内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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2019年4月

2019年4月10日、東電福島第一原発の立地自治体、大熊町の避難指示解除のデタラメを問う。プルトニウム239+240、ストロンチウム90の合計100箇所のデータを公開せよ!

 明日、2019年4月10日、福島第一原発の立地自治体である、大熊町の38%の面積が避難指示解除になります。大河原地区と中屋敷地区です。  今日(2019年4月9日)、大熊町の会津若松出張所に電話しました。放射線対策係長の高松宏志氏に対応していただきました。年間20ミリシーベルト以下が安全な数値なのか?プルトニウムやストロンチウム90を土から吸い込み、健康被害が起きることはないのか?聞きました。政府の言う、避難指示解除の基準「年間20ミリシーベルト以下になることが確実」は、大熊町としては一切検討していない、「前提」という回答でした。  大熊町除染検証委員会の資料を読みました。これは詐欺です。ちなみに委員には、あの小豆川勝見氏がいることを記します。「こどもみらい測定所」が作った冊子「はかる、知る、くらす。」で、トリチウムは人体への影響はない、と書いた学者です。 大熊町除染検証委員会の資料。単位はベクレル/kg 写真1 大河原地区の放射性セシウム134/137、プルトニウム239+240、ストロンチウム90 a   2400/24000   0.036    3.7 b     92/1100   0.035    2.3 c    ND/42      ND    1.2  これらは、3番目、4番目、番外の汚染のところのみ。一番汚染度が高い、セシウム134 6,300ベクレル/kg、セシウム137 61,000ベクレル/kgのところ(図の赤丸のところ)のデータは公表されていない。恐らく3か所しか測っていないのではなく、プルトニウム239+240やストロンチウム90の低いところだけのデータを公表したのであろう。土壌の測定地点は70箇所。全データを公表の上で、住民帰還を呼びかけるべきです。 写真2 中屋敷地区の放射性セシウム134/137、プルトニウム239+240、ストロンチウム90 a    230/2500    0.069   2.4 b    170/1400    0.188   2.5  これらは、5番目の一番低い汚染のところのみ。一番汚染度が高い、セシウム134 1,200ベクレル/kg、セシウム137 10,000ベクレル/kgのところ(図の赤丸のところ)のデータは公表されていない。恐らく2か所しか測っていないのではなく、プルトニウム239+240やストロンチウム90の低いところだけのデータを公表したのであろう。土壌の測定地点は30箇所。全データを公表の上で、住民帰還を呼びかけるべきです。  ちなみに、埼玉県さいたま市役所の敷地内にある、東側公園の植え込み土壌のストロンチウム90は5ベクレル/kgでした。ちなみにセシウム137は80ベクレル/kg。2016年7月1日17:58pm採取。2009年度のさいたま市桜区の土壌データではストロンチウム90が0.73ベクレル/kgや0.89ベクレル/kgですから、そのおよそ5~7倍の濃度になっています。大熊町の土壌データが異常に低い値ではないか、と思います。  明日、避難指示解除になる、大熊町の大河原地区70箇所、中屋敷地区30箇所の土壌データのうち、公表されたのは5箇所だけ。計100箇所の土壌データを改ざんなく、公表した上で、町民の帰還を呼びかけるべきです。明日の住民帰還は中止すべきです。  大熊町除染検証委員会のメンバーと、委員の小豆川勝見氏のトリチウムについての発言です。ストロンチウム90の測定の専門家の名を恥じるべきである、と考えます。

元原発作業員 白血病「被ばく原因」 東電を提訴 2016年11月22日 毎日新聞

元原発作業員 白血病「被ばく原因」 東電を提訴 2016年11月22日 毎日新聞  東京電力福島第1原発事故後の廃炉作業などに従事し、白血病にかかって労災認定を受けた北九州市の元原発作業員の男性(42)が22日、東電と九州電力に約5900万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。「白血病の原因は放射線被ばく労働の可能性が高い」として、原子力損害賠償法に基づき慰謝料などを求めている。震災後、放射線被ばくによる労災が認定された原発作業員による提訴は初めて。  訴状によると、男性は2011年10月~12年3月、福島第2原発と九電玄海原発(佐賀県)で建設会社の溶接工として勤務。12年10月からは福島第1原発4号機の原子炉建屋で、使用済み核燃料を取り出すための足場の設置工事に約半年間従事した。同原発構内では13年12月まで働き、被ばく線量は15.68ミリシーベルト、他原発も含めて計19.78ミリシーベルトに上った。  男性は14年1月に急性骨髄性白血病と診断され、労災を申請。厚生労働省の検討会は、被ばくから1年以上たって発症した▽年間被ばく線量が5ミリシーベルト以上--などの白血病の労災認定基準を満たしているとして「放射線業務に起因したと判断するのが妥当」と判断し、労働基準監督署が15年10月に労災認定した。男性は白血病の症状は落ち着いているが、働けない状態という。  原賠法は、原子力損害の賠償責任は無過失で原子力事業者が負うと規定。原発事故後、被災者や企業が訴えた裁判で賠償が認められたことがあるが、元原発作業員の裁判例はないとみられる。東電は「適切に対処する」、九電は「内容を検討し適切に対応していく」とコメントした。【伊藤直孝】 「捨て駒じゃない」  「自分らは捨て駒じゃない」。元作業員の男性は提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、東京電力への不信感をあらわにした。白血病が労災認定されたことを報じた昨年10月の新聞記事で、東電が「協力企業の作業員でコメントできる立場にない」との談話を出したことに、「何ひとつ謝ってくれない。ショックと怒りがこみ上げた」と言う。  男性は事故から7カ月後、「福島のために」と原発で働くことを決意。家族の反対を押し切って、2次下請けの従業員として溶接工を務めた。放射線から身を守る鉛ベストの数が足りず、着用せずに作業したこともあったという。約3年前、風邪のような症状が出て、受診すると白血病と診断された。死の恐怖からうつ病になったが、「息子がランドセルを背負う姿が見たい」とつらい抗がん剤治療に耐えた。  会見で、代理人の海渡雄一弁護士は「東電の責任を明らかにすることで制度改革につなげたい」と提訴の意義を語った。男性は「今も高線量の中で働く作業員が福島にいる。今後がんを発症する人にとっての励みになれば」と訴えた。  原発事故後に福島第1原発で働いた作業員は今年3月末までに4万6974人いるが東電社員以外の作業員が約9割を占め、廃炉作業を支えている。厚生労働省によると、がんを発症したとして労災申請したのは11人。男性を含む2人が認められ、5人が審査中という。【関谷俊介】 <参考>チェルノブイリ原発事故 イギリス、ドイツ、ギリシャで0.067ミリシーベルトで乳児白血病が増えた 長山淳哉『胎児と乳児の内部被ばく』(緑風出版 2013年7月10日)  

前原子力規制委員会委員長 田中俊一、伊達市ガラスバッジデータ活用を主張 2019年4月4日読売新聞 朝刊13面

  前原子力規制委員会委員長 田中俊一氏が、伊達市ガラスバッジを利用した個人線量についての、宮崎・早野論文について、2019年4月4日読売新聞「論点」に「論文が一度取り下げられるにしても、適切な手続きを経て(伊達市民のガラスバッジデータの)解析はやり直されるべきだ」「不安に立ち向かってきた多くの市民の貴重なデータは埋もれることなく、広く活用される成果につながるよう願っている」と寄稿しています。  田中俊一氏は、宮崎・早野氏の伊達市民ガラスバッジ論文が「個人情報の取扱いに不備があった(自分のガラスバッジ測定データが論文に使われることを同意していない人のデータまで使われていた)」だけに、問題を矮小化しています。宮崎・早野論文の根本的な問題は、そもそも伊達市民はガラスバッジを一日24時間身に付けていなかったのです。70%もの人が家に置き忘れたり、自動車の中につるしていたり、体育の授業の際に着替えと一緒に教室に置いておいたりした、データです。また、原発労働者やX線技師などは、測定のためにガラスバッジを2個用意されています。1つは事務所などに置き、1つはからだの胸に付け作業現場に入ります。作業後に事務所に置いておいたガラスバッジ(バックグラウンドと言います)と身に付けたガラスバッジの線量の差から、個人の被曝線量を求めます。伊達市民の家は、2011年8月市民のガラスバッジ測定開始当時でも、高い所は、1や2マイクロシーベルト/時あったと言われます。市民は家でも外でも24時間被ばくしていました。こうした中、バックグラウンド用のガラスバッジを置く場所は伊達市にはなかったのです。そこで宮崎・早野氏はバックグラウンドの線量を勝手に決めましたが、この数値は明らかに高すぎる値です。胸に付けたガラスバッジ-バックグラウンドのガラスバッジ=個人の被ばく線量、と計算しますから、バックグラウンドの数値が高く改ざんをされたら、個人の被ばく線量が小さくなるのは当たり前です。更に更に、宮崎・早野論文の悪質な「計算間違い」は、3ヶ月分の個人被ばく線量の平均値(1ヶ月分)を、4倍にしただけで年間被ばく線量としたことです。3ヶ月分×4=12ヶ月(1年間)ですが、3ヶ月分の平均値(1ヶ月分)×4=4ヶ月分です。すなわち、年間被ばく線量を1/3に過小評価したのです。早野龍五氏は、欧州合同原子核研究機構(CERN)で反物質を探究する国際共同実験グループのリーダーです。こんな計算間違いをするとは、信じられません。意図的、計画的な「計算ミス」であると思います。  政府の放射線審議会は、この悪質な宮崎・早野論文に基づいて、モニタリングポストの数値の0.15倍程度が、個人の被ばく線量に相当する、と結論付けようとしていました。それが、宮崎・早野論文の倫理規程違反から、論文の内容の数々の誤り(岩波書店「科学」2019年2月号 島明美・黒川真一論文に詳しい)を指摘されて、早野龍五氏が論文取り下げを示唆したにもかかわらず、放射線審議会は、空間線量×0.15を個人被ばく線量とする結論を見直すつもりはない、としています。  そもそも、原子力規制委員会は、前委員長の田中俊一氏、現委員長の更田豊志氏にしても、国際放射線防護委員会の言う、一般市民年間被ばく線量1ミリシーベルトすら、政府に要求することすらせず、逆に、福島市、郡山市、伊達市、相馬市の4市から「年間1ミリシーベルトに相当する、空間線量0.23マイクロシーベルト/時を除染目標とするのは厳しすぎる」との要望を受け、除染目標の線量基準を緩める検討をしていた人物です。 「『除染基準』議論が再燃 空間線量・毎時0.23マイクロシーベルト」 福島民友 2018年3月8日 《注》一般人の被ばく線量限度年間1ミリシーベルトは、国際放射線防護委員会(ICRP)が主張しているに過ぎません。日本の法令では、一般人の被ばく線量限度は規定されていません。欧州放射線リスク委員会(ECRR)の科学幹事クリス・バズビー氏は、一般人年間1ミリシーベルトは高すぎる、せめて年間0.1ミリシーベルトを、と主張しています。  田中俊一氏の議論は、宮崎・早野論文がつぶれたので、次なる「伊達市民ガラスバッジ論文」を、と要望するものに過ぎません。  伊達市民はガラスバッジを24時間つけてはいませんでした。そもそも、バックグラウンドが伊達市には存在しなかった。また、作業現場に入ってから作業現場から出るまでを測るガラスバッジを、24時間の被ばく状況を測る伊達市民の被ばく状況に応用するのは、間違っています。原発労働者やX線技師は、被曝ばくしながらの労働で対価を得ることができます。しかし、伊達市民は、何の対価も得ず、心筋梗塞や脳梗塞などの突然死、がんや白血病のリスクだけを受け取るだけです。同じ被ばく線量、という概念で語ることに、人道的な問題がある、と考えます。  2019年4月4日読売新聞 朝刊13面に掲載された、田中俊一氏の「伊達の被曝データ 活用の道」を全文紹介します。 論点 伊達の被曝データ 活用の道 田中俊一 2019年4月4日 読売新聞朝刊 13面  福島県伊達市は、2011年に事故が起きた東京電力福島第一原子力発電所から北西へ約50キロメートルの位置にある。全域が避難指示区域となった飯舘村に隣接している。市内の一部は当初、避難基準の年20ミリシーベルトを超えると推定され、多くの市民が不安におびえていた。そこで伊達市は11年8月、市民の被曝線量の実測を始めた。「ガラスバッジ」というタイプの線量計を貸し出し、一人一人の被曝線量をおおむね3ヶ月単位で把握した。正確な被曝線量を知ることは、不安を乗り越える上で極めて重要だと考えられたからだ。線量の高い人がいれば原因を探り、被曝をできるだけ減らすことにもつながる。私も市のアドバイザーとして、この取り組みに協力した。  各地での被曝線量は、地域ごとの空間線量率を基に国の示した計算式で推定されてきたが、実測した被曝線量は推定値よりもはるかに低い人が多かった。同じ地域に住む人でも生活パターンによって差があり、家庭内でさえ親子それぞれの線量は違っていた。幸い、健康への影響は心配される人はいなかった。市民の不安は和らぎ、生活は落ち着きを取り戻した。   「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」の報告書は、福島の原発事故による最大の健康被害は、放射線被曝についての「不安」であると指摘している。過大に見積もられた被曝線量を基に対策を講じることは、住民に無用なストレスをもたらす。その点、伊達市では全市民を対象としつ被曝線量を測り、高めの線量が測定された家庭には保健師や専門家が説明することで、不安を大幅に軽減できた。「伊達市モデル」として、国際的に高く評価されている。  測定は一昨年まで約6年間にわたって行われ、このように多くの収穫が得られた。事故で汚染された地域に暮らす人々が受ける放射線の量が、時とともにどのようなに変化してきたかを表す、極めて貴重な記録だ。伊達市はこのデータを広く役立てもらうため、福島県立医大と東京大の研究者に科学的な解析を委嘱した。成果は英国の専門誌に学術論文として発表された。  ところが、市から研究者にデータが提供される段階で、個人情報の取り扱いに不備があった。自分の測定データが研究に使われることについて、同意していた市民は3万1151人だったが、不同意の97人と意思表示がなかった2万7233人のデータまで使われていた。それが最近発覚し、学術論文の取り下げもありうると聞いている。  この不備は関係者が厳しく反省すべきものだ。しかし、市民の被曝線量を実測したデータの価値が揺らぐわけではない。仮に論文が一度取り下げられるてしても、適切な手続きを経てデータの解析はやり直されるべきだ。その成果は、他の市町村でも被曝線量の推計に役立つだろう。  不安に立ち向かってきた多くの市民の貴重なデータが、埋もれることなく、広く活用される成果につながるよう願っている。 《参考》 「宮崎・早野論文をめぐる問題に関する若干の誤解について」研究ブログ 2019年2月19日  影浦峡   「実態とかけ離れる「個人に線量計」調査 7割の家庭で屋内に置きっぱなし 本紙が伊達市で実態解明」 2013年12月23日 東京新聞

福島米復活、まずは業務用 朝日新聞 2019年3月7日

東日本大震災8年  福島米復活、まず業務用 外・中食用、産地は表に出ず  2019年3月7日 朝日新聞 朝刊 面  出荷を待つ米を保管するJA全農福島の倉庫=福島県会津美里町 商業施設で福島米をPRする「売米隊」の福島県職員=2018年11月、東京都板橋区、同県提供   福島県産米と全国平均の価格差   東京電力福島第一原発の事故を受け、価格が大幅に下落した福島県産米。その回復を後押しするのはコンビニ向けなど「業務用」の需要で、福島米は全国トップクラスだ。県はブランド化で家庭への浸透を狙う一方、風評を受けにくい生花などの生産を後押ししており、福島の農産物はいまなお試行錯誤が続く。(平林大輔)  福島県の米どころ、会津地方。会津美里町の一角にJA全農福島の巨大なコメ倉庫がある。30キロと1トンの玄米が入った袋が5~6メートルの高さに積まれていた。「首都圏をはじめ各地に出荷されます」と担当者。  だが、大半の最終的な行き先は家庭の食卓ではなく、コンビニや外食チェーンなどだ。  農林水産省の調査(2017年6月までの1年間)によると、福島米の業務用比率は65%で、群馬と並んで全国トップクラスだ。原発事故前と比較できるデータはないが、全農福島が扱う分では業務用比率が80%を超え、事故前より15ポイントほど増えたという。  福島米の価格は事故後、大きく下がった。出荷団体と卸業者らとの「相対取引価格」は、それまでは全国平均レベルだったが、14年産は全国平均のマイナス10・4%まで落ち込んだ。  しかし18年産(速報値)はマイナス3・0%まで回復。事故前に迫る水準に戻った。牽引(けんいん)するのが業務用の需要だ。共働きや単身世帯が増え、持ち帰りの「中食」や外食の機会が多くなる中、業務用のコメは不足気味で、流通業者の一人は「福島米は味が良い割に価格は安く、業務用の引きが強い」と説明する。  消費者離れが進んだ福島米だが、業務用であれば国産と表示され、「福島」が表に出ないケースが多く、買い控えの影響を受けにくい側面もある。売り先があることは、「農家の経営の安定につながる」(全農福島幹部)という。    ■家庭用、苦戦続く ――根強い風評、PR懸命  「寂しいね。自信をもってつくったコメだから、堂々と『福島』を出して売りたい」  須賀川市のコメ農家松川正夫さん(74)は悔しがる。事故前は家庭用が中心だったが、今は収穫する15トンの多くが業務用だ。  原発事故から8年になるが、福島米に対する消費者の不安はいまもぬぐい去れていない。東京都内のある米穀店は昨年、福島のブランド米で11年秋にデビューした「天のつぶ」を店頭に並べたがほとんど売れず、取り扱いをやめた。店主は「原発事故の影響が続く『福島』はどうしても選ばれにくい」と話す。  福島県は12年からコメの「全量全袋検査」を続けている。費用は年約60億円。15年8月以降、国の基準値を超える放射性物質は検出されておらず、早ければ20年産米からサンプル検査に切り替える予定だ。  しかし、消費者庁が今年2月に実施した消費者調査では、放射性物質を理由に福島県産品の購入をためらう人は12・5%。13年の調査開始以来、最も低かったが、それでも距離を置く傾向は残る。  この状況を打開しようと、県は昨年10月から職員が「売米(うりこめ)隊」と称して各地の米穀店を訪れ、福島米のおいしさや安全性をPRして回る活動を始めている。    ■生花に活路、県も後押し  コメ以外はどうか。  福島県が収穫量全国トップ級のキュウリは、東京都中央卸売市場の17年度の価格が全国平均より6・6%高く、事故前の水準にほぼ回復した。真夏はライバルの産地が少ない上、日々の食卓に欠かせないことが価格上昇につながっている。  特産のモモは価格が戻っていない。17年度の価格は全国平均より23・3%低い。「贈答用などは産地へのこだわりが強く出る」(県農産物流通課)ため、敬遠されがちだ。  福島第一原発がある沿岸部の浜通りでは、口に入れるものではないため、風評被害を受けにくい生花に活路を見いだす農家が増加。県も普及を後押しする。  先駆けが、福祉関係のNPO法人「Jin」(浪江町)だ。  代表の川村博さん(63)は事故前、野菜を育てていたが、14年からトルコギキョウの栽培を開始。今では売り上げが年1500万円にのぼり、栽培農家は町内外に広がっている。

政府 原子力災害対策本部が「原子力災害避難指示解除」するための要件 年間20ミリシーベルト以下になることが確実な地域=「喫煙や飲酒、肥満、野菜不足よりも発がんリスクが低い」とうそで避難指示解除

 安倍晋三政権が、原発立地自治体の大熊町の一部避難指示解除を2019年4月5日の原子力災害対策本部で決定しました。プルトニウムが土にしみこんでいる大熊町への住民帰還は、緩慢な殺人であると思います。「健康にただちに影響はない」かもしれません。しかし、放射能は確実に体を蝕み、心筋梗塞、脳梗塞などの突然死も含め、発がんリスクを高めます。 資料 大熊町の土壌汚染はチェルノブイリを超えている  2012年4月1日の広野町の避難指示解除から始まり、原発20km圏外の避難指示解除を次々と行ってきた政府。2017年3月31日および4月1日には、飯舘村、川俣町、浪江町および富岡町の避難指示解除を行いしました。そして、ついに原発立地自治体、つまり東電福島第一原発が建っている大熊町の一部避難指示解除を2019年4月5日に決定しました。旧ソ連で言えば、チェルノブイリ原発4号機が建っていたプリピャチ市の一部避難指示解除に相当する決定です。  この「緩慢な殺人」を求める、大熊町の一部避難指示解除を批判的に報道する新聞記事、テレビは皆無です。  しかし、この避難指示を解除する要件とは、以下の「ステップ2の完了を受けた警戒区域及び避難指示区域の見直しに関する基本的考え方及び今後の検討課題について」に書かれている、「年間20ミリシーベルト以下になることが確実」になること、です。原発事故の収束の見込みも立っていなかった2011年12月26日に決定されています。さらに、驚くべきことに「年間20ミリシーベルトの被ばくは、喫煙や飲酒、肥満、野菜不足よりも発がんリスクが低い」と説明されています。これはうそです。環境省の資料にも、「生活習慣による発がんリスク」を「放射線による発がんリスク」と比べる資料が掲載されていました(2014年度統一資料)が、最新版(2017年度統一資料)では、「生活習慣による発がんリスク」と「放射線による発がんリスク」とは、別々のページに掲載されるようになりました。本来、原因が異なる発がんリスクを比較することは間違っているからです。例えば、年間20ミリシーベルト被ばくした人が、野菜をきちんと食べるようになったら、発がんリスクは減るのですか?もともと野菜を十分とっている人が年間20ミリシーベルト被ばくした場合、どのようにして発がんリスクを減らすのですか。個々の市民に年間20ミリシーベルトもの被ばくを強要することが人権としてできるわけがないのです。 資料 放射線被ばくを「喫煙」「飲みすぎ」「やせすぎ」「肥満」「運動不足」と比べるのは間違い  この政府、原子力災害対策本部が決定した、避難指示の要件「ステップ2の完了を受けた警戒区域及び避難指示区域の見直しに関する基本的考え方及び今後の検討課題について」は無効であり、決定を破棄するべきであると考えます。 ステップ2の完了を受けた警戒区域及び避難指示区域の見直しに関する基本的考え方及び今後の検討課題について平成23 年12 月26 日 原子力災害対策本部 1. はじめに(警戒区域及び避難指示区域に関する経緯及び現状)(1) 本年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所事故の発生以降、国は、原子力災害の拡大防止のため、警戒区域及び避難指示区域を設定してきた。① 同原子力発電所の事故直後から住民の生命・身体の危険を回避するために避難指示を発出した後、事故の深刻化に伴い徐々に避難指示区域を拡大し、3月12日には原子力発電所の半径20km の地域を避難指示区域に設定した。更に、4月22日には、引き続き同原子力発電所の状況が不安定な中にあって、再び事態が深刻化し住民が一度に大量の放射線を被ばくするリスクを回避することを目的に、同じ地域を、原則立入禁止とする、より厳しい規制措置として警戒区域に設定した。② 同じく4月22日、半径20km 以遠の地域であって、既に環境中に放出された放射性物質からの住民の被ばくを低減するため、事故発生から1年の期間内に累積線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある地域を計画的避難区域に設定した。(2) こうした警戒区域や避難指示区域の設定は、住民や地域社会に多くの困難をもたらすものであり、原子力発電所の安全性の確認や放射線被ばくの危険性の低下など状況に変化が生じた場合には、住民の安全・安心を大前提としつつ、速やかに見直すべきものである。(ステップ2の完了と原子力発電所の安全性の確認)(3) 12月16日、原子力災害対策本部において、原子炉は安定状態を達成し、発電所の事故そのものは収束に至ったことが確認された。 具体的には、原子炉の「冷温停止状態」の達成、使用済燃料プールのより安定的な冷却の確保、滞留水全体量の減少、放射性物質の飛散抑制などの目標が達成されていることから、発電所全体の安全性が総合的に確保されていると判断し、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている」というステップ2の目標達成と完了を確認した。 また、今後、使用済燃料や燃料デブリの取出し、廃炉などの中長期的な対応を実施するに当たっても、その都度状況に応じて、臨界防止、放射性物質の閉じ込め、放射線の遮へい等の対策を適切に講じることにより、発電所の安全性が確保し得ることが確認された。これらにより、福島第一原子力発電所の安全性は、引き続き確保されることを確認した。(見直しに関する基本的考え方と今後の検討課題の提示)(4) ステップ2の完了により原子力発電所の安全性が確認されたことから、警戒区域及び避難指示区域(①発電所半径20kmの区域及び②半径20km以遠の計画的避難区域)の見直しについて具体的な検討を開始する環境が整ったこととなる。 今後、具体的な検討を開始するに当たり、国として、まずは見直しに関する基本的な考え方を提示することとし、見直しに当たって発生しうる諸課題への対応や新たな区域の運用については、今後、県、市町村、住民など関係者との綿密な協議・調整を行いながら検討していくこととする。 2. 区域の見直しに当たっての共通課題に対する対応方針 今後新たに設定されることとなる区域には、それぞれの区域に特有の解決すべき課題が存在しているが、次のような区域に共通する課題も存在する。国として、個別課題の解決と併せて、これらの共通課題の解決にもしっかりと対応していくこととする。(1) 住民の安全・安心の確保① 住民の帰還を進めるに当たり、まずは地震・津波に起因するインフラ被害による住民への危険を回避する必要があることは言うまでもないことである。 このため、道路や防災施設などについて最低限の応急復旧を急ぎ、必要な防災・防犯対策を講じた上で、区域特有の課題に取り組むこととする。② さらに、放射性物質による汚染に対するおそれを絶えず抱えている住民の心情をかんがみれば、こうした物理的なリスクの排除のみならず、放射性物質による影響に関する住民の安全・安心の確保は帰還に当たっての大変重要な課題であると考えられる。③ 原子力安全委員会は、本年8月4日に示した解除に関する考え方1において、解除日以降年間20ミリシーベルト以下となることが確実であることを、避難指示を解除するための必須の要件であるとの考えを示した。④ この度の区域見直しの検討に当たっては、年間20ミリシーベルトの被ばくリスクについては様々な議論があったことから、内閣官房に設置されている放射性物質汚染対策顧問会議の下に「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」を設け、オープンな形で国内外の幅広い有識者に意見を表明していただくとともに、低線量被ばくに関する国内外の科学的知見や評価の整理、現場からの課題抽出などを行った。その結果、事故による被ばくリスクを自発的に選択できる他のリスク要因と単純に比較することは必ずしも適切でないものの、リスクの程度を理解する一助として評価すると、年間20ミリシーベルト以下については、健康リスクは喫煙や飲酒、肥満、野菜不足など他の発ガン要因によるリスクと比較して十分に低いものである。年間20ミリシーベルトは、除染や食品の安全管理の継続的な実施など適切な放射線防護措置を講ずることにより十分リスクを回避出来る水準であることから、今後より一層の線量低減を目指すに当たってのスタートとして用いることが適当であるとの評価が得られた。⑤ こうした議論も経て、政府は、今回の区域の見直しに当たっても、年間20ミリシーベルト基準を用いることが適当であるとの結論に達した。⑥ しかしながら、放射性物質による汚染に対する強い不安感を有している住民がいることも事実であり、これを払拭するための積極的な施策が必要である。 このため、健康管理の着実な実施への支援に加え、国は、放射性物質の健康影響に関する住民の正しい理解の浸透と対策の実施のために、県や市町村と連携して、政府関係者や多方面の専門家がコミュニティレベルで住民と継続的に対話を行う体制の整備や地域に密着した専門家の育成、透明性の確保及び住民参加の観点から地域への放射線測定器の配備を行うこととする。(2) 徹底した除染の実施と子どもへの配慮① 国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的責任を負っていることから、放射性物質による環境汚染が住民や環境に及ぼす影響を速やかに低減し、住民の不安を一日でも早く解消するとともに、復興に向けた取組を加速させるため、国は、県、市町村、住民と連携し、責任を持って除染に取り組む覚悟である。 現在の避難指示区域においては、国は、避難指示が解除された後も含め、放射性物質汚染対処特措法2に基づいて策定する特別地域内除染実施計画に基づいて、責任を持って着実に除染を実施することとする。② 除染の実施に当たっては、20ミリシーベルト以下の地域について、適切な優先順位をつけ、中間目標としての参考レベルを設定し、重点的かつ効率的な除染作業3を行うこととする。 中間目標としての参考レベルとしては、例えば、現在、年間積算線量が20ミリシーベルト近傍の地点においては、まずは2年後に年間10ミリシーベルト近傍まで引き下げ、その目標が達成された場合には、次の段階として、例えば年間5ミリシーベルトという新たな参考レベルを設定し、除染作業を進めることとする。③ また、特に子どもは放射線への感受性が強いことを考慮し、除染を始めとする被ばく線量の一層の低減に向けた対策は、子どもを優先して行うこととする。具体的には、(ア) 通学路、公園などの子どもの生活環境について特に優先した除染に取り組むことにより、2年後までに、子どもの年間被ばく線量が概ね60%減少した状態を実現することを目指すこと、(イ) 特に学校再開前に除染等により校庭・園庭の空間線量率を毎時1マイクロシーベルト未満を実現すること、(ウ) 子どもの健康管理や被ばく線量の測定とともに学校給食食材等の放射能濃度測定機器の整備促進などを実施する。(3) インフラ復旧、雇用対策等① これまで避難を余儀なくされていた地域においては、災害廃棄物の撤去や電気・ガス・水道などのライフライン、道路などの復旧への取組がこれから行われることとなる。 住民が安全・安心に帰還するため、国は、上記のような生活インフラや病院・学校などの公共施設の復旧・復興に向け、県、市町村のニーズを踏まえ、迅速に対応していくこととする。② また、帰還した住民、避難の継続を余儀なくされている住民のいずれにとっても、雇用の確保をはじめとする生活の再建に向けた取組は何よりも重要な課題であり、安定した雇用の創出や居住の安定確保などに向け、積極的な施策を実施していく。(4) 損害賠償の扱い① 事故により住民が被った損害については、一義的には損害賠償により解決されていくべきものではあるが、住民の早期の生活再建に向けては、生活を再建していくために必要な費用も必要であり、東京電力任せではなく、国として積極的な関与を行う。② 避難指示区域の見直しに伴う損害賠償の扱いについては、今後、原子力賠償紛争審査会及び関係機関において検討されることとなるが、避難期間の考え方、不動産・動産の価値の減少分の算定方法、長期間の避難や帰還が困難な場合の精神的損害の扱いなどについて議論されることが想定される。 国は、原子力賠償紛争審査会に対して、可能な限り迅速な検討を依頼し、遅くとも避難指示区域の見直し実施までに賠償指針を提示することを要請することとする。 3. 警戒区域及び避難指示区域の見直し 区域の見直しに関する基本的な考え方は次のとおりであるが、実際の線引きや見直しに当たって発生しうる諸課題への対応、新しい区域の運用などについては、県、市町村、住民など関係者との協議を踏まえ検討・実施していくこととする。I. 警戒区域の解除について(基本的考え方)(1) 現在、東京電力福島第一原子力発電所の半径20km に設定されている警戒区域は、引き続き同原子力発電所の状況が不安定な中にあって、再び事態が深刻化し住民が一度に大量の放射線を被ばくするリスクを回避することを目的に設定されたものである。 ステップ2の完了により、原子力発電所の安全性が確認され、今後、同原子力発電所から大量の放射性物質が放出され、住民の生命又は身体が緊急かつ重大な危険にさらされるおそれはなくなったものと判断されることから、警戒区域は、基本的には解除の手続きに入ることが妥当である。(今後の検討課題)(2) しかしながら、現在の警戒区域内は、地震・津波など自然災害による道路などへの被害の復旧が不十分な状況にあるなど、住民が安全に帰還するための措置が取られていないため、インフラなどの安全確認・応急復旧を行うとともに、防災・防犯対策などについて関係者間で十分に調整する必要があるなど、解除に先立ち準備を整えることが必要である。こうした準備期間を考慮し、警戒区域の解除は、早ければ4月を目指し、大きく遅れない一定期間後に実施する方向で、県、市町村など関係者と協議を行う。 なお、極めて線量が低くインフラ復旧などが十分に進んでいる市町村などから要望があり、関係者の合意が得られた場合には、早期に警戒区域の線引きの見直しを行うことも検討する。II. 避難指示区域の見直しについて(1) ステップ2の完了により原子力発電所の安全性が確認されたことから、現在設定されている避難指示区域(①発電所半径20kmの区域及び②半径20km以遠の計画的避難区域)を一体として見直すこととする。今後速やかに県や市町村など関係者と協議を開始し、来年3月末を一つの目途に、新たな避難指示区域を設定することを目指す。(2)新たな避難指示区域に関する基本的考え方と今後の課題に対する対応方針① 避難指示解除準備区域(基本的考え方)(i) 現在の避難指示区域のうち、年間積算線量20ミリシーベルト以下となることが確実であることが確認された地域を「避難指示解除準備区域」に設定する。 同区域は、当面の間は、引き続き避難指示が継続されることとなるが、除染、インフラ復旧、雇用対策など復旧・復興のための支援策を迅速に実施し、住民の一日でも早い帰還を目指す区域である。(ii) 電気、ガス、上下水道、主要交通網、通信など日常生活に必須なインフラや医療・介護・郵便などの生活関連サービスがおおむね復旧し、子どもの生活環境を中心とする除染作業が十分に進捗した段階で、県、市町村、住民との十分な協議を踏まえ、避難指示を解除する。 解除に当たっては、地域の実情を十分に考慮する必要があることから、一律の取扱いとはせずに、関係するそれぞれの市町村が最も適当と考える時期に、また、同一市町村であっても段階的に解除することも可能とする。(立入規制など区域の運用)(i) 同区域の汚染レベルは、年間積算線量20ミリシーベルトを下回っていることが確認されており、現存被ばく状況に移行したものと見なされる。 このため、主要道路における通過交通、住民の一時帰宅(ただし、宿泊は禁止)、公益目的の立入りなどを柔軟に認める方向で検討する。(ii) 加えて、事業所の再開、営農の再開について、公共インフラの復旧状況や防災・防犯対策などに関する市町村との協議を踏まえ、柔軟に認めることを検討する。 なお、これらの立入りの際には、スクリーニングや線量管理など放射線リスクに由来する防護措置を原則不要とすることも検討する。(除染及びインフラ復旧の迅速な実施)(i) 国は、特別地域内除染実施計画に基づき迅速に除染を実施する。実施に当たっては、子どもの生活環境や公共施設など優先度の高い施設を中心に、地域ごとの実情を踏まえた取組を進めることを検討する。(ii) インフラ復旧・整備については、まずは早急に状況を把握し、住民の帰還のために必要なインフラの復旧を行うなど、生活環境の整備を迅速に実施することを検討する。(局所的に線量の高い地点の扱い)(i) 避難指示解除準備区域が設定される地域においても、局所的に線量の高い地点が存在し得る。こうした地点については、避難指示が継続されている地域内に存在する地点であることにかんがみ、居住制限区域(後述)や特定避難勧奨地点を設定することはせずに、優先して除染を実施することにより早期の線量低減を図ることを検討する。(ii) なお、避難指示区域外において現在設定されている特定避難勧奨地点についても、その解除に向けた検討を開始する。② 居住制限区域(区域の定義及び性格)(i) 現在の避難指示区域のうち、現時点からの年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、住民の被ばく線量を低減する観点から引き続き避難を継続することを求める地域を「居住制限区域」に設定する。同区域においては、将来的に住民が帰還し、コミュニティを再建することを目指し、除染やインフラ復旧などを計画的に実施する。(ii) 同区域は、除染や放射性物質の自然減衰などによって、住民が受ける年間積算線量が20ミリシーベルト以下であることが確実であることが確認された場合には、「避難指示解除準備区域」に移行することとする。(立入規制など区域の運用) 同区域においては、基本的に現在の計画的避難区域と同様の運用を行う方向で検討する。その場合、同区域は、原則、住民の避難が求められる地域であるが、例外的に、住民の一時帰宅(ただし、宿泊は禁止)、通過交通、公共目的の立入り(インフラ復旧、防災目的など)などが認められることとなる。(除染及びインフラ復旧の計画的実施)(i) 国は、特別地域内除染実施計画に基づき、市町村と連携して、計画的に除染を実施する。(ii) インフラ復旧・整備については、作業者の安全確保に十分配慮しつつ、まずは早急にインフラ状況の調査を行うことに加えて、市町村毎の復興再生のためのプランに基づいた対応を行うことを検討する。 ただし、電気・水道・通信など防災上不可欠な施設や基幹道路、廃棄物処理施設・下水処理場など、当該地域を含む広域の地域経済社会の復興のために早期の復旧が強く要望されるものについては、特に迅速に除染を実施し、施設の復旧・整備を進める方向で検討する。③ [...]

ニュージーランド・クライストチャーチでのイスラム教徒へのテロから1ヵ月 共に生きる。愛し合おう。ニュージーランド・テロから1ヵ月。 彼らも私たちと同じ(They are us)追悼集会 2019年4月14日(日)13時 岐阜県関市

[ 2019年4月14日; 1:00 PM to 4:00 PM. ] ニュージーランド・クライストチャーチでのイスラム教徒へのテロから1ヵ月 共に生きる。愛し合おう。ニュージーランド・テロから1ヵ月。 彼らも私たちと同じ(They are us)集い <開催にあたって> 共に生きる。愛し合おう。ニュージーランド・テロから1ヵ月。彼らも私たちと同じ(They are us)    2019年3月15日ニュージーランド、クライストチャーチで起きた、モスク2か所を狙い、50人もの犠牲者を出したテロに心を痛めています。犯行者は、「世界に移民が安心できる場所はない」ことを思い知らせるために、平和な町ニュージーランドを選んだ、と言っています。  私は昨年2018年4月1日に埼玉県川口市から岐阜県関市に移住してきました。同じ日本国内であるとは言え、私も「移民」です。関市のみなさんから暖かく受け入れてももらい、過ごしやすい日々を送っています。  また、日本は2011年3月11日から始まる、東京電力福島第一原発事故が起きた国です。そして、原発事故は現在でも進行中です。「原子力緊急事態宣言」は発令中であり、まだ解除されていません。溶け落ちた核燃料デブリは原子炉建屋のどこにあるのか判明していません。核燃料デブリの取り出しに何年かかるのかわかりません。核燃料デブリの取り出しは不可能であるかもしれません。また、現在でも1号機、2号機、3号機、および共用プールには大量の使用済みおよび未使用の核燃料があり、再び、大地震と津波が襲えば、これらの核燃料が冷却できなくなり、また、地面の放り出される可能性があります。  2011年3月25日、当時の民主党菅直人政権は、政府原子力委員会の近藤俊介委員長に依頼して「福島第一原子力発電所の不測事態のシナリオの素描」を作らせました。そこでは1号機~4号機までの使用済み核燃料プールの核燃料が破損、大量の放射性物質が放出された場合、首都・東京を含む原発250km圏内に希望する住民の移転を認めるべき事態になりかねない、と書かれていました。  私は、万が一、もう一度福島県を大地震・津波が襲い、使用済み核燃料プールおよび共用プールが冷却できない事態になった場合、日本からいったんは避難しようと考えていました。その避難先は、原発の集中している北半球ではなく、南半球。そして、ウラン採掘も原発もない、ニュージーランドを選びました。ニュージーランドに友達を作るべく、2013年夏から毎年1回、ニュージーランドを訪問しています。オークランド、ウェリントン、ロトルア、そしてクライストチャーチです。  犯行者がテロを行った、クライストチャーチ、ハグレ・パークにも何度も行ったことがあります。ハグレ・パークを散歩したときに、今回のテロの現場となった、モスクの近くも通った覚えがあります。あの静かな、平和な町でこんなテロが起きたなんで、信じられません。  ニュージーランドでは、2019年3月22日から連日のように、追悼集会が開かれています。私の多くの友人も参加しています。  そこで、私が住んでいる、テロが起きてから1ヵ月目の2019年4月14日に、私が住んでいる町で、小さな追悼集会をしたいのです。テーマは「共に生きる。愛し合おう。」です。 イスラム教徒について 一言  IS(イスラム国)との関係でしか、イスラム国やイスラム教が報道されていません。実は、世界の5人に1人はイスラム教徒(世界人口の約20%)。過激派はごくごく一部にしか過ぎません。ヨーロッパの国々には、長引く内戦によりシリア、アフガニスタンなどからの難民が移民として移住し、社会問題になっています。2015年ではシリア難民が、難民全体の54%を占め490万人。アフガニスタン難民は全体の30%を占め270万人。シリア人の90%はイスラム教徒、キリスト教徒は10%しかいません。アフガニスタン人の99%がイスラム教徒です。多くのイスラム教徒がヨーロッパに移民として移住しています。  日本では仏教系が362万人、神道系が63万人、キリスト教9万5000人と言われます。(2017年12月31日現在、文化庁調べ)  日本では、イスラム教に対する理解が少ないのも無理はない、と思います。  イスラム教では、キリスト教における聖書に相当するのは、クルアーン(コーラン)。神が預言者ムハンマドを通じて語らせた啓典です。神の言葉として、生活すべてを律する行動の指針となるものとされています。入国管理法が改訂され、多くのイスラム教徒も日本に働きに来ます。少しでもイスラム教について理解を深めることが、宗教を超えた人間同士の付き合いのために大切なことだと考えます。 追悼集会 共に生きる。愛し合おう。 ニュージーランド・テロから1ヵ月。彼らも私たちと同じ(They are us) <日時>2019年4月14日(日) 13時~16時 関市安桜ふれあいプラザ 3階会議室1 〒501-3886 関市千年町2丁目18番地1  長良川鉄道 関駅 徒歩20分 ☎0575-25-0130  <プログラム> 1.主催者あいさつ 5分 2.黙とう     1分 3.イスラムの方からのお話し イスラム教徒とは ハラールとは ハナマザ・パンについて 45分    ハナマザ・パン代表 シティ・ヌルジャナーさん 4.参加者から 30分 5.交流会 30分  ※   シティ・ヌルジャナーさん ハナマザ・パン代表。岐阜県岐阜市で、イスラム教徒の戒律にもとづく、ハラールで処理されたパンを作る。ハラールとは、豚肉を使わない、アルコールを使わない料理のこと。岐阜大学に留学するイスラム教徒のため、学食にパンも納入している。大学などで依頼され、イスラムについての講義を行うこともある。 資料代 500円(ハナマザ・パン1個差し上げます)※ ハナマザ・パンの販売も予定しています。 定員 20名(定員となり次第締め切ることがあります) 主催 川根眞也 内部被ばくを考える市民研究会 http://www.radiationexposuresociety.com/ 問い合わせ: 080-3086-1417 川根 申し込み:  ① facebook 川根眞也にメッセージ        ② 電話 上記        ③ メール kawane@radiationexposuresociety.com いずれかで。

廃炉訴え、断食へ 小浜の中嶌哲演さん、きょうから / 福井 2019年2月27日 毎日新聞

廃炉訴え、断食へ 小浜の中嶌哲演さん、きょうから /福井 毎日新聞 2019年2月27日 福井版  40年超の運転が認められた関西電力の高浜原発1、2号機(高浜町)と美浜原発3号機(美浜町)の廃炉を求め、小浜市の明通寺で住職を担う中嶌哲演さん(77)が26日、断食を始める。例外的に認められた運転延長に、非暴力による不服従の姿勢を示す。関電の原発は主な電力供給先を関西圏としており、中嶌さんは「老朽原発再稼働の理不尽さを、都市部の人たちにも伝えたい」と話している。  中嶌さんの断食は、原発を増設する動きがあった1977年に県庁前などで1週間決行したのが初めて。7回目の今回は、昨年3月に立憲民主などの野党が共同提案した「原発ゼロ基本法案」の早期審議入りも呼びかける考えで、3月4日までを一つの目標とする。期間中は神戸でエネルギー政策の転換を考える会議に参加するほか、名古屋では原発訴訟の弁護団との意見交換にも臨む。  関電は40年超の運転を目指し、3基で実施してきた安全対策工事の完了が6~9カ月遅れる見通しを発表している。これについて、県庁で25日記者会見した中嶌さんは「今から反対の声を上げないと、他の原発も雪崩式に40年超の運転が認められてしまう恐れがある」と述べ、断食に入る決意を強くしていた。 「原発延命」断食で反対 中嶌さん、工事中止求め 2019年3月1日 福井新聞       40年超運転に向けた対策工事の中止などを求め断食すると発表する中嶌氏=25日、県庁  原発反対県民会議の中嶌哲演代表委員(77)=写真=は2月26日、原則40年の運転を延長し再稼働を目指す関西電力高浜原発1、2号機と美浜原発3号機の安全対策工事の中止などを求め断食を始めた。27、28日は上京し国会議員らに訴えた。 県庁で25日に会見した中嶌氏は「延命工事は安全面、経営面でもリスク。原発の恩恵を受けている関西地域などでアピールしたい」と強調した。対策工事中止のほか、立憲民主、共産、自由、社民の野党4党が2018年に衆院に共同提出した「原発ゼロ基本法案」の審議開始を求めるとしている。 3月4日には、大阪市の関電本店に申し入れる予定。中嶌氏は「工期が延長されたこのタイミングで声を上げたい。断食終了は未定」とした。 (牧野将寛) 原発ゼロ社会訴える 福井 トーク集会やデモ行進  2019年3月1日 福井新聞   関西電力高浜原発1、2号機と美浜原発3号機の安全対策工事中止と、「原発ゼロ基本法案」の審議開始を求め、2月26日から12日間にわたり断食を続ける中嶌哲演さん(77)も登壇。「断食で目的が実現したわけではないが、その緒に就いたと信じたい。福島の惨禍を断じて繰り返してはならない」と述べた。断食はこの日(2019年3月9日)終了した。 【中嶌哲演(なかじま てつえん)師略歴】 福井県小浜市・真言宗御室派明通寺住職。1942年小浜市出身。高野山大学仏教学科卒業。在学中より広島の被爆者支援を開始。1994年の被爆者援護法制定まで26年間、被爆者支援を目的に毎月6日と9日に明通寺周辺3集落(約80戸)で托鉢を続けた。1968年に小浜市に原発4基の建設・誘致の計画が持ち上がり、1969年に地元漁協による「内外海原発設置反対推進協議会」の活動が始まる中で、1971年暮れに同協議会の後継組織「原発設置反対小浜市民の会」を結成、事務局長を務める。以来、反原発市民運動を展開している。1988年、ビデオ『牛乳が飲みたい:原発・勇気ある撤退』(河出書房新社)に出演。1993年、「原子力行政を問い直す宗教者の会」結成に参加。2012年3月25日-31日、大飯原発再稼動に反対して断食行を実施。著書『原発銀座・若狭から』(光雲社)、『いのちか原発か』(風媒社)など。 2018年5月22日 脱原発をめざす仏教者ネットワーク岡山 の脱原発結集No.19のチラシの写真

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