※ 文末に、資料pdfをダウンロードできるようにしました。ご自由にお使い下さい。

 食品の放射能汚染の実態はどのようでしょうか?厚生労働省には、全国47都道府各市町村自治体の行った、食品中の放射性物質の検査結果が集中して「月別検査結果」となって公表されています。以下の青が月別の検査件数で、赤がそのうち、放射性物質が検出された件数です。2013年9月は2万8553件の食品が検査され、そのうち1224件の食品から放射性物質が検出されました。ところが、2014年8月になると、2万3676件とさほど件数は変わらないのに、放射性物質が検出された食品の件数はたった622件です。

 これは一体どういう訳でしょうか?食品中の放射性物質がなくなったからでしょうか?

 

厚生労働省 食品中の放射性物質の検査 月別検査結果

 事実は、食品中の放射性物質の濃度は原発事故直後から数値は大幅に下がってはいますが、いぜんとして東北・関東の食材からは検出されます。ところが、検出限界を<50とか<25などとして、50ベクレル/kgや25ベクレル/kgを超えないと数値がでない、不検出(ND)とする自治体の検査が横行しているのです。

 その中でも検出限界をセシウム134やセシウム137について0.8ベクレル/kg程度まで測定している札幌市の食品中の放射性物質の検査は特筆すべき取り組みです。福島県産のモモはもう安全と、全国各地のスーパーで売られていますが、実態はこのように2~8ベクレル/kgの放射性セシウムを含んでいるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 厚生労働省の「食品中の放射性物質の検査について 月別検査結果」の2013年9月分~2014年8月分検査結果から、さつまいもだけを抜き出したものが以下です。依然として、東北・関東の食材が放射能汚染されている実態がわかります。ただし、ここには埼玉県やさいたま市のさつまいもがありません。埼玉県やさいたま市のさつまいもは安全なのでしょうか?

 

 以下が、さいたま市が行っている、市内流通している農作物の放射性物質の検査結果です。2013年9月以降、さつまいもの検出限界がほとんどが<3.5~<11と高くなっていることがわかります。これでは、2.1ベクレル/kg(さいたま市産さつまいも 2012年5月17日採取)や2.4ベクレル/kg(さいたま市産さつまいも 2014年4月25日採取)は検出されないことになります。

 埼玉県やさいたま市のさつまいもも、先の関東地方のさつまいもと同じ程度に放射性物質を含んでいると考えるべきです。

まさに、以下の「汚染牧草、早期に刈り取り保管 農水省が指導方針」で赤いぽちぽちに塗られた地域の農地は放射能汚染されている、と考えるべきです。

資料pdf「汚染牧草、早期に刈り取り保管 農水省が指導方針」

 食品と暮らしの安全基金の小若順一氏が、ウクライナの調査で、「セシウム137 1.1ベクレル/kgで健康被害」の調査報告を行いました。

子どもの健康被害 放射性セシウム1.1ベクレル/kgから

 

 食品の放射性物質の検査は最低でもセシウム134、137それぞれ1ベクレル/kgまで測定しないと意味はありません。

 各自治体の検査、学校給食の食材の検査体制を早急に見直すべきです。

<資料編>ご自由にダウンロードしてお使い下さい。

厚生労働省 食品中の放射性物質 月別検査結果 検出数 2013年9月から2014年8月

さつまいも 厚生労働省 食品中の放射性物質 月間検査結果 2013年9月~2014年8月まとめ

札幌市 食品中における放射性物質の検査結果 20120327~20140925

さいたま市(埼玉県) 食品中の放射性物質の検査 2011年3月24日~2014年9月10日