気象研究所 青山道夫氏、電力中央研究所環境科学研究所 津旨大輔氏らが“North Pacific distribution and budget of radiocesium released by the 2011 Fukushima nuclear accident”と題した報告の中で、東京第一原発から放出されたセシウム137の総放出量の推計値を発表しています。2012年。
その中で、これまでのアメリカ、ソ連、中国、フランス、イギリスなどが行った核実験による北太平洋へのセシウム137のフォールアウトを69PBq(ペタベクレル=1015ベクレル)としています。チェルノブイリ事故での地球規模でのセシウム137の放出量を60PBq(1回1基の原発事故で、1945年~現在まで行われている約2000回の核実験によるフォールアウトに匹敵!)。チェルノブイリ事故での海洋へのセシウム137の放出量を15-20PBqとしています。
そして、今回の東京第一原発事故により大気圏内に放出されたセシウム134およびセシウム137の推計値を15-20PBq、海洋に直接放出されたセシウム134およびセシウム137を3.5PBqとしています。これまでの核実験とチェルノブイリ事故によって北太平洋に蓄積されたセシウム137の量を22~27%引き上げることになった、と発表しています。
また、東京第一原発事故により放出されたセシウム134およびセシウム137の陸上への蓄積量の推定値は3.4~6.2PBq。東京第一原発事故により大気圏内に放出されたセシウム134およびセシウム137の推計値を15-20PBqとしています。これまでの核実験およびチェルノブイリ事故によって大気中に蓄積しているセシウム137を23~33%増加させることになった、と発表しています。