原子力推進機関IAEAは福島県で何をするの!?-事故の過小評価は許しません- 

フクシマ・アクション・プロジェクト

<IAEAが福島県にやってくる!>

 IAEA(国際原子力機関)は、原発事故後の状況に対して、2012年12月に福島県と協力して放射線モニタリングと除染の分野でプロジェクトを実施することを決め、また、福島県立医大と健康分野での協力も合意されました。2013年5月には「IAEA緊急時対応能力研修センター」が福島県自治会館に開設され、いずれは、現在三春町に建設中の環境創造センター内に入ることになっています。

<IAEAってなーに?>

 IAEA(国際原子力機関)は、1957年に設立された、国連の安全保障理事会の傘下の機関で、”原子力(核)の平和利用”の推進を使命としています。平和利用とは、原子力の兵器としての利用を現在の核保有国以外に広めずに、発電等への利用を推進しようとするものです。

 安全保障理事会では、核兵器を持っている5カ国(米・英・仏・露・中)が、常任理事国として特別な権限を持っています。そのためIAEAは、核兵器を持っている国の視点から、世界の核・原子力のバランスを保って管理していこうという機関であることが特徴です。

 IAEAは福島県に常駐して、福島や日本の政策決定に重大な影響を与える研究や決定に関わる予定です。

<福島にIAEAが来ることについて、私たちは心配です>

 私たちは、核の推進を使命とするIAEAが福島に来て、県と密接な関係で仕事をすることについて、とても心配しています。というのも、過去のチェルノブイリ等の事例から、核を推進する機関が関わることで、被災者の健康や生活の安全が第一に優先されず、ないがしろにされているからです。

 二つの国際機関であるIAEAとWHO(世界保健機関)がチェルノブイリでしたことについて、見てみましょう。

<IAEAとWHOがチェルノブイリでしたこと>

 1986年にウクライナのチェルノブイリの原子力発電所で起きた事故は数万人にのぼる死者と数多くの病人を生む悲惨なものでした。国際社会で健康を守り病人の救援の先頭に立つはずのWHOは、IAEAからの規制を受けて、30数人の死者しか認めず、子どもの甲状腺がんもなかなか存在を認めませんでした。

 やっと認めた後も、「甲状腺がんたいして重い病気ではない」と言っています。また、被害の大きな地域の各国政府が避難区域を拡大しようと準備していた時に、「過剰な評価である」と言って、妨害したのもIAEAです。

<えっ、何でそんなことになるの?>

 その背景には、1959年にWHOとIAEAとの間に取り交わされた「合意書」があります。国連を中心とした国際機関の中で、人々の健康を担当する権限は、元来、WHOにあります。けれども、この「合意書」によって、WHOはIAEAの同意を得ない限り、原理良くによる健康被害について、発言できないようになっています。WHOは国連の社会経済理事会の傘下ですが、IAEAは安全保障理事会の傘下で、一段と強い力を持っています。そこで元来健康を扱う権限のないはずのIAEAの意向が、優先されてしまうのです。

<私たちは、原発被災者の立場にたった問題解決を要求します>

 私たちは「命を大切にする立場」からの復興を望みます。核の推進機関の県行政への関わりは、「福島県宣言(2012.3.11)」で世界に発信された、脱原発という福島県の方針と矛盾しないのでしょうか。

 今後、広島・長崎の時のように、被災者が研究対象としてのみ扱われるのではないか、分析や提言にもゆがみが出るのではないか、といったことも私たちは心配です。そのようなことが起こらないよう、情報開示を求め、私たちの命や人権が大切にされる福島の未来を求めて、働きかけていきたいと思っています。

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