内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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2017年1月

福島県住民の初期被ばくを追う(3) 原発事故前の東電の全面マスク+酸素ボンベ着用基準は400ベクレル/m3以上

 福島県住民の初期被ばくを追う(3) 原発事故前の東京電力の全面マスク+酸素ボンベ着用基準は400ベクレル/m3以上でした。原発事故後、この基準は全面マスクの着用基準200ベクレル/m3以上と大幅に緩和されています。  この全面マスク+酸素ボンベ着用とは、以下のようなものです。宇宙服のように酸素ボンベを背負うか、エアラインホースに接続されたマスクを着用し、その現場の空気を一切吸ってはならない、という規定が、原発事故前の東電、福島第一原子力発電所構内にはありました。その基準は、管理区域のD区域と呼ばれ、表面汚染が40万ベクレル/m2以上、空気中の放射性物質の濃度400ベクレル/m3以上でした。  以下が、東京電力株式会社 福島第一原子力発電所 放射線防護教育用テキスト 放射線作業と遵守事項 pp.9に規定されていた、管理区域の区域区分です。  また、管理区域 C区域 では全面マスクまたは反面マスクの着用が義務づけられていました。これは表面汚染が4万ベクレル/m2以上40万ベクレル/m2未満、空気中の放射性物質の濃度が40ベクレル/m3以上400ベクレル/m3未満でした。全面マスクといえども、99.9%以上の粒子捕集効率にすぎません。すなわち400ベクレルあれば、0.4ベクレル/m3の放射性物質は吸い込んでしまうことを意味しています。このC区域は0.4ベクレル/m3以上の吸入摂取がないレベル、と考えることができます。東京電力は、少なくとも40ベクレル/m3の放射性物質を含む空気を原発作業員に吸わせるべきではない、という基準を持っていた、ということです。  管理区域C区域でのマスクは以下のようです。  果たして、2011年3月11日から始る、東京電力 福島第一原子力発電所の1~4号機の全電源喪失、冷却機能の喪失、そして核燃料のメルトダウン、圧力容器からのメルトスルー。そして、格納容器の破損、圧力抑制室の破損による、放射性物質の放出はいつ、どのくらいの量だったのでしょうか。また、その放射性物質の種類は?  フランスIRSN(フランス放射線防護安全研究所、日本の原子力安全保安院に相当)が2012年2月28日に公表した報告書では、「放射性物質の大量放出は2011年3月12日から25日に行われた。約15回におよぶ事象(爆発、ベント、格納容器や圧力抑制プールの破損、などか?編者注)があった。しかし、主要な大量放出は2011年3月17日まで起きた。」と書かれています。以下がその報告書に掲載されていた、1秒間あたりの放射性物質の放出量と、それが何号機のものなのか、です。青が1号機からの放出、赤が2号機からの放出、緑が3号機からの放出です。 原典:Summary of the Fukushima accident‘s impact on the environment in Japan,one year after the accident フランス放射線防護安全研究所(IRSN) 2012年2月28日公表  これと、以下の日本原子力研究開発機構が計算したシュミレーションとを合わせて考えると、2011年3月12日、3月15日、3月18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日と30日に大量放出があったことがわかります。特に、もっとも最大の放射能が放出されたのは、2011年3月15日の午後から夜にかけてではないでしょうか。    この2011年3月12日から3月25日、および、3月30日~3月31日のダストサンプリングのデータが、福島県および周辺の住民の初期被ばくを推定するために決定的に重要です。以下に、川根が収集したダストサンプリングのデータを掲載します。pdfです。ダウンロードしてご覧下さい。あなたの街で、いつ、どれくらいの放射能が空気中に入っていたのかがわかります。だたし、決定的な期間のダストサンプリングのデータが欠損しています。 ダストサンプリングの測定結果 各ポイントにおけるヨウ素131、セシウム134、セシウム137それぞれの放射能濃度最大値及び最新値 文部科学省 平成23年4月30日10時00分現在 ダストサンプリングの測定結果 各ポイントにおけるヨウ素131、セシウム134、セシウム137それぞれの放射能濃度最大値及び最新値 文部科学省 平成23年5月10日13時00分現在 ダストサンプリングの測定結果(福島県) 文科省 2011 0318 0319 0325 2011年6月7日現在  緊急時モニタリングにおける大気浮遊じんのγ線核種分析結果について 20110312 0314 福島県放射線監視室 2016年5月26日  また、床次眞司教授らが2012年7月12日に公表した論文“Thyroid doses for evacuees from the Fukushima nuclear accident”の中で、2011年3月12日6時から4月6日0時まで、ずっと屋外で生活した場合の1才児の被ばく線量をシュミレーションしています。赤の実線内の区域が1000ミリシーベルト、赤の破線は500ミリシーベルト、オレンジ色が100ミリシーベルトに相当する区域です。  川俣町山木屋地区は2011年4月22日まで避難指示が出ていませんでした。約半数の住民は自主的に避難していましたが、半数の住民は残っていた、と古川道郎町長は言っています(通販生活 フクシマの首長 第9回 川俣町 古川道郎町長)。果たして、山木屋地区住民はどれくらいの放射性物質を吸い込んでしまったのでしょうか。上記、ダストサンプリングのデータでは、2011年3月25日、15:05~15:22の空気は 555.00ベクレル/m3のヨウ素131を含んでいました。東電が定めた、宇宙服並みの酸素ボンベ付き全面マスク着用基準に相当します。  The system for Prediction of Environmental Emergency Dose Information (SPEEDI) estimated thatthe thyroid dose for 1-year-old infants spending time outdoors in various areas of Tsushima District during [...]

福島県住民の初期被ばくを追う(2) 茨城県東海村でヨウ素131 2,800ベクレル/m3

[第1稿] 2017年1月29日 川根 眞也 [改定・追記] 2018年2月6日 川根 眞也  福島県住民の初期被ばくを追う(2) 茨城県東海村で、2011年3月14日23時から3月15日9時までの空気中のダスト、最高値はヨウ素131 2,800ベクレル/m3でした。日本原子力研究開発機構が測定していました。  そして、同じく日本原子力研究開発機構の、東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所が、2011年3月13日から5月23日まで、空気中の放射性核種の濃度測定をやっていました。そのテルル129m、テルル132、ヨウ素131、ヨウ素133、セシウム134、セシウム136、セシウム137の核種分析が公表されています。気体の捕集時間もまちまちですが、基本的に高濃度のときは捕集時間を長く、非常に微量な時間帯は捕集時間を短く設定されているように思えます。文科省や東電の公表データに比べ、良心的ではないか、と思います。この核燃料サイクル工学研究所のデータでも、最高値は2011年3月15日午前3時から午前6時の空気のダスト(粒子状と揮発性の合計)で、ヨウ素131が1,600ベクレル/m3、テルル132が1,300ベクレル/m3、ヨウ素133が210ベクレル/m3検出されています。  データが読みづらいと思いますので、是非、以下のpdfをダウンロードしてご覧下さい。このデータから、原発事故から2ヶ月間のセシウム134、セシウム137のデータから、ヨウ素131、ヨウ素132、ヨウ素133の空気中濃度が推定できるのではないでしょうか。 核燃料サイクル工学研究所安全管理棟前(周辺監視区域内)  空気中で検出された主要な放射性物質の濃度の測定結果 2011年3月13日 15:20~5月12日 9:00  原典はこちらです。pp.81~86。この原典資料の指数表示をすべて、川根が小数点表示に直したのが上記です。 福島第一原子力発電所事故に係る特別環境放射線モニタリング結果-中間報告-東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所放射線管理部 2011年8月  さらに、粒子状と揮発性の放射性物質ごとに見ると、2011年3月15日6:00~9:07の大気では 図9 核燃料工学研究所(茨城県東海村)で観測された、空気中の放射性物質濃度(粒子状)の経時変化 核種   大気中濃度[ベクレル/m3]  ※ 2011年3月15日 6:00~9:07am テルル129m   480 テルル132        1300(1位) ヨウ素131          840(2位) ヨウ素133          120 セシウム134       180 セシウム136         38 セシウム137       190 図10 核燃料工学研究所(茨城県東海村)で観測された、空気中の放射性物質濃度(揮発性)の経時変化   核種   大気中濃度[ベクレル/m3] ※ 2011年3月15日 6:00~9:07am テルル129m      ND テルル132             6(3位) ヨウ素131         760(1位) ヨウ素133           92(2位) セシウム134       ND セシウム136         0.5 セシウム137         0.71 図5 核燃料工学研究所(茨城県東海村)で観測された、空気中の放射性物質濃度(粒子状と揮発性の合計)の経時変化   核種   大気中濃度[ベクレル/m3] ※ 2011年3月15日 6:00~9:07am テルル129m      480(6位) テルル132         1300(2位) ヨウ素131         1600(1位) ヨウ素133           210(5位) セシウム134        180(4位) セシウム136          38(7位) セシウム137        190(3位)   粒子状の放射性物質で、もっとも2011年3月15日 6:00~9:07amの東海村の大気でもっとも多かったのは、テルル132でした。政府や福島県の福島県住民の被ばく線量評価では、ヨウ素131やセシウム134、セシウム137だけを対象にしており、テルル132を無視しています。他にも、少ない量の短寿命核種(バリウム140、ランタン140、テルル129m、セシウム136など)が放出され、呼吸を通して住民は摂取していました。政府や福島県の住民の内部被ばくの線量評価は数倍誤っている可能性があります。      

福島県住民の初期被ばくを追う(1) 放射線医学総合研究所 栗原理氏の初期被ばく

福島県住民の初期被ばくを追う(1)  福島県民の99%までが100ミリシーベルトまでの被ばくをしていない、と福島県立医大の山下俊一氏、鈴木眞一氏は言います。果たして、本当にそうでしょうか。  このシリーズは福島県民の初期被ばくを追いながら、東京、茨城、千葉、埼玉などの住民の初期被ばくを追います。資料はまとまり次第公開します。  これが、放射線医学総合研究所 栗原理氏の初期被ばく です。栗原氏は、2011年3月15日夜から3月18日まで、福島県福島市に滞在しました。そして、2011年3月18日以降は恐らく、千葉県千葉市にある放射線医学総合研究所に勤務していたと思われます。  3つのシュミレーションがありますが、1つ目は2011年3月15日(福島市夕方滞在)、1回だけの内部被ばくです。2つ目は2011年3月15日から3月18日までの複数回に渡る内部被ばく(福島市滞在)です。3つ目は2011年3月15日から3月21日(福島市~18日、市川市19日~21日)までの複数回に渡る内部被ばくです。  栗原理氏の上記資料を見ると栗原氏は、2011年3月23日の時点で、ヨウ素131 約530ベクレル蓄積していました。この数値は、その後、徐々にさがっていきます。1番目のシュミレーションでは、2011年3月15日一回だけの内部被ばくであったとするとこの日に3400ベクレルのヨウ素131を摂取したことになる、と書かれています。それは福島市での内部被ばくです。  これは、福島市にいたすべての住民の内部被ばくに相当するかもしれません。「しれません」と書く理由は、栗原理氏は放射線医学総合研究所の理事です。屋外に出る場合に、N95のマスクくらい付けていた、と思われます。何も知らずに吸わされていた、福島市住民はこの栗原氏の数倍の内部被ばくをしたのではないでしょうか。  2番目のシュミレーションでは、2011年3月15日から3月18日までの4日間に渡る内部被ばくで、合計2,800ベクレルを摂取、1日あたり710ベクレル摂取したことになる、と書かれています。それはすべて福島市での内部被ばくです。  3番目のシュミレーションでは、2011年3月15日から3月21日までの7日間に渡る内部被ばくで、合計2,400ベクレルを摂取、1日あたり240ベクレル摂取したことになる、と書かれています。それは福島市4日間、千葉市3日間での内部被ばくです。  以下、日本原子力研究開発機構が計算した、5つのモデルによる、ヨウ素131の地上大気中濃度(第1層濃度)の推移です(「事故初期のヨウ素等短半減期核種による内部被ばく線量評価調査」報告書 専門委員会検討委員会の会合記録 2013年)。A地点は福島第一原子力発電所で、B地点はその北西3~6kmの地点でのヨウ素131の地上大気中濃度の推移を示しています。2011年3月15日の2号機の爆発(6:14とされる)よりも、3月15日夜の方がヨウ素131が大量に放出されています。そのヨウ素131は8万ベクレル/m3を超えます。また、3月18日~25日にもそれぞれピークがあり、また、3月30日にも顕著なピークがあります。  ちなみに、福島県民にはついぞ安定ヨウ素剤の服用指示を出しませんでした。いくつかの自治体で安定ヨウ素剤が配られていたにもかかわらず。双葉町、三春町、大熊町は独自の判断で住民に安定ヨウ素剤を服用させています。双葉町がもっと早く、当時川俣町に避難していた845人以上(40歳以下)に3月13日と3月14日に服用させています。3月15日、大熊町は三春町に避難していた町民340人に、三春町は13時~18時に7250人に服用させています。  一方、福島県立医大の医師、看護師、そしてその家族は全員安定ヨウ素剤を服用しています。なぜならば、そうしなければ、福島県立医大附属大学病院から医師も看護師もいなくなるほどの放射能汚染だったからです。医師たちが逃げるのを見て、福島県から住民が避難してしまうことを恐れ、福島県立医大の医師や関係者には安定ヨウ素剤を服用させ、日本政府や福島県は、福島県民には「安定ヨウ素剤を服用するほどの放射能は出ていない」としたのです。  原発事故後、県立医大では放射能への恐怖が渦巻いた。若い女性職員の不安は大きかったし、子どもを連れて避難したいという声も出た。「医大内の混乱を鎮めるために配布は必要だった」と医大病院の副院長、細矢光亮(54)は話す。細井の話を受け、16日には職員の子どもにも配ることが決まった。対象は15歳以下とされた。各部で職員の子どもの数をまとめ、必要分を病院経営課で渡すことにした。17日には看護部に358人分が配された。19日から21日にはそのほかの部署の子ども用に814人分を配った。子どもの服用基準は「爆発時」または「毎時100マイクロシーベルト以上」とした。配布の事実は外に漏らさないように、と口止めがされた。ー朝日新聞(プロメテウスの罠)医師、前線へ:19 服用の指示が出ない 2013年11月6日  福島県民に安定ヨウ素剤の服用は必要ない、とした放射線医学総合研究所 明石真言理事は犯罪性はとても大きいと思います。2011年3月14日に放射性医学総合研究所がホームページ上に、「ヨウ素剤の服用によってはアレルギーなどの副作用をおこす場合もあります。また、安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素が体の中に入った場合のみに有効で、外部被ばくや他の放射性核種には効果がありません。従って、服用の必要があるかないかは、環境中への放射性ヨウ素の放出量から受ける被ばく量を推定し、医学的観点から決定すべきものです。」と見解を示し、「医師の立会いの下、指示がなければ安定ヨウ素剤を服用するな」と見解を示したのです。(東北地方太平洋沖地震に伴い発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識 放射線医学総合研究所 2011年3月14日 13時50分更新)  放射線医学総合研究所理事 明石真言氏は、朝日新聞の記者の取材に答えて、2013年6月「いま思えば、飲ませればよかった」と答えています。  更に、2011年3月18日に、長崎大から福島県立医大に派遣された山下俊一氏は、医大職員向け講演会を行っています。この中で山下俊一氏は「安定ヨウ素剤は信仰だ」とまで語り、「20キロ圏、30キロ圏以西の被曝(ひばく)量はおそらく1ミリシーベルト以下。チェルノブイリと比べて被曝量が微量なので、日本政府も安定ヨウ素剤服用の指示を出さない。」と、福島県民への安定ヨウ素剤不要論をぶちあげていました。ところが、朝日新聞の記者の取材に答えて、国のSPEEDI(2011年3月23日公表)の計算図では、100ミリを超える地域が原発30キロ圏外にも大きく広がっているのを見て、山下俊一氏は「ありゃー、と思いました」。放射能汚染は山下氏の予想を大きく上回っていた、と。政府は安定ヨウ素剤の服用の是非の問い合わせがあれば、「避難するほどの事態であれば服用する。そのためのマニュアルですから」と答えただろうと山下氏は答えています。  福島県のみならず、東北・関東一体に小児甲状腺がんの子どもたちが出ています。分かっているだけでも、福島県183名、宮城2人、茨城3人、神奈川3人、群馬、長野、埼玉、千葉、新潟1人。ヨウ素131のプルームが少なくとも、2011年3月12日から3月31日まで度重なり放出されたことを私たち市民は知りませんでした。少なくとも、3月31日までは、何度も安定ヨウ素剤を服用する必要があったのではないでしょうか。  福島県民に安定ヨウ素剤を服用させなかった、放射線医学総合研究所 明石真言氏、長崎大学 山下俊一氏の犯罪性は明らかです。偽証罪および傷害罪で起訴されるべきではないでしょうか。   是非、内部被ばくを考える市民研究会の会員にもなって下さい。会員には即日、内部被ばく通信をお送りします。年会費2000円です。お申し込みはこちらです。              

内部被ばく通信 カンパ1部100円 第1号(2016年8月6日)から第5号(12月6日)

 内部被ばく通信 カンパ1部100円 です。第1号(2016年8月6日)から第5号(12月6日)をご紹介します。  このごとに過去の内部被ばく通信は半年ごとに更新します。最近の内部被ばく通信を手に入れたい方は、事務局  内部被ばくを考える市民研究会事務局E-mail  entry.naibu@gmail.com   まで、メールにてご連絡下さい。以下はダウンロード先です。 内部被ばく通信 No1 2016年8月6日発行 内部被ばく通信 No2 20160906 2016年9月6日発行 内部被ばく通信 No3 20161006 2016年10月6日発行 内部被ばく通信 No4 20161106 2016年11月6日発行 内部被ばく通信 No5 20161206 2016年12月6日発行  会員の方は発行された日に、通信をダウンロードし、読むことができます。 会員の申し込みは  新規会員登録フォーム 上記フォームがご利用になれない方は、メールに①~⑥をご記入の上お申し込みください。 ①お名前(ふりがな) ②住所 ③電話番号 ④会員限定メーリングリストを希望される方はメールアドレス。⑤コメント(参加する動機など)をお書き下さい。⑥振込予定日  内部被ばくを考える市民研究会事務局E-mail  entry.naibu@gmail.com まで 会 費:年2000円(10月~3月入会2000円 4月~9月入会1000円) 振込先:内部被ばくを考える市民研究会 ゆうちょ銀行からの場合ゆうちょ銀行 記号 10370 番号73181351 ゆうちょ銀行以外の金融機関からの場合ゆうちょ銀行 店名 〇三八(読み方 ゼロサンハチ) 普)7318135 ※上記口座にてカンパ金も受け付けています。 カンパ金をお振込いただく際は、メールにてお名前・振込日・振込金額をお知らせください。  内部被ばくを考える市民研究会事務局  E-mail  entry.naibu@gmail.com まで                            

1月例会のお知らせ 2017年1月21日(土) 13:30~16:00(+1時間) 浦和コミュニティーセンター 南ラウンジAB(PARCO 9階

[ 2017年1月21日; 1:30 PM to 4:30 PM. ] 1月例会のお知らせです。 日 時 1月21日(土) 13:30〜16:00(17:00まで延長の可能性あり)場 所 浦和コミュニティセンター 南ラウンジAB (浦和パルコ9階)参加費 会員の方300円    一般参加の方600円    高校生以下は無料 1. 福島の子どもたちの小児甲状腺がん 183名  報告:川根 眞也 2. 東北、関東に広がる小児甲状腺がん、放射能プルームはいつどこを襲ったのか? 報告:川根 眞也 3. 「福島」はまだ帰れる場所ではない。「自主避難者」住宅支援の継続を!  報告:川根 眞也 <休憩> 4.  食品の放射能汚染の最新情報 2016年11月・12月 5.  会員の意見交流  ※この後、懇親会もあります。聞きたくてもみんなの前には聞けなかったことも質問できます。参加費、実費です。 ※諸事情によりプログラムが変更になる場合があります。 ※ 当日はツイキャス中継もしますので、会場に来れない方は是非、視聴参加ください。 http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/ こちらでは、生中継の他、過去の動画を見ることも出来ます。 聞き逃した情報などもチェックしてみてください。 それでは、沢山のご参加をお待ちしています。   ※ 「内部被ばくを考える市民研究会」の新年度会員受付中です。 会員の特典   1 内部被ばくに関する会員同士の情報交換……メーリングリストへの参加、投稿 2 月1回の例会……会員の方 資料代300円、一般の方600円。ツィキャスでの動画配信もあります。 3 月1回の例会資料pdfのダウンロードサービス。新聞記事、原発関連の情報などを整理したもの。全800ページ前後。  ジャンル①東京第一原発の現状②核をめぐる問題③原発再稼動④内部被ばく⑤被災地 福島 4 月1回 内部被ばく通信 毎月6日発行 【内部被ばくを考える市民研究会 会員登録フォーム】 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdXLtsOxEIMBt3whoCEO4UH8hGj2_yQbRsspI3dle9MZmJZEg/viewform 【お問い合わせ】entry.naibu@gmail.com 内部被ばくを考える市民研究会事務局 内部被ばくを考える市民研究会

2011年3月 ヨウ素131の大量放出には2回のピークがあった!

 厚生労働省 第三回水道水における放射性物質対策検討会(2011年6月13日開催)で、古米弘明教授(東京大学大学院工学系研究科)が、2011年3月のヨウ素131の大量放出には2回のピークがあったことを報告しています。対象となった流域は、久慈川流域です。  この久慈川流域にあたる市町村は以下です。 福島県―棚倉町、浅川町、鮫川村、塙町、矢祭町、 栃木県―大田原市 茨城県―大子町、常陸大宮市、常陸太田市、日立市、東海村、那珂市   古米弘明教授は、国立環境研究所の大原利眞氏の研究に基づき、この久慈川流域にヨウ素131が、溶存態で699,950 GBq(ギガベクレル)、懸濁態で77,725 GBq(ギガベクレル)、総計 777,675 GBq(ギガベクレル)降り注いだことを2011年6月13日の会議で報告しています。  明らかに、2011年3年15日0時から同年3月16日11時頃まで、と3月21日12時から3月23日6時頃までの、2回の大きなピークがあります。この2つの時間帯に屋外で呼吸をしていた子どもたち、大人たちに甲状腺がんのリスクがあるのではないでしょうか。    一方、セシウム134+セシウム137については、この久慈川流域に、溶存態で1,980 GBq(ギガベクレル)、懸濁態で17,800 GBq(ギガベクレル)、総計 19,780 GBq(ギガベクレル)降り注いだことを報告しています。  そして、報告のスライドには「大きく2回の降下量ピークがあり、セシウムに比較してヨウ素の降下量が多いと計算されている」と書かれています。  2013年に首都圏大学東京が、2014年に日本分析センターが、大気汚染の測定をしていたテープの放射性物質濃度の分析を行っています。本来はPM2.5の粒子濃度を測定するためのものですが、原発事故の放射性セシウムが付着しているのではないか、と分析されたものです。残念ながら、原発事故から2年、3年も経ってから、測定されたので、ヨウ素131の濃度は分かりません。  東京都水元公園の2011年3月15日と3月21日のデータをグラフ化しました。また、埼玉県加須市環境科学国際センターのの2011年3月15日データをグラフ化しました。残念ながら、埼玉県加須市環境科学国際センターのの2011年3月20日および21日のデータは存在しないことになっているので、グラフ化できませんでした。  しかし、上記の国立環境研究所のヨウ素131の降下量は、セシウム134+セシウム137の約400倍です。この何倍のヨウ素131があったのでしょうか?  東京都立産業技術研究センターが測定した、2011年3月15日午前10時から11時までの空気では、ヨウ素131の濃度は、セシウム134、セシウム137の合計の約2倍でした。ヨウ素131が240ベクレル/m3、セシウム134が64ベクレル/m3、セシウム137が60ベクレル/m3。  少なくとも、セシウム134+セシウム137の2倍以上のヨウ素131が空気中にあった、と考えるべきです。  ただし、この東京都のデータで重要なのは、ヨウ素131だけが空気中にあったのではない、ということです。ヨウ素132(半減期2.3時間)のほうが多く、280ベクレル/m3もありました。また、ヨウ素133(半減期20.8時間)も30ベクレル/m3ありました。セシウムもセシウム136(半減期13.1日)が11ベクレル/m3ありました。こうした空気を吸った子どもや大人に甲状腺がんのリスクはないのでしょうか?ストロンチウム90も0.011ベクレル/m3、ストロンチウム89(半減期50.5日)も0.12ベクレル/m3ありました。  ちなみに、東京電力が福島第一原子力発電所で、作業員が全面マスクを着用しなければいけない基準としているのは、200ベクレル/m3です。東京都世田谷区でも、2011年3月15日午前10時から11時までは、全面マスクを着用しなければいけない環境だったのです。  久慈川流域の市町村では、少なくとも、2011年3年15日0時から同年3月16日11時頃まで、と3月21日12時から3月23日6時頃までの、2回の大きなピークがあったときに、屋外にいて空気を吸っていた子どもや大人に甲状腺がんのリスクがある、と考えるべきです。  同様に、東京都水元公園に2011年3月15日午前9時から10時屋外にいた子どもと大人、2011年3月21日午前8時から11時に屋外にいた子どもと大人、埼玉県加須市環境科学国際センター附近に、2011年3月15日午前10時から11時屋外にいた子どもと大人、東京都世田谷区に2011年3月15日午前10時から11時屋外にいた子どもと大人、には甲状腺がんのリスクがある、と考えるべきだと思います。  福島県ではすでに183名の小児甲状腺がんの子どもが出ています。宮城県丸森町では2人、茨城県北茨城市では3人です。「3.11甲状腺がん子ども基金」に、甲状腺がんに罹ったまたは手術したと、療養費を請求した35名の内訳は、福島県26人、神奈川県3人、宮城県1人、群馬県1人、千葉県1人、埼玉県1人、長野県1人、新潟県1人です。(2016年12月26日記者会見)  甲状腺超音波検査は東日本全体のすべての自治体で早急に行うべきです。ぐずぐずしていると死者がでる可能性もあります。ベラルーシでも、チェルノブイリ原発事故直後は、小児甲状腺がんを部分摘出したときがありました。リンパ節転移、肺転移によって、15人の子どもたちが命を失っています。それ以降、ベラルーシでは国家の法律によって、小児甲状腺がんの場合は、甲状腺の全摘出が術式として義務づけられています。「3.11甲状腺がん子ども基金」に療養費の支給を申し出た35名のうち、3名は肺に転移し、アイソトープ治療が必要だった、と発表されています。それはすべで福島県外の患者だった、とも。  繰り返します。甲状腺超音波検査は東日本全体のすべての自治体で早急に行うべきです。対象は子どもだけでなく、大人も無償で行うべきです。              

長野県はどこがどれくらい放射能汚染されているのか? 2016年度版

 長野県からも、小児甲状腺がんの子どもが1人出ていることが、「3.11甲状腺がん子ども基金」の記者会見で発表されました。2016年12月26日 資料『3.11甲状腺がん子ども基金 35人に初の療養費の給付。福島県26人、神奈川県3人、宮城県1人、群馬県1人、千葉県1人、埼玉県1人、長野県1人、新潟県1人。』をご覧下さい。  長野県はどこがどれくらい放射能汚染されているのでしょうか?食品、特にきのこや山菜、野生獣肉の放射能汚染の度合いによって、その地域の放射能汚染状況を判断することができます。 【2016年の状況】  長野県において野生きのこ、山菜の出荷が禁止されている地域です。2016年5月13日現在でも以下の出荷制限、出荷自粛が続いています。 【野生きのこ】  軽井沢町、御代田町ではすべての野生きのこの出荷が禁止されています。小諸市、佐久市、佐久穂町、小海町、南牧村では、まつたけに限り出荷制限が解除され、その他の野生きのこは出荷が禁止されています。 【こしあぶら】  野沢温泉村、木島平村、中野市、長野市、軽井沢町では、こしあぶらの出荷が禁止されています。 【たらのめ(野生)】  軽井沢町では、たらのめ(野生)の出荷を自粛しています。 【ぜんまい(野生)】  軽井沢町では、ぜんまい(野生)の出荷を自粛しています。 【くさそてつ(こごみ)(野生)】   軽井沢町では、くさそてつ(こごみ)(野生)の出荷を自粛しています。  2016年5月31日、長野県産山菜の放射性物質の検査が公表されました。この中では、山菜の軽井沢町、中野市での汚染が目立ちます。  軽井沢町で2016年5月12日採取した、たらのめ(野生)ではセシウム134 63.9ベクレル/kg、セシウム137 359ベクレル/kg 放射性セシウム合計 420ベクレル/kgでした。他にも、軽井沢町で採取されたたらのめ(野生)は、放射性セシウム合計 290ベクレル/kg(2016年5月12日採取)、220ベクレル/kg(2016年5月12日採取)、180ベクレル/kg(2016年5月13日採取)、80ベクレル/kg(2016年5月12日採取)、71ベクレル/kg(2016年5月12日採取)、30ベクレル/kg(2016年5月12日採取)でした。  軽井沢町で2016年5月12日採取した、こごみ(野生)ではセシウム134 30.5ベクレル/kg、セシウム137 152ベクレル/kg 放射性セシウム合計 180ベクレル/kgでした。  中野市で2016年5月20日採取した、こしあぶら(野生)ではセシウム134 23.5ベクレル/kg、セシウム137 139ベクレル/kg 放射性セシウム合計 160ベクレル/kg、木島平村で2016年5月26日採取した、こしあぶら(野生)ではセシウム134 12.4ベクレル/kg、セシウム137 65.5ベクレル/kg 放射性セシウム合計 78ベクレル/kg、軽井沢町で2016年5月12日採取した、こしあぶら(野生)ではセシウム134 8.13ベクレル/kg、セシウム137 62.8ベクレル/kg 放射性セシウム合計 71ベクレル/kg、長野市で2016年5月25日採取した、こしあぶら(野生)ではセシウム134 9.64ベクレル/kg、セシウム137 58.1ベクレル/kg 放射性セシウム合計 68ベクレル/kg、信濃町で2016年5月20日採取した、こしあぶら(野生)ではセシウム134 7ベクレル/kg、セシウム137 29.2ベクレル/kg 放射性セシウム合計 36ベクレル/kg、高山村で2016年5月26日採取した、こしあぶら(野生)ではセシウム134 不検出、セシウム137 27.7ベクレル/kg 放射性セシウム合計 27ベクレル/kg、須坂市で2016年5月31日採取した、こしあぶら(野生)ではセシウム134 不検出、セシウム137 19.3ベクレル/kg 放射性セシウム合計 19ベクレル/kgでした。  少なくとも、軽井沢町では、原発事故当時 0~18歳の子ども・青年の甲状腺超音波検査を早急に行うべきだと考えます。長野市、中野市、佐久市、須坂市、佐久穂町、御代田町、小海町、信濃町、野沢温泉村、南牧村、木島平村、高山村、なども同様です。  2013年9月に書いた記事も参考にして下さい。 『長野県はどこがどれくらい放射能汚染されているのか?』 2013年9月21日記            

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