内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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内部被ばくと健康被害

富士吉田市内、鳴沢村内及び富士河口湖町内における野生きのこの採取、出荷及び摂取の自粛について(2019年7月26日)

[解説]  鳴沢村、富士河口湖村、富士吉田市は、富士山麓の北側に当たります。2011年3月の東京電力福島第一原発事故の放射性ブルームが、富士山の北側に当たり、富士山麓の北側に高濃度の放射能汚染をもたらしました。きのこは、もっとも放射能をためやすい生物です。また、周辺の樹と共生関係を作っています。菌根菌という細菌を通じて樹の根へきのこは栄養を与え、樹は葉を落とすことできのこに栄養を与えます。放射性セシウムは、きのこ-樹-きのこ-樹……とぐるぐると循環します。10年、20年と経っても無くなりません。長期に渡る汚染が続くと肝に銘じるべきです。  <富士山麓北側の地図> NHK山梨: 野生キノコから基準超えセシウム  2019年10月18日 18時50分   NHK 山梨放送局  県が2019年10月行った検査で、富士吉田市と鳴沢村で採取した野生のきのこから、国の基準を上回る放射性セシウムが検出されました。  県は富士河口湖町を加えた3つの市町村では野生のきのこを採ったり食べたりしないよう呼びかけています。   県は2012年10月に富士吉田市と富士河口湖町、それに鳴沢村をきのこの出荷制限区域に指定し、この地域でのきのこの採取や出荷などの自粛を求めるとともに、放射性物質の検査を続けています。  県によりますと、2019年10月11日に調べた野生のきのこ11検体のうち、5つの検体から国の基準値である1キログラムあたり100ベクレルを上回る放射性セシウムが検出されたということです。  検出された数値は、富士吉田市で採れたショウゲンジが200ベクレル、富士吉田市で採れたクリイロイグチとアイシメジが140ベクレル、鳴沢村のハナイグチが130ベクレル、鳴沢村のアミタケが110ベクレルです。県は引き続き、この3つの市町村では野生のきのこを採ったり食べたりしないよう呼びかけています。   富士吉田市内、鳴沢村内及び富士河口湖町内における野生きのこの採取、出荷及び摂取の自粛について2019年7月26日) 山梨県 〇野生きのこを採取される皆様へ富士吉田市、鳴沢村及び富士河口湖町内で発生した野生きのこについては、食品衛生法で定められた基準値(100ベクレル/kg)を超える放射性セシウムが検出されており、国の原子力災害対策本部から出荷制限指示が出されています。このため、県では野生きのこを採取される皆様に、上記の3つの市町村内で発生した野生きのこの採取、出荷、摂取を控えて頂くようお願いしているところです。今年も野生きのこの採取シーズンを迎えますが、引き続き、富士吉田市内、鳴沢村内、富士河口湖町内で発生したきのこについては、採取、出荷、摂取を控えて頂くようお願いします。 〇野生きのこを販売される皆様へ野生きのこを販売される方は、引き続き、富士吉田市、鳴沢村及び富士河口湖町内で採取された野生きのこを取り扱わないようお願いします(市場や店舗を介さない通信販売やネットオークション等での販売、流通も行わないようお願いします)。また、上記の3つの市町村以外で採取された野生きのこについては、産地の市町村名を表示した上で販売し、入荷先等の記録を保存して頂くよう御協力をお願いします。なお、他県でも野生きのこの出荷制限等が措置されている市町村がありますので、御注意下さい。出荷制限等の最新の情報については、厚生労働省のホームページから御覧頂けます。 〇野生きのこ以外の特用林産物について放射性物質の検査結果については、関連資料のリンクから御確認ください。 2012年度から2018年度に基準値を超えた野生きのこの検体一覧 ○2018年度に基準値を超えた野生きのこの検体 ○2017年度に基準値を超えた野生きのこの検体 ○2016年度に基準値を超えた野生きのこの検体 ○2015年度に基準値を超えた野生きのこの検体 ○2014年度に基準値を超えた野生きのこの検体 ○2013年度に基準値を超えた野生きのこの検体 ○2012年度に基準値を超えた野生きのこの検体  

青い海、土砂流出で茶色に 衛星しきさいが撮影 台風19号 2019年10月17日 毎日新聞 夕刊 7面

青い海、土砂流出で茶色に 衛星しきさいが撮影 台風19号 2019年10月17日 毎日新聞 夕刊 7面  土砂が川から海に流れ出た様子を捉えた、JAXAの地球観測衛星「しきさい」による画像=13日午前10時55分ごろ撮影(宇宙航空研究開発機構提供)  宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「しきさい」が、台風19号の大雨で大量の土砂が川から海に流れ出た様子を捉えた。太平洋側の河口付近では青い海に茶色がにじむように広がっている。  画像は13日午前10時55分ごろ、日本の上空約800キロを通過した際に撮影。河口から流れ出た土砂が、20~30キロ沖合まで流出し海面を変色させている。  土砂が流れ出た川は、久慈川や那珂川、多摩川や相模川など広範囲にわたった。川の決壊で甚大な被害が出ている宮城県丸森町は海に面してはいないが、町内を流れる阿武隈川も土砂を吐き出している。  しきさいは2017年に打ち上げられた衛星で、可視光や赤外線、紫外線といったさまざまな波長の光を観測し、地球温暖化の影響や山火事の発生などを解析している。(共同

阿武隈川の氾濫は予想されていた。福島県は前日に高齢者を避難させるへきだったのではないか?台風19号の死者、福島県30人。全国87人。

[解説]  新聞各紙は、台風19号の死者を報道しなくなったが、13都県で死者87人になった。一番多くの死者を出したのは福島県30人だ。阿武隈川が氾濫することは前日に予想されていた。福島県は高齢者を高齢者を前日のうちに避難させるへきだったのではないか。 甚大な被害 台風19号 87人死亡 7人行方不明 71河川で決壊 2019年10月25日 18:22pm NHK NewsWeb 10月25日 18時22分 NHKが各地の放送局を通じてまとめたところ、台風19号で亡くなった人は全国で87人となり、7人が行方不明となっています。 亡くなった人は、▽福島県で30人、▽宮城県で19人、▽神奈川県で14人、▽栃木県、群馬県、長野県でそれぞれ4人、▽静岡県で3人、▽岩手県、茨城県、埼玉県でそれぞれ2人、▽東京都、千葉県、兵庫県でそれぞれ1人です。 また、行方不明となっている人は、▽神奈川県で3人、▽宮城県、福島県、茨城県、長野県、静岡県でそれぞれ1人です。 堤防決壊は71河川135か所 国土交通省によりますと、台風19号による豪雨で川の堤防が壊れる「決壊」が発生したのは、20日午前11時の時点で、7つの県の合わせて71河川、135か所となっています。 国が管理する河川で堤防の決壊が確認されたのは、7つの河川の12か所です。 県が管理する河川で堤防の決壊が確認されたのは、67の河川の123か所です。 このうち新たに堤防の決壊が確認されたのは、▽内川の宮城県丸森町愛宕田で3か所、▽五福谷川の宮城県丸森町上林西で1か所、▽黒川の栃木県壬生町上稲葉で1か所です。 このほか、川の水が堤防を越える「越水」などで氾濫が発生した河川も、16都県の、延べ271河川にのぼっています。 決壊の情報は、国土交通省のホームページの「災害・防災情報」でも確認することができます。 住宅被害 7万4000棟超 総務省消防庁によりますと、台風19号の影響で、全国で7万4464棟の住宅が、水につかったり全半壊したりする被害を受けています。 このうち▽床上まで水につかったのは、栃木県や福島県、長野県など17の都県で3万3001棟、▽床下が水につかったのは、21の都県で3万4011棟となっています。 また、▽全壊や半壊の被害を受けた住宅は、茨城県や福島県、岩手県など15の都県で3112棟、▽一部損壊が、27の都道府県で4340棟となっています。 土砂災害 20都県で482件 国土交通省によりますと、台風19号による豪雨で発生した土石流や崖崩れなどによる土砂災害は、21日午後5時の時点で、少なくとも20の都県で482件発生しているということです。 今回の台風による豪雨では、群馬県富岡市で、裏山の土砂が崩れて住宅に流れ込み3人が死亡するなど、各地で土砂災害が相次ぎました。 都県別では、宮城県が最も多く82件、神奈川県が59件、岩手県が53件、群馬県が42件、新潟県と静岡県がいずれも41件、長野県が38件、福島県が37件、埼玉県が23件、栃木県が22件、東京都が13件、山梨県が11件、茨城県で10件などとなっています。 浸水想定578浄水場、対策せず 台風19号、福島では被害も 2019年10月24日 朝日新聞  河川の氾濫(はんらん)などで浸水する恐れがある場所に設置されながら、浸水対策がされていない浄水場は全国で578カ所にのぼっている。台風19号の大雨では、福島県いわき市の平(たいら)浄水場が水没し、最大で約4万5千戸が断水した。災害からの復旧を支えるインフラの備えが遅れている。  厚生労働省は、2018年9月に公共施設や病院などにつながる全国の主要な浄水場3521カ所を調査。その結果、22%に当たる758カ所が浸水想定区域にあり、そのうち76%の578カ所は入り口のかさ上げや防水扉の設置などの対策がされていなかった。土砂災害警戒区域にも542カ所あるが、うち496カ所が未対策だという。厚労省は各自治体の承諾が得られていないとして、個別の施設名を公表していない。  いわき市では13日午前1時半ごろ、市内を流れる夏井川が氾濫して平浄水場の1階に水が流れ込み、電気を各設備に流す心臓部が約80センチ浸水。段階的な通水が22日に始まり、27日ごろに断水は解消する見通しだが、浸水家屋の掃除や洗濯が出来ず、深刻な影響を与えている。  市内で最大の同浄水場は00年、市のハザードマップで浸水想定区域に入ると判断された。しかし、防水扉設置などの対策は取られなかった。市水道局の加藤弘司局長は「現実的にこのような被害が起きるとは想定していなかった。財源も限られるなか、具体的な対策を検討できていなかった」と話す。  豪雨で水道施設が被災し、断水する例は近年、全国で相次ぐ。11年7月の新潟・福島豪雨では約5万戸で最長68日間、18年7月に広島県などを襲った西日本豪雨では約26万3千戸で最長38日間の断水が続いた。  名古屋大の中村晋一郎准教授(土木工学)は「浸水対策などハード面の対策も必要だが、限られた予算の中で、すぐに実施することは難しい。断水のリスクに備え、住民側の事前の対策も合わせて必要だ」と話す。(増山祐史、滝口信之、力丸祥子) 核心 浸水想定 生かせず ハザードマップ一致「より安全な場所 確認を」 台風19号被害2019年10月19日 東京新聞 朝刊2面  記録的大雨をもたらした台風19号で、河川氾濫により実際に浸水した範囲は、自治体があらかじめ被害想定を示していたハザードマップと、ほぼ一致することが分かった。避難所や災害対応拠点の庁舎が浸水想定区域に含まれている自治体もあり、台風が通過した十二日から十三日にかけて、氾濫した水が迫っていた。東京などでは住民が入りきれなくなった避難所も見られ、課題を残した。(渡辺聖子、福岡範行)  水没は想定内  ハザードマップは、雨量や地形から災害の起こりやすい場所を表した地図。氾濫により想定される浸水区域や深さがひと目で分かる。作成した自治体は住民に配布したり、ホームページに掲載したりしている。  国土地理院は台風19号の通過後、国土交通省の空撮画像から関東・中部・東北の五県の八河川について、浸水の深さを推定した地図を作った。那珂川が氾濫した水戸市のハザードマップと国土地理院の推定地図を比べると、常磐自動車道水戸北スマートインターチェンジ(IC)周辺では浸水区域がほぼ重なった。最も深い十~二十メートルの浸水が想定される区域のうち、IC南側では深さ七・二メートルに達したとみられるという。  千曲川が氾濫した長野市でも、JR東日本の北陸新幹線の車両基地が水没した一帯は、ハザードマップの浸水想定区域に含まれ、被害は「想定内」だった。  危険地域に庁舎  ハザードマップには避難所として想定される施設が載っているが、浸水の危険を抱える地域に含まれるケースも少なくない。山あいの宮城県丸森町では、居住エリア全域がリスクを抱えており、避難所となった町役場の敷地の一部も今回の台風で水につかった。  しかも、浸水前に住民が避難していた役場隣の施設は、屋上から大雨が入り込んで使えなくなり、土砂降りの中、五十~六十人を十メートル離れた役場へマイクロバスで三十分以上かけて移動させた。その後、水はあっという間に増え、深い所では駐車場の軽乗用車がすっぽりとつかったという。町の担当者は「こんなことは初めて。人命第一を考え、バス移動を判断した」と振り返る。  災害対応拠点である町役場は四階建て。駐車場は浸水したが、建物は無事だった。担当者は「対策本部はもともと二階に設置することになっている」と説明。ただ想定を超える浸水となった場合の設置場所については「特に決めていない」と話す。  住民が集中  多摩川沿いの東京都狛江市と調布市では、避難所へ住民が集中し、当初開設した施設だけでは間に合わなくなる事態も起きた。  狛江市では十二日午後二時半ごろ、住民が多数集まった中央公民館に加え、急きょ隣接する市役所内の市議会議場を開放。その後も避難者が絶えず、市役所の会議室などを含めて四百人以上を受け入れた。  夜には別の避難所でも人があふれ、風雨が強い中で別の公共施設へ案内せざるを得なくなった。担当者は「商業施設などに協力してもらって、避難できる場所を増やせないか、検討したい」と話した。  都防災会議委員を務める常葉(とこは)大社会環境学部の重川希志依(きしえ)教授(防災教育)は「避難所が安全とは言い切れない。マップを確認して早めに避難を始め、もう一つ先の安全な場所を目指してほしい」と呼び掛けた。 台風19号の浸水エリア ハザードマップの浸水想定と多くが一致 2019年10月25日 NHK News Web 台風19号の豪雨で相次いだ堤防の決壊による河川の氾濫。特に被害が大きかった福島県の阿武隈川など8河川の流域で、浸水したエリアをNHKが分析した結果、そのほとんどが自治体の「ハザードマップ」などで浸水が想定されていたことがわかりました。 (動画をご覧いただくと、「浸水想定」と「実際の浸水エリア」を比較できます) NHKは、堤防の決壊などで広い範囲が浸水した8河川の流域について、国土地理院が推定した実際の浸水の範囲と、自治体のハザードマップなどであらかじめ浸水が想定されていた範囲を比較し、分析しました。 比較した河川の流域は、▽福島県と宮城県の阿武隈川、▽宮城県の吉田川、▽長野県の千曲川、▽埼玉県の入間川、越辺川、都幾川、▽茨城県の那珂川と久慈川です。 地図の重ねあわせの分析に使ったのは、自治体のハザードマップの元になる国土交通省の「浸水想定」と、国土地理院が航空写真を元に推定した「浸水エリア」の電子データです。 吉田川 宮城県大郷町の付近では… 地図情報を可視化するシステムで重ね合わせて詳しく分析してみると、このうち、実際の浸水エリアが浸水が想定されていた範囲と広い範囲で一致したのは、吉田川の流域の宮城県大郷町の付近です。 吉田川の近くの地域では、浸水の状況がほぼ一致していたほか、吉田川に流れ込む支流の周辺でも想定されていた範囲に沿うようにして、浸水が発生していました。 阿武隈川下流 宮城県角田市や周辺では… 阿武隈川下流に位置する宮城県角田市やその周辺では、支流に沿って浸水想定範囲が放射状に広がっていますが、こうした場所に沿うように浸水が広がっていました。 千曲川 長野市穂保と周辺では… 千曲川の堤防が決壊して2人が死亡したほか多くの住宅が水につかる被害が出た長野市穂保とその周辺では、浸水したと推定されるおよそ950ヘクタールが、浸水が想定されていた範囲にすっぽりと含まれていました。 4河川では全ての浸水エリアが「浸水想定範囲」 今回、分析した8河川のうち、▽千曲川、▽入間川、▽越辺川、▽那珂川の4河川は、すべての浸水エリアが、浸水想定範囲に含まれていたことが確認されました。 浸水想定の範囲外で被害が出た場所も… 一方、台風19号の豪雨では、浸水が想定されていた範囲の外で被害が出た場所もありました。 宮城県丸森町では、ハザードマップなどで阿武隈川による浸水が想定されていた範囲の外にある住宅地や田畑でも浸水被害が発生しました。 町によりますと、このエリアの浸水は阿武隈川そのものではなく、その支流が氾濫したことが原因で発生したとみられ、少なくとも70棟以上の住宅で床上が浸水する被害が出ました。 なぜ、この地域では、ハザードマップで浸水が想定されていなかったのか。 国や町は、今回、氾濫が発生した阿武隈川の支流は、川の規模が小さく、浸水の想定を行う対象の河川ではなかったため、この支流の氾濫は想定には含まれていないと説明しています。 ハザードマップの周知 十分進まず 一方で、自治体のハザードマップについては住民への周知が十分には進んでいません。 4年前、平成27年の関東・東北豪雨で茨城県の鬼怒川の堤防が決壊し多くの住宅が流された常総市で、中央大学理工学部の河川・水文研究室が住民およそ500人に調査した結果、▽ハザードマップを知らない、見たことがないと答えた人が65%にのぼった一方、▽ハザードマップを確認し浸水の程度を把握している人は10%にとどまりました。 国土交通省は、去年の西日本豪雨など相次ぐ水害によってハザードマップを知っている人は増えているものの、内容を理解し、避難などの行動に結びつける人が多くないことが課題だとしています。 専門家「ハザードマップで地域のリスク知って」 災害時の避難に詳しい東京大学の関谷直也准教授は、浸水したエリアのほとんどがハザードマップで想定されていた範囲だったことについて、「過去の水害でもハザードマップの通りに浸水することが多く、今回の豪雨でも、ハザードマップの重要性が改めて示された。水害が起きる地域はある程度決まっているので、日ごろからハザードマップを見て自分が暮らす地域のリスクを知ることが重要だ」と述べました。 一方、想定されていない一部のエリアで浸水が発生したことについて、「洪水のハザードマップは大きな河川を中心に浸水の想定が作られ、小さな河川沿いは想定の対象となっていないところもあるため浸水が想定されていない地域が安全だということではない。小さな河川も氾濫し、周辺が浸水することは十分ありうるので、『川の近くでは注意をする』ということを徹底してほしい」と指摘しています。

欧州放射線リスク委員会(ECRR) の基準についても十分検証し、これを施策に活かすことー原子力規制委員会設置法案付帯決議 2012年6月20日

[解説]  復興庁、環境省、文部科学省など政府機関が依拠している放射線防護理論は、国際放射線防護委員会(ICRP)や国連科学委員会(UNSCEAR)の放射線防護理論です。「国際的な学術団体」や「科学者」の集まりかのような装いの団体ですが、発足当初からアメリカの核兵器開発の責任者らが主導で作った団体です。 一方、独立した科学者で構成される欧州放射線リスク委員会(ECRR)は、この国際放射線防護委員会(ICRP)の放射性物質の内部被ばくについて、以下の批判をしています。 (1) 国際放射線防護委員会(ICRP)は、外部被ばくと部被ばくの健康被害を、同じベクレル数であるならば、1:1であるとしている。しかし、同じ種類の放射性物質が同じベクレル数ある場合、体外にあり放射線をからだが受ける場合(外部被ばく)と、体内の各臓器に蓄積する場合(内部被ばく)とでは、内部被ばくの方が決定的に大きくなる。 (2) 国際放射線防護委員会(ICRP)は、チェルノブイリ原発事故やイギリス、フランスの核燃料再処理工場周辺の小児白血病や小児がんの発症を正しく説明できていない。実際に発生している患者数からリスクを評価すると、国際放射線防護委員会(ICRP)のリスク評価は200倍~1000倍誤っている。 (3)国際放射線防護委員会(ICRP)は、トリチウム(3H)が、DNAの水素結合をしている水素と元素転換(トリチウムが分子と結合している水素に近づくと、トリチウムと水素とが入れ替わること)してベータ線を出して崩壊、DNAに壊滅的な影響を当たることを考慮していない。プルトニウム、ストロンチウム90もDNAと結びつきやすい。DNAに対して同様な壊滅的な影響を与える。 (4)国際放射線防護委員会(ICRP)は、1回のベータ崩壊でできた娘核種が2回目またベータ崩壊する、セカンド・イベントと呼ばれる内部被ばくを考慮していない。  ストロンチウム90  → イットリウム90      →ジルコニウム90  (半減期28.8年) β (半減期64.1時間) β  テルル132     → ヨウ素132       →キセノン132  (半減期78.2時間)β(半減期2.30時間)  β 最初のストロンチウム90やテルル132の出したベータ線でDNAが傷つき、そのDNAが誘導修復過程にあるときに、次のイットリウム90やヨウ素132がベータ線を出して、DNAの修復を更に難しくする。 国際放射線防護委員会(ICRP)はそのセカンド・イベントをリスク評価にまったく入れていない。ストロンチウム90だけ、テルル132だけの単独のリスク評価のみである。 (5)ウランなど原子番号の高い金属が体内にあると、外部からガンマ線が当たるとウランがそのガンマ線を吸収し、体内のウランはまたオージェ電子という電子を放出する。この電子線がDNAを連続的に傷つけることになる。国際放射線防護委員会(ICRP)はこのファントム放射能を考慮していない。 (6)放射線によって、DNAが傷つきがん細胞ができる、というだけではなく、ゲノム不安定性と呼ばれる、突然変異を起こしやすい細胞ができる。放射線を受けた細胞だけではなく、その細胞の周辺の別の細胞もゲノム不安定性を起こす。これは細胞と細胞同士が相互に信号をやり取りしていることによっておこる。国際放射線防護委員会(ICRP)はバイスタンダー効果を考慮していない。 (7)劣化ウラン弾によって作られた、極めて小さい粒子サイズの高放射能微粒子が肺を通して、あるいは鼻から直接中脳に、また、皮膚を通しても体内に取り込まれる。さまざまなガンや中枢神経系の傷害をもたらすにもかかわらず、劣化ウラン弾の影響は、その体内での濃度から健康影響を評価しようとする国際放射線防護委員会(ICRP)の理論は誤っている。国際放射線防護委員会(ICRP)は劣化ウラン弾の健康影響を否定している。  など他にも多くの問題を国際放射線防護委員会(ICRP)は無視していると欧州放射線リスク委員会(ECRR)は指摘しています。 <参考>放射線被ばくによる健康影響とリスク評価 ECRR2010年勧告 山内知也監訳 明石書店 2011年  この欧州放射線リスク委員会(ECRR)の放射線防護理論については、2012年原子力規制委員会が設置される時に、付帯決議として以下が議決されていました。 「十四、放射線の健康影響に関する国際基準については、I C R P ( 国際放射線防護委員会) に加え、E C RR ( 欧州放射線リスク委員会) の基準についても十分検証し、これを施策に活かすこと。また、これらの知見を活かして、住民参加のリスクコミュニケーション等の取組を検討すること。」  この付帯決議を生かし、文部科学省の作った「放射線の副読本」、復興庁の作った「放射線のホント」を根本的に見直すべきです。 原子力規制委員会設置法案に対する附帯決議 2012年6月20日 原子力規制委員会設置法案に対する附帯決議平成二十四年六月二十日参議院環境委員会  東京電力福島第一原子力発電所事故により失墜した原子力安全行政に対する信頼を取り戻すためには、政府一丸となって原子力利用の安全確保に取り組む必要がある。よって、政府は、原子力安全規制組織を独立行政委員会とする本法の趣旨を十分に尊重し、その施行に当たり、次の事項について、万全を期すべきである。 一、政府は、原子力規制委員会を円滑に発足させ、放射線による有害な影響から人と環境を守る原子力規制行政を一日も早く国際的な水準まで向上させるよう、速やかに委員長、委員の人事の人選、国会手続きを進め、その見識を反映した組織構成を整備するとともに、十分な資源を確保するよう、特段の配慮を行うこと。二、原子力規制委員会の委員長及び委員の任命に当たっては、一の分野に偏ることなく、専門性、経験等を十分踏まえ、原子力の安全規制を担うのにふさわしい者の人選を行うとともに、国会の同意を得るに当たっては、国会に対して、人選の理由を十分に説明すること。この際、国会における審査に資するよう、原子力事業者等からの寄附等に関し、その所属する研究室に対するものも含め、直近三年間の情報を人事案と併せて提出すること。三、原子力規制委員会の委員長及び委員は、原子力事故に際し、原子力施設の安全の確保のために行うべき判断等の職責を十全に全うできるよう、その専門的知識及び経験を活かし得るための訓練を計画的に実行すること。また、法第七条第三項の適用を可能な限り避けるため、原子力規制委員会の委員長は、法第六条第三項に基づき、その職務を代理する委員四名を順位を付けてあらかじめ指名しておくこと。四、原子力規制委員会は、その業務の基本方針及び業務計画を策定した上で毎年その評価を実施し、特に職員の専門能力の育成や訓練等の業務におけるP D C A サイクルの採用の試みなどその着実な実行の担保に取り組むとともに、これら及びその業務報告を国会の監視を受けるべく国会に報告をした上で、そのすべてを公表すること。また、これらの国会への報告に際しては、その監視の役割に資するよう、原子力規制委員会が防災対策に係る知見の提供も行うこと等にも鑑み、原子力防災会議の議長たる内閣総理大臣の意見を付すること。五、原子力規制委員会は、原子力を推進する組織はもとより、独立性、中立性を確保するため、関係事業者等の外部関係者との接触等のルールを作り透明化を図ること。また、原子力規制委員会は、中立性、独立性、公開性、不断の説明責任の全うの確保、利益相反の防止等、その適正な運営並びに国民の信頼を得るために必要な課題について、規約、綱領、規律に関する事項等を速やかに定め、これを公表すること。六、全職員へのノーリターンルールの適用に当たっては、職員の意欲、適性等が損なわれないよう適切に運用するとともに、人材の確保・育成につなげることができるよう配慮すること。 七、原子力規制委員会が原子力安全規制に関する判断に一義的な責務を有することから、原子力規制委員会に置かれる原子炉安全専門審査会及び核燃料安全専門審査会は、会議や議事録の公開を含む透明性を確保した会議運営の下、原子力規制委員会の判断を代替することなく、その判断に対する客観的な助言を行うに留めるものとすること。八、原子力規制委員会は、核セキュリティ及び核不拡散の保障措置等の秘密保全と同時に、情報の最大限の公開性を確保するため、文書等情報の保全・管理体制を厳正に確立するとともに、機密にすべき事項及び公開できない事項に関するガイドラインを策定し、公表すること。また、原子力規制委員会は、情報公開法に基づく情報開示請求があった場合には、当該ガイドラインに従い、非開示にする部分を極力最小限にするなど、一般の行政機関以上に特に配慮すること。九、原子力規制委員会は、安全神話から脱却し、常に安全性の向上を求める安全文化、少数意見や異論を重んじ、活発な議論が奨励される組織文化を確保しつつその業務の適正を確保するため、所掌事務に関する評価機関の設置を始めとする必要な措置を講ずること。十、緊急時の原子力規制委員会と原子力災害対策本部の役割分担や連携については、縦割りの弊害が新たに生じないよう、国民の生命・健康の保護及び環境の保全を第一に、十分に検討すること。また、平時からの防災対策の強化が重要であることから、原子力規制委員会と原子力防災会議は、それぞれの明確な役割分担の下、平時から緊密な連携関係を構築し、防災体制の一体化を図ること。十一、政府は、本法第一条及び本法改正に伴う改正原子力基本法第二条において、原子力の安全の確保の目的の一つに我が国の安全保障に資することが規定されている趣旨について、本法改正により原子力規制委員会が原子力安全規制、核セキュリティ及び核不拡散の保障措置の業務を一元的に担うという観点から加えられたものであり、我が国の非核三原則はもとより核不拡散についての原則を覆すものではないということを、国民に対して丁寧に説明するよう努めること。十二、原子力規制委員会は、原子力の安全をめぐる問題に関する国民の理解の重要性に鑑み、これまでの用語が難解で国民に分かりにくかったことを踏まえ、用語改革を行うこと。十三、政府は、東京電力福島原子力発電所の事故サイトの管理・運営に関し、国民及び環境を守る立場から、作業員の厳正な被ばくの一元的な管理を含め、十分な規制、監督を行うこと。十四、放射線の健康影響に関する国際基準については、I C R P ( 国際放射線防護委員会) に加え、E C RR ( 欧州放射線リスク委員会) の基準についても十分検証し、これを施策に活かすこと。また、これらの知見を活かして、住民参加のリスクコミュニケーション等の取組を検討すること。十五、核不拡散の保障措置、放射線防護に関する事務、モニタリングの実施機能を文部科学省から原子力規制委員会に移管し、一元化することに伴い、原子力規制委員会は、これらを担当する在外公館等への職員派遣等を行い、業務の効果的な実施を担保すること。十六、原子力規制委員会は、原子力安全規制の課題に対する調査研究体制を立ち上げ、過去の地震・津波等の検証を含めた常に最新の知見を集約できるようその運用体制を構築し、その結果を安全規制に反映すること。また、原子力規制委員会は、原子力の安全の確保のうちその実施に関するものに責務を有する組織とされたことに鑑み、核燃料再処理の問題も含めた原子力利用全体の安全性についても担うこと。十七、原子力規制委員会が原子力事故調査を行う場合には、過去の原子力行政において事故やトラブルが隠蔽されてきたことへの反省に立ち、全ての情報を速やかに公開することを旨とすること。また、原子炉等規制法に基づく従業者申告制度の見直しを行い、より実効的なものとすること。十八、原子力発電所の再起動については、「事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならない」との目的に照らし、万が一の重大事故発生時への対応策も含め、ストレステストや四大臣会合による安全性の判断基準などの妥当性に関して、原子力規制委員会において十分に検証した上で、その手続を進めること。十九、防災対策を確実に実施するため、実施機関及び支援機関の役割、責任について、法令、防災基本計画、地域防災計画、各種マニュアル等において明確にするとともに、これに必要な人員を十分確保すること。また、これらについて、その妥当性、実効可能性を確認する仕組みを検討すること。併せて、地域防災計画策定において安定ヨウ素剤の配付等を含めた住民等のニーズに対応した仕組みを検討すること。二十、原子力発電所事故による周辺環境への影響の度合いや影響を与える時間は、異常事態の態様、施設の特性、気象条件等により異なることから、原子力発電所ごとに防災対策重点地域を詳細に検討し、地方公共団体と連携をして地域防災計画等の策定に活かすこと。二十一、原子力事業者が行う防災訓練は、原子力事故の際に柔軟な危機対応能力を発揮して対処することの重要性に鑑み、抜き打ち訓練、想定外も盛り込んだブラインド訓練を含め、重大事故の発生を含めた厳しい条件を設定して行い、その実効性を確保すること。二十二、シビアアクシデント対策やバックフィット制度の導入に当たっては、推進側の意向に左右されず、政府が明言する世界最高水準の規制の導入を図ること。また、発電用原子炉の運転期間四十年の制限制度については、既設炉の半数近くが運転年数三十年を経過していることから、既存の高経年化対策等との整合性を図るとともに、今後増加が見込まれる廃炉について、その原子炉施設や核燃料物質などの処分の在り方に関し、国としての対策を早急に取りまとめること。二十三、本法附則に基づく改正原子炉等規制法の見直しにおいては、速やかに検討を行い、原子力安全規制の実効性を高めるため、最新の科学的・技術的知見を基本に、国際的な基準・動向との整合性を図った規制体系とすること。特に、審査・検査制度については、諸外国の例を参考に、これが形骸化することがないよう、原子力規制委員会が厳格かつ実効的な確認を行うとともに、事業者が常に施設の改善を行わなければならないような規制体系を構築すること。二十四、政府は、東日本大震災により甚大な被害が生じたことを踏まえ、原子力災害を含む大規模災害へのより機動的かつ効果的な対処が可能となるよう、大規模災害への対処に当たる政府の組織の在り方について、米国のF E M A ( 連邦緊急事態管理庁) なども参考に抜本的な見直しを行い、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとすること。二十五、原子力規制委員会の予算については、独立性確保の観点から、諸外国の例などを参考に、独自の財源の確保の在り方を検討すること。二十六、従来からの地方公共団体と事業者との間の原子力安全協定を踏まえ、また、原子力の安全規制及び災害対策における地方公共団体の役割の重要性に鑑み、本法施行後一年以内に地方公共団体と国、事業者との緊密な連携協力体制を整備するとともに、本法施行後三年以内に諸外国の例を参考に望ましい法体系の在り方を含め検討し、必要な措置を講ずること。二十七、国会に置かれた東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の報告書については、原子力安全規制組織にとどまらず、原子力の安全規制及び災害対策に関しても十分に検討し、本法施行後三年にかかわらず、速やかに必要な措置を講ずること。二十八、政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省を深く心に刻み、毎年三月十一日に、全国の原子力発電所の安全性の総点検、原子力防災体制の確認、政府の原子力規制に関する取組の公表等を行い、二度と重大事故を起こすことのないよう、自らの取組を見直す機会とすること。 右決議する。

原発から出る放射能、原発事故による放射能の拡散モデルは、プルームではなくパフではないのか?

原発から出る放射能、原発事故による放射能の拡散モデルは、プルームではなくパフではないのか?

原発事故 “土から放射性物質 取り除いて” 農家の訴え 2019年10月17日(木) NHK おはよう日本

  原発事故 “土から放射性物質 取り除いて” 農家の訴え 2019年10月17日(木) NHK おはよう日本 シェアする 福島県の農家8人が、原発事故前の農業を取り戻したいと、5年前(2014年)、東京電力を訴えた裁判に、おととい(15日)、判決が言い渡されました。農家たちは、金銭的な補償は一切求めず、農地から事故で飛散した放射性物質を取り除いて欲しいという、その一点だけを求めてきました。 “放射性物質 取り除いて” 福島 ある農家の8年 原告のひとり、鈴木博之さん、69歳。江戸時代から続く農家の6代目で、原発事故後も、およそ20ヘクタールの農地でコメ作りを続けてきました。 鈴木さんが暮らす、福島県・大玉村。原発からおよそ60キロ離れたこの村にも、8年前、放射性物質が降り注ぎました。大玉村を始め、線量の高い市町村は、国のガイドラインに従い、農地の除染を行いました。 その主な方法は、汚染された表面の土とその下の土を反転させる「反転耕」や、土を深く耕して放射性物質を薄める「深耕」。放射性物質を取り除くものではありませんでした。 この4年間、福島の米から基準値を超える放射性物質は検出されていません。 それでも鈴木さんは、土を入れ替えてでも放射性物質をなくさない限り、事故前の農業を取り戻すことは出来ないと考えています。 鈴木博之さん「私の住んでる農地は、日本でも美味しいお米がとれる土壌だったんです。それが壊されたからね、土壌汚染によって。だから、東電に原状回復してもらう。」 鈴木さんは、20代で農業を継いで以来、次々と新たなことに挑戦し続けてきました。34歳の時には、妻と妹夫婦とともに農業法人を設立。 農協に頼らずに米を売っていこうと、独自のブランドをつくり、消費者に届ける直接販売に乗り出しました。さらに原発事故の4年前には、米の加工品を販売する店もオープンし、国が推進する「6次産業化」にいち早く取り組み、事業は軌道に乗り始めていました。 その矢先に起きた原発事故。鈴木さんの農業は一変しました。米を直接販売していた全国の顧客は、その8割が離れていきました。 今は、他の福島県の多くの農家と同様、米の多くを、名前のつかない業務用米として出荷せざるを得なくなりました。加工品を販売する店の売り上げも伸びず、鈴木さんは何度も、倒産の危機に直面しました。その度、つきつけられたのは、土に放射性物質があるかぎり、いくら頑張っても、原発事故の前には戻れない、という現実でした。 鈴木博之さん「いいときを思い出すのはつらい。マイナスの仕事はいやですわ。なんぼ頑張っても、プラマイゼロやもん。やっぱり夢と希望っていうのはプラスの話だからね。」 8月。お盆にあわせて、東京に住む娘と孫が帰省しました。 農地を守りつないできた先祖の位牌を前に、鈴木さんは汚染された農地を、次の世代に引継がせるわけにはいかないと、思いを新たにしていました。 鈴木博之さん「俺、ちゃんとした土、先祖からもらって、俺の代では汚したけども、これ元に戻して次代の人に渡す。それが最大の我々の世代の仕事と思ってる。」 そしておととい。 裁判長は、鈴木さんたち原告の訴えを退けました。主な理由は、原発から飛散した放射性物質はすでに土と同化しているため、東京電力の管理下にはなく、むしろ、農家が所有しているといえる。故に、東京電力に放射性物質を取り除くよう請求することはできない、というものでした。土を入れ替えてでも、放射性物質をなくして欲しいと求めてきた鈴木さんの主張は認められませんでした。鈴木さんは控訴して、これからも訴え続けようと決意しています。 鈴木博之さん「我々土を利用して生きているし、生かしてもらってるんだから、もう一回ファイトっていうしかないかなって今、思ってます。」 取材:松原恭子ディレクター   農地汚染回復の訴え却下 福島地裁支部 原告控訴へ 2017.4.14 20:37  東京電力福島第1原発事故で農地を汚染されたとして、福島県の5市町村の農家8人と農業法人1社が、土壌の放射性物質濃度を事故前の水準に戻すよう東電に求めた訴訟の判決で、福島地裁郡山支部(上払大作裁判長)は14日、訴えを却下した。原告側は控訴する方針だ。 上払裁判長は判決理由で「土壌から放射性物質のみを除去する方法は確立されていない。原告側は訴えが認められた場合に東電がなすべき具体的な行為を特定しておらず、訴えは不適法だ」と述べた。原告側代理人の花沢俊之弁護士によると、農地の原状回復を求めた訴訟の判決は全国初。  原告側は、農地のセシウム137濃度が事故で土壌1キログラム当たり1207~1万6200ベクレルに上がり、農地としての使用が妨げられ売り上げも減少したと主張。土壌の入れ替えなどで、濃度を事故前に県内で測定されたのと同程度の同50ベクレル未満にするよう求めていた。

日赤「宇崎ちゃん」献血PRポスターは”過度に性的”か 騒動に火をつけた米国人男性に聞いてみた 2019年10月20日 文春オンライン

日赤「宇崎ちゃん」献血PRポスターは”過度に性的”か 騒動に火をつけた米国人男性に聞いてみた 2019年10月20日  文春オンライン    日本赤十字社による漫画『宇崎ちゃんは遊びたい!』とのコラボポスターがネット上で賛否両論を呼んでいる。  ポスターは、『宇崎ちゃんは遊びたい!』のキャラクター・宇崎ちゃんが、「センパイ! まだ献血未経験なんスか? ひょっとして……注射が怖いんスか~?」と呼びかけるもの。「ポスターに登場するキャラクターの描写が過度に性的では」と問題視する声がある一方で、「性的ではない」「表現を締め付けてはいけない」と擁護する声もある。  議論に火をつけたのは、米国人男性のジェイ・アレンさん。街中で見つけたポスターをツイッター上に投稿したところ、瞬く間に拡散されたという。 Unseen Japan @ 超スプーキー@UnseenJapanSite     I admire the work the Red Cross does, which is why I’m disappointed that @JRCS_PR in Japan would run a campaign using the over-sexualized Uzaki-chan. There’s a time & a place for this stuff. This isn’t it. #women #metoo #kutoo   2,430 6:52 PM – Oct 14, 2019 Twitter Ads info and privacy   2,621 people are [...]

毒入り油で手料理 母悔恨「知らなかった」「ごめんね許して」 家族全員発症 カネミ油症50年の証言 2018年6月24日 長崎新聞

毒入り油で手料理 母悔恨「知らなかった」「ごめんね許して」 家族全員発症 カネミ油症50年の証言 2018年6月24日 長崎新聞    「安か油」を購入したのが全ての始まりだった。 1968(昭和43)年春。当時29歳の松本正江(79)=仮名=は、長崎県五島市内の小集落に、漁師の夫と3人息子の家族5人で暮らしていた。巻き網船に乗る夫は海に出ている期間が長く、正江は子育ての傍ら、1人で畑を耕し、野菜を育てた。近くに住む義父母の食事作りも役目だった。 そのころ、商店を営む親戚から格安で食用油を購入した。「一升瓶10本が入る木箱を3ケース。1本当たり30円安かった」。裕福とは言えない生活。油は日本酒や焼酎の空き瓶に移し替えられていて、どんな会社の油か分からなかったが、安価なのは助かった。 「あんたのとこ安か油のあっとね。分けてくれんかな」。すぐにうわさが広まった。正江は親戚や近所の人に油を配った。 「どうも変な油だった」。加熱するとブクブクと泡が出る。ねっとりして、すり身や天ぷらがカラッと揚がらない。「おかしい」と話題になった。正江は近くの店で別の油を買い、混ぜて使った。結局、義父母を含め、家族で一升瓶3本分の油を消費した。 その年の夏。家族と義父母の体に、大小さまざまな吹き出物ができた。正江は首やふくらはぎ、夫は背中、子どもたちは頭皮に強く症状が現れた。頭痛、腹痛、手足のしびれに襲われ血尿も。慌てて息子たちを病院に連れて行ったが、飲み薬と塗り薬を処方されただけだった。 数カ月後、通っていた病院の医師が言った。「あなたたちはカネミライスオイルを食べていないか」。医師によると「毒の入った油」が五島で出回っているという。言われるまま、役場で子どもと検診を受けたが原因は不明。症状に苦しみながら歳月が流れた。 検診を5、6回受診した後の75(昭和50)年、息子3人は「カネミ油症」と認定された。油を食べて7年。正江はあの油が原因だったとようやく理解した。 夫は漁が忙しく検診を受けていなかったが、弁当には頻繁にすり身揚げや天ぷらなどの揚げ物を入れていて、家族で最も多く油を食べているはずだった。「お父さんも受けたら」。検診を勧めると、夫は突然怒鳴った。「おまえがそがん油を買うけん悪か!」。普段は温厚な夫の怒りに、正江は動揺した。 「買った私が悪か。でも悪い油と知って食べさせたんじゃない。ごめんね、許して」。正江は畑で一人泣いた。毒入りの家庭料理を食べさせ続けた悔恨。妻として母として、気が狂いそうだった。 ◇  ◇  ◇ 正江が、家族とカネミライスオイルを食べてから8年がたった1976(昭和51)年、検診を渋っていた漁師の夫を何とか説得。翌年、夫は正江と共に油症認定された。 夫は高血圧症を患い、薬を手放せなくなっていたが、弱音をはかない性格。頭痛や下痢でつらくても、生活のため漁に出ていた。夫の背中は、大きい吹き出物が無数にあり、肌着は膿(うみ)でいつも黄色く汚れていた。 次男は、症状が重かった。小学生のころは朝布団から起き上がれないほど。体を抱えてトイレに連れて行くと、血の混じった尿が出た。入退院を繰り返し、学校も休みがちで、ふさぎ込んだ。体調は季節や天候に左右され、梅雨や秋口に悪化した。 正江自身も当初から吹き出物と血尿、年齢を重ねると自律神経の乱れから目まいや吐き気、食欲不振など多様な症状に襲われた。特に悲しかったのは、30代で計7回も経験した流産。生理不順かと思っていると、突然出血。驚いて受診すると流産だと告げられた。出血があると入院し処置を受け、自宅に帰る。この繰り返しだった。 7回目の流産の後、医師が言った。「このまま流産を繰り返すと、貧血で体が危ない」。夫も交えて話し合い、卵巣を摘出。ずっと女の子を望んでいたが、諦めるしかなかった。 差別も家族を追い詰めた。集落の母親たちはわが子に「あの家で食べ物をもらっても食うな」と言い、正江の息子たちはのけ者にされた。ただ正江が油を配った親戚や近所の人は押し黙り、油を食べたことや自らの症状もひた隠しにした。「田舎の習慣というかね。人聞きの悪いことは隠そう隠そうとした」。義父母も決して検診を受けようとしなかった。被害者は皆、口をつぐみ、孤立していた。 85(昭和60)年、47歳になった正江は、毒油を売ったカネミ倉庫や原因物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)を作ったカネカ、国の責任を問う集団訴訟に第5陣原告として加わった。夫と共に救済や謝罪を求め、東京や千葉などで窮状を訴える抗議行動にも参加。だが2年後、責任の所在が判然としないままカネミ倉庫と和解。わずかなお金を受け取って終わった。 2004(平成16)年、正江は知り合いに頼まれ、体験や思いをA4サイズの紙2枚に書き、五島市内の被害者集会で読み上げた。「36年という年月は、私たち家族には長く、心身共に不安におびえ、苦しい苦しい毎日です。私たちを助けてください」 カネミ油症は、健康な体も幸せだった家庭もずたずたにした。数十年続く目まいや体のだるさ。ここ数年は不整脈や腰痛で散歩すら満足にできない。一日中起き上がれないこともある。連れ添った夫は13年前、膵臓(すいぞう)がんで亡くなった。 正江は今も思う。「なぜ、私たち家族はここまで苦しまなければいけないのか」と。=文中敬称略= ◆ 長崎県など西日本一帯で広がったカネミ油症は、発覚して今年で50年。被害者の証言をシリーズで随時伝える。 ◎カネミ油症  カネミ倉庫(北九州市)が食用米ぬか油を製造中、熱媒体のカネカ製ポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入し一部はダイオキシン類に変化。長崎県など西日本一帯で販売され被害を広げた。1968年10月、新聞報道で発覚。当初約1万4千人が被害を届け出た。2018年3月末の認定患者数は全国で2322人(死亡者含む)、長崎県964人(死亡、転居含む)。 「家族に毒の入った油を食べさせてしまった」。正江さんは声を絞り出した。50年たった今も、後悔は続いている=五島市内    

ごみ処理施設浸水し廃棄物が 2019年10月20日 12時18分 NHK福島放送局

ごみ処理施設浸水し廃棄物が 2019年10月20日 12時18分  NHK福島放送局 台風19号の大雨で大きな被害が出た福島県郡山市では市内に2つあるごみの焼却施設のうち1つが浸水して稼働できず、処理しきれない災害廃棄物が路上に残されたままの状態が続いています。 郡山市では市内に2か所あるごみの焼却施設のうち、阿武隈川沿いの富久山町地区にある施設が浸水被害を受けて稼働できなくなっています。こうしたことなどから市全体の処理能力は通常の4分の1程度になっていて逢瀬町にある処分場には運び込まれた家具や衣類などの災害廃棄物が焼却処分できないまま積み上がっています。また、浸水の被害を受けた地区では災害廃棄物が住宅地の道路上や歩道に残されたままの状態が続いています。このうち市内の水門町では朝から住民が水や泥をかぶって路上に運び出された家具などの整理を行っていました。自宅が床上浸水した65歳の男性は、「1週間たってだんだん臭いも出てきました。大変だと思いますが、少しでも片づくと1歩進んだ気持ちになるので、処理してもらいたいです」と話していました。郡山市では市内の3か所に仮置き場を設ける準備を進めているほか、環境省が南相馬市と浪江町に設置している焼却炉でも受け入れを始める方針です。郡山市は災害廃棄物が今後、どれくらい増えるか予想できないとして、通常の生活ごみをできるだけ減らすなど市民に協力を求めたいとしています。

トリチウム汚染水放出 説明・公聴会の開催の前提は崩れました小委員会での検討をやり直してください FoE Japan 2018年8月29日

2018年8月29日 経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部 原子力政策課原子力発電所事故収束対応室 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会事務局 御中 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 委員各位       原子力規制を監視する市民の会国際環境NGOFoE Japan        要請書     説明・公聴会の開催の前提は崩れました小委員会での検討をやり直してください  トリチウム以外の放射性物質の残留が明らかにタンクに貯蔵しているALPS処理水の中にトリチウム以外の核種についても、告示濃度限度を超える放射性物質が含まれていたことが明らかになりました。東電の公表データから読み取れる状況は以下の通りで、もっとも深刻なのはヨウ素129ですが、告示濃度限度超えは、2015年4~9月の時期と2017年4月~現在に至る時期に集中しています。 ・ヨウ素129…(告示濃度限度:9 Bq/L)2015年4~9月では、既設ALPSで最大121Bq/Lを観測しており、増設ALPSでも基準値超えが続出。2017年4月~では、既設ALPSで最大27.83Bq/L、増設ALPSで最大62.24Bq/Lを観測 ・ストロンチウム90(告示濃度限度:30 Bq/L)…最大141Bq/L(2017年11月30日) ・ルテニウム106(告示濃度限度:92.5Bq/L)…2015年5月に告示濃度限度を超える値が頻発(最大1100Bq/L) 吸着材の交換頻度を下げた  東京電力によれば、いずれも原因は、吸着材の交換頻度を意図的に下げる運転をしたためとのことです。ヨウ素129などを告示濃度以内にするためには、吸着材を頻繁に交換する必要がありますが、ALPSの稼働率は下がります。東電は、2015年については敷地境界における実効線量1mSv/年未満を達成するため、2017年以降はフランジ型タンクの運用を止めるために、いずれもALPSの稼働率を低下させないようにする必要があったと説明しています。  東電は2014年段階で、このような運転を行うことについて、資源エネ庁が設置した廃炉・汚染水対策チーム会合事務局会議の第13回会合(2014年12月25日)で事前に説明していました。規制委が設置した特定原子力施設監視・評価検討会の第2回、第3回会合でも説明していました。また東電は、実績については、2015年と2017年以降ともに、個別の面談やヒアリングの場で説明したと述べています。 <参考> 増設多核種除去設備 本格運転に向けた対応について 東京電力 2014年12月25日 第13回廃炉・汚染水対策チーム会合事務局会議 委員会には、問題のないデータが示された  しかし、肝心の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」の委員たちには、公式の場では説明されていません。同小委員会の第1回会合(2016年11月11日)において、処理水のデータが示されていますが、これは、2014年9月20日~28日に採取したデータで、トリチウム以外の放射性物質は、ヨウ素129などは検出限界以下、ルテニウム106も告示濃度以下となっています。東電は、「トリチウム以外のものは何とかできている」と説明しています。すなわち、小委員会では、トリチウム以外の核種については検討されていないのです。 説明・公聴会資料でも告示濃度超えデータは隠された  この時の資料がそのまま、今回の説明・公聴会の資料(p.22)の参考2-2に添付されています。タイトルは「タンクで貯蔵している処理水の性状」とあり「現在、タンクに貯蔵している水(多核種除去設備等処理水)は、トリチウムを除く放射性物質の大部分を取り除いた状態」とありますが、トリチウム以外でも告示濃度限度を超える放射性物質が含まれている実態が全く反映されていません。 追加の放射性物質の海中排出には反対  資料は総じて、トリチウム以外の放射性物質は除去されていることを前提に、トリチウムについても、自然由来や、原発や再処理工場、核実験で放出された量と比べてもタンクに貯蔵されている量は相対的に大きくはないことや、トリチウムが他の放射性物質に比べても危険度が小さいことが強調され、希釈して海洋放出する方法を容認するものになっています。  核実験や再処理工場などから既に大量のトリチウムが放出されていることについては、そのこと自体が問題であって、追加の放出を免罪することにはなりません。甲状腺がんなどの原因となる放射性ヨウ素の危険性は言わずもがなですが、トリチウムのリスクについても、さまざまな指摘がなされています。福島第一原発周辺海域では既に大量の放射性物質が放出されていますし、今でも放射性物質が観測されています。私たちはこれ以上の放射性物質の海洋放出には反対です。 小委員会での検討を一からやり直すべき  小委員会の事務局が、第1回会合の段階でトリチウム以外にも告示濃度限度を超える放射能が含まれていることを十分承知していたことは、この小委員会の名称にも表れています。小委員会は「トリチウム水タスクフォース」を衣替えしたものですが、その際に、タンクに貯蔵している処理水の名称を「トリチウム水」から「多核種除去設備等処理水」に変えています。  今回の説明・公聴会の資料には、2017年4月以降、現在も続くのヨウ素の告示濃度限度超えについても一切記載がありません。これでは、委員をだまし続け、住民・市民に対しても「だまし討ち」をしたと言われても否定できない状況です。説明・意見聴取会の開催の前提は崩れました。一から小委員会での検討をやり直してください。  原子力規制を監視する市民の会  162-0822   東京都新宿区下宮比町3-12-302 03-5225-7213  国際環境NGOFoE Japan  173-0037  東京都板橋区小茂根1-21-903-6909-5983 問合せ先090-6142-1807(満田)/090-8116-7155(阪上)

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