でたらめ対応のまま、九州電力は川内原発2号機の再稼動行程を本日、2018年8月29日夕方より開始する。2002年3月にアメリカのデービス=ベッセ原発で大事故を起こしそうになった蒸気発生器インコネル600を、今まで放置していたのをやっと、インコネル690に交換した。トラブルが起こった原因がわからぬまま、ただ、ポンプのシーリング部分など、トラブルの発生の原因のわからぬまま、だた部品を交換しただけで再稼動を始めようとしている。

 異常な、猛暑でも電力は足りている。原発はいらない。

 ちなみに川内原発2号機が本日より再稼動行程を始めることを、新聞に掲載したのは読売、毎日、朝日の全国紙では、朝日新聞が全国版で報道しました。読売は東京版でも西部本社版でも報道しませんでした。東京新聞は3面で報道しました。毎日新聞は、東京本社版では報道せず、西部本社版のみで報道。こうした新聞社の姿勢が、地方での原発再稼動が地方だけの問題に矮小化され、全国的な反原発運動につながらない効果を生んでいます。読売新聞はもとより、毎日新聞のこうした、原発再稼動を地方の問題として扱う姿勢を変えなくてはいけません。

 川内原発、玄海原発のトラブルも、再稼動の状況のていねいに報道しているのは佐賀新聞だけ。佐賀新聞の記事を紹介します。

川内原発2号機、29日運転再開 九電、稼働原発4基体制に 

佐賀新聞 2018年8月29日

 

 九州電力は28日、定期検査のため停止中の川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転を29日夜に再開させると発表した。31日には発電を再開する予定で、作業や国の検査が順調に進めば9月28日に営業運転に復帰する。玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)が3月以降に再稼働したほか、川内1号機も定期検査を既に終えた。九電管内の稼働原発が4基体制となり、電力供給力が一段と高まる。

 九電は川内2号機を30日に「臨界」に達する状態にし、31日に発電を再開。9月上旬にはフル稼働する。原子炉起動後に原子力規制委員会が実施する検査で設備の安全性が確認されれば、営業運転に復帰する。

川内原子力発電所2号機の原子炉起動、発電再開予定をお知らせします― 8月29 日に原子炉起動、8月31 日に発電再開予定 ― 九州電力 2018年8月28日

別紙 川内原子力発電所2号機第22回定期検査の概要 九州電力 2018年8月28日

川内原発2号機 29日夜 原子炉起動
MBC南日本放送  2018年8月29日(水) 16:35配信

 

   九州電力は、定期検査のため停止していた川内原発2号機の原子炉を29日夜、起動させます。川内原発の前では市民グループによる抗議活動が行われました。

   九州電力によりますと、川内原発2号機は今年4月から原子炉を停止させ定期検査を行ってきましたが、29日夜9時半ごろ、原子炉を起動させる予定です。これに対し脱原発を訴える市民グループは29日朝、川内原発のゲート前におよそ40人が集まって抗議活動を行い「再稼働は許さない」と訴えました。

   川内原発2号機は、30日午前10時ごろに核分裂が続く「臨界」に達し、あさって31日の午後11時ごろに発電と送電を再開する予定で、来月下旬には国の検査を受け通常運転に戻る見通しです。

美浜・大飯・高浜原発に反対する会

 

アメリカのデービス=ベッセ原発 圧力容器上蓋に大穴 一次冷却水喪失事故の一歩手前だった 関電の原発にも上蓋ひび割れの危険 2002年3月

 

 この原発の蒸気発生器にも、インコネル600合金が使われていました。今回の事態になって初めて、川内原発2号機はインコネル600の蒸気発生器を、インコネル690に交換しました。なぜ、2002年にアメリカで大事故が起きる寸前まで行った蒸気発生器を、2018年8月の今まで使用しつづけたのでしょうか?なぜ、こんな状態で原子力規制委員会は、川内2号機の再稼動に許可を与えているのでしょうか?再稼動行程がここまで遅れたにもかかわらず、ポンプのシーリングの問題などそれぞれのトラブルの原因は解明されていません。ただ、トラブルがあった部品を交換しただけで、原子力規制委員会は再稼動OKを出しています。でたらめ委員会です。

毎日新聞の報道姿勢です。2018年8月29日東京本社版朝刊 7面 川内原発2号機の再稼動の記事なし

 

2018年8月29日西部本社版朝刊 24面 川内原発2号機の再稼動の記事あり

 

九電・川内原発2号機が定検入り
5カ月間、蒸気発生器を交換
佐賀新聞 2018年4月23日 

 九州電力は23日未明、川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)の発電設備と送電系統を切り離し、原子炉等規制法に基づく定期検査に入った。原子炉格納容器内の蒸気発生器を1985年の営業運転開始以来、初めて取り換えるため、通常の定期検査と比べ長い約5カ月間を予定している。

 3月に再稼働した玄海原発3号機(佐賀県玄海町)の配管に穴が開き蒸気が漏れたトラブルを受け、同タイプの配管16本の状態も確認する。

 定期検査は九電や協力会社などの計約4100人態勢で実施。原子炉容器や核燃料貯蔵施設といった設備を105項目にわたって確認する。使用済み燃料は、燃料集合体157のうち約3分の1で交換する。

 九電によると、22日夕から核分裂を抑える制御棒を入れて徐々に出力を低下させ、23日早朝に核分裂反応がなくなり原子炉は完全に停止した。8月下旬に原子炉を再び起動して8月31日に発電を再開する予定。営業運転の再開は9月28日を見込んでいる。

 1月に定期検査入りした川内1号機は、6月5日に発電再開の見通し。