本日、2018年9月1日の福井新聞を見て驚きました。8月20日に放射能漏れ事故を起こした、高浜原発4号機を関西電力が8月31日17時から再稼動工程を始めた、というのです。たった21日で放射能漏れの原因究明と対策は本当にできたのでしょうか。朝日、毎日、読売などの全国紙は東京ではまったく報道していません。読売新聞は関西版で「高浜4号機発送電、来月3日に再開へ =関西発」と書いていますが、東京などでは報道していません。朝日新聞、毎日新聞も同様です。
 この高浜4号機の再稼動工程の開始については、現地の福井新聞のみが報道しています。地方紙、佐賀新聞、西日本新聞、東京新聞も報道していません。抜き打ちに近い、再稼動工程開始なのではないでしょうか。

 

 九州では、九州電力が8月29日よりやはり欠陥原発である、川内原発4号機の再稼動工程を始めました。これは朝日新聞が報道しましたが、読売は報道せず。毎日は例によって、山口県以西の「西部本社版」でのみの報道でした。佐賀新聞、西日本新聞、東京新聞は報道していません。これで九州の稼動できる4つの原発すべてが稼動することになります。熊本地震からたった2年。本当に九州も大丈夫なのでしょうか。

 新聞、テレビは、原発再稼動が当たり前かのような前提で報道する記事を選んでいます。私たちが知らないうちに原発が動いていた、という状況が作られています。

 今年の災害とも言われる猛暑でありながらも、電力不足や節電は一度も呼びかけられませんでした。電力は足りています。原発は必要ありません。

 そして、九州電力の玄海3号機はMOX燃料を使用しています。関西電力の高浜3号機、4号機もMOX燃料を使用しています。日本が使う見込みのないプルトニウムを46.1トン(核分裂性のプルトニウム239,241は31.1トン)を保有しています。北朝鮮の核兵器を放棄させる上で、日本の大量のプルトニウムは、日本の核武装の可能性を疑わせる要因となり、朝鮮戦争の終結と東アジアの非核地帯化を阻害する要因です。そのために、あえて無理を承知で、MOX燃料を使う原発をとりわけ再稼動させている可能性があります。

 核と原発は人類と共存することはできません。欠陥原発はなおさらです。

 九州電力、関西電力は、私たちが平和的に幸福に生存する権利そのものを脅かしています。

 佐賀県知事(玄海原発)、鹿児島県知事(川内原発)、福井県知事(大飯原発、高浜原発)の異常な判断を許さない、広範な県民運動が必要です。また、ひとたび原発事故が起きれば、原発250km圏内は住めなくなる恐れがあります。九州地方、北陸・関西・中部地方の統一した運動が必要です。個々バラバラの運動を行っている事態ではありません。

 世界各地で大規模な地震が相次いでいます。残された時間はあまりないかもしれません。第2のフクシマをこの日本で起こさないためにも、ふるさとと生業を奪われ、家族が分断された、福島県民の苦難の実態をきちんと学ぶべきです。

 避難計画も安定ヨウ素剤も必要ありません。要求すべきなのは、被ばくさせない保障です。被ばくさせない保障ができないならば、原発は廃炉にするべきです。交通事故と同列に議論させるべきではありません。

 内部被ばくを考える市民研究会は事態の緊急性にかんがみ、佐賀新聞、西日本新聞、福井新聞を購読することにしました。かなりの費用がかかっております。是非、会員となって、会を支えて下さい。

内部被ばくを考える市民研究会 新規会員を募集しています。

 

 また、九州の原発の事故、トラブル、再稼動に関する情報をきちんと報道しているのは、もはや朝日新聞でも毎日新聞でも読売新聞でもありません。佐賀新聞です。是非、佐賀新聞を応援するためにも、佐賀新聞の購読をお勧めします。

佐賀新聞 電子版申し込み

 

 福井県の原発の事故、トラブル、再稼動に関する情報をきちんと報道しているのは、同様に朝日新聞でも毎日新聞でも読売新聞でもありません。福井新聞です。是非、福井新聞を応援するためにも、福井新聞の購読をお勧めします。

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 玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会が、原発のトラブルを追及し、県との交渉などを活発に行っています。是非、会員になって会を支えて下さい。

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

 

 福井県の原発の問題については、大阪の「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」が、原発の問題点を追及し、政府交渉まで含めて取り組んでいます。是非、会員になって会を支えて下さい。

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

 

 原発を動かす、電力会社の電気を買うのはやめましょう。電力自由化を積極的に活用し、原発の息の根を止めましょう。

■高浜4号機発送電、来月3日に再開へ =関西発

読売新聞 関西版 2018年8月28日

 関西電力は27日、定期検査中に蒸気漏れトラブルがあった高浜原子力発電所4号機(福井県高浜町)について、9月3日に発送電を再開するため、原子力規制委員会に書類を提出した。

 4号機は5月18日から検査で運転を停止。発送電の再開は今月24日に予定していたが、20日に原子炉容器の上蓋からごく微量の放射性物質を含む蒸気が漏れるトラブルが起き、その対処で遅れていた。9月28日に営業運転に入る予定。

■高浜4号機がきょう再稼働 【大阪】

朝日新聞 2018年08月31日 大阪版 朝刊 2経済

 関西電力は30日、定期検査中の高浜原発4号機(福井県高浜町、出力87万kW)の原子炉を31日に起動し、再稼働すると発表した。核分裂反応が原子炉内で連続して起きる「臨界」に9月1日に達し、3日から発電と送電を始める見込み。9月下旬に営業運転に戻る予定という。高浜4号機では、8月20日に微量の放射能を含んだ蒸気漏れが起こり、原子炉起動を延期していた。

■高浜原発4号機 蒸気漏れで営業運転再開を延期

毎日新聞2018年8月27日

 定期検査中の関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)について、関電は27日、原子力規制委員会に対し、営業運転への移行を9月28日とする再申請をした。今月20日に原子炉上部から放射性物質を含む蒸気が漏れるトラブルがあり、予定した9月19日の営業運転入りを延期した。発送電の開始は9月3日。

 関電は原子炉容器の上蓋(うわぶた)に設置された「温度計引き出し管」に異物が入り、接続部分の金属製のパッキンにできた隙間(すきま)から蒸気が漏れたとみており、25日にパッキンを交換した。【高橋一隆】

■高浜原発4号機、きょう再起動 あす未明「臨界」に /福井

毎日新聞2018年8月31日 福井県 地方版

 関西電力は、定期検査中の高浜原発4号機(高浜町、出力87万キロワット)の原子炉を31日夕に再起動させると発表した。9月1日未明に核分裂反応が継続する「臨界」に達する見通し。

 9月3日に発送電を始め、同28日に営業運転に入る予定。ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を計20体(継続使用4体、新燃料16体)使うプルサーマル発電となる。

 4号機を巡っては今月20日、原子炉容器上蓋(うわぶた)に設置された温度計の接続部分から放射性物質を含む微量の蒸気が漏れるトラブルがあったが、今月30日までに対策が講じられた。【大森治幸】