沢野伸浩氏(金沢星稜大学女子短期大学部教授)が、放射線管理区域4万ベクレル/m2以上に汚染された市町村マップを作られています。これは、以下のサイトに紹介されています。

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 日本における「放射線管理区域」とは以下を超える区域を言います。

①外部放射線については3ヵ月で実効線量が1.3ミリシーベルト

②空気中の放射性物質濃度については3ヵ月で限度の10分の1

<例>ヨウ素131ならば100ベクレル/m3

③放射性物質によって物の表面が汚染されている場合はアルファ線を出す場合は4000ベクレル/m2アルファ線を出さない場合は4万ベクレル/m2

<例>セシウム134、セシウム137だけならばアルファ線を出さず、ベータ線とガンマ線を出します。ですから表面汚染は4万ベクレル/m2となります。

④外部被ばく(①の場合)と内部被ばく(②の場合)とが複合する場合は線量と放射能濃度のそれぞれの基準値に対する比の和が1

<例>3ヵ月で0.625ミリシーベルト(1.3ミリシーベルトの半分)とヨウ素131が50ベクレル/m3(100ベクレル/m3の半分)

放射線を放出する同位元素の数量等を定める件(平成十二年科学技術庁告示第五号)最終改正 平成二十一年十月九日 文部科学省告示第百六十九号 第四条

 つまり、セシウム134、セシウム137だけを考えると、合計4万ベクレル/m2以上汚染された地域が「放射線管理区域」になります。ここは、人工放射線を取り扱う作業所などにおいて、特に放射線レベルの高い場所なので、一般公衆の立ち入りを禁止しています。また、「放射線管理区域」内で18歳未満の就労が禁止されています。したがって、18歳未満の就学も禁止されると考えるべきでしょう。

 以下は、沢野伸浩氏が文部科学省の「航空機測定データ」から単純に40,000ベクレル以上の値を抽出し、その値を赤い点として地図上に重ねてみたものです。また、現在公開されているIDW内挿値のメッシュ間隔は、220m~270m程度ですので、平均的には1点が6.3ha程度の範囲の代表値とみなすことができます。汚染地図の下の一覧表は該当する点にこの面積をかけることで、その面積の概算を行ったものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただし、文部科学省の「航空機測定データ」は航空機を使って地表から出てくるガンマ線をキャッチして推測したものに過ぎません。実際に土壌中の放射性物質を測定した「生データ」ではありません。コンクリート・ジャングルである東京都では、まったくセシウム137で4万ベクレル/m2汚染された場所がまったくないかのようになってしまっています。これは東京都の学校や公園の土壌が4万ベクレル/m2以上汚染されていても、周囲のビルやアスファルトの道路がそれよりずっと低い汚染になっているため、上空を飛ぶ航空機がキャッチするガンマ線は、それらの汚染度が平均化され、低い数値となって現れるためです。ホット・スポットを隠す測定方法です

 上記の赤く塗られた「放射線管理区域」はほんの一部でしかないことに注意する必要があります。「放射線管理区域」は18歳未満就学禁止。つまり、この赤い地域すべての小中高校は閉校し、安全な場所で子どもたちが学べるようにするべきです。