンを付ける必要があった。しかし作業員は装着しなかったため、警報音に気づかなかった。また、作業時間は2日前に同じ場所で行った別の作業員の被ばく実績値を元に、東亜バルブの放射線管理専任者が決めたが、線源と作業員の距離を十分考慮しなかったことが、計画外の被ばくを生んだとしている。関電は今回の被ばくについて、法令報告や安全協定上の異常報告に該当しないことから、別件と併せてこの日発表したとしている。(坂下享)  <参考> 故中川保雄氏が、加圧水型原子炉の蒸気発生器細管が致命的な弱点であり、危険であるから原発を止めるべきだと1991年に訴えていた。中川保雄『放射線被曝の絵歴史』(2011年増補版,明石書店)から重要な指摘の部分を抜粋しました。長文ですが、ぜひ、お読み下さい。そして、近くの人へ伝えて下さい。 『加圧水型原発の致命的な欠陥は蒸気発生器。蒸気発生器の細管はギロチン破断するとメルトダウンにつながる。1991年2月9日関西電力美浜原発2号機、レベル3。』    

放射線被ばくを「喫煙」「飲みすぎ」「やせすぎ」「肥満」「運動不足」と比べるのは間違い

<解説>  福島民友新聞は、毎週日曜日に東大医学部卒の坪倉正治医師(福島医大特任教授、相馬中央病院、南相馬市立総合病院、ひらた中央病院)が、「坪倉先生の放射線教室」の連載をしています。毎回、「これくらいの放射線は安全です」を刷り込むような、非科学的解説が繰り返されています。今回は、2018年10月14日掲載「大事なのは『どの程度か』」を取り上げて、その議論の間違いを指摘します。 <福島民友記事> 大事なのは「どの程度か」坪倉先生の放射線教室 2018年10月14日掲載  私たちが日常食べている野菜や果物の中には、添加物や農薬ではない、さまざまな種類の発がん物質が含まれています。発がん物質が含まれる、と聞くとそれを食べるのが怖くなりますし、避けたくなるのが人情です。 数年前の話になりますが、とある国際機関が加工肉を食べ過ぎると大腸がんが増えるといった内容の発表をしました。肉をたくさん食べる国を中心に波紋を呼びましたし、「ソーセージやハムでがんになる」といったような扇動的なフレーズが飛び交いました。 それとは逆に、「これを食べれば健康になる」と言われると、その食材を毎日食べる方が増え、スーパーでは売り切れることもあります。 気持ちは分かりますが、ぜひ惑わされないでください。大事なことは、これらのリスクや有効性はあるかないかの0か1ではなく、どの程度か? どれくらいの大きさか? ということです。 例えば放射線と比べるなら、喫煙や飲み過ぎ、痩せ過ぎや肥満、運動不足などの生活習慣は100ミリシーベルトの被ばく影響よりも大きいです。現在の放射線から考えれば、文字通り桁違いです。身近すぎて目に入らない時もあるのですが、危ないか危なくないかではなく、大事な順番とその大きさを知ることはとても大切です。 <解説>  この、放射線被ばくと、生活習慣とを比べて発がんを議論するのは、間違いです。環境省の「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料」にも、放射線被ばくと生活習慣による発がんを比べた、下記のような図表があります。  この資料のように、かならず「国立がん研究センター」が研究したかのように書かれていますが、国立がん研究センターでは、実は、放射線被ばくと発がんリスクは調べていないのです。国立がん研究センターで調べているのは、「喫煙」「飲みすぎ」「やせすぎ」「肥満」「運動不足」と発がんとの関係です。国立がん研究センターのがん予防・検診研究センター予防研究部の津金昌一郎氏が、がんのリスク– 放射線、ダイオキシンと生活習慣 -という資料を作っていますが、当の放射線の発がんリスクについては、放射線医学総合研究所の孫引きでしかありません。国立がん研究センターは、放射線とがんとの因果関係を調べてもいないし、研究してもいません。放射線と発がんとの関係を調べているのは、放射線医学総合研究所であり、この放射線医学総合研究所はABCC、放射線影響研究所の流れを組む、アメリカの核兵器戦略体制を擁護する立場で管理・運営されている組織です。ビキニ事件で被ばくした、第5福竜丸の乗組員を肝臓がんを見つけながらも、見殺しにしてきた機関です。 <参考> 国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護モデルを信用したら、殺されます。ICRP pub111より  国立がん研究センターが、生活習慣と発がんの関係を研究した、以下の表をご覧下さい。このがんの中に「甲状腺がん」がないことにご注目下さい。また、発がんの要因に「放射線」「放射性物質」がないこともにもご注目下さい。国立がん研究センターが研究しているのは、生活習慣と発がんとの関係であり、放射線に関しては門外漢の立場に置かれています。その「国立がん研究センター」の名前を使って、さも「運動不足」の方が「100ミリシーベルトの被ばく」より発がんリスクが高い、というのは詐欺です。  そして、原発事故を引き起こしてしまった日本では、放射線被ばくは生活習慣と切り離して考えれるものではありません。もはや東日本に住む人間は、日常的な被ばく状況に置かれています。その被ばく状況の深刻なところと、比較的薄いところとで、発がんリスクを比べるべきではないでしょうか。また、日本に生活しながら、放射能汚染地帯の食べ物を日常的に食べる人と、放射能で汚染された食べ物を食べない人との発がんリスクを比べる必要があるのではないでしょうか。  国立がん研究センターの独立した、放射線被ばくと発がんリスクの調査・研究体制を求めます。 <解説> 国立がん研究センターの検索画面で、「放射線被ばく がん」と検索をかけても、検索結果が何も出てこない。国立がん研究センターは、放射線と発がんとの関係を研究した成果を何一つ持っていません。            

野原千代さんを悼む 矢ヶ崎克馬 2018年10月28日

   10月28日は野原千代さんの命日です。経済学分野で政府委員も務めた堂々たる准教授だった千代さんが一大学院生として生物学の研究を志した。時に56才。そして3/11事故に遭遇した。幼い、そして生まれ出る幼い命を守ろうとする鮮烈な想いが放射能汚染場に生きるヤマトシジミの内部被曝の研究に走らせた。事故後2ヶ月で福島入り。研究を阻止しようとする二重三重の妨害を決然とはねのけて。   放射能場でないと得られない世界史に残る実態の解明を成し、更に解明しようと体調を押して研究活動に邁進。福島入りして2年経過した頃は既に被曝が彼女を蝕んでいた。腎臓機能をやられて、被曝すると浮腫が出て体重が20キロも増す。沖縄に帰って被曝を断つと回復する。そんな状態を繰り返した。そんな中でも子どもたちの救済と研究の継続に心を込めた。全力を尽くした。    そして2015年、巨星が落ちた。花の微笑み、鉄の意志。爽やかな、透徹した誠実さを持ったこれほどの研究者が他に居ようか!再び私の心は裂けそうになった(2013年に鮮烈な生き方をした連れ合いの沖本八重美が急逝した)。   私は野原千代さんがメールの署名に使っていた「ちよどん」をそのまま彼女の呼称に使っていた。ちよどんさん、遺志は継いでいるよ。ゆっくり安らかにお眠りください( ◠‿◠ )矢ヶ崎   追悼、野原千代さん。千代さんの研究はこんなにもの各国で反響を呼んだのです。 シュピーゲル(ドイツ)http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/fukushima-strahlung-fuehrt-schmetterlingen-zu-mutationen-a-849972.html BBC(イギリス)https://www.bbc.com/news/science-environment-19245818 ルモンド紙(フランス)https://www.lemonde.fr/planete/article/2012/08/15/des-papillons-mutants-autour-de-fukushima_1746252_3244.html ルモンド紙(和訳)https://besobernow-yuima.blogspot.com/2012/08/blog-post_18.html ABC(米)https://www.abc.net.au/news/2012-08-13/fukushima-mutant-butterflies/4194240 CNN(米)消されていますhttp://www.youtube.com/watch?v=1yVNn0tlz5k FOX TV(米)https://video.foxnews.com/v/1786844712001/?#sp=show-clips 【中日新聞】原発事故が影響 チョウに異常 琉球大チーム調査  https://blogs.yahoo.co.jp/sj566029/70194279.html2012年8月11日◆死ぬ確率高く   雄の羽小さく東京電力福島第1原発事故による放射性物質の影響で、チョウの1種「ヤマトシジミ」に遺伝的な異常が出たとする調査結果を琉球大の大滝丈二准教授(分子生理学)らの研究チームがまとめ、11日までに英科学誌電子版に発表した。ヤマトシジミは人が生活する場所に多く生息する。チームは昨年5月と9月、福島県内のほか茨城、東京など計10カ所で採集した。5月に集めた成虫144匹から生まれた卵をふ化させて育て、孫の世代まで調べたところ、いわき市や広野町など福島県内のチョウは、子の世代で死ぬ確率がほかの地域に比べ高かった。線量が高い地域ほど雄の羽のサイズが小さくなっていた。子の世代では全体の約2割で羽の配色パターンや斑点の数などに異常があり、親の世代よりも1.5倍高い発生頻度だった。9月に採集した成虫約240匹では、子の世代の約5割で異常が見つかった。 追悼、野原千代さん。国際的総合科学ジャーナル誌「Nature」での発表2013年8月6日The biological impacts of the Fukushima nuclear accident on the pale grass blue butterflyhttps://www.nature.com/articles/srep00570    

現在プルサーマル発電を実施しているのは関電高浜3、4号機と九電玄海3号機の3基だけ

 現在プルサーマル発電(MOX燃料使用の原発)を実施しているのは関西電力高浜3、4号機(福井県)と九州電力玄海3号機(東松浦郡玄海町)の3基だけです。九州電力は、鹿児島県で川内原発3号機の新設を目論見、また、佐賀県の玄海原発4号機(2018年10月現在再稼働中)のMOX燃料での発電(プルサーマル発電)を狙っています。  47トンにも及ぶ、日本のプルトニウム保有。 日本は原発で使うための、使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する権利を認められた、唯一の非核兵器保有国。しかし、プルサーマル発電がほとんど動いていない現状では、日本が保有す47トンのプルトニウムは、日本の潜在的な核兵器保有を示すこととなり、北朝鮮の非核化の妨げになっています。日本が保有する47トンのプルトニウムのうち、31.1トンが核分裂性のプルトニウム239です(資源エネルギー庁『我が国のプルトニウムの管理・利状況について』2018年4月3日より)。  この核分裂性のプルトニウム239、31.1トンは、どこにあるのか?先の資源エネルギー庁の資料によれば、青森県六ヶ所の再処理工場に2.3トン。各原発に1.1トン。フランスに10.5トン。イギリスに14.0トン。茨城県東海村など、日本原子力研究開発機構に3.2トンあります。  フランス、イギリスにあるプルトニウム239は直ちに放棄すべきでしょう。また、トラブル続きの青森県六ヶ所村の再処理工場は動かすべきではありません。 佐賀新聞より ■大間原発3回目運転延期 審査長引き工事2年遅れ 電源開発 佐賀新聞 2018年09月05日   電源開発(Jパワー)は4日、青森県大間町で建設中の大間原発について、安全対策工事の開始時期が約2年遅れて2020年後半になると県、大間町などにそれぞれ伝えた。原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査が長引いており、延期は3回目。運転開始も約2年遅れて26年度ごろになるとしている。 大間原発は全炉心でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う世界初の商業用原子炉。完成が遅れれば、使用済み燃料を再処理して活用し、プルトニウムを減らす国の核燃料サイクル政策の見通しがさらに狂う。世耕弘成経済産業相は4日の記者会見で「電源開発にはスケジュールありきではなく安全最優先で、審査に適切に対応してもらいたい」と述べた。 同社が14年12月に申請した大間原発の審査では、地震や津波の想定に関する議論が続き、施設の安全対策の確認作業が控える。同社は審査合格まで約2年かかるとみて工事延期を表明した。同原発の建設は08年に始まったが、東京電力福島第1原発事故の直後から進捗(しんちょく)率は37・6%にとどまる。 再処理工場稼働に影響も  プルトニウム消費の「切り札」とされる電源開発大間原発(青森県大間町)の運転開始が4日、先送りの公算となった。国の原子力委員会は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)について、現行のプルトニウム保有量の水準を超えないように制限すべきだとの指針を示しており、工場稼働にも影響を与えそうだ。 「大間原発に期待されるプルトニウム消費への寄与は大きい」。大間原発の運転開始遅れについて、日本原燃の担当者は落胆を隠せなかった。同原発は全ての核燃料にプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使う世界初の商業炉。大間原発1基で年間、核分裂性のプルトニウムを約1・1トン消費できる。 通常の原発でMOX燃料を燃やす「プルサーマル発電」では、年間で消費できるのは1基当たり多くても0・4トン程度。東京電力福島第1原発事故後、十分に消費できるほど原発の再稼働が進まず、現在プルサーマル発電を実施しているのは関西電力高浜3、4号機(福井県)と九州電力玄海3号機(東松浦郡玄海町)の3基だけ。四国電力伊方3号機(愛媛県)は広島高裁による運転差し止めの仮処分決定により現在停止中。大間原発でのプルトニウム消費の期待は大きかった。 背景にあるのは、日本の保有プルトニウムに対する米国など国際社会の厳しい視線だ。日本は非核分裂性も合わせ、国内外に約47トンのプルトニウムを持つ。これは核兵器約6千発分とされる。原子力委は米国の要請に応じる形で7月、2021年度完成予定の再処理工場の稼働を制限する新たな指針を決めたばかり。再処理工場はフル稼働すれば年間約8トンのプルトニウムを生産する。大間原発の運転開始は24年度ごろから26年度ごろにずれ込む見通しで、再処理工場が稼働しても当面限定的になりそうだ。 資料:我が国におけるプルトニウムの管理・利用について. 資源エネルギー 庁 2018年4月3日        

誰が九州での4基の原発を再稼働させたか?「脱原発候補」三反園鹿児島県知事ではないのか?

誰が九州での4基の原発の再稼働を可能にしたのか?「脱原発候補」だった、三反園鹿児島県知事ではないのか? そもそも、三反園候補の掲げる政策は、脱原発でも何でもなく、「原発慎重運転」だった。しかし、「脱原発の統一候補」として原発反対運動の側からの支持を取り付けた。唯一の脱原発に近い政策は、川内原発1号機,2号機の再稼働をめぐって、「専門家委員会」を立ち上げ、その評価を鹿児島県独自に行うというものだった。しかし、2016年7月28日に県知事に就任したにもかかわらず、2016年12月20日まで「専門家委員会」を立ち上げず、その間に九州電力が川内原発1号機を2016年12月8日から再稼働工程を始める事態を産んでいます。その「専門家委員会」もすべてが原発推進派で構成されるというものでした。 西日本新聞の記事から ■ 反原発団体「保安林解除しないで」 三反園知事に要請 川内原発の造成工事「3号機増設につながる」 西日本新聞 2018年6月7日 九電川内原発敷地内の保安林の解除をしないよう県担当者(左)に要請する反原発団体のメンバーたち    鹿児島県の反原発団体「原発ゼロをめざす鹿児島県民の会」などは6日、九州電力川内原発(同県薩摩川内市)が敷地内で保安林を伐採して造成工事をしていることに「3号機増設につながりかねない」として、県が保安林指定を解除しないよう求める要請書を三反園訓(みたぞの・さとし)知事あてに提出した。  九電は2016年6月、1、2号機の安全対策に伴う工事用資機材の保管場所をつくる目的で4・5ヘクタールの解除を申請。県は昨年、外部識者の意見も踏まえて解除予定であることを通知した。森林法では、予定通知で伐採が認められており、九電は17年6月、造成に着手した。  要請では、保安林は福島原発事故後に凍結となった川内3号機増設工事の事業実施区域にあり「(それぞれの工事で予定される)排水路や調整池の場所までも重なる。事実上は3号機の準備工事ではないか」と指摘。県が権限を持つ工事後の解除を認めず、凍結中の3号機の完全な「白紙撤回」を求めている。  県担当者は「申し入れを精査し、後日回答したい」と述べるにとどめた。九電は取材に、今回造成について「3号機増設とは関係ない」と説明する。  県によると、原発近くの保安林は海岸からの飛砂を防ぐために指定。造成工事は20年3月に終了予定で、斜面の緑化などの代替措置が確認されれば、保安林から解除される見通し。  反原発団体は「知事は『3号機増設を進める状況にはない』と言っているが、人ごとのような認識ではなく保安林解除をしないなど具体的な言動を示すべきだ」と訴えている。  佐賀新聞の記事から ■三反園・鹿児島知事就任2年 金看板「脱原発」色あせ 事実上撤回、機運失速、運動に影響 佐賀新聞 2018年7月23日  東京電力福島第1原発事故を受け、安全面に厳しい姿勢で臨む知事が原発立地県に相次いで誕生したが、方向転換などでその発信力が色あせている。2018年7月28日で就任2年を迎える鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事は、金看板として掲げた「脱原発」を事実上撤回。原発再稼働に慎重だった新潟県の米山隆一前知事も女性問題によって任期途中で辞任した。脱原発の機運が失速し、住民運動にも影響が出かねない状況だ。  「安全協定に基づき、異常発生時は速やかに連絡をもらう体制ができている」▼丸投げ 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)でのトラブルを受け、5月の記者会見で見解を問われた三反園氏は、九電に新たな要請などはしない考えを示した。就任当初に「県民の安心のため」と福岡市の九電本社へ自ら出向き、当時の瓜生(うりう)道明社長に検査徹底を迫った面影はない。 知事就任から4カ月余りの2016年12月以降、九電川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の稼働を容認。その後原発政策での踏み込んだ発言は鳴りを潜めた。安全性に関する議論は、自らの公約に基づいて発足した専門家委員会に“丸投げ”の状態。三反園氏は目下「防災対策に注力し、再生可能エネルギーを推進する」との立場だ。▼説明回避 16年は、新潟県でも東電柏崎刈羽原発再稼働に慎重姿勢を示していた米山氏も初当選し、県独自の福島第1原発事故の検証を強化。しかし、思わぬ形で辞任を余儀なくされ、作業は後継の知事らに委ねることになった。 一方、三反園氏は原発政策での方向転換に関する説明を避けたままだ。早稲田大法学学術院の首藤重幸教授(原子力行政法)は「原発に不安を抱える有権者の期待を受けて当選したのに、行動が軽すぎる。三反園氏の対応も無責任だ」と強調し、脱原発に向けた住民運動への影響も懸念する。▼厳しい視線 全国の商業原発で先駆けて再稼働した川内1、2号機は運転開始から30年以上が経過し、九電から運転延長の申請があった場合に容認するかどうかの判断が控える。周辺自治体に慎重な意見もある中、三反園氏は「国が原則40年としている」と繰り返すだけで、こうした声をすくい上げるような姿勢は見せていない。 脱原発で政策協定を結び知事選出馬を見送った平良行雄氏は「三反園知事の誕生は全国的にも大きな衝撃を与え、地方から脱原発に向けた流れをつくれるはずだった」と憤りを隠さない。知事1期目の任期折り返しを迎える中、「最後まで公約を貫いてほしい」と厳しい視線を送っている。

玄海4号機プルサーマル 必要性理解 玄海町長選初当選 脇山伸太郎氏に聞く 「正式な話なく、容認でもない」 佐賀新聞 2018年07月31日

玄海4号機プルサーマル 必要性理解 玄海町長選初当選 脇山伸太郎氏に聞く 「正式な話なく、容認でもない」 佐賀新聞 2018年07月31日  2018年7月29日投開票された東松浦郡玄海町長選で、現職から後継に推されて初当選した前町議の脇山伸太郎氏(61)が30日会見し、核燃料サイクルの観点から、玄海原発3号機で実施しているプルサーマル発電を4号機にも導入する必要性に理解を示した。ただ、現時点で九州電力から打診があったわけではなく、容認している訳でもないとも述べた。唐津市が目指す原発再稼働の同意権を広げる協議会設立については態度を留保した。(藤本拓希) ■当選から一夜明けた。心境は。 議員経験はあるが、端から見ていた町長と、実際に町長になることとは全く違う。不安もあるが、岸本町政を引き継ぎながら、私なりのカラーを出していきたい。選挙でも感じたことだが、北部と南部の旧村のしがらみをなくしていきたい。 ■選挙戦では争点にならなかったが、九州電力玄海原発とどう向き合っていくか。 福島第1原発事故では、(電気を供給している)配電区域の外に原発を持つ東京電力のおごり、慢心を感じた。九州電力には玄海町に地元意識を持ってほしい。福岡県に原発があるような意識で運営してもらいたい。 ■玄海3、4号機が再稼働した一方で、使用済み核燃料の保管量には余裕がなく、行き場がない。 (使用済み核燃料を再処理、活用する核燃料サイクルの要となる)高速増殖炉「もんじゅ」が頓挫し、青森県の再処理工場も動いていない。余剰プルトニウムも増え続けている。玄海4号機へのプルサーマル発電導入の話がくるのではという予測がある。必要であれば考えていかなければいけない。3号機でも実績があり、大丈夫ではと思う。ただ正式な話があったわけではなく、導入拡大を容認しているわけでもない。 1号機は廃炉になり、安心した。2号機は出力が3、4号機の約半分で、新規制基準に沿った安全対策費用のことを考えると、運転を延長して本当に採算が合うのか。九電が考えることだが、難しい気がする。 ■唐津市の峰達郎市長は原発再稼働などの同意権を巡り、立地自治体以外への拡大を検討する協議会の設立を新町長に打診する考えを示している。 自分の考えはあるが、県や九電と結んだ安全協定との関係もあり、今はコメントしない。ただ(同意権を拡大した)茨城方式を取ると、再稼働へのハードルは上がるとは思う。 ■人口減や若者の流出が止まらない。まず何に取り組むか。 町内には働く場所がなく、これから結婚、子育てをしようとする世代にとっては魅力ある町ではないかもしれない。年度途中であり、公約に掲げた政策推進室の新設は来年度になるだろう。まず雇用をつくり、町内に住んで働いていける環境をつくっていく。  原発、争点ならず町長選回顧 3期12年の岸本英雄町政の継承か、変革かが問われた東松浦郡玄海町長選は、現職後継の脇山伸太郎氏(61)が、変革を訴えた中山敏夫氏(63)を破った。玄海原発3、4号機が6月までに再稼働し、共に原発容認の立場だったこともあって、今回も原発は争点とならなかった。 初当選した脇山氏は17年近い町議時代の活動をアピール、定例議会での一般質問を欠かさず、地道な地域活動が評価された。現職の岸本英雄町長(65)をはじめ、新旧の町議会議長ら現町政を支える人たちの後押しを得たほか、元町議などの組織も生かして「継承」への支持を広げた。 2人の差は638票。4年前、岸本氏に330票差まで迫った中山氏だったが、後継の脇山氏に差を広げられた。前回は、小中学校の統合で学校がなくなる町北部の不満や、岸本町政の長期化への批判も追い風に票を積み上げた。今回は新人同士となり、町を二分するような争点もなく、両候補ともソフト事業を中心に訴えていて違いが見えにくかったのも影響した。 住民サービス拡充を競い合った格好だったが、原発頼みで細る歳入にどう対応するかは見えなかった。使用済み核燃料の行方や2号機の存廃といった課題もある。新町長は選挙戦で語られなかった論点への考えを示し、議会もただしていく姿勢が求められる。(藤本拓希)

内部被ばくを考える市民研究会・岐阜準備会 IT研修会 関市学習情報館3階 パソコン研修室 2018年10月24日(水)・25日(木)9時~12時 随時

[ 2018年10月24日; 9:00 AM to 12:00 PM. 2018年10月25日; 9:00 AM to 12:00 PM. ] 内部被ばくを考える市民研究会・岐阜準備会 IT研修会 日時 2018年10月24日(水)・25日(木) 9時~12時 場所 岐阜県関市学習情報館3階 パソコン研修室  目的 内部被ばくに関するインターネットでの情報収集の方法と整理について    サイト検索・情報の判断・Excel活用方法 参加費 無料 ご案内 ご都合のつく時間で結構です。ご参加お待ちしています。    内部被ばくを考える市民研究会・岐阜の立ち上げの相談など 連絡先 内部被ばくを考える市民研究会 事務局にメールを E-mail  entry.naibu@gmail.com まで     または 川根眞也の携帯にご連絡ください。

「若年者甲状腺癌の臨床的検討」 武市宜雄 1997年

 広島の武市宣雄医師他が日本臨床外科医学会雑誌(1997年)に「若年者甲状腺癌の臨床的検討」という論文を書いています。 若年者甲状腺癌の臨床的検討 杉田圭三 武市宣雄他 日臨外医会誌 58(3)1997  この論文によれば、広島大学第2外科では、1973年から1995年の過去23年間に10例の若年甲状腺癌を経験した、とあります。その10例とは ※ 23年間で若年者甲状腺がんの症例10例  川根が論文から整理、注釈をつけた。 1973年-1977年(4年間) 2例1977年-1981年(4年間) 2例1982年-1986年(4年間) 0例 チェルノブイリ原発事故(1986年)までの4年間1987年-1991年(4年間) 5例 チェルノブイリ原発事故から1年後~5年後の4年間1992年-1995年(3年間)               不明1例  「甲状腺がんの発生要因として、頸部へのX線照射が問題とされ、20歳未満の甲状腺がん患者の20%にX線照射の既往があったとの報告も見られる。  Frankenthaler RA, Sellin RV, Cangir A, et al: Lymph node metastasis from papillary follicular thyroid carcinoma in young patients. Am J Surg 160: 341-343, 1990  「当科の症例では、全例、両親の被ばく、X線照射と無関係であった」、とあります。 また、 「小児甲状腺がんの特徴として、(1)男児の比率が成人に比べ高い。男女比は1:1.5~2.6と報告されている。(2)初診時、頸部リンパ節転移、肺転移を起こしている症例が多い。(3)進行度の割に予後良好であることが多い。(4)肺転移に対してヨウ素131治療の有効例が多い。などが報告されている。 症例1は気管、反回神経に湿潤し、多発性肺転移を起こした進行がんであり、これらの特徴を備えている。  小児甲状腺がんの場合、発症機転として結核、気管支喘息様の症状で見つかることがあり、注意が必要とされる。」 と書かれています。  また、奈良県立医科大学耳鼻咽喉科の清水直樹医師は、日本小児耳鼻咽喉科学会の会誌(2008年)に「当科における小児甲状腺癌の検討」という論文を書いています。 当科における小児甲状腺癌の検討 清水直樹 他 奈良県立医科大学耳鼻咽喉科 2008  この中で、「奈良県立医科大学耳鼻咽喉科では1990年から2006年の過去17年間に7例の小児甲状腺がんを経験した。」「性別は男性3例、女性4例で、年齢は8~16歳、平均年齢は11.6歳であった。病理組織型は、乳頭がん6例、濾胞がん1例と、成人同様乳頭がんが多く認められた。」と述べています。また、「頸部リンパ節転移は全例に認められ、T4の3症例(8歳の女の子、8歳の男の子、12歳の男の子)はすべて肺転移を認めた。」とも書かれています。「小児・若年性甲状腺がんの特徴としては、死亡率は低いが、再発が多いことがあげられる(野口志郎:小児甲状腺癌の特徴.内分泌外科,17:247-250,2000)。症例1(8歳の女の子)は術後3年目に肺転移、症例4(12歳の女の子)は術後2年後にリンパ節再発を認めている。これらの結果からは、局所再発や遠隔転移に対する対策が治療上重要であると考えられる。」とも。 表1 小児甲状腺がん症例症例 年齢 性 触診所見 病理診断 病床病期  経過年数   その他   診断年月1     8  女 びまん性 濾胞がん T4N1bM1 15年10カ月  肺転移  1991.5チェ事故5年1カ月2     8  男 びまん性 乳頭がん T4N1bM1  1年 9カ月   肺転移  2005.6チェ事故9年2カ月3    12  男 びまん性 乳頭がん T4N1bM1   転院   肺転移   不明4    12  女 結節性  乳頭がん T3N1bM0  6年 5カ月  リンパ節再発                                      1990.1チェ事故4年6カ月 5    12  女 結節性  乳頭がん T1N1bM0  1年 8カ月          2005 . 7チェ事故 9年3カ月 6    13  男 結節性  乳頭がん T3N1bM0 10年 9カ月           1996 . 6チェ事故10年2カ月7    16  女 結節性  乳頭がん T2N1bM0 16年 5カ月         1990.10チェ事故4年6カ月 ※ 診断年月は川根が経過年数から計算した。この論文の発表年が2008年。経過年数は2007年3月までと判断して、診断年月を計算した。<凡例> 症例1  2007年3月-15年10カ月=1991年5月 チェルノブイリ事故から5年1カ月経過  まとめると、以下のようになります(川根)。 1990ー1993年の4年間 診断症例 3例(チェルノブイリ原発事故から4年~7年後) 1994ー1997年の4年間 診断症例 1例(チェルノブイリ原発事故から8年~11年後) 1998ー2001年の4年間 診断症例 0例(チェルノブイリ原発事故から12年~15年後) 2002ー2006年の5年間 診断症例 2例(チェルノブイリ原発事故から16年~21年後) 不明 1例 ※ チェルノブイリ事故当時の年齢 3歳、3歳、3歳、7歳、11歳、産まれていない、不明。  国立がん情報センターの統計から小児甲状腺がん(0-19歳)の罹患について抜き出し、年ごとの罹患者数、および10万人あたりの罹患率を川根が整理しました。Excelデータです。 甲状腺がん 全国がん罹患数・率 推定値1975 2011年 国立がん研究センターがん情報サービス

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