フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、2011年5月23日「福島原子力発電所事故から66日後の北西放射能降下区域住民の予測外部被曝線量評価―住民避難対策が与える影響―報告」を発表しています。

フランス語原文

EVALUATION AU 66EME JOUR DES DOSES EXTERNES PROJETEES POUR LES POPULATIONS VIVANT DANS LA ZONE DE RETOMBEE NORD-OUEST DE L’ACCIDENT NUCLEAIRE DE FUKUSHIMA

英語版

ASSESSMENT ON THE 66TH DAY OF PROJECTED EXTERNAL DOSES FOR POPULATIONS LIVING IN THE NORTH-WEST FALLOUT ZONE OF THE FUKUSHIMA NUCLEAR ACCIDENT
― OUTCOME OF POPULATION EVACUATION MEASURES ―

 フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、文部科学省が調査したセシウム134、セシウム137の土壌蓄積量や空間線量率の調査結果、および米エネルギー省国家核安全保障局(DOE/NNSA)が行った航空機による線量率測定に基づき、セシウム134、セシウム137の蓄積量から原発事故最初の1年間その地に留まっていた場合の住民の外部被ばく線量5ミリシーベルト/年、10ミリシーベルト/年、20ミリシーベルト/年を推定し、マップ化しました。

 以下が、 フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)が作成した、

「セシウム134およびセシウム137の蓄積とそれによる外部被ばく量から求めた原発事故最初の1年間の被ばく線量を5、10、20ミリシーベルト/年の3段階で示した地図」

です。

 

 この報告書の中で、フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、これらの被ばく線量には、① 放射能の雲がこの地域を通過した際の被ばく線量も、② 食品の摂取にともなってすでに受け、また今後受ける被ばく線量含まれていない。だから、総実効被ばく線量(外部被ばく+内部被ばく)は、蓄積物の状態(乾燥か湿潤か)や食習慣、食品の産地によって大幅に増える可能性がある、と注意を喚起しています。

 真下俊樹氏が、このフランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の報告書の日本語訳(抄訳)をされています。

福島原子力発電所事故から66日後の北西放射能降下区域住民の予測外部被曝線量評価―住民避難対策が与える影響―報告DRPH/2011-10ヒト放線防護局 仮訳 真下 俊樹