国際放射線防護委員会(ICRP)パブリケーション111 日本語版 が日本アイソトープ協会 によって公開されています。

 「ICRP Publication 111原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用」

 この28ページのグラフが重要です。セシウム137を1回だけ1000ベクレル摂取した場合は、700日後(約2年後)には体内に蓄積したセシウム137は0ベクレルになります。しかし、毎日1ベクレル摂取し続けると700日後(約2年後)には体内に蓄積したセシウム137は200ベクレル弱になり、毎日10ベクレル摂取し続けると700日後(約2年後)には体内に蓄積したセシウム137は1400ベクレルを超えます。

 ベラルーシ、ウクライナの医師 ユーリ・I・バンダジェフスキー博士は、子どの体重1kgあたり10ベクレル セシウム137が蓄積しただけでも、不整脈を起こす危険性がある、と警告しています。チェルノブイリ事故後、子どもも大人も突然死が増えた、と。福島でも甲状腺の検査だけでなく、心電図の検査もやるべきだと2012年3月来日されたときの講演で語っていました。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は、チェルノブイリ事故後の健康被害で起きたのは「ヨウ素131による小児甲状腺がんだけ」としています。セシウム137による健康被害は一切認めていません。このような機関の勧告によって、日本の放射線防護の対策が立てられています。市民の健康を守るのには、役に立ちません。即刻、このような勧告ではなく、欧州放射線リスク委員会(ECRR)の放射線リスクのモデルにたった、市民の放射線防護策を立てるべきです。