火の国、鹿児島で原発を再稼働させるという、原子力規制委員会。「科学的・技術的意見の募集について」などと言っていますが、彼らこそ、火山噴火が予知できるなどと、非科学的議論をしています。この理屈につきあう必要はありません。

 あえて、「トイレなきマンション」を主題としてパブリック・コメントを書きました。この問題を先送りしたままの再稼働は論理的・倫理的にありえません。

 川根が書いた、パブリック・コメント全文です。

 また、2014年9月10日、原子力規制委員会は、川内原発1、2号機が新規制基準に適合していると、審査書を決定しました。しかし、2014年9月11日午前0時現在そのために市民から公募したパブリックコメントのまとめを公表していません。だいたい、パブコメのまとめも、その評価も抜きに、新規制基準適合ってありえるのでしょうか?彼ら自身が決めた手続きを、自ら破っています。そして、パブコメを締め切った後に、火山学者を集めた専門家会議を開き、そこでは、「火山噴火の予知など不可能だ」という結論が出ています。この専門家会議の結論を無視して、新規制基準適合などありえません。

 川根が書いたパブコメの受付番号は以下の通り、201408110000278961 です。原子力規制委員会に電話して、「僕の書いたパブコメはどう処理されましたか?」と聞こうと思っています。

<2014年9月11日記>

「九州電力株式会社川内原子力発電所1号炉及び2号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集について」パブリック・コメント

内部被ばくを考える市民研究会 川根眞也 2014年8月11日

2003年11月11日の経済産業省 資源エネルギー庁 電気事業分科会 第4回コスト等検討小委員会で、電気事業連合会は、青森県の六ヶ所村に建設している再処理工場(2015年10月に竣工予定)を40年間にわたって稼働させるための建設費と操業費、同工場の廃止に必要な費用が、合計11兆600億円と見積もっています。

 そして、六ヶ所再処理工場に加えて、高レベル廃棄物処理、MOX燃料加工、ウラン濃縮工場の廃棄物処理を含めると18兆9100億円かかると試算しています。

 核燃料の再処理のためには、死の灰を閉じ込めているジルコニウム被覆管を切断します。それと同時に、これまで宇宙線が作ったトリチウムの総量(自然放射線と言えます)をはるかに超える、トリチウムが大気中に放出されます。

 東京第一原発事故処理は20兆円かかると言われます(アーニー・ガンダーセン、2011年)。それに加え、核燃料サイクル約19兆円を浪費しようとする、電気事業連合会。この国の富を原発とその処理に食いつぶされていくのを止めなくてはいけないと思います。

 トイレなきマンションとも言われる原発。東京第一原発だけでなく、54基すべての原発には使用済み核燃料プールという、「おまる」があります。この「おまる」の中の使用済み核燃料をどう処理するのか、どこに最終処分するのか、そもそも最終処分できるかもわからないのに、原発再稼働はありえません。問題の先送りにすぎません。自民党、公明党、民主党は恥を知るべきです。この問題を私たちの子どもや子どもたちの子孫に、押しつけるのは誤った選択です。

 この地球は私たちのものではありません。

 私たちが一時的に借りているもの。将来の子孫が安全に生き、生活し、そして次の子どもたちが産み育てられるできる場所として、譲り渡すべきものです。その保障なき、原発の再稼働、そして六ヶ所稼働、そのどちらも許されません。