文部科学省が2011年3月18日から12月28日まで毎日、放射性物質の降下物の量を測定していました。2012年からは精密に測定するという名目で1ヶ月分の降下物を測定して発表しています。

 2012年2月分から6月分までの放射性降下物のデータを整理しました。

2012年1月から5月分まではこちら

 これを見るとわかるように、東京第一原発からは放射能が出続けています。福島県ではかなりの放射性降下物があり、東北、関東、中部と東海の一部に渡って多かれ少なかれ、放射性降下物によって大地は汚染されて続けています。

 なぜ3月12日(東京第一原発1号機が爆発した日)からの3月17日までのデータがないのか?それは、各都道府県の衛生研究所(福島県などは原子力センター福島支所)で放射性降下物を測定するのは文科省の委託事業です。そして、文科省は「毎日放射性降下物を測定しろ」と通知を出しのが、3月18日であり、それまでは毎日測定していなかった、というのです。測定したデータを隠していたのなら、隠ぺいですが、そもそもデータを測定していないのですから、隠ぺいには当たらないだろうという算段だと思います。

 原発が次々と爆発し、放射能プルームが東北、関東、中部と東海の一部まで襲ったこの重要な3月12日~17日のデータが存在しないというのはあってはならないことです。文科省の担当官の責任を追求すべき問題です。

 東京大学などには放射性降下物のデータは存在するかもしれません。ぜひ、公開すべきです。

 また、2012年5月分の結果はなんと6月29日に公表されました。4月分が公表されたのは6月4日です。あまりにも遅すぎます。文科省は1ヶ月分まとめでしか、放射性降下物のデータを取らないのですから、1週間で結果をまとめ、毎月7日までには先月分のデータを公表すべきです。

 6月分は8月1日に公表されました。

 文科省の測定結果ではMBq/k㎡(メガベクレル/平方キロメートル)という単位で表現されていますが、M(メガ)とは10の6乗のこと。そして、k㎡を㎡に直すと 1k㎡=1000m×1000m=1×10の6乗㎡です。つまり、1MBq/k㎡=10の6乗ベクレル/10の6乗㎡=1ベクレル/㎡です。

 だいたい、この測定は原発のある県では原子力センターなどの支所で、他の都道府県では衛生センターなどで測定していますが、たかだか1㎡程度の金属製のますに落ちたちりや雨水を集めて測定しているものです。1k㎡も集めているわけではありません。だまされていはいけません。1平方メートルに毎月、どれだけの放射性セシウムが降っているか、というデータとして見るべきです。

 また、文科省のデータは現在、過去データと最新データを別々の場所に保管してあり、簡単に調べることができないようになっています。今後、この定時降下物のモニタリングを調べたい場合は「環境放射能水準調査結果(月間降下物)(平成24年☆月分)」(☆のところに調べたい月を入れます)と検索をかけてると出てきます。お試し下さい。

文科省 定時降下物のモニタリング(月間)