北海道農政部が、長沼町(中央農業試験場)、北斗市(道南農業試験場)、比布町(上川農業試験場)、浜頓別町(上川農試天北支場)、芽室町(十勝農業試験場)、訓子府町(北見農業試験場)、中標津町(根釧農業試験場)の7カ所で2011年4月18日から月1回(降雪時を除く)農地土壌の放射性物質の調査を行っています。

 北斗市での汚染が一番大きいように感じます。しかし、福島、宮城、岩手、茨城、栃木、群馬、千葉、山形、埼玉、東京、神奈川などからすれば、非常に少ないレベルです。

 また、北海道の土壌の放射能汚染が今回の東京第一原発事故によるものではなく、すべて大気圏内核実験のためかもしれません。2011年3月~5月に埼玉県(さいたま市)に降った放射性セシウムの総合計が12345ベクレル/㎡なのに対して、北海道(札幌市)に降った放射性セシウムの総合計が16ベクレル/㎡。埼玉県の農地の汚染は36ベクレル/㎡(セシウム134 19ベクレル/㎡ セシウム137 17ベクレル/㎡ ときがわ町本郷)~240ベクレル/㎡(セシウム134 98ベクレル/㎡ セシウム137 140ベクレル/㎡。吉川市上内川)程度です。(いくつかホット・スポットあり。吉川市皿沼410ベクレル/㎡、三郷市幸房840ベクレル/㎡)ですから、単純に2011年3月~5月に北海道に降下した放射性セシウムの量が埼玉県の1000分の1だとすると、原発事故による追加の放射性セシウムは0.036~0.24ベクレル/㎡程度かもしれません。

 また、北海道農政部の発表を細かくみていくと不思議なことを発見。2011年9月6日から北海道農政部はセシウム134を測っています。しかしセシウム137の検出限界が3.7~6.5ベクレル/kgに対して、セシウム134の検出限界が4.5~9.1ベクレル/kgとは。

 これは、セシウム134が「不検出」にするために「わざ」を使っている可能性があります。つまり、セシウム134は半減期が2年です。1963年に米ソの大気圏内核実験が終わってから約50年たっている現在では、フォールアウト(放射性降下物)の中にはセシウム134は見られないはずなのです。もし、セシウム134が検出されるとすれば、それは2011年の東京第一原発事故によって放出されたものであることになります。それは北海道の地も汚染している、ということを意味するのです。

 ですから、セシウム137が検出された後、セシウム134だけをもう1回測り直している可能性があるのではと疑いたくなります。検査時間を短縮し、検出限界を上げて「不検出」にしているのでは、と。これが、セシウム137の検出限界が3.7~6.5ベクレル/kgに対して、セシウム134の検出限界が4.5~9.1ベクレル/kgとなっている理由ではないでしょうか。

 北海道農政部は農地土壌を検出限界0.5ベクレル/kgまで測り、公表すべきです。ゲルマニウム半導体検出器を持っている北海道衛生研究所なら2時間測定で、その検出限界まで測定できるはずです。 

北海道 本道での農地の第八回放射性物質モニタリング調査結果 20110425から1031

北海道 本道での農地の第五回放射性物質モニタリング調査結果 20120507から0827

農林水産省 農地土壌の放射性物質濃度分布図等のデータについて

4 農地土壌中の放射性セシウムの分析値

岩手県(PDF:66KB) 宮城県(PDF:66KB) 山形県(PDF:59KB) 福島県(PDF:353KB) 茨城県(PDF:68KB) 栃木県(PDF:90KB) 群馬県(PDF:81KB) 埼玉県(PDF:77KB)
千葉県(PDF:70KB) 東京都(PDF:60KB) 神奈川県(PDF:55KB) 新潟県(PDF:70KB) 山梨県(PDF:47KB) 長野県(PDF:60KB) 静岡県(PDF:56KB)