東通原発の地質調査開始へ 東電、建設再開へ準備本格化

2018年6月29日   朝日新聞

東通原発予定地

 東京電力ホールディングスは29日、建設が中断している東通原子力発電所(青森県東通村)の地質調査を今年度後半から始めると発表した。東電が東通原発について、建設再開を判断するための準備作業を本格化させるのは、2011年の東日本大震災後初めて。

 東電の東通原発は、福島第一原発と同じ沸騰水型炉(BWR)と呼ばれる原子炉の改良型で、計画では1、2号機で計277万キロワット。1号機は11年1月に着工したが、直後の震災で本格工事は中断された。現在、敷地は更地のままになっている。

 調査はボーリングなどで地質構造を調べるもので、18年度後半から20年度まで実施、原発を何基ぐらいつくれるか可能性を探る。隣接する東北電力の東通原発(現在は運転停止中)では敷地の下に活断層が走っていると指摘されている。

 東電の再建計画では、東通原発を原子力事業の再編・統合に向けた核と位置づけ、20年度に他電力と「共同事業体」を設立して運営を目指すとしている。他電力に参加してもらいやすくするため、地質調査で建設に問題がないことを確認する意味合いもある。

 小早川智明社長は新規制基準に対応した新しい原発を建設できることなどから「有望な事業と考えている」としている。ただ、中部電力や関西電力、日本原子力発電のほか、原発メーカーなど幅広く共同事業体への参加を呼びかけているが、調整は難航している。まずは東電だけで地質調査を始め、今後も呼びかけを続けていく。

東通原発で追加の地質調査開始

2019年3月27日 NHK  青森  NEWS WEB

 東通村にある東通原子力発電所について、東北電力は、敷地内やその周辺の断層が地震を起こすものではないとするこれまでの主張を裏付けるための追加の地質調査を2019年3月27日からはじめました。

 東通原発の運転再開に向けた、焦点となっている敷地内やその周辺の断層について、東北電力は国の原子力規制委員会に対し「活動性はない」との説明を続けてきました。
 しかし、去年10月に開かれた審査会合では、「これまでに提出されたデータだけでは、地震を引き起こさないという評価はできない」として、東北電力に対しさらなる説明が求められていました。
こうしたことから、東北電力は、これまでの主張の裏付けを強化するための追加の地質調査を27日から開始しました。
 調査はことし9月までのおよそ半年間にわたって行われる予定で、東北電力としては、地質のデータをさらに充実させ、敷地内やその周辺の断層が地震を引き起こすものではないとする主張を証明したい考えです。
 東北電力は、国の審査に合格した上で行う安全対策工事を2021年度中に完了させることを目指しています。