<解説>
 九州電力、川内原発2号機が2018年9月28日16時30分、営業運転に復帰しました。再稼動工程(5号検査)を終え、原子力規制委員会の認可を受けたのです。これで現時点で九州電力が保有し、認可を受けている4つの原発すべてが稼動していることになりました。大地震や火山噴火がいつ来るとはわからない九州に。

 東日本の人々にとっては、北海道と九州は放射能に汚染されていない安全な食品を提供してくれる地域でした。それが、今、第二の福島になりかねない状況に陥っています。

■電源喪失対策疑問 原告側が意見陳述 玄海原発訴訟

佐賀新聞 2018年9月29日 27面
 

 九州電力玄海原発(佐賀県東松浦郡玄海町)の再稼働に反対する住民らが、国に3、4号機の適合性審査合格の取り消しを求めた訴訟の第19回口頭弁論が28日、佐賀地裁(達野ゆき裁判長)であった。原告側は意見陳述で、今月6日の北海道地震による全域停電(ブラックアウト)に触れ、原発の安全性に疑問を呈した。
 福岡県宗像市の荒川謙一さん(69)が陳述した。北海道地震で震度2だったという泊原発では「(全域停電で)復旧まで非常用発電機をフル稼働させ、使用済み燃料プールの冷却を続ける綱渡りの状態だった」と主張。「玄海原発はどんな事態になっても電源喪失しない対策が本当にできているのか」と投げ掛けた。
 住民らは、原発運転差し止めを求める訴訟を起こしている「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」(石丸初美代表)に加わっている。この日は九電に2~4号機の運転差し止めを求めた訴訟の第27回口頭弁論もあった。

■川内2号機 定検終了 九電、原発4基が営業運転

佐賀新聞 2018年9月29日 2面

 九州電力は28日、川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)で定期検査の全工程を終え、営業運転に復帰したと発表した。玄海原発3,4号機(東松浦郡玄海町)が6月までに順次再稼動したほか、川内1号機も定期検査を終えている。九電管内で営業運転する原発は、2011年の東京電力福島第一原発事故を受けて安全対策を強化して以降、初めて4基となった。

 原子力規制委員会が同日、原子炉起動後に行う定期検査の最終工程に当たる検査を行い、運転状況を確認した。九電は合格証の交付を受け、午後4時半に営業運転に切り替えた。

 定期検査は4月23日から実施され、原子炉本体や核燃料貯蔵施設といった設備を点検したほか、蒸気発生器や原子炉の冷却に使う海水ポンプを取り替えた。燃料集合体157体のうち約3分の1に当たる52体を交換した。

■九州電力、蒸気発生器を搬入 定検中の川内2号機で公開

佐賀新聞 2018年5月28日
 ブルーシートにくるまれて海上から搬入される、九州電力川内原発2号機の蒸気発生器=28日午前、鹿児島県薩摩川内市

 

 ブルーシートにくるまれて海上から搬入される、九州電力川内原発2号機の蒸気発生器=28日午前、鹿児島県薩摩川内市

 

 九州電力は28日、定期検査中の川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)で、1985年の営業運転開始以来となる原子炉容器内の蒸気発生器の交換作業に伴い、海上から船で運び込まれてきた新たな蒸気発生器を原発施設内に搬入する作業を報道陣に公開した。

 蒸気発生器は高さ約20メートル、重さ約330トン。川内2号機には3台あり、全て交換する予定

 川内原発は、1号機も定検中で6月上旬に運転再開する見込み。1号機は2008年に蒸気発生器の交換を完了している

 再稼働した玄海原発3号機(佐賀県玄海町)では3月に、配管に穴が開き蒸気が漏れたトラブルが起きたため、川内2号機では定検中に同タイプの配管16本の状態も確認する。

 原子炉等規制法に基づき、8月まで発電を止めて施設を点検する。

■玄海蒸気漏れ配管「寿命47年」、11年前評価 九電、点検方法に課題

佐賀新聞 2018年4月5日
蒸気が漏れた玄海原発3号機の「脱気器空気抜き管」。中央のさびが見られる外装板内部の配管が腐食し穴が空いた。右側の曲がった部分を2007年の定期検査で点検していた=九州電力提供

 

蒸気が漏れた玄海原発3号機の「脱気器空気抜き管」。中央のさびが見られる外装板内部の配管が腐食し穴が空いた。右側の曲がった部分を2007年の定期検査で点検していた=九州電力提供

 玄海原発3号機(佐賀県東松浦郡玄海町)で蒸気漏れを起こした2次系配管について、九州電力が2007年2月の定期検査(定検)をした際、管の厚さなどから耐用年数を47年と評価していたことが4日分かった。配管の曲がった部分の内側が薄くなっていないか調べて判断していたが、その近くで雨水が浸入して腐食、穴が空いた。「寿命」を36年残してのトラブル発生とあって、長期停止後の点検や評価のあり方が問われそうだ。

 九電によると、穴が空いた「脱気器空気抜き管」は1994年の運転開始から使用している負担が大きい曲がった部分は第10回定検で調べた。配管の厚さを確認して耐用年数に当たる「余寿命」を評価し、47年と計算した。

 定検は10年が13回目で、20回目に管の厚さを点検する予定にしていた熊本地震の発生を受け昨年8月から実施している「特別点検」では対象外だった。外観を見る巡視点検は、蒸気漏れ発生の3日前にも実施したが、外装板のさびが目立っていたにもかかわらず、異常を見抜けなかった。

 九電は「余寿命評価は曲がった配管の内側の影響を測るもの。今回は直線部の外側からの腐食で、直接的な関係はない」とする。

 九電は空気抜き管全16本と、保温材の交換を決めている。原子力規制庁の要請を受け、川内原発(鹿児島県)では定検中の1号機で4日に空気抜き管の保温材などを外して点検、運転中の2号機は外装板の上から確認し、いずれも異常は見られなかった。2号機は次回の定検で保温材を外して調べる。玄海4号機でも同様の確認をする

■玄海3号機影響なし データ改ざん製品使用

佐賀新聞 2018年1月26日
 

 九州電力は25日、神戸製鋼所や三菱マテリアルの製品データ改ざん問題を受けた川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)と玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)の調査が終わり、いずれも運転に影響がないことを確認したと明らかにした。25日までに原子力規制庁などに報告した。

 九電によると、データが改ざんされた製品は新規制基準に対応した設備などの部材で使われていたが、必要な規格は満たしていたという。

 玄海3、4号機は改ざん問題の影響もあり、それまで1月以降を予定していた再稼働時期が遅れている。玄海4号機は、神鋼製の溶接材や鉄鋼製品について調査を続けており、2月上旬に完了する見込み。

 神鋼グループの製品は、原子炉格納容器を構成する配管や弁の他、燃料集合体の部材などに使われていたがいずれもデータの改ざんはなかった。三菱マテリアルの子会社は水や空気などの漏れを防ぐゴム製部品を納入。一部にデータを改ざんしていた部品もあったが、日本工業規格(JIS)を満たしており安全上の問題はないという。

<解説>
 2018年9月26日、原子力規制委員会は、運転から40年前の期限目前の老朽原発、日本原子力発電東海第二原発の運転認可する審査書を了承しました。また、2018年9月25日広島高裁(三⽊昌之裁判⻑)は伊方原発3号機の運転差し止めを決定した仮処分について、四国電力の異議申し立てを認め、再稼動を認めました。同年9月28日大分地裁(佐藤重憲裁判長)は、伊方原発3号機の運転差し止めを求める仮処分申請を退ける決定をしました。四国電力は2018年10月27日にも、伊方原発3号機の再稼動工程を始めるとしています。

 これで、原子力規制委員会が認可した原発は、8原発15基になりました。

九州電力 川内1号機、2号機 玄海原発3号機、4号機 ※ 4基すべて稼動中

四国電力 伊方3号機 

     ※ いったん、広島地裁が運転差し止めを決定したが、2018年9月広島高裁、大分地裁が運転を認める。2018年10月1日に核燃料を装填。10月27日に再稼動工程を始めるという。

関西電力 美浜3号機 ※ 運転期限40年を延長認可。2016年11月16日

     大飯3号機、4号機 ※ 両基稼動中

     高浜1号機、2号機 ※ 運転期限40年を延長認可。2016年6月20日

     高浜3号機、4号機 ※ 高浜4号機が2018年9月28日再稼動工程を終え、営業運転に入りました。高浜3号機は2018年8月3日から定期点検に入っていますが、蒸気発生器のトラブルに加え、作業員が1.81ミリシーベルトの被ばく事故を起こしています。

東京電力 柏崎刈羽6号機、7号機 ※ 2017年12月27日審査書を認可。新潟県は再稼動を認めていない。

日本原子力発電 東海第二 ※ 運転期限40年を延長認可。2018年9月26日

以上、15基が原子力規制委員会が認可した原発。つまり、九州、四国、関西が原発事故により壊滅する危険性。残された時間は少ないです。大地震、火山噴火が起きる前に、原発を止め、廃炉に!

 ポイントは、避難計画策定でも、安定ヨウ素剤の配布でもありません。 玄海町長、薩摩川内市長に、市民一人ひとりが「被曝させない保障」と「万が一被曝した場合のすべての損害賠償責任」を要求することです。原発事故では、市民に避難する義務は、法令上ありません。避難せず被曝した場合に、すべては玄海町長と薩摩川内市長に責任があり、その賠償をもとめた要求書を配達証明書つき郵便で送ればいいのです。原発立地自治体の同意なき 稼動はありません。また、原発立地自治体に、私たちの生殺与奪権はありません。

 行動を!手遅れになる前に!