2013年2月
どれくらいのトリチウムが水道水に含まれているか?2009年度
2013年02月16日トリチウム 内部被ばくと健康被害 資料
岐阜県土岐市にある、核融合科学研究所が2015年にも核融合発電(トリチウム核融合発電)実験開始するという。2013年3月までに、岐阜県、土岐市、多治見市、瑞浪市の1県、3市と同時協定を結ぶ予定。すでに、2012年度予算 440億円(1989年以降 施設の建設費、運営費 計1521億円が支出された)、2013年度予算274億円が執行されている。 多治見市長に核融合科学研究所「重水素実験」を認めないよう求める署名 年間1000回核融合実験を行う回数は年間1000回。1回 3秒間。1回の実験で作られるトリチウムは1億ベクレル。生成されたトリチウムは、90%くらいは捕集できる。残りは環境中に出てしまう。放出されてしまうトリチウムは年間最大5500億ベクレル、と岐阜県は回答。 東京第一原発事故後の、福島県の水道水中のトリチウム濃度を、政府の原子力災害現地対策本部と福島県が2012年5月21日に発表しています。 河川水等の放射線モニタリング(トリチウム)調査結果について 川根が0.80ベクレル/Lを超える地点の地名を赤字で地図上に記載しました。 大気圏内核実験のトリチウム濃度のデータとしては、阪大の菊地正士教授が1953年に測定した、神戸市の雨水 0.777ベクレル/L(6.5±0.4TU=約21pCi/l)があります。0.8前後は大気圏内核実験以前から雨として降ってきていると判断すべきです。 政府、福島県は、先の報告で「平成14年度に実施したトリチウム調査結果と比較し、測定値が変動した地点が認められたものの、平常時の全国データの範囲内であった」、だから大丈夫と説明しています。 果たして、平常時のデータとはいかなるものか?2009年度の水道水中のトリチウム(H-3)濃度のデータを「環境放射線データベース」から取り、整理しました。原子力施設周辺の水道水中のトリチウムの濃度です。明らかに原発周辺では普段からトリチウムが漏れており、それが水道水中にも入ってきていることがうかがわれます。 福井県の水道水の多くから0.9~1.3ベクレル/Lもトリチウムが検出されており、大飯、高浜、美浜の原発からは大量に出ていたのではないでしょうか。京都府の舞鶴市朝来川(あせくがわ)の水道水が1.7ベクレル/Lもトリチウムが出ているのに驚かされます。美浜、大飯、高浜から西へ雨雲が流れた先に舞鶴市があります。一方、青森県六ケ所周辺からほとんど出ていないのは相次ぐ事故続きで核燃料の再処理が行われていないためであると考えられます。再処理が開始されれば、青森県六ケ所周辺の水道水からは1.0ベクレル/Lを越えるトリチウムが検出されるようになるのではないでしょうか? 参考:トリチウムの環境動態 坂上正信
どんなものがどれくらい放射能汚染されているか?東都生協自社商品の残留放射能自主検査結果より 2013年4月15日まで
2013年02月11日内部被ばくと健康被害 資料 食品中の放射性物質
東都生協はチェルノブイリ原発事故当時から、自社商品の残留放射能の自主検査を行ってきました。当時1,100万円もするGe検出器(ゲルマニウム半導体検出器)を購入し、一貫して検査を続けてきました。現在はNaI(ヨウ化ナトリウム)シンチレーション式検出器も導入し、両方で検査を行っています。 Ge検出器(ゲルマニウム半導体検出器)はそれぞれの放射性物質(核種と言います)ごとにそのエネルギーのレベルを針のように示すことができるので、それぞれの放射性物質のベクレル数をほぼ正確に測定することができます。4000秒(66分間)という時間をかければ、検出限界1.0ベクレル/kgまで測定することができます。 ただし、これはセシウム134、セシウム137それぞれについてなので、セシウム合計では検出限界約2ベクレル/kgになります。 多くの自治体が学校給食の食材や1週間まるごとの放射性物質検査をやっていますが、ほとんどが検出限界が10ベクレル/kgです。つまり、セシウム合計約20ベクレル/kgまでは不検出(ND)となる検査しかしていません。これは「検出限界詐欺」だと思います。 ひどいのはGe検出器(ゲルマニウム半導体検出器)を使っているのに、検出限界がセシウム合計で25ベクレル/kgとなっている検査です。牛肉の全頭検査がこれにあたります。検出限界をわざと引き上げるために、測定時間を10分とかにしているのだと思います。東北の牧草の数10%は100ベクレル/kg以上汚染されており、放牧している牛の肉は10数ベクレル/kg前後は汚染されている可能性があります。政府、農林水産省は正しい数値を公表すべきです。 東都生協の2012年7月2日から2013年2月1日までの検査で、数値が測定されたものをすべてピック・アップして掲載しました。野菜や魚、肉の多くは1ベクレル/kg未満(セシウム134、セシウム137それぞれについて)でしたが、数値が検出されたこれらは要注意です。 アレクセイ・ヤブロコフ博士は、2012年12月14日の講演でこう語っています。「しかし、5年後には汚染はまた広がってきます。なぜかというと土壌に入った放射性核種は根の成長といっしょにまた上がってくるからです。たとえばストロンチウムは半減期30年ですけれども、根っこによって吸い上げられて表面に出てくるんです。」 【動画】12/14 アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会「低線量被ばくの健康影響」【文字おこし】③ 食品と暮らしの安全基金の小若順一氏らは4回のウクライナ調査を行いました。そこで非汚染地域でもが手や足が痛い、頭痛がする子どもたちが7割いると言います。その痛みの出ている子どもたちの食べている食事のセシウム137の最低値(検出されたもの)が1.1ベクレル/kgだった、と報告しています。子どもたちの食事はセシウム137について1ベクレル/㎏以下にすべきです。 参考:『食品と暮らしの安全 No.290 2013年6月号』 頭痛発生の最低線量は1.1ベクレル/kg まだ、東京第一原発事故からたった2年ほどしか過ぎていません。農地や海の汚染はこれからが長期に渡る深刻な汚染を迎えることになります。気をつけていきましょう。 福島第一原子力発電所事故による原子力災害対策特別措置法による指示(出荷制限品 2012年6月8日現在) 原子力災害対策特別措置法による出荷制限の指示の実績 2012年10月25日段階
日本の農地はどれくらい放射能汚染されたか?農林水産省「農地土壌の放射性物質濃度分布図」より
2013年02月08日内部被ばくと健康被害 土壌の放射能汚染 資料
日本の農地はどれくらい放射能汚染されたか?農林水産省「農地土壌の放射性物質濃度分布図」のデータから、「原発はいますぐ廃止せよ」さんにグラフ化していただきました。 2011年11月~2012年2月にかけて、農林水産省が岩手県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県、15都県の農地土壌のセシウム134、セシウム137を測定し、発表しています。 農地土壌の放射性物質濃度分布図等のデータについて このデータを元に、市町村ごとの平均値をグラフ化したものです。平均ですから、非常に高い汚染がある農地と低い農地の場所があり、それらの中間の数値になってしまってます。それぞれの汚染度を知りたい場合は以下のデータで直接ご確認下さい。 岩手県(PDF:66KB) 宮城県(PDF:66KB) 山形県(PDF:59KB) 福島県(PDF:353KB) 茨城県(PDF:68KB) 栃木県(PDF:90KB) 群馬県(PDF:81KB) 埼玉県(PDF:77KB) 千葉県(PDF:70KB) 東京都(PDF:60KB) 神奈川県(PDF:55KB) 新潟県(PDF:70KB) 山梨県(PDF:47KB) 長野県(PDF:60KB) 静岡県(PDF:56KB) 「原発はいますぐ廃止せよ」さん 編集 農地土壌セシウム濃度分布図 ブログ 原発はいますぐ廃止せよ
セシウム137によって各都道府県はどれくらい汚染されたか?
2013年02月02日内部被ばくと健康被害 福島第一原発事故での放射能汚染地図 資料
独立行政法人国立環境研究所 地域環境研究センター大原利眞氏、森野悠氏が、2011年8月25日『東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気中での挙動に関するシミュレーションの結果について』を公表しています。Geophysical Research Letters(アメリカ地球物理学連合発行)誌の学会員向け電子版に2011年8月11日付けで掲載されています。 『東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気中での挙動に関するシミュレーションの結果について』 ここでは、乾性沈着(Dry)および湿性沈着(Wet)によって各都道府県がどれくらい放射能汚染されているかのシュミレーションが掲載されています。しかし、このデータは各都道府県の総面積あたりのデータであり、1m2あたりの汚染度ではありません。各都道府県がどのような危険度にあったのか、判断するために川根が1m2あたりのセシウム137の沈着量として計算しなおしました。 福島県、宮城県、栃木県、群馬県、茨城県のセシウム沈着量があまりに多いので、この5県を除くグラフも作ってみました。それが以下です。 乾性沈着:大気中のガスや粒子が、拡散や重力、化学的な力などによって地面や海面に降下すること。湿性沈着:ガスや粒子が雨や雪に取りこまれて地面や海面に降下すること。 セシウム137の拡散シュミレーション (セシウム137の地表近くの拡散シュミレーション 2011年3月12日~23日)。国立環境研究所作成 文科省の『文部科学省による、①ガンマ線放出核種の分析結果、及び②ストロンチウム89、90 の分析結果(第2 次分布状況調査)について』(2012年9月12日)のセシウム137汚染マップも掲載しておきます。
お父さんのための真面目な放射能の授業 in 春日部 2月23日(土)17時
2012年12月23日講演会
[ 2013年2月23日; 5:00 PM to 8:00 PM. ] お父さん、理科の先生の真面目な放射能の授業 是非受けてみませんか!! メディアで言われ続けている安全論や風評被害という言葉。 その情報、正しい根拠があるのでしょうか? 川根先生が3.11から調べ続けてきた様々な情報をもとに わかりやすくお父さんに向けて説明します。 ぜひ足を運んでみてください! 【日時】2013年2月23(土) 午後17時~20時 【会場】春日部市市民活動センター ぽぽら 会議室A 春日部駅西口 徒歩5分 ララガーデン隣り4階 【講師】川根眞也先生 【定員】50名(お母さんもご一緒に♪) 【共同主催】放射能から子どもを守る会・春日部 内部被ばくを考える市民研究会 【企画】六花