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白血病について考える資料(1) 放射線の生物学的影響 ―人に対する影響を中心にして― 後藤孝也 独立行政法人放射線医学総合研究所緊急被ばく医療センター 2013年

今こそ復習!主任者の基礎知識―「もっと基礎を、ここが肝」編―主任者コーナー 放射線の生物学的影響 ―人に対する影響を中心にして― 後藤孝也 独立行政法人放射線医学総合研究所緊急被ばく医療センター 2013年 Isotope News 2013年12月号 No.716  [解説] 【第1稿】2019年6月14日 編集者 【改訂】2019年6月15日  編集者  放射線医学総合研究所が驚くべき、資料を公表していました。放射性セシウムが白血病の原因となる、という資料です。編集者はこれまで、放射性セシウムが白血病の原因となる、という論文を読んだことがありませんでした。  この放射線医学総合研究所 緊急被ばく医療センター 主任研究委員の後藤孝也氏の以下、論文によれば、内部被ばくで白血病の原因となる核種は以下の通りです。この論文の最後に表4が掲載されており、その中に記載がありますのでご確認下さい。 白血病の原因となる核種 カルシウム45(45Ca)、鉄59(59Fe)、ストロンチウム90(90Sr)、セシウム137(137Cs)、トリウム232(232Th)、ウラン238(238U)、プルトニウム239(239Pu)、ラジウム226(226Ra)、アメリシウム241(241Am) 表4 核種と体内集積部及びその影響 表作成 後藤孝也 2014年 より これまで多くの放射線生物学の学説では「放射性セシウムは筋肉にたまる、心臓にも脳にたまることはない」というものでした。一方、チェルノブイリ原発事故後では、リクビダートル(原発事故除染作業員)の脳が広範囲に侵され、短期記憶すら奪われている症例が報告されています(NHK スペシャル“終わりなき人体汚染~チェルノブイリ原発事故から10年~”1996年4月26日放映)。放射性セシウムは脳をも侵すのではないでしょうか。 また、この後藤孝也氏の論文で、これも驚いたことに、放射性セシウムの内部被ばくの影響で、白血病とともに“不妊”が挙げられていることです。編集者はベラルーシのユーリ・I・バンダジェフスキー博士の論文では「放射性セシウムが不妊の原因となる」という論文を読んだことがありましたが、放射線医学総合研究所のような、国際放射線防護委員会(ICRP)理論妄信の機関が出している論文ではありませんでした。東電福島第一原発事故以降、周産期死亡率が一時的に多くなったことは周知の事実です。 <参考> Increases in perinatal mortality in prefectures contaminated  A spatially stratified longitudinal study Hagen Heinrich Scherb Dr rer nat Dipl―Matha 2016年9月2日  東電福島第一原発事故以降、不妊も増えていたのではないでしょうか。また、現在でも放射性セシウムに汚染された食べ物を食べ続けている地域では、不妊が引き起こされるのではないでしょうか。  放射線医学総合研究所は、基本的に広島、長崎の被爆者を調査したABCC(原爆障害調査委員会)と同様、被ばく者の調査研究のために設立された機関であり、被ばく者が被ばく後どのように癌にかかり死んでいくかを調査研究してきた機関です。放射線医学総合研究所は、そもそも1954年3月のビキニ事件(アメリカがビキニ環礁で行った水爆実験)を契機に設立された機関で、ビキニ環礁で被災したマグロ漁船、第五福竜馬丸の乗組員たちの被ばくを調査研究してきました。しかし、乗組員たちが次々と肝臓がんにかかっているのを知りながら、本人たちには伝えず、英語の学術誌には論文を投稿していました。 <参考> 「放射線医学総合研究所の実態は、ヒバクシャの調査・研究。放射線防護や治療ではない」内部被ばくを考える市民研究会資料 2019年2月20日 http://www.radiationexposuresociety.com/archives/9884  また、放射線医学総合研究所は東電福島第一原発事故でも、双葉町で11歳の少女が甲状腺に100ミリシーベルトの被ばく(等価線量)していたことを把握していたにもかかわらず、隠していました。東京新聞の情報公開請求で明らかになりました。 <参考> 東京新聞 11歳少女、100ミリシーベルト被ばく 福島事故直後 放医研で報告 2019年1月21日朝刊 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019012102000122.html  さらに、放射線と発がんなど、健康被害との科学的因果関係を証明する方法は、唯一あるのは疫学調査です。しかし、その疫学調査を「必要ない」として政府に進言したのは、放射線医学総合研究所理事、明石真言氏でした。これも東京新聞がスクープで明らかにしました。 <参考> 東京新聞 官邸に「疫学調査不要」 福島原発事故で放医研理事 2019年2月18日朝刊 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021802000125.html  原発事故当時、福島県民に安定ヨウ素剤を予防服用させれば、これほどまでの小児甲状腺がんの子どもたちは出なかった可能性があるにも関わらず、福島県民に「安定ヨウ素剤を服用させる必要ない」と国に進言したのも、同じく放射線医学総合研究所理事、明石真言氏とされています。  放射線医学総合研究所が、放射線物質と発がん、がん死との関係を調べる機関でありながら、市民の放射線防護にまったく役立っていないことは明らかです。その上で以下の論文には参考となる事柄がたくさん記載されています。また、誤った記載もたくさんあります。今後、逐次、批判を加えていきたいと思います。  なお、第1種、第2種放射線取扱主任者試験を受け合格しようと思う方は、以下の論文の内容がすべて正しいとして回答しないと合格できません。ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告の要点は丸暗記する必要があることを書き添えておきます。 以下、(赤字)は編集者、※1~※8は編集者が挿入した言葉です。   今こそ復習!主任者の基礎知識―「もっと基礎を、ここが肝」編―主任者コーナー 放射線の生物学的影響 ―人に対する影響を中心にして― 後藤孝也 独立行政法人放射線医学総合研究所緊急被ばく医療センター 2013年 Isotope News 2013年12月号 No.716   はじめに  福島第一原子力発電所事故以降、放射線の人体影響に関する情報は書籍、インターネットをはじめ日常の報道の中にも氾濫しています。しかもかなり高度な内容に踏み込んだものも多く、以前であれば、ごく一部の大学院生の講義で扱われた内容が一般の方々の常識的知識となっている現状に戸惑いを禁じえません。しかも、不必要に不安を煽るような情報も散見されます。不特定多数の人々が情報を発信するインターネット情報には、故意ではないにせよ誤った情報が流され、それがあたかも正しい知識であるとの誤解を産んでいることさえあります。そのような中、放射線取扱主任者に求められる要請は、ますます高くなっていると言えるでしょう。本稿では、放射線の生物影響を人体影響に重点をおいて基礎の基礎に立ち返り、解説していきたいと思います。   1. 放射線の生体への影響を表す単位などについて  いろいろな経緯があるとはいえ、単位に関しては実に複雑怪奇なのが現状で、初学者をはじめ混乱の原因となっています。線量測定関係諸量である“照射線量”“カーマ”“吸収線量”と、放射線の生物学的影響を加味した“等価線量”“実効線量”などの量があります。人体に対する影響を考える場合には、後者の概念、量、単位が重要な意味を持ってきます。  放射線による生物学的影響は、その放射線の線質(種類とエネルギー)によって異なるとともに、影響を受けた(被ばくした)臓器、組織にも依存します。そのため、放射線の種類やエネルギー量による影響を補正するために、放射線荷重係数を導入し、物理量である吸収線量(Gy)に放射線加重荷重係数を乗じた値が等価線量(Sv)として定義されました。さらに、この等価線量に臓器・組織ごとの影響を補正する組織加重係数を乗じた値を全ての臓器組織について合計したものを実効線量(Sv)として定義されています。  この放射線加重係数、組織加重係数に関しては、2007年のICRP(国際放射線防護委員会)勧告で変更があり、日本の法律ではまだ正式には導入されていませんが、将来的には導入される予定です。ここで、等価線量は、個々の組織や臓器の線量の確率的影響を補正するために組織加重係数を用いて実効線量を定めていると理解していると思います。今一度確認すると、おおもとになるここでの吸収線量は、各臓器、組織にわたって平均された吸収線量であるということです。ただし、吸収線量の定義が変わるわけではありませんから注意してください。そして、等価線量の係数に用いる値は、低線量の確率的影響の誘発に関する生物効果比(RBE)の値から導かれるため、本来は確定的影響の評価には向かないのですが、代替えの線量概念がないために、そぐわないのを承知で使用しているという事情があります。ですから、乗じる係数は無次元ですが、吸収線量とは意味合いが変わるためにシーベルト(Sv)という特別な単位に換えて用いているのです。さらに話しがややこしいのは、このように定義しても、個々の組織臓器の等価線量を直接定義することができないということにあります。臓器の吸収線量すら測定できません。だからこそ、各臓器組織に平均された吸収線量という値を元に定義せざると得ないのです。端的には、実務的に測定記録されているのが、1cm線量当量であることからも、概念的な値と実測的な値に乖離があることは分かると思います。この辺りも混乱を招く原因ですから、ICRP(国際放射線防護委員会)あたりで、量・単位を整理してくれれば良いのにと、個人的には思っています。   2. 放射線の生物的な影響  放射線の生物的影響を考える上にも量・単位同様に、いろいろな用語があり、理解する際に非常に混乱します。これも“放射線による生物的(人体)影響”というモヤモヤとした“つかみどころのない現象”を色々な要素を持つ言わば刃物で切ったその断面を、それぞれの見かたで説明しているようなものだという立場で理解すると比較的理解が容易であると思います。放射線の影響を受けるのは、あくまでも個人であり、場面ごとに変わりますから当然と言えば当然です。  放射線による障害を受けた、つまり被ばくした人の身体に影響が現れる現象を、「遺伝という刃物」で切ったその断面を見た場合、被ばくした本人に現れる影響を“身体的影響”、その子孫に影響が現れる場合を“遺伝的影響”として見ることができます。同じく、被ばくの影響を「時間という刃物」で切ったその断面を見た場合、数時間から数日そして数週間以内に現れる影響を“急性障害”、また、数か月~数年以上(場合によっては数十年)経過して現れる影響を“晩発障害”という見方をします。そして、「確率という刃物」で切った断面を見た場合に、その影響を“確率的影響”と“確定的影響”とを対比して見ることになり、「体という刃物」で切った断面を見ると、“外部被ばくによる影響”と“内部被ばくによる影響”加えて“体表面汚染による影響”という三者を対比させて見ることになるのです。場合によっては、前記のたとえで言う2種類の刃物で同時に切った断面を見て影響を考えることもあります。以下それぞれについて説明をしていきますが、全体はあくまでも放射線の被ばくにより受けた影響という一塊のモヤモヤとして現象であるということを忘れないで下さい。   3. しきい値の概念  放射線の障害を考える前提となる概念にしきい値があります。一般的に、ある値を超えると効果が現れ、それ以下では効果が現れない値をしきい値と呼び、放射線障害では、皮膚の紅斑や脱毛などで障害が起きるか否かの境界をなる値などがそれに当たります。この値は、被ばくを受けた人のうち、1~5%の人に影響が現れる値として定められており、ICRP(国際放射線防護委員会)勧告の組織線量当量限度を定めるための基になっています。ここにいう効果が現れないということは、障害を受けた細胞が可逆的障害にとどまる場合や周辺組織が代償的に機能する場合も含む値であり、そのため、個人差も見られることを認識しておく必要があります。このポイントを押さえた上で以下を説明します。   4. 身体的影響と遺伝的影響  放射線による生物的影響を見た場合に放射線の電離作用により影響を受ける標的がDNAであるため、それが世代を越えて影響を及ぼすか否かが問題になります。そのため、「遺伝という刃物」で切った切り口を見ると、被ばくした本人に現れる影響と、子孫以降の世代に現れる影響を、遺伝的影響(hereditary effect)と言い、子孫に伝えられるか否かに関わらず、遺伝子突然変異が起こることを、遺伝学的影響(genetic effect)と言って区別して用いられる点です。  身体的影響は、被ばくした本人の影響として、別の切り口で考えるため、この切り口で分類した場合の議論の中心は、遺伝的影響となります。我が国においては、広島・長崎の原爆被爆者の長期にわたる調査が現在までも継続されており、被曝2世、被爆3世の調査も行われています。ここで注意することは、胎内被ばくは身体的影響に含まれることです。放射線影響研究所などが中心となった調査では、先天的奇形の発生頻度、被爆2世の寿命調査、親の生殖細胞に由来する染色体異常、がんの死亡率調査などが行われてきましたが、いずれの調査によっても対照群と有意差は認められず、遺伝的影響は認めらえていません(表1)。一方で動物実験では、ショウジョウバエ、マウスなどには遺伝的影響が報告されています。この差の原因に関しては、明確な結論は得られていません。    身体的影響とした胎内被曝については、胎児の初期胚発生から出生に至るまでの各週令とそれに伴う影響のしきい値は推定がなされています(表2)。しかしながら、遺伝的影響が認められるマウスの実験データなどが基になっているため、厳しすぎるきらいがあるとも考えられています。この点は、妊婦に対する放射線障害が以前ICRP(国際放射線防護委員会)より10daysルールとして勧告されていましたが、1990年勧告からは、それが緩和されて妊娠が疑われる場合は下腹部の照射を避けるべきとするより緩やかな規制に変わって来たことにも現れています。胎児以外の身体的影響は別の切り口で詳しく見ます。   5. 急性障害と晩発性障害  放射線によっておこる障害を「時間という刃物」で切った切り口を見ると、急性障害と晩発的障害という対比として見ることができます。ここでいう急性障害とは、被ばく後比較的短時間の内に生じる障害をいいます。さらに、この急性障害を全身の被ばくと局所の被ばくとして分けて議論がされます。全身の被ばくに関しては、放射線被ばく後、数時間から数週間の間に生じる発熱や嘔気、嘔吐の症状を急性放射線症と言います。臨床的に使っていますが、症状と全身の被ばく線量は相関しており、被ばく事故の際には、トリアージなどで重要な意味を持ってきます。通常、急性放射線障害は、全身に被ばく1Gy以上で起こり、1Gy以上全身に被ばくすると、まず放射線船酔の症状が現れ、2.5Gy程度の全身被ばくで骨髄死、10Gy程度で腸管死、30~50Gy程度で中枢神経死を来すとされています。全身被ばくした時に現れるは、①前駆期(被ばく後数時間で現れる嘔気や頭痛などの症状が見られる時期、線量が大きいほど発現までの期間が短い)、②潜伏期(障害を受けた臓器より症状が変わり、免疫不全、出血、下痢や下血、意識障害などを呈する時期)、④回復期又は死亡(医療により救命し得た場合、回復してくる時期)の4期に分けられています。急性期の前駆症状と被ばくの関係をまとめると(表3)のようになります。   特に嘔吐の症状の有無は治療により救命できるかの境界となる指標であることが重要点と言えます。このように、全身被ばくの場合は、局所被ばくとは異なり、救命できるか否かが問題となり、しきい値も腸管死、骨髄死がその境界として意味を持ってきます。腸管死の機序を例にとってみると、腸管では、小腸がもっとも放射線感受性が高く、すなわち、細胞分裂が盛んに行われているということになるのですが、全身被ばくで10Gyを被ばくした場合には、腸管の腺窩(クリプト)にある幹細胞が障害を受け分裂を停止する一方、分化している絨毛細胞は影響を受けず時間とともに脱落していくことになります。結果として、新しい細胞が補充されなくなった腸管は、吸収機能はおろか防御機能も失い、出血や腸内細菌などによる感染症(敗血病)を起こし、最終的に死に至るという経過をたどることになります。これが腸管死のしきい値の意味です。  一方で局所の被ばくにおける障害は、それぞれの組織で障害が現れるしきい値が推定されています。例えば、皮膚における局所被ばくの際のしきい値としては、細胞分裂の盛んな毛嚢は、1~2Gyで一時的に毛の成長が停まり、3~4Gyで脱毛が起こります。3~6Gyで紅斑や色素沈着が起こり、7~8Gyで水泡形成、10Gy以上被ばくすると潰瘍を形成し、さらに20Gy以上では難治性の潰瘍を形成します。初期の紅斑としては、照射を受けた初期にヒスタミン様のケミカルメディエーターによる血管拡張が原因で起こる紅斑と、より高線量によって引き起こされる持続性の紅斑とを区別して臨床像を扱います。また、臨床的には、線量に依存して起こる第1~4度の皮膚反応に分類していますが、本質としては、表皮層及び真皮層に存在する基底細胞や毛嚢細胞に存在する幹細胞が障害を受けることに由来します。皮膚の基底細胞は深いところで100μm、浅いところで30μmの深さに存在するため、皮膚を評価する平均値として70μm線量当量が使われています。  このように、局所の急性被ばくを考える際に、皮膚同様に生殖器、造血器、及び諸臓器について障害を起こす詳細な線量が教科書等に一覧表になっていますが、その値が全身照射によるものか、局所照射によるものかを注意して見る必要があります。例えば、放射線感受性が強い臓器である肝臓において、障害を受けるしきい値が30~40Gyという場合、またリンパ組織での障害を受けるしきい値が0.25Gyという場合は、局所被ばくを考えているということになります。30Gyや40Gyを全身に被ばくすれば、個体は腸死で早期に死亡しますから当然と言えば当然なのですが、理解する上で混乱を招く原因ですから要注意です。  晩発的障害は、致命的ではない放射線被ばくをした後、また、局所にしきい値を超えて被ばくした場合や急性の被ばくをしたのち、急性障害から回復後、数か月~数年を経た時期に障害(症状)が顕著化したものを言います。代表的なものはがん、白内障というものがあります。ただし、ここでは「時間という刃物」で切った切り口を見ているため、確率的な議論はしていませんからその上で理解してください。晩発的な影響として前述のように、問題となる症状疾患はがんや白内障です。歴史的には、キュリー夫人のように白血病の例などがありますが、がんの発症に関する多くのデータは、広島・長崎の原爆被爆者の追跡調査や1986年4月に起きたチェルノブイリ原子力発電所の被災者の長期調査結果によるものです。現在のところ、放射線被ばくを因果関係が深いと考えられているがんは、白血病、甲状腺癌、女性乳癌、肺癌、皮膚癌などですが、唯一、慢性リンパ性白血病の過剰発生は認められていません。また病理組織像としての放射線に特異的な病理像の報告はありません。最近、甲状腺癌の遺伝子変異などで特異的な遺伝子変異の症例の報告がありますが、更なる研究の蓄積は必要と思われます。前記のがん以外に発生率の増加が認められるがんは、食道癌、胃癌のほか、多発的骨髄腫などが挙げられますが、観察集団の高齢化も考慮した更なる解析が必要です。  局所の被ばくによる晩発的影響として問題となるのは、白内障です。被ばくから発症に至るまでの期間が長期にわたりますが、これは、水晶体の上皮が再生性上皮であり、被ばくによる再生障害が起こると、水晶体の白濁が生じ、視力障害が見られることが、白内障の発生機序とされています。1回の照射による被ばくであれば、水晶体の白濁に至るしきい値は2Gy、白内障を呈するしきい値は5Gyとされています。分割照射による被ばくでは、水晶体の白濁に至るしきい値は5Gy、白内障のしきい値は8~10Gyと考えられています。ただし、このしきい値は、年齢依存性が認められ、年齢が若いほど、しきい値は低くなると考えられています。  これまで本稿では、しきい値の単位は全てグレイ(Gy)を使ってきました。初めに、しきい値を持つ障害には、組織の影響を表す等価線量としてシーベルト(Sv)の単位を使うことは向かないということを述べましたが、そのため、吸収線量(Gy)で表す方がより正確であると思われるためです。現在、氾濫している情報にはシーベルト(Sv)を用いて説明している情報も多いのですが、放射線加重係数が1であるため、数値の差はありません。当然、放射線加重係数の値が異なるα線や、中性子線では値が変わってきます。これは、放射線医学では、標準放射線として放射線加重係数が1である250keVのX線若しくは60Coのγ線が使われるため、Gy=Svという扱いになっているからだということを認識しておくことが必要です(注:1931年に線質の感受性を基に生物効果比を設定した当時は、165keVのX線が基準でした)。   6. 確率的影響と確定的影響  放射線による生物的な影響を「確率という刃物」で切ったその断面を見ると、その影響は確率的影響と確定的影響という分類で見ることができます。この確定的影響は、以前は非確率的影響という言葉を使っていました。この2つの違いは、しきい値を持つか持たないかという違いと言えます。確定的影響は、前項の急性障害と晩発的障害の白内障などが該当し、確率的影響は、発がんと遺伝的影響が該当します。ここでは、生物的影響という範囲で考えるため、遺伝的影響を含めています。被ばくの線量と影響の発生頻度を図で表すと(図1)のようになります。  確率的影響の原因は、遺伝子の突然変異に由来すると考えられ、その突然変異が起こる可能性が確率的であるためこのように分類されていると理解すれば良いでしょう。しかしながら、がんは放射線によって誘発されるだけでなく、自然的に発症することも事実です。自然発症のレベルを超えて発症頻度を考える場合は、線量依存的に直線的な発症率の増加が見られます。しかし容認できるレベル以下の低線量では、それが直線的に線量に依存するかどうかは正確には解明されていません。ごく低線量では、むしろ生体に有用となるという立場に立つホルミシス効果説や、確率的影響の低線量領域にしきい値が存在するという仮説などがありますが、今のところは、直線的に変化するというLNT仮説(しきい値なし直線-線量応答関係,Linear Non-Threshold model)が線量とリスクの関係をより安全側に評価するという観点から採用されています(図2)。 あくまでも安全側に評価するという立場として、放射線防護と管理のために採用している考え方ですから、これが正しいと主張しているものではありません。ここも理解が混乱している点でもあると思われます。低線量領域での生物影響の正確なことは今後の研究の発展が望まれます。  確率的影響として問題なのは、発がんであるということは前にも述べた通りです。これは、主に年齢と性の揃った原爆被爆者追跡調査に基づき評価されていますが、統計的に有意ながんの増加は、約100mSvを超えた値で認められています(図1)。これまで、すべてグレイ(Gy)の単位を用いてきましたが、ここでは、シーベルト(Sv)の単位を用いました。これには理由があります。このシーベルト(Sv)は、確率的影響(がんや遺伝的影響)の発生を考慮するために、組織臓器の等価線量に係数の総和を1とした各組織加重係数を乗じたものの総和として定義した実効線量であり、確率的影響を測る“ものさし”だからです。つまり、全身が均等に被ばくした場合も、ある臓器が単一に被ばくした場合も実効線量の値が同じであれば、それらの被ばくによる確率的リスクは同じであると考え、その値が100mSvを超えなければ発がんリスクは自然の発がんと変わらないと考えられるからです。例えば、10mSvの全身均等被ばくであれば、その実効線量は10mSvであり、甲状腺(組織加重係数=0.04)に250mSvを被ばくした場合も250×0.04=10の計算により、10mSvとなって、同じ実効線量は10mSvとなり両者の確率的影響は同じであると考えることができるということになるわけです。この組織加重係数は2007年のICRP(国際放射線防護委員会)勧告で、生殖腺が、0.20から0.08、膀胱、肝臓、甲状腺などが0.05から0.04に変更になっています。これは、広島・長崎の原爆被爆者の長期調査によって生殖腺への影響を見直し、より低く見積もられたことに由来しています。この組織加重係数が、がんや遺伝的影響を評価するために見積もられているということを忘れて議論すると話が混乱しますから注意が必要です。また、単位線量当たりの発がんリスクを見積もったリスク係数もICRPから出されており、2007年勧告では、年齢分布集団を平均した発がんの名目リスク係数が5.5(10-2Sv-1)、つまり1Sv当たり5.5%、遺伝的影響のリスク係数が0.2(10-2Sv-1)、つまり1Sv当たり0.2%となっています。  これまで説明した放射線による起こる障害を分類して分けてみると図3のようになります。   7. 外部被ばくと内部被ばく  放射線による障害を「体という刃物」で切った断面を見ると、“外部被ばくによる障害”と“内部被ばくによる障害”加えて“体表面汚染による障害”という三者を対比させて見ることになります。体表面汚染とは、文字通り衣類などを含め体表面に放射性物質が付着した状態をいいます。実験室などでは、実験に使う非密封放射性物質が誤って付着した、作業現場では怪我などの部位に放射性物質による汚染を発見したという事故が想定されます。当然、汚染がある状態では、作業員や研究者は外部被ばく、内部被ばくの危険に曝されるわけですが、汚染を除去することにより被ばくの危険は最小限になります。また、汚染の除染は放射線障害を最小限にするための基本ですから実務的には最も重要な事項と言えます。  次に内部被ばくと外部被ばくという分類対比を考えると、外部被ばくに関しては、これまで説明してきたように、主にX線、γ線による全身被ばく、局所被ばくを包含したものであることが分かります。さらに外部被ばくに関して、全身の被ばくの説明時には、混乱を避けるために述べませんでしたが、全身の均等被ばくに対して、非均等被ばくした場合は、被ばくした部位について、各部の等価線量に部位別加重係数を乗じた値を合算することで求めます。日常の管理では、この算出方法は難しいですが、より正確な被ばく管理を行う上で必要ですから、理解しておくことは重要です。  内部被ばくは、何らかの理由によって放射性物質が体内に取り込まれたために起こるものです。経路としては、口から入る場合(経口曝露)、吸い込む場合(経気道曝露)、傷口など皮膚から取り込まれる場合(経皮曝露)が主な経路と考えられます。本来、皮膚は防御機構が発達していますから、経皮曝露は、粘膜以外傷口がなければ経皮的吸収による内部被ばくは少ないと考えられます。よって内部被ばくとして考慮すべきものは、経口曝露と経気道曝露といえます。体内に取り込まれた放射性物質の場合、核種や形状、更には崩壊によって生じる娘核種の種類によって集積する組織臓器や代謝を考慮した実効半減期(有効半減期)と及ぼす影響は異なってきます。一般的には、水溶性や脂溶性の化学形をとる物は経口され、腸管から吸収することが多く、222Rn(ラドン222)、133Xe(キセノン133)などはガス状の状態で、経気道曝露されて内部被ばくの原因となる可能性があります。また、131I(ヨウ素131)や239PuO2(二酸化プルトニウム,※1)のような核種も粉塵として経気道的に吸収されると考えられています。例えば、131Iなどは、甲状腺にほぼ選択的に集積することにより、甲状腺癌や甲状腺機能低下症のような症状を起こすことがあります。化学形に依存する場合としては、239Pu(※1)の場合、可溶性であれば肝臓や骨に集積が見られ、粉塵と伴に吸入した場合は肺にそのまま沈着すると考えられています。実験室などでよく使われる32Pなどは、物理的半減期が14.3日と短いため、有効半減期も物理的半減期に近く、白血病減少の症状を起こしても白血病の誘発の可能性は低いと考えられています。(表4)にそれぞれの核種と集積されやすい臓器及び生じ得る障害をまとめました。※1 原論文には229PuO2,229Puとあったが、239PuO2,239Puの誤りであると考え編集者が239に直した。     化学形と同じく内部被ばくの場合に考慮しなくてはならない点として放射線の線質が重要になってきます。外部被ばくでγ線、X線が問題になったのと比べ、内部被ばくでは、α線の線質及び生物効果比が大きいためです。つまり、α線は紙1枚でも容易に遮へいできますが、逆にそれだけの厚さの部分に高密度にエネルギーを付与するということですから、局所的に大きな影響を受けることにほかなりません。  内部汚染の問題が生じた場合には、その内部汚染を除去するための薬剤を使用する必要がありますし、事前に内部汚染の予防のための薬剤が使われることがあります。具体的には、放射性セシウムの内部被ばくに対するプルシアンブルーや、放射性ヨウ素に対して使われる安定ヨウ素剤などがそれに当たります。それと同時に内部被ばくの線量も評価しなくてはなりません。前にも述べたように、吸収線量を直接測定することはできないため、推定するしかないのですが、組織臓器の吸収線量を推定することはかなり難しいと言わざるを得ません。摂取された放射性物質が実効半減期を繰り返しながら減衰していく間、継続的に被ばくをし続けることになるためと、推定の根拠となるホールボディーカウンタで測定した値と摂取に至る時期やその経路などの摂取シナリオによって、推定される摂取量が大幅に変わる可能性があるためです。また放射線防護の立場からは、より安全側の立場に立ち、摂取後50年間(小児にあっては、70歳になるまでの期間)被ばくすると推定される被ばく線量を、摂取時に一度に摂取したものとして以後の防護を考えるという立場、預託実効線量で内部被ばくを評する考え方が採用されています。ですから、内部被ばくの線量という場合は、この預託実効線量の値を示しているということを理解しておく必要があります。内部被ばくを推定する手段としては、前述のようなホールボディーカウンタと尿や糞便などから試料を調整して計測するバイオアッセイ法などがあります。また、経口摂取した場合など、核種ごとに実効線量係数がICRP(Pub.72)から出されており、それを用いて計算することにより、経口量(Bq)から預託実効線量(Sv)への換算が可能となります。本来私たちの体は、天然由来の40Kの放射性物質を持っていますから、何も被ばくしていない状態でおも、ホールボディーカウンタで計測すると、天然の40K由来のγ線スペクトルが観察されることを忘れてはなりません。その意味では、我々は常に自然放射線に曝されているということになります。   終わりに  平成23年に起こった未曾有の震災とそれに付随して発生した福島第一原子力発電所事故を契機に放射線及びその影響に関しての知識が驚く勢いで一般化しました。週刊誌に始まり啓蒙書、単行本に至る多くの出版物が書店に平積みになっていますが、誤った情報も紛れています。確かに、単位などこれまで整理されないまま今日に至っていることにも問題もあると思いますが、いまだ未解明が数多くあるのも事実です。このような中、放射線取扱主任者に求められる要求が今までにも増して大きくなったことは間違いないでしょう。基礎の基礎を理解することは、非常に大事です。本稿では、舌足らずな説明に終わってしまったことも多くあります。足りない部分は主任者試験対策テキストなどを用いて補っていただければ幸いです。  Isotope News 2013年12号 No.716 pp.89~98

農水ファンド 累積赤字 92億円 2019年6月9日 毎日新聞

 [解説]  故石井紘基衆議院議員は、以下のように著書『日本が自滅する日』(PHP,2002年)で述べています。 「今日わが国が直面している事態を見れば、大問題は既存の体制それ自体にあることがわかる。既存の体制とは、権力による経済浸蝕の構造、すなわち官僚経済体制である。市場を市場でなくしてしまった官僚経済体制にこそ日本経済低迷の原因があり、そこにこそ日本再生のための問題を解く鍵がある。」(pp.27)「二重三重の補助金をバラ撒く-農業経営基盤強化措置特別会計 農業構造改善事業のためには特別会計が利用されている。その一つが農業経営基盤強化措置特別会計だ。これはもともと戦後の農地解放時に設けられたもので、農地解放によって多くの農家が小作人から脱皮し農地の所有者になったため、その経営基盤を強化するのが目的であった。だから、その役割はとっくに消滅しているはずなのだが、その後は資金貸し付けなどの事業を増やし権益の拡大を行っている。」(pp.67)「要するに、訳のわからない仕組みを作って、訳のわからないことをやっているのだ。それが利権と政党・政治家の集票・集金に結びついていくのである。」(pp.69)「構造改革のための25のプログラム プログラム1 既得権益と闘う国民政権をつくり プログラム2 すべての特殊法人廃止を急ぐ1.経済活動に属する事業・組織はすべて廃止する。2.特殊法人の民営化(株式会社化)は原則として行うべきではない。(pp.237~241) 以上、石井紘基『日本が自滅する日』PHP,2002年   残念ながら、石井紘基衆議院議員は、以上の日本の官僚経済を改革するプランを国会で質問する、3日前に、テロリストによって刺殺されました。2002年10月25日。  今まさに、石井紘基氏が恐れていた、日本が自滅する日が近づいているのではないでしょうか?クールジャパン機構累積赤字98億円に次ぐ、累積赤字92億円を農水ファンド「農業漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)」が出しました。しかし、2019年6月9日朝刊時点では、読売新聞も朝日新聞も、記事にしていません。そして、明日2019年6月10日は新聞休刊日。このまま、他紙は報道しないのでしょうか? 累損92億円 官民共同 投資先が破綻 最大クールジャパンに匹敵 2019年6月9日 毎日新聞  朝刊1面  農林水産省が所管する官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)」の3月末までの累積損失が、約92億円に膨らむ見通しになった。2013年の開業以降、投資実績が振るわず、昨秋には投資先が経営破綻するなど、18年度だけで赤字が約28億円拡大。官民ファンドでは、海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)が昨年3月末時点で最大の約98億円の累損を計上しており、それに次ぐ損失となる。政府関与の投資ビジネスのあり方が問われる。【山下貴史】  官民ファンドは政府と民間企業が共同出資して設立した投資組織。高度な研究開発や地域振興など政府の成長戦略を後押しし、リスクの高い分野に投資することで、民間投資を喚起するのが目的。内閣府によると、14ある官民ファンドのうち12が12年末の第2次安倍内閣発足以降に設置・改組された。  A-FIVEは、農林漁業者が生産、加工、販売などを一体的にする「6次産業化」を進めて農山漁村の振興を図る狙いで、13年1月に設立。財務省の財政投融資資金300億円と民間出資19億円の計319億円が元手だ。しかし、農水省などによると、開業から6年過ぎた今年3月末までの投融資総額は111億円で、計画の1892億円を大きく下回る。  昨年10月には、直接投資していた会社が初めて破綻し、約6億円の損失を計上。ブランド農産物の海外販路開拓などを目指した「食の劇団」(東京都)で、香港のレストラン進出が失敗し、破綻につながった。関係者によると、A-FIVEの役員が同社の社外取締役会長を兼務し、この投資案件の事実上の責任者だった。役員は6月下旬にA-FIVEを退任する予定で、退職慰労金1400万円が満額支払われる見通し。  会計検査院は昨年4月、損失拡大が続くA-FIVEに業務の見直しを検討するよう指摘。今年4月、A-FIVEは24年度に単年度黒字化する改善計画を発表した。A-FIVEの桜井淳治統括部長は累損について「投資の見込みがずれ、スピードが遅いのは確か。今後は直接投資を増やして実績を積み上げたい」としている。 農水ファンド累損92億円 政府主導の運用限界 甘い計画、責任は回避 2019年6月9日 毎日新聞 朝刊 3面  投資実績が伸び悩み、多額の累積損失を抱えた農林水産省所管の官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)」。不振の背景には、投資計画の見通しの甘さや組織の硬直的な体質も浮かび上がる。【山下貴史】  政府は2013年5月、農林漁業の6次産業化の市場規模を、当時の1兆円から20年度に10兆円にする目標を掲げた。A-FIVEはこのシナリオに沿って動き出した。  A-FIVEは当初、各地の地銀などと作った投資組合(サブファンド)を通じた「間接投資」で全国の案件が掘り起こせると考え、1件当たり1億円、年200件の投資実績を見込んだ。ファンドは通常、投資先の価値上昇に時間がかかるため、設立当初は収益よりも費用が先行する。収益確保には、一定の投資実績を達成する必要がある。  しかし、もくろみは外れた。間接投資の実際の額は1件当たり3000万~3500万円と「小粒」で、今年3月末までの6年間の投融資件数は目標を大きく下回る125件。自ら支援する「直接投資」15件を含めても総額は111億円で、出資金319億円の3分の1程度にとどまった。  「生産者にとっては国の補助金や日本政策金融公庫の低利融資を使うことが一般的で、認知度のないファンドにはなかなか手を伸ばしてくれなかった」。A-FIVEの満永俊典総務部長は、こう釈明する。農林水産業の担い手の高齢化が進む中、大規模事業に乗り出す生産者がそもそも少ないことも誤算だった。  サブファンドは53組合作られたが、投資先が不十分で既に10組合が解散し、うち8組合は投資実績がゼロのままだった。会計検査院は昨年4月の報告書で、A-FIVEを名指しし、サブファンドによる投資不振を問題視した。  硬直化した組織の体質も不振に拍車をかけた。A-FIVEの元社員は「サブファンドと共同で生産者向けの説明会を開くなど、投資先の開拓に努力している社員もいたが、役員から『開拓はサブファンドに任せるべきだ。失敗したら責任を負わされる』とストップをかけられていた。役所以上にお役所的だった」と証言する。  「直接投資」でも手痛い失敗をした。日本の食材の海外展開を目指す「食の劇団」への投資では、香港のレストラン事業を後押し。店のフェイスブックによると、畳や掘りごたつのある個室を備え、和牛など日本から空輸した高級食材を使った2万円程度のコース料理を提供していた。利用客から称賛する投稿も目立ったが、開業の遅れなどが響き、わずか1年で頓挫。同社は破綻し、A-FIVEは約6億円の損失を出した。店は別の会社が引き継ぎ、営業を続けている。  ビジネスを育てる長期的視点が欠けているとの指摘もある。「発足時は投資が役立ったのですが」。北海道余市町でワインの生産販売とレストランを運営する「オチガビワイナリー」の落(おち)希一郎専務は不満そうに振り返る。同社はA-FIVEとサブファンドから計約1億4000万円の出資を受け、開業した。しかし、A-FIVE側がすぐに株を売ろうとしたという。「『社員を季節雇用に切り替えろ』とコスト削減まで求められた」。追加融資も断られ、17年に全株を買い取った。「官民ファンドなのに農家を育てる気がない。農業は息の長い商売なのに」と嘆く。あるサブファンドの元幹部も「農林漁業は短期間で勝負がつくビジネスではない。本当に育成するつもりがあるのか」と疑問を呈す。  「6次産業化のスローガンはイリュージョン(幻想)だった。その犠牲を、A-FIVEが(国から)押しつけられているのではないか」。昨年11月、財務省財政制度等審議会の分科会では、委員から国の責任を問う意見が飛び出した。 累積黒字82億円 改善計画に疑問  A-FIVEは業績を回復できるのか。公表資料によると、昨年3月末までの人件費など運営経費は45億円を超え、出資先の不振に伴う減損処理は47件、計11億円に上る。社用車をなくし、昨年9月には本社機能を賃料が高い東京都千代田区大手町から同区麹町に移すなど経費削減も進める。  今年4月に公表した改善計画によると、A-FIVEは食品業界の事業再編などにも投資対象を広げ、今年度だけで110億円、20~26年度に計590億円を投資。20年間の事業期間の期限である32年度末に82億円の累積黒字を出すとしている。  農水省産業連携課の高橋広道課長は「高いハードルだが、非現実的ではない。イリュージョンと言われないよう努力したい」と意気込む。しかし、開業から6年間の投資額と同額を1年で達成するという楽観的な見方に、財務省幹部も「小規模な投資が多く、黒字回復は無理ではないか」と首をかしげる。 巨額損失相次ぐ  A-FIVEに限らず、他にも問題を抱えた官民ファンドが目立つ。  財務省は昨年11月、A-FIVEと並び、投資実績が計画を大きく下回る▽海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)▽海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)▽海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)--の計4ファンドの監視を強化する方針を示した。4ファンドは今年4月の財務省財政制度等審議会の分科会に呼び出され、改善計画を提出した。  経済産業省所管で、日本文化の輸出を手がけるクールジャパン機構は17年度までに計1910億円の投資を計画したが、実際の投融資額は399億円で、累積赤字は98億円に上る。過去にはこんな事例も。バンダイナムコホールディングス(HD)などが14年に設立したアニメの海外配信会社に10億円を出資したが、配信会社は「競争激化や市場の変化」(バンダイナムコHD)で事業停止に追い込まれた。機構はこの投資の結果について「個別案件の損益は答えられない」としている。  総務省所管のJICTは17年度までに計1365億円の投資を計画したが、実際の投融資額は48億円で累積赤字は25億円に上る。17年3月には、「フリーテル」ブランドの格安スマートフォン会社「プラスワン・マーケティング」(東京都)に計13億円を投融資した。アジア進出を支援する目的だったが、同社は9カ月後に経営破綻。JICTは約13億円の損失を計上した。  投資不振など運営能力への疑問に加え、お手盛り体質も浮かび上がる。昨年9月に発足した「産業革新投資機構(JIC)」(旧産業革新機構)は、最大で1億円を超える役職員報酬案を所管の経産省がいったん示したが、内外から「高過ぎる」との批判を浴びた。報酬案は撤回され、民間出身の社長ら役員9人が2カ月半後に「総退陣」するなど混乱した。

自民党参院選公約の要旨 2019年6月7日 日本経済新聞

[解説] 以下が、2019年6月7日、自由民主党が公表した、参議院選挙2019の選挙公約です。赤字およびコメントは編集者です。   自民党参院選公約の要旨 2019年6月7日 23:00  日本経済新聞   自民党の参院選公約の要旨は次の通り。 【前文】 急速に進む少子高齢化や激動する国際情勢などの課題に立ち向かい、新しい時代の日本をつくるのは私たち自身だ。国民とともに新しい令和の時代を切りひらく覚悟だ。 参院選の公約を発表する自民党の岸田政調会長(7日、党本部)   【外交】 日米同盟をより強固にし、揺るぎない防衛力を整備する。地球儀を俯瞰(ふかん)する外交をさらに進める。北朝鮮に対し制裁の厳格実施とさらなる制裁の検討など圧力を最大限に高め、核・ミサイル開発の完全な放棄を迫る。拉致被害者全員の即時一括帰国を目指す。 日本の名誉と国益を守るための戦略的対外発信を強化するなど、韓国、中国などの近隣諸国との課題に適切に対処する。 我が国固有の領土である北方領土問題の解決に向け、平和条約締結交渉を加速する。 【安全保障】 中国の急激な軍拡や海洋進出など、北朝鮮の核・ミサイル開発などに対し、領土・領海・領空を断固守る。日米同盟や友好国との協力を不断に強化し、抑止力の向上を図る。 宇宙・サイバー・電磁波などの新領域での自衛隊の体制を抜本的に強化する。自衛隊の人員、装備の増強など防衛力の質と量を抜本的に拡充、強化する。 沖縄の基地負担軽減のため、米軍普天間基地の移設や在日米軍再編を着実に進める。 【経済再生・成長戦略】 成長戦略、生産性革命、人づくり革命などあらゆる政策を総動員し、デフレ脱却、国内総生産(GDP)600兆円経済を実現する。 データ利活用の環境整備のため「デジタル市場競争本部(仮称)」を設置する。「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法(仮称)」を策定しデジタル経済の公平・公正なルール作りを進める。 ※ 働き方改革、同一労働同一賃金、パワハラ・セクハラのない職場作り、非正規雇用をなくし正規雇用に、最低賃金を時給1500円に、障害者雇用、子どもを産み育てられる環境作り(長時間勤務縮減、大幅賃上げ、育児介護保険制度の改善、保育士・介護士の大幅賃上げ、質の高い保育施設の拡充、子育て支援制度の改善、大学まで教育費の無料化)など、一切ありません。「今だけ、金(株)だけ、自分だけ」の自民党政治の途絶えることのない継承です。これのどこが「成長戦略」なんだか。 【中小企業】 人手不足の解消に向け生産性向上や人材確保を進め、なお人手確保が困難な分野では、外国人材の適正な受け入れを支援する。最低賃金は年率3%程度をめどに全国加重平均が1000円になることを目指す。 【科学技術】 科学技術イノベーションの活性化を推進し、5年間で総額26兆円の政府研究開発投資を目指す。宇宙産業の倍増を目指す。 【エネルギー】 徹底した省エネ・再エネの最大限の導入、原発依存度の可能な限りの低減方針を堅持。2030年エネルギーミックスの確実な実現、50年に向けたエネルギー転換、脱炭素化を目指す。 原子力規制委員会で規制基準に適合すると認められた場合には、立地自治体などの関係者の理解と協力を得つつ、原発の再稼働を進める。 ※ 自民党政権がこれ以上続くと、東海地震、東南海地震、南南海地震が、第二のフクシマを引き起こす可能性大。今でも全世界の核のゴミ処分場になりかけているが、2度の原発事故を引き起こし、住民が黙っている国は、核のゴミ最終処分場になりかねない。全土が米軍の訓練基地に。  危険を犯してまで原発再稼働にこだわるのは、原発に投下した資本を回収するため。エネルギー問題ではない。ただただ、金。金。金。  市民の命、ふるさと喪失の危険を無視。 【財政・税制】 25年度の基礎的財政収支の黒字化を目指す。消費税率を19年10月に10%に引き上げる。軽減税率制度の実施は混乱が生じないよう万全の準備を進める。ポイント還元の実施やプレミアムつき商品券の発行など十二分な対策を講じる。 【金融】 東京の国際金融センター化を推進する。キャッシュレス決済など利便性、安定性の高い金融サービスの実現を図る。 【2020東京五輪・パラリンピック】 「復興五輪」として被災地が復興をなし遂げつつある姿を世界に発信する。セキュリティーや暑さ対策など、安全・安心な開催へ準備を進める。 【女性活躍】 政治への参画促進のため男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指す。指導的地位に占める女性の割合を3割程度とすることを目指す。 イクメンやイクボスなど男性の意識改革、職場風土の改革を進める。 【社会保障・子育て】 人生100年時代にふさわしい社会保障制度を構築する。「130万円の壁・106万円の壁」の見直しを進める。高齢期の多様な就業機会の確保、柔軟な働き方を推進する。 厚生年金の適用拡大を進める。年金受給開始時期の選択肢を拡大する。就職氷河期世代への就職・生活支援の充実など、人生100年時代のセーフティーネットをつくる。待機児童ゼロに向け保育の受け皿整備、保育士の処遇改善を進める。 【教育・文化・スポーツ】 低所得世帯の子どもの高等教育無償化を着実に実施する。スクールカウンセラーなど相談・支援体制を強化する。 【治安・テロ対策・海上保安】 外国機関との連携を強化する。サイバー空間を含む人的情報収集・分析を中心としたインテリジェンス機能を強化する。 【共生社会】 外国人の適正な在留管理の徹底を図る。一元的相談窓口の設置や日本語教育など受け入れ環境の整備を進め、外国人との共生社会を実現する。 【環境】 30年までに使い捨てプラスチックの25%排出抑制を目指す。30年温暖化ガス26%削減、50年80%削減、今世紀後半のできるだけ早期の脱炭素社会の実現を目指す。 【地方創生】 IoT・AI・5Gなどを活用し、地域の抱える様々な課題を解決する。農業、医療、教育、観光などの分野でイノベーションを創出する。 若者の地方での企業・就職に最大300万円を支給するなど、地方への人の流れをつくる。自動走行、遠隔医療、ドローン宅配などを地方から展開する。ローカル・イノベーションを推進する。 【農林水産業】 環太平洋経済連携協定(TPP11)加盟や日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の発効による農林漁業者の不安を払拭するため「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき経営安定に万全を期す。 日米物品貿易協定(TAG)については日米首脳間で過去の経済連携協定で約束した内容が「最大限」と確認したことを踏まえ対応する。 「19年輸出額1兆円」目標の達成をばねに輸出を新たな稼ぎの柱とする。わが国固有の財産である和牛を守るため、法改正を含めて制度の見直しを検討する。 6次産業化・地産地消・農商工連携を進める。20年に6次産業の市場規模を10兆円に拡大し、農業・農村の所得拡大を目指す。スマート農業を推進し、中山間地を含め生産現場にロボット、AIなど先端技術の導入を加速する。 【観光】 訪日外国人旅行者数30年6000万人等の目標に向け、ビザの戦略的緩和や出入国円滑化などによる相互交流の拡大を図る。 統合型リゾート(IR)整備法に基づき、様々な懸念に万全の対策を講じて、安心で魅力的な「日本型IR」を創り上げる。ギャンブル等依存症対策を徹底的、包括的に実施する。 【社会資本整備】 高速道路がつながっていないミッシングリンクの解消や4車線化等について、国民に約束した基幹ネットワークの整備を進める。 【沖縄振興】 「強く自立した沖縄」を国家戦略と位置づけ、税財政含めて沖縄振興策を総合的・積極的に推進する。 【復興の加速】 東日本大震災の地震・津波被災地域の復興は20年度までにやり遂げる。福島の復興は国が前面に立ち、中長期的・計画的な見通しのもと安心して帰還できるよう取り組む。 ※ [編集者による翻訳]福島県民、いやそれだけでなく、東日本住民をこれからも、放射能汚染地帯に縛りつけ、「福島、食べて応援」を日本国中、更には全世界に広める。国際放射線防護委員会(ICRP)モデルを盲信、セシウム134,137合計51,000ベクレル体内に蓄積して内部被ばく年間1ミリシーベルト、というトンデモ計算で。原発20km圏内も次々避難指示解除。健康被害があっても、帰還した住民の自己責任。検診、手術費、治療費はぼったくり。また、福島県民は被ばくの調査・研究対象、モルモット並みの扱い。 【防災・減災、国土強靱(きょうじん)化】 首都直下地震、南海トラフ地震など大規模災害に備えるため、緊急災害対策派遣隊の体制・機能の拡充を進める。 7兆円規模の「防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策」を着実・迅速に進める。事前防災・減災に資する災害に強い国づくり、国土強靱化を進める。 【憲法】 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つの基本原理はしっかり堅持し、初めての憲法改正への取り組みをさらに強化する。 改正の条文イメージとして(1)自衛隊の明記(2)緊急事態対応(3)合区解消・地方公共団体(4)教育充実――の4項目を提示している。 憲法改正に関する国民の幅広い理解を得るため、党内外での議論をさらに活発にする。衆参の憲法審査会で国民のための憲法論議を丁寧に深める。憲法改正原案の国会提案・発議をし、国民投票を実施し、早期の憲法改正を目指す。

原発テロ対策は茶番。定期点検で止まった原発は二度と動かすな‼

新聞各紙では、原子力規制委員会が各電力会社に対し、原発のテロ対策工事の期限の再延期は認めない、として、「原子力規制委員会頑張っている」かのような、報道をしています。  しかし、そもそもテロ対策とは、原子炉建屋および中央司令棟(原発の出力コントールや緊急停止を行う)が、テロリストによってコントロール不能になったときに、原子炉建屋から数100m離れた場所から遠隔操作で原子炉を安定的に止める、という代物です。       九電、玄海3号機のテロ対策施設工事申請「期限内の完成目指す」 解説 工期短縮の裏付け不明瞭 5/17 9:30 九州電力玄海原発3号機(手前)=佐賀県東松浦郡玄海町 拡大する  九州電力は16日、玄海原発3号機(佐賀県東松浦郡玄海町)のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の工事計画認可申請書を原子力規制委員会に提出した。川内原発(鹿児島県)と同様に工事計画を3分割し、今回は原子炉補助建屋に設置する配管や安全弁などに関して申請。九電は設置期限の2022年8月までの完成を目指すとしている。  九電は今後、建屋や貯水槽、緊急時制御室や注水ポンプ、発電機などに関する工事計画を2回に分けて順次申請する考えで、4号機の施設についても分割申請の準備を進めている。  規制委は4月末、テロ対策施設の完成期限の延長を認めないことを決め、期限までに完成しなければ原発は原則運転停止とするとしていた。九電はこれまで3、4号機のテロ対策施設について「最大限工期短縮に努めても超過する」としていたが、今回の申請で「認可を得たものから工事に着手するなどしっかり取り組んでいく」とし期限内の完成を目指す考えを示した。  テロ対策施設は、意図的な航空機の衝突などから、原子炉の冷却を維持する設備を備えることが求められている。東京電力福島第1原発事故後に施行された新規制基準で整備が義務づけられている。 ■解説 工期短縮の裏付け、不明瞭  九州電力は、玄海原発3号機のテロ対策施設について、設置期限を「超過する」としていた説明から一転、「(期限の)2022年8月までに工事工程を完了する予定」と言及した。規制委は設置期限超過の原発を停止させる方針を示しており、九電が停止回避へ覚悟を示した格好だ。ただ、工期短縮を裏付ける根拠は明らかにされておらず、期限内の設置には不透明さがつきまとう。  九電は管内原発のテロ対策施設に関し、川内1、2号機がそれぞれ1年ほどの期限超過を見込み、玄海3、4号機も4月下旬の段階で「超過する」としていた。池辺和弘社長は4月末の会見で「(玄海は)川内と同じスピードで行けばという前提で答えた」と釈明し、工夫次第で期限内の設置が可能かとの質問に「そのように期待している」と回答。今回の期限内設置の言及につながっている。  ただ一連の「見通しの修正」に関し、施設建設を巡る状況の変化や新たな“てこ入れ策”が示されたわけではなく「できるだけ早期の完成を目指す」とするにとどめている。この1カ月弱で何が変わったのか。有事の際の安全を担保する重要施設だけに丁寧な説明が求められる。(小部亮介)   「値上げの選択肢ある」川内原発停止見込みで 九電社長 4/27 9:30 原子力規制委の決定を受け、今後の対応などについて話す九電の池辺和弘社長=福岡市の九州電力本店 拡大する  原子力規制委員会が原発のテロ対策施設の設置期限延長を認めず、期限切れの原発が運転停止となる見通しになったことに関し、九州電力の池辺和弘社長は26日、川内原発1、2号機の停止で「収支が厳しくなるのは2020年度」とし「値上げの選択肢もある」との考えを示した。  九電は、川内原発1、2号機のテロ対策施設設置は「(期限を)1年ほど超過する」という見通しを規制委に示している。同日の決算発表では、川内1号機が設置期限の20年3月以降、運転を停止する見通しで19年度の業績予想を立てた。  池辺社長は「(川内の施設設置が)1年超過ほどで済めば2021年には戻ってくる。その1年をしのぐために、値上げの選択肢もあるし、しない選択肢もある」と言及。「競争環境にどういう影響を与えるか考えないといけない」と値上げに含みを持たせた。  これまで、九電が「最大限工期短縮に努めても超過する」としてきた玄海原発(東松浦郡玄海町)3、4号機のテロ対策施設については、「『(設置完了が)どうしても伸びる』としてきたのは、川内と同じスピードでいけばという前提で答えたと思う」と説明。工夫次第で期限内の設置が可能かという質問に対して「そのように期待している」と述べた。  

クロソイ 出荷自粛へ 2019年6月4日 21時10分 NHK 福島放送局

クロソイ 出荷自粛へ 2019年6月4日 21時10分  NHK 福島放送局 福島第一原発から20キロ圏内の海域で、東京電力が行っている魚介類の調査で、先月28日に採取されたクロソイという魚から、県漁連が設けた自主基準を超える放射性物質が検出され、安全が確認できるまでの間、クロソイの出荷を自粛することになりました。 東京電力によりますと、2019年5月28日、福島第一原発から10キロほどの富岡町の沖合で採取されたクロソイ3匹を混ぜて測定したところ、セシウム134と137の合計値で、1キロあたり101.7ベクレルが検出されたということです。厚生労働省によりますと、この場合1の位を四捨五入するため、国の食品の基準の1キロあたり100ベクレルと同じになり、基準を超えたことにはならないということです。一方で、福島県漁連がより厳しく定めている1キロあたり50ベクレルの自主基準は上回り、県漁連は当面の間、クロソイを試験的な漁の対象から外して安全性が確認されるまで、出荷を自粛するとしています。県漁連によりますと、クロソイはおととし1月に安全性が確認されて国の出荷制限が解除され、試験的な漁が行われてきましたが、その後、自主基準を上回るのは初めてだということです。 [解説] 以下の記事は、福島の海がクロソイが100ベクレル/kg超えになるくらい、放射能汚染されていることの反映ではないでしょうか? 福島県沖…コウナゴの水揚げ『ゼロ』 来年も続けば死活問題に 2019年6月6日 福島民友      春を告げる魚として知られるコウナゴの群れが本県沖で見つからず、水揚げがないまま5月末で今季の漁が終了した。県水産海洋研究センターによると、東日本大震災後の自粛期間を除けば、記録が残るここ30年で初めて。震災後の本県漁業を支えてきた主力魚種の一つのため影響は甚大。漁業関係者は「来年以降も不漁が続けば、漁業復興に大きな影響が出る」と危機感を募らせる。  本県沖はコウナゴの有数の産地で、例年3月から5月が漁期。昨年の水揚げ量は震災前の半数以上となる1076トンまで回復していた。しかし、今年は漁期前の調査からコウナゴの群れが見つからず、漁師が魚群探知機で群れを探してきたが、相馬、いわき市の両漁協ともにシーズン終了まで水揚げはできなかった。  昨年は5億円超  特にコウナゴを多く漁獲する相馬双葉漁協では2013(平成25)年にコウナゴの試験操業を開始。他県の主力産地の不漁を受けて築地市場などで高値で取引され、昨年の水揚げ高は5億円を超えていたが、今年はその売り上げが消えることになった。  相馬双葉漁協コウナゴ試験操業委員長で漁師の立谷義則さん(54)は、「コウナゴを水揚げできなかったのは初めて」とため息をもらす。小型船の漁師らはヒラメやカレイなどの水揚げを増やしてきたが、「来年以降も不漁が続くかどうかは死活問題。原因を突き止めてほしい」と訴える。  水温上昇原因か  県水産海洋研究センターでは、不漁の原因に海水温の上昇の可能性を挙げる。1~3月の本県沖の水温は例年より高く、15度近い高水温になると県の行った調査でコウナゴが採取されていない。ただ、海水温や海流以外の影響も考えられるという。  県では7月以降にコウナゴの親の「メロウド」の分布などを調べる方針で、調査方法を検討している。  加工により利益の上がるコウナゴの不漁は、漁師だけでなく本県の仲卸業者や小売業者にも大きな影響を与える。相馬市磯部の直売所を運営する同市磯部地区水産物流通加工業協同組合理事長の島寿雄さん(53)では、北海道や岩手から仕入れを行ったが数も少なく、「地元産のコウナゴを求める問い合わせも多くあった」と話す。  同市の水産卸売業相馬魚類取締役の加藤修一郎さん(35)は「本県漁業への大きなダメージ。安定的に漁獲されないとなると、水揚げがあっても全国の量販店の仕入れから外される可能性がある」と不安を口にした。

甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)結果に対する部会まとめ(案) 第13回福島県甲状腺評価部会 2019年6月3日

 「甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)結果に対する部会まとめ(案)」を全文紹介します。第13回福島県甲状腺評価部会で初めて公表された案です。ちなみにour planet tvによれば、甲状腺評価部会でこの案は一度も検討委員会されていません。 〈参考〉 「甲状腺がん「放射線関連なし」 〜一度も議論せず報告書公表」 our planet tv 2019年6月3日  この福島県甲状腺評価部会の中間報告が、いかにデタラメであるかは、読んでみないことには、話が始まりません。  参考に、この「福島の子どもたちの小児甲状腺がんは原発事故による放射線被曝の影響ではない」とする福島県の公表について、新聞各紙がどう報道したか、は、以下にまとめてあります。川根の批判的解説も合わせてお読み下さい。 〈参考〉 「福島県の小児甲状腺がん 『放射線被ばくとの関連なし』の中間報告を新聞各紙はどう報じたか? 2019年6月4日」内部被ばくを考える市民研究会 資料    以下、2019年6月3日に第13回福島県甲状腺評価部会が公表した、中間報告(案)を全文掲載します。   甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)結果に対する部会まとめ(案)令和元年 6 月 3日 福島県県民健康調査検討委員会甲状腺検査評価部会(以下「評価部会」という。)は、平成 23 年度から平成 25 年度に実施した甲状腺検査先行検査で得られた結果に対する評価として、平成 27 年 3 月に「甲状腺検査に関する中間とりまとめ」(以下「中間とりまとめ」という。)としてまとめた。中間とりまとめでは、先行検査の結果については「放射線の影響とは考えにくいと評価する」とした。 平成 29 年 2 月 20 日に開催の第 26 回福島県県民健康調査検討委員会において、本格検査(検査 2 回目:平成 26~27 年度)の検査結果のまとめ及び評価を行うため、評価部会を招集することが提案された。この提案を受けて、平成 29 年 6 月 5 日に検討委員会との合同で第 7 回評価部会、新たな評価部会員構成により平成 29 年 11 月 30 日に第 8 回評価部会を開催し、令和元年 6 月 3 日の第 [...]

日立市 原子力懇談会を設置 4日、初会合 再稼働巡り市長に意見 2019年6月4日 茨城新聞

日立市 原子力懇談会を設置 4日、初会合 再稼働巡り市長に意見 2019年6月4日  茨城新聞 日本原子力発電(原電)東海第2原発(東海村白方)の再稼働問題で、日立市は3日、大学教授や各種団体の代表者、市民で構成する有識者会議「原子力安全対策懇談会」を4日に設置し、初会合を開くと発表した。原子力懇談会で意見集約することはせず、小川春樹市長が再稼働の是非を判断する際の参考意見とする。会合は非公開で、市は委員の名前や団体などを全て非公表としている。 東海第2の再稼働の是非を巡り、周辺自治体でこうした会議を設置するのは水戸市に次いで2市目。 原子力懇談会は、小川市長が昨年10月の定例会見で、市内の幅広い立場から意見を聴取するため、設置する考えを示していた。 市によると、委員は22人で、大学教授などの学識経験者、女性団体や農林水産団体、商工団体、教育団体、自治組織の代表者などで構成。東海第2の安全対策や市が策定を進める広域避難計画、原発事故時の影響などについて、それぞれの意見を聞く。 委員に任期はなく、会合は2〜3カ月に1回程度の割合で随時開催。毎回テーマを決め、不安や疑問など市民感覚の意見や団体の立場に応じた考えを発表してもらい、必要に応じて原電などへ説明も求める。市は「市長が意見を聞く会合で、再稼働の賛否を議論して懇談会として意志決定する場ではない」(総務部)としている。 会合は非公開で、市は開催場所と時間も公表しない方針。委員の名前や団体名も「自由に発言してもらうため」(同)として、学識経験者を含め一切明らかにしない考えだ。市は後日、発言者を伏せた形で議事録を公表するとしている。(川崎勉)

福島県の小児甲状腺がん 「放射線被ばくとの関連なし」の中間報告を新聞各紙はどう報じたか? 2019年6月4日

[解説]  東京パラリンピック・オリンピックに向けて、「原発事故から8年。放射能はもうない」「福島は安全」「福島県産、食べて応援」の大合唱が始まっています。多くの新聞各紙が福島県や「専門家」の見解をそのまま批判的に検討せずに垂れ流す中で、福島民報と東京新聞が気を吐いています。 (1)国連科学委員会(UNSCEAR)とは何者か?  まず、そもそも論です。今回、福島県の中間報告「甲状腺検査本格検査(検査2回目)結果に対する部会まとめ(案)」に出て来る、国連科学委員会(UNSCEAR)とはどんな組織なのでしょうか?国連だから信頼できる。科学とついているから更に信頼できるのでしょうか?  国連科学委員会(UNSCEAR)は、広島・長崎の原爆線量見直し(広島・長崎の原爆で放出された中性子の線量が過大評価されていた。つまり、もっと少ない線量で深刻な健康被害が出ることが判明した)を受けて、それまで採用してきたリスク評価を1988年に見直します。しかし、高線量での従来のリスク評価が間違っていて、3~4倍過小評価していることは認めたのですが、低線量の放射線被ばくリスクは、これまでのリスク評価の2~10倍低減しなければならない、という結論を出します。被ばく労働者の健康リスクは、高線量から考えると、もとのリスク評価×(3~4)÷(2~10)、結果的にそれまでのリスク評価より少々高くなるだけ、という結論を出しました。 <参考>中川保雄『放射線被曝の歴史』明石書店 pp.161~206  国連科学委員会(UNSCEAR)は動物実験や疫学調査などの研究を一切、行っていません。ただただ、各国の研究論文を集めて報告書を作っているだけです。その報告書を作るにあたっての公平さは存在しません。その参考とする研究論文は恣意的に選ばれたものであり、徹底的に内部被ばくに関する研究論文を無視していることで有名です。国連科学委員会(UNSCEAR)は、科学に基づく研究結果をまとめる機関ではなく、核兵器産業や原子力産業に都合がよい、リスク評価をするために、作られ、報告書を出している機関です。  果たして国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価をうのみにしていいのか、という批判を書いたのは福島民報です。東京新聞もそうした批判をにおわせた記事を書きました。 (2)先行検査(2011年度、2012年度、2013年度)の評価はどうなったのか?  新聞の見出しだけを読むと、「福島の子どもたちの小児甲状腺がんは原発事故の影響ではなかった」のだ、という印象を受けます。しかし、この中間報告書は、2巡目検査(2014,2015年度)についての評価です。先行検査(2011年度、2012年度、2013年度)の評価はどうなったのでしょうか?先行検査の評価を飛ばす意味は何なのでしょうか?  先行検査では明らかに原発事故の影響が見られたからではないですか?残念ながら、先行検査の評価を飛ばしている、ということについて批判的にコメントした新聞は1つもありませんでした。 (3)そもそも甲状腺被ばくの検査をしていない。政府が「初期被ばくを測るな」と2011年3月甲状腺被ばく検査を止めた。疫学調査も止めた。  そもそも、日本政府(菅直人民主党政権)は、初期被ばくの検査を中止させました。2011年3月原発事故直後にです。ですから、福島県民でさえ、初期被ばくの記録が存在しません。また、放射線被ばくの医療および研究機関であるはずの、放射線医学総合研究所は、被ばくと健康被害に関する疫学調査を「意味がない」と実施させませんでした。 <参考> 官邸に「疫学調査不要」 福島原発事故で放医研理事 東京新聞 2019年2月18日  放射線医学総合研究所は、1954年の日本のマグロ漁船がアメリカが南太平洋で行った水爆実験の「死の灰」を浴び、たくさんの原爆マグロがでてしまった、ビキニ事件を機に作られた機関です。第五福竜丸の乗組員は全員(同年9月23日に亡くなった久保山愛吉さんを除いて)毎年1回、放射線医学総合研究所で定期健診を受けていました。しかし、乗組員が次々と肝臓がんで亡くなる中、放射線医学総合研究所は、乗組員が肝臓がんにかかっていることを知りながら、本人に伝えていなかったことがわかりました。放射線医学総合研究所は、本人には肝臓がんにかかっていることを伝えず、英語の学術論文にだけ発表していたのです。すなわり、放射線医学総合研究所は、被ばく者がどのようにしてがんにかかり、どのようにして病気が進行し、どのようにして死んでいくのか、研究する機関だったのです。「検診するけれども治療せず」の悪名高きABCCとまったく同じミッションを受けた機関です。  この放射線医学総合研究所は、「放射線被ばくの早見表」を作っているのですから、この早見表の正しさは疑うべきです。 放射線医学総合研究所「放射線被ばくの早見表」  各紙の報道の中で、唯一、福島民報が「2016年夏、甲状腺がんで手術を受けた本県出身の20代の女性会社員が取材に応じ、UNSCEARによる被ばく線量の精度に疑問を投げかけた」と書いています。「納得いかないですね。そもそも正確に被ばく線量を測ったんですか」と。他紙は、一切日本政府が初期被ばくを測らなかったことについて、触れていません。 (4)国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価は年間です。莫大な初期被ばくを平均化したもの。それを個人の行動・生活に当てはめる圧倒的な過小評価を生じます。  今回、福島県の甲状腺評価部会が中間報告を作るにあたり、国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価を使ったとしています。 UNSCEAR 2013 Report, Annex A, ATTACHMENT C-16, Table C-16.2 の推定甲状腺総吸収線量(Total)およびATTACHMENT C-18, Table C-18.5 の推定甲状腺総吸収線量(Total dose)を使用。同一の市町村で複数の推定線量が提示されている場合は最大値を使用。各市町村別の被ばく線量を個人に当てはめた上で、被ばく線量を4 群に分類。 ー第13回甲状腺評価部会 資料1ー1 甲状腺検査本格検査(検査2回目)結果に関与する因子について 2019年6月3日 より 実際に使われた資料は英文ですが、以下です。 UNSCEAR 2013 Report, Annex A、 ATTACHMENT C―16、 Table C―16.2 の推定甲状腺総吸収線量(Total) UNSCEAR 2013 Report, Annex A、ATTACHMENT C 18, Table C 18.5 の推定甲状腺総吸収線量(Total dose)  この国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価は、題名に「FOR THE FIRST YEAR」とあります。2011年3月からの1年間の被ばく線量という意味です。それも推計です。住民の内部被ばくを測ったものではありません。年間の被ばく線量から甲状腺がんの発症リスクを評価するのは、致命的な誤りです。なぜならば、人体の皮膚や呼吸器官によって吸収されたヨウ素131,ヨウ素132(テルル132),ヨウ素133,ヨウ素135は、ただちに甲状腺に集中的に集められるのですが、それぞれの半減期がとても短くあっという間に崩壊してベータ線、ガンマ線を甲状腺細胞に与えるからです。一番、半減期の長いヨウ素131でされ、半減期の10倍(半減期の10倍を10半減期といい、放射能がほぼなくなると考える)は80日。3ヵ月弱です。少なくとも2011年3月4月5月の被ばく線量の評価が決定的に大事です。それを1年間にすることで、被ばく線量を薄めて、甲状腺がんに罹った子どもたちに当てはめているのです。また、そもそも、2011年3月15日、3月16日に屋外で呼吸をしていたのか、雨を浴びたのか、の初期被ばくが決定的です。また、2011年3月20日~23日の3号機の格納容器底の抜けのときに、屋外で呼吸をしていたのか、雨を浴びたのかも。これらの特別高い被ばく線量を、年で平均化することで、国連科学委員会(UNSCEAR)は福島県の住民の被ばく線量を低く見せているのです。 核種    半減期 ヨウ素131 8.0日 ヨウ素132(テルル132) 2.3時間(3.2日)  テルル132→ヨウ素132→と壊変。ダブルで危険。 ヨウ素133 20.8時間 ヨウ素135 6.6時間  事実、東京新聞が2019年1月21日スクープで報道したように、双葉町の11歳の少女が甲状腺に100ミリシーベルトの被ばくをしています。 <参考> 1歳少女、100ミリシーベルト被ばく 福島事故直後 放医研で報告 2019年1月21日 東京新聞  上記の国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価には、双葉町(Futaba Town)には、誰も100ミリシーベルト被ばくした者がいないことになっています。すなわち、国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価は間違いです。推定値はあくまで推定値であり、実測値を説明できない、推定は無効です。  国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価が年間であり、年間に平均化することで初期被ばくを過小評価していることを指摘した新聞はありませんでした。 (5)20歳以降の全員の検診をただちに行うべき  問題なのは、現時点で20歳以上に福島県の甲状腺がんが多発していることであり、「原発事故の影響かどうか」を議論している段階ではない、ということです。2017年6月30日現在でも18歳以上の受診率が25.7%とたった4分の1しか受診していません。しかし、先行検査の小児甲状腺がん患者の平均年齢は14.9歳。現在23歳になっているはずです。もっとも甲状腺がんを発症している危険性がある年齢層が検査を受けていない。この事実を認めて、20歳以上の検診に力を注ぐべきです。これは福島県のみならず東日本全域に言えることです。放射性ヨウ素のプルームは東日本全域を襲ったのですから。   以下、2019年6月4日の新聞記事各紙です。 甲状腺検査 2巡目 がんと被ばく関連否定 中間報告まとめる 2019年6月4日 福島民報 2面   甲状腺検査 2巡目 がんと被ばく関連否定 中間報告まとめる 2019年6月4日 福島民報 2面2 解析手法に限界か  子の甲状腺がん 被ばく関連否定 福島 原発事故調査中間報告 2019年6月4日 東京新聞 朝刊2面 2巡目「放射線関連なし」 甲状腺がん検査 部会が報告書作成 「過剰診断 症例も」甲状腺がん検査 2019年6月4日 福島民友 1面および21面 原発事故とがんの関連否定 2019年6月4日 朝日新聞 朝刊25面 「現時点で関連なし」福島県が結論 被ばくと甲状腺がん 2019年6月4日 毎日新聞 朝刊21面 福島甲状腺がん 「被曝関連なし」 県の評価部会 2019年6月4日 読売新聞 全国版 朝刊35面 甲状腺がん「被曝関連なし」 県の評価部会 2巡目検査結果解析 2019年6月4日 読売新聞 福島県版 29面          

甲状腺2巡目検査の報告書案は 2019年6月3日 19時50分 NHK 福島放送局

[解説]   2019年6月3日、福島県で第13回甲状腺評価部会が開かれました。しかし、その4日前の5月31日には、共同通信や毎日新聞などで、「甲状腺2巡目の検査で見つかったがんと被ばくに関連性がないとする中間報告」を出すと言う、事前リークがありました。  このNHK福島放送局のニュースでは、鈴木元氏(部会長)の以下の言葉を紹介しています。 「放射線の影響を受けやすい、事故当時1歳から5歳だった子どもたちの中で甲状腺がんが増えていないと結果が出るまでは検査をやめるという答えは出せない。」  しかし、2016年時点で、原発事故当時、4歳、5歳の子どもたちが1人ずつ、小児甲状腺がんにかかり、福島県立医大で、甲状腺がん摘出手術を受けていたことが明らかになっています。NHK福島放送局は、この事実について触れていません。  福島県県民健康調査検討委員会はさかんに、「チェルノブイリ原発事故の際は原発事故当時0~5歳の子どもたちに甲状腺がんが多発した。しかし、福島の子どもたちの小児甲状腺がんの平均年齢は14.9歳(先行検査、2011,2012,2013年度)。だから、福島の子どもたちの小児甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい 」と主張してきました。しかし、2016年に原発事故当時4歳、5歳の小児甲状腺がんの患者が出ても、民間団体3.11甲状腺がん子ども基金やour planet tvが、事実確認をするまで事実を公表しませんでした。 〈参考〉 「184人以外にも未公表の甲状腺がん〜事故当時4歳も」our planet tv 2017年3月30日    NHK福島放送局は、鈴木元氏の「事故当時1歳から5歳だった子どもたちの中で甲状腺がん」に触れるならば、すでに、原発事故当時4歳,5歳の子どもたちの患者が1人ずつ出ています、とコメントすべきです。ただただ、甲状腺評価部会の発表を垂れ流す姿勢はあらためるべきです。 甲状腺2巡目検査の報告書案は 2019年6月03日 19時50分  NHK 福島放送局 福島県が原発事故当時、18歳以下だった子どもたちを対象に行っている甲状腺検査をめぐり、検査の結果を評価している専門家の部会で、2巡目の検査で発見された甲状腺がんと被ばくの関連は認められないとする報告案が示されました。一方、部会長は、この報告案を受けて検査をやめるという答えは出せないとしています。 この報告案は3日、福島市で開かれた専門家による部会で示されました。2巡目の検査で発見された甲状腺がんと被ばくの関連については、UNSCEAR=国連原子放射線影響科学委員会で公表された年齢別や市町村別の推計の線量を解析に使った上で、「甲状腺がんの発見率との関連の解析においては、線量の増加に応じて発見率が上昇するといった一貫した関係は認められない」とした報告案をまとめました。また、県民健康調査の受診率が年々低くなっていることから、調査とは別に、自治体が医療機関を通じてがん患者の情報を集める「地域がん登録」などを利用し、甲状腺がんの状況を把握することや、単発の検査だけではなく数回の検査の結果を蓄積して解析する必要があることも盛り込まれています。この報告案は、今後県民健康調査検討委員会に提出されることになっています。甲状腺がんと原発事故による被ばくの影響をめぐり、県の県民健康調査検討委員会は3年前、被ばく線量が総じて小さいことなどを理由に「放射線の影響とは考えにくい」とし、検査を大規模に実施したことでがんが多く見つかっている可能性が高いという見解を示しています。甲状腺検査評価部会の鈴木元部会長は「放射線の影響を受けやすい、事故当時1歳から5歳だった子どもたちの中で甲状腺がんが増えていないと結果が出るまでは検査をやめるという答えは出せないと個人的には考えている。今後も検討を続ける必要がある」としています。去年から4巡目に入っている甲状腺検査で、がんやがんの疑いと診断された人は212人となっています。

福島産米検査、緩和拡大へ サンプル「抽出」を容認 2019年5月26日  共同通信

福島産米検査、緩和拡大へ  サンプル「抽出」を容認 2019年5月26日  共同通信 コメの全量全袋検査を行う担当者=2016年10月、福島県郡山市  東京電力福島第1原発事故後、福島県が全ての県産米の放射性物質を調べている「全量全袋検査」について、サンプルだけを調べる「抽出検査」への緩和を認める地域を拡大することが26日、分かった。従来は避難区域にならなかった市町村に限り早ければ2020年産米から切り替える方針だったが、かつて一部地区が避難区域に指定された市町村も加える。  15年産米以降、国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)超えは出ていない。検査の実務を担う市町村の負担が減り、正常化に向けた動きと歓迎する向きがある一方で、全量全袋という厳しい検査を緩めることによる風評被害を懸念する声もある。 福島産米検査 緩和拡大へ 来春に地域判断 県、「抽出」を容認 2019年5月27日 東京新聞 朝刊   東京電力福島第一原発事故後、福島県が全ての県産米の放射性物質を調べている「全量全袋検査」について、サンプルだけを調べる「抽出検査」への緩和を認める地域を拡大することが二十六日、分かった。従来は避難区域にならなかった市町村に限り、早ければ二〇二〇年産米から切り替える方針だったが、かつて一部地区が避難区域に指定された市町村も加える。  一五年産米以降、国の基準値(一キロ当たり一〇〇ベクレル)超えは出ていない。検査の実務を担う市町村の負担が減り、正常化に向けた動きと歓迎する向きがある一方で、全量全袋という厳しい検査を緩めることに風評被害を懸念する声もある。  実際にどの自治体が切り替えるかは、地元の意向を踏まえ、県が各自治体と協議し来年春ごろ最終的に判断。原発事故後に国の避難指示が出た十一市町村のうち、主に、避難区域が一部にとどまった南相馬市と田村市、川俣町、川内(かわうち)村の四自治体が抽出検査を選べる。残りは指示が全域に及んだり、現在も続いたりするため、対象外とみられる。  県が四月、自治体の意向を調査した。対象となる四自治体のうちの一部は全域で抽出検査への移行を検討している。かつて避難区域になった水田については全量全袋検査を継続するが、それ以外は抽出検査への移行を望む自治体もある。  全量全袋検査は一二年に開始し、年間約三十五万トンのコメを一袋ずつ調べるもので、県によると世界初の取り組み。一九年産米で基準値超えが出なければ、抽出検査を始める。  全量全袋調査は農家が検査場に運び入れる手間や、自治体職員が検査業務を担うケースもあり、地元にとって重荷になっている。

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