明日、2019年4月10日、福島第一原発の立地自治体である、大熊町の38%の面積が避難指示解除になります。大河原地区と中屋敷地区です。

 今日(2019年4月9日)、大熊町の会津若松出張所に電話しました。放射線対策係長の高松宏志氏に対応していただきました。年間20ミリシーベルト以下が安全な数値なのか?プルトニウムやストロンチウム90を土から吸い込み、健康被害が起きることはないのか?聞きました。政府の言う、避難指示解除の基準「年間20ミリシーベルト以下になることが確実」は、大熊町としては一切検討していない、「前提」という回答でした。

 大熊町除染検証委員会の資料を読みました。これは詐欺です。ちなみに委員には、あの小豆川勝見氏がいることを記します。「こどもみらい測定所」が作った冊子「はかる、知る、くらす。」で、トリチウムは人体への影響はない、と書いた学者です。

大熊町除染検証委員会の資料。単位はベクレル/kg
写真1 大河原地区の放射性セシウム134/137、プルトニウム239+240、ストロンチウム90

a   2400/24000   0.036    3.7
b     92/1100   0.035    2.3
c    ND/42      ND    1.2

 これらは、3番目、4番目、番外の汚染のところのみ。一番汚染度が高い、セシウム134 6,300ベクレル/kg、セシウム137 61,000ベクレル/kgのところ(図の赤丸のところ)のデータは公表されていない。恐らく3か所しか測っていないのではなく、プルトニウム239+240やストロンチウム90の低いところだけのデータを公表したのであろう。土壌の測定地点は70箇所。全データを公表の上で、住民帰還を呼びかけるべきです。

写真2 中屋敷地区の放射性セシウム134/137、プルトニウム239+240、ストロンチウム90

a    230/2500    0.069   2.4
b    170/1400    0.188   2.5

 これらは、5番目の一番低い汚染のところのみ。一番汚染度が高い、セシウム134 1,200ベクレル/kg、セシウム137 10,000ベクレル/kgのところ(図の赤丸のところ)のデータは公表されていない。恐らく2か所しか測っていないのではなく、プルトニウム239+240やストロンチウム90の低いところだけのデータを公表したのであろう。土壌の測定地点は30箇所。全データを公表の上で、住民帰還を呼びかけるべきです。

 ちなみに、埼玉県さいたま市役所の敷地内にある、東側公園の植え込み土壌のストロンチウム90は5ベクレル/kgでした。ちなみにセシウム137は80ベクレル/kg。2016年7月1日17:58pm採取。2009年度のさいたま市桜区の土壌データではストロンチウム90が0.73ベクレル/kgや0.89ベクレル/kgですから、そのおよそ5~7倍の濃度になっています。大熊町の土壌データが異常に低い値ではないか、と思います。

 明日、避難指示解除になる、大熊町の大河原地区70箇所、中屋敷地区30箇所の土壌データのうち、公表されたのは5箇所だけ。計100箇所の土壌データを改ざんなく、公表した上で、町民の帰還を呼びかけるべきです。明日の住民帰還は中止すべきです。

 大熊町除染検証委員会のメンバーと、委員の小豆川勝見氏のトリチウムについての発言です。ストロンチウム90の測定の専門家の名を恥じるべきである、と考えます。