甲状腺検査評価部会「甲状腺検査本格検査(検査2回目)結果に対する 部会まとめ」について
令和元年7月
「県民健康調査」検討委員会
福島県「県民健康調査」検討委員会(以下「検討委員会」という。)の下に設置する甲状腺検査評価部会において、甲状腺検査本格検査(検査2回目)結果に対する見解、今後の検討課題等が令和元年6月にまとめられ、7月8日開催の第35回検討委員会に「甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)結果に対する部会まとめ」(以下「部会まとめ」という。)として報告された。 部会まとめの報告を受け、所見に対して結論づけるのは早いのではないかとの意見もあったが、多くの委員の賛成のもと、検討委員会としては了承するものである。 なお、検討委員会としての見解を下記のとおり整理し、また、委員の意見についても付記する。 記 部会まとめは、「甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)に発見された甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない」とした。これは、報告中にあるように、「現時点において」「検査 2 回目の結果に限定」されたものであること、将来的な見通しに言及したものではない点に留意する必要がある。 また、解析については、先行検査時点での比較で使用した4地域の単純な比較には多くの要因が影響しているものであり、放射線線量と甲状腺がんの関係を見るうえで、UNSCEAR の市町村別甲状腺吸収線量を利用した解析を行うことは、妥当であったと考える。さらに、線量が低い値であることを補足として説明すべきとの意見もあった。これらの内容について、県民へ分かりやすく伝える努力をする必要があると考える。 部会まとめで「今後の評価の視点」が示されたが、甲状腺検査及びその評価について、引き続き検討委員会において検討していく必要があると考える。 <委員からあった意見等> ○所見の結論部分に対するその他意見 ・ より丁寧に言えば「甲状腺検査本格検査(検査2回目)に発見された甲状腺がんについては、放射線被ばく線量との相関は認められない」とする方がよい。 ・ 表現について、「甲状腺検査本格検査(検査2回目)に発見された甲状腺がんについては、放射線被ばく線量との関連を示す知見は得られなかった」とする方がより正確な記述と考える。 ・ UNSCEAR の推測値を利用した解析による結論である旨の追加。 ・ 甲状腺がんと放射線被ばくとの因果関係については、肯定・否定とも断言することはできないと考える。 〇今後の評価の視点としての意見 ・ より詳細な甲状腺被ばく線量を用いた検討 ・ がん登録情報、臨床情報を含めた総合的な分析と評価 ・ 事故当時の年齢と発見率との関連 ・ 1回目と2回目を合わせた甲状腺がん症例と被ばく線量との関連についての分析 ・ 甲状腺がんの発見率が高いことや男女比についての検討 ・ 先行検査時点で利用した4地域の比較についての検討