新聞各紙では、原子力規制委員会が各電力会社に対し、原発のテロ対策工事の期限の再延期は認めない、として、「原子力規制委員会頑張っている」かのような、報道をしています。

 しかし、そもそもテロ対策とは、原子炉建屋および中央司令棟(原発の出力コントールや緊急停止を行う)が、テロリストによってコントロール不能になったときに、原子炉建屋から数100m離れた場所から遠隔操作で原子炉を安定的に止める、という代物です。

 

 

 

九電、玄海3号機のテロ対策施設工事申請「期限内の完成目指す」

解説 工期短縮の裏付け不明瞭

5/17 9:30
九州電力玄海原発3号機(手前)=佐賀県東松浦郡玄海町

九州電力玄海原発3号機(手前)=佐賀県東松浦郡玄海町

 九州電力は16日、玄海原発3号機(佐賀県東松浦郡玄海町)のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の工事計画認可申請書を原子力規制委員会に提出した。川内原発(鹿児島県)と同様に工事計画を3分割し、今回は原子炉補助建屋に設置する配管や安全弁などに関して申請。九電は設置期限の2022年8月までの完成を目指すとしている。

 九電は今後、建屋や貯水槽、緊急時制御室や注水ポンプ、発電機などに関する工事計画を2回に分けて順次申請する考えで、4号機の施設についても分割申請の準備を進めている。

 規制委は4月末、テロ対策施設の完成期限の延長を認めないことを決め、期限までに完成しなければ原発は原則運転停止とするとしていた。九電はこれまで3、4号機のテロ対策施設について「最大限工期短縮に努めても超過する」としていたが、今回の申請で「認可を得たものから工事に着手するなどしっかり取り組んでいく」とし期限内の完成を目指す考えを示した。

 テロ対策施設は、意図的な航空機の衝突などから、原子炉の冷却を維持する設備を備えることが求められている。東京電力福島第1原発事故後に施行された新規制基準で整備が義務づけられている。

■解説 工期短縮の裏付け、不明瞭

 九州電力は、玄海原発3号機のテロ対策施設について、設置期限を「超過する」としていた説明から一転、「(期限の)2022年8月までに工事工程を完了する予定」と言及した。規制委は設置期限超過の原発を停止させる方針を示しており、九電が停止回避へ覚悟を示した格好だ。ただ、工期短縮を裏付ける根拠は明らかにされておらず、期限内の設置には不透明さがつきまとう。

 九電は管内原発のテロ対策施設に関し、川内1、2号機がそれぞれ1年ほどの期限超過を見込み、玄海3、4号機も4月下旬の段階で「超過する」としていた。池辺和弘社長は4月末の会見で「(玄海は)川内と同じスピードで行けばという前提で答えた」と釈明し、工夫次第で期限内の設置が可能かとの質問に「そのように期待している」と回答。今回の期限内設置の言及につながっている。

 ただ一連の「見通しの修正」に関し、施設建設を巡る状況の変化や新たな“てこ入れ策”が示されたわけではなく「できるだけ早期の完成を目指す」とするにとどめている。この1カ月弱で何が変わったのか。有事の際の安全を担保する重要施設だけに丁寧な説明が求められる。(小部亮介)

 

「値上げの選択肢ある」川内原発停止見込みで 九電社長

4/27 9:30
原子力規制委の決定を受け、今後の対応などについて話す九電の池辺和弘社長=福岡市の九州電力本店

原子力規制委の決定を受け、今後の対応などについて話す九電の池辺和弘社長=福岡市の九州電力本店

 原子力規制委員会が原発のテロ対策施設の設置期限延長を認めず、期限切れの原発が運転停止となる見通しになったことに関し、九州電力の池辺和弘社長は26日、川内原発1、2号機の停止で「収支が厳しくなるのは2020年度」とし「値上げの選択肢もある」との考えを示した。

 九電は、川内原発1、2号機のテロ対策施設設置は「(期限を)1年ほど超過する」という見通しを規制委に示している。同日の決算発表では、川内1号機が設置期限の20年3月以降、運転を停止する見通しで19年度の業績予想を立てた。

 池辺社長は「(川内の施設設置が)1年超過ほどで済めば2021年には戻ってくる。その1年をしのぐために、値上げの選択肢もあるし、しない選択肢もある」と言及。「競争環境にどういう影響を与えるか考えないといけない」と値上げに含みを持たせた。

 これまで、九電が「最大限工期短縮に努めても超過する」としてきた玄海原発(東松浦郡玄海町)3、4号機のテロ対策施設については、「『(設置完了が)どうしても伸びる』としてきたのは、川内と同じスピードでいけばという前提で答えたと思う」と説明。工夫次第で期限内の設置が可能かという質問に対して「そのように期待している」と述べた。