『液体ミルク』を全国に 福島乳業・岩沢俊夫会長に聞く 福島民友 2016年12月21日
乳児用液体ミルクの事業化に向けた検討を始めた福島乳業(福島市)の岩沢俊夫会長(67)=写真は20日、福島民友新聞社の取材に応じ、事業化の意義について語った。
―なぜ液体ミルクの事業化を目指すのか。
「(粉ミルクと比較して)手間がかからず、働く女性からの要望が強い。災害時などにも使用できる利点がある。福島から旗上げし、これから専門家を集めて事業化に向けて知恵を凝らしていく。さらにこの動きを全国に広げたい」
―福島で行う意義は。
「当社は学校給食用の牛乳などを製造しており、常に社会貢献を念頭に置いている。(政府で解禁の議論が進む)液体ミルクを広げるにはまずは誰かが動きだす必要がある。(震災や原発事故があった)福島だからこそ挑戦できる環境があると思っている。事業化が実現すれば地域の刺激となるだけでなく、発信力も高まると期待している」
―粉ミルクが普及している現状については。
「国内は粉ミルクで子育てする仕組みができているが、海外では液体ミルクも普及している。基本的には(賞味期限の長い)ロングライフ牛乳と同じ。将来的には自分たちだけで事業化するのか、それとも連携して事業化するのか。それも含め、まずは自分たちで動きだしたい」
いわさわ・としお 神奈川県鎌倉市出身。2010(平成22)年から福島乳業社長、今年4月から会長。デンマークヨーグルト会長。