玄海原発4号機は玄海原発3号機に続き、トラブルのために2018年5月24日から予定していた再稼動工程を延期していました。玄海4号機の引き起こしたトラブルは、放射性物質を含まない純水が流れている箇所に放射性物質を帯びた一次冷却水が流れ出た(その結果、通常の流出量が1時間あたり30リットルのところ、70リットルになった)ものです。(下図、九州電力発表を参照)「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」が2018年5月9日九州電力と交渉したところ、九州電力担当者は「タンクに戻って外には出ないので問題ない」と発言。 また、「再稼働強行した3号機も同じ部品を使っている。止めて点検すべきではないか?」の質問に「異常が起きていないから問題ない」と発言しています。

【玄海4号機一次系ポンプ事故:九電抗議報告 警告を重く受け止めよ!】玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 2018年5月9日

(別紙)玄海4号機 1次冷却材ポンプ 九州電力 2018年5月3日公表

 玄海3号機は4号機と同じポンプシステムを使いながら、一時冷却水ポンプからの水漏れがあるかないかも点検せず、運転を続けています。

 玄海4号機は、この一時冷却水漏れトラブルについて、原子炉格納容器内の水の温度が3℃上昇したから、一次冷却水が漏れたという報告書を出しました。そのくらいの温度が上がっても、「漏れないように余裕を持たせる」「異常があった2つのポンプ系だけでなく、4つ全部のポンプ系を交換する」だけで、4号機を再稼動させようとしています。

<下図> 

玄海原発4号機 一次冷却水流出防止用の水に「一時冷却水」が漏れ出たトラブル 一時冷却材ポンプNo2シール出口の圧力上昇評価 九州電力 2018年5月15日

たった原子炉格納容器内の温度が3℃上昇したことが原因ならば、① そもそも設計が欠陥をはらんでいるのではないか。 ② 3℃上昇したせいで水が膨張し、ポンプのシール部分から漏れた。逆に余裕を持たせるということは一次冷却水側に流出防止用の水が流れ込み、新たなトラブルを引き起こすのではないか。③ 九州電力のトラブルの原因の説明は説明になっていない。設計上の欠陥がどこにあったのかを究明せず、新しいポンプ系で交換したからいいだろうという、場当たり的な対応ではないか。④ それを原子力規制委員会当局が再稼動工程(発電所の総合的な性能を確認する最終の使用前検査、「五号検査」という)をはじめること、場当たり式に認可しているのではないか。 という問題を含みます。

 そもそも、1次冷却水を循環させるシステムに、水を使って漏れないようにする、というシステムの考え方そのものに無理があるし、たった3℃の温度上昇で水の体積が膨張したから一次冷却水が漏れたなど、設計にそもそも欠陥があるのではないでしょうか。原子力規制委員会は「規制」をするというのであれば、こうした市民の問いにきちんと答えるべきです。公式な回答を求めます。

 難しい文章ですが、九州電力が今回のトラブルについて解説した文章です。ぜひ、原発を止めたいと思う方はご一読下さい。

(参考)玄海原子力発電所4号機1次冷却材ポンプのNo.2シールリークオフ流量増加について 九州電力 2018年5月15日

 この玄海原発4号機の再稼動を読売、朝日、毎日は「西部本社版」でしか報道していません。東京をはじめ首都圏や大阪、名古屋の人々の読む紙面には記事が掲載されていません。

佐賀新聞 2018年6月9日26面、読売新聞 同日の西部本社版、朝日新聞 同日の西部本社版、毎日新聞 同日の西部本社版を以下に開催します。

 

 

 

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