水産庁 水産総合研究センターが2011年4月6日から、水産物のストロンチウム90を測定し、公表しています。いや、測定、公表していました、と過去形で書くべきかもしれません。

水産総合研究センターによる水産物放射性物質調査結果

水産物ストロンチウム等調査結果  更新日:2014/5/28

 この水産物ストロンチウム等調査結果は、非常にわかりにくいです。そもそも、魚を採取してから結果が公表されるまで2か月から4か月かかっています。中にはほぼ1年かかっているものがあります。ストロンチム90の測定に2~4週間かかるとは言え、これは明らかな公表の先送りです。

 採取日から公表までにかかって日数も一覧表に加え、採取日順に一覧表にしました。

 水産物からストロンチウム89、ストロンチウム90が検出された場合は青字で、プルトニウム238、プルトニウム239+240が検出された場合は赤字で表記しました(編集者)。

 

  すると、とんでもないことがわかりました。2014年1月1日以降に採取されたデータが1つもないのです。今日はすでに11月12日。2013年、昨年の検査では短くて1か月と16日、長くても9か月と24日で、公表されていました。

 水産総合研究センターは意図的に公表を遅らせているのでしょうか?それとも、2013年末で調査を打ち切ったのでしょうか?東京第一原発からはストロンチウム90汚染水がトレンチを通り、また、地下水として直接海に流れ込んでいます。

 継続的な調査が行われるべきです。そして結果が判明した段階での早急な公表が求めらます。真実を明らかにすべきです。まさか、解散総選挙で自民党が圧勝した後に公表するのではないでしょう。それではあまりに党利党略、国家の私物化であると思います。

 ちなみに、採取日が最後の水産物は、宮城県七ヶ浜地先のノリ、ストロンチウム90 0.07ベクレル/kgと同産地のワカメ、ストロンチウム90 0.06ベクレル/kgです(採取日2013年12月19日)。

 これらは、どちらも過去の水産物の海藻類のストロンチウム90の最高値 0.056ベクレル/kgを超えるものです。(文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全課防災環境対策室放射性ストロンチウム分析法2003年11月10日 pp.103

 まさか、ストロンチウム90の汚染が深刻化しているのを隠すために、測定を中断したのではないでしょうね。

〔初稿〕2014年11月12日 川根眞也

〔追記〕2014年11月20日 川根眞也

 

 

水産物ストロンチウム調査結果 20140528

環境試料中のストロンチウム90 濃度