[解説] 2019年6月18日記

 2019年4月11日に、定期点検に入った、関西電力、大飯原発3号機が2019年6月末、定期点検を終え、再稼働工程に入ろうとしています。全国紙はもちろん、地方紙も、大飯原発3号機で今、一体何が行われているのか報道せず、知らないまま、再稼働させようとしています。

[追記] 2019年6月25日

 2019年6月25日になりました。「6月23日の発電・送電を予定しているが、関電は『定検工程について検討している』としている」(2019年5月8日福井新聞)、との報道がありました。しかし本日2019年6月25日に、なっても、関西電力のホームページには、起動試験開始について何も公表していません。再稼働工程を始めたのか、それとも、トラブルが新たに起きて再稼働工程開始を延期したのか、はたまたそもそも今回は出力100%にして原子力規制委員会の5号検査に合格して、営業運転に入って初めて「大飯原発3号機、本日、再稼働」と公表するつもりなのか、わかりません。地元紙、福井新聞も、2019年6月に入って、大飯原発3号機の定期点検の状況について、1つも報道していません。

 一体、何が起きているのか、また、関西電力はいつ大飯原発3号機の再稼働工程を始めるつもりなのか、公表するべきです。

[追加] 2019年6月27日 佐賀新聞 2019年5月7日記事

〈参考〉

関西電力大飯原発3号機 施設定期検査申請内容の変更について(関原発第97号)  2019年6月12日

関西電力

ここに、2019年6月23日23時過ぎから「起動試験」とあります。図をダウンロードして拡大して下さい。 

あす定検入り電気盤工事へ 大飯3号

2019年4月10日 福井新聞

 関西電力から9日、県に入った連絡によると、大飯原発3号機(加圧水型軽水炉、出力118万キロワット)が11日から第17回定期検査に入る。原子炉停止時に必要な高圧注入ポンプなど、重要安全施設に電力供給する電気盤の遮断器の遮断時間を変更する工事を実施する。新規制基準に適合した国内原発で初めて。

 電気盤工事は、新しい科学的な知見を規制基準に取り入れて既存原発に適合を求める「バックフィット制度」に基づき行う。このほか、安全系計器用電源装置を交換する。

 検査は約120項目。2次系配管207カ所を超音波で肉厚測定する。過去の点検で減肉が確認されるなどした55カ所の配管を耐食性に優れたステンレス鋼などに取り換える。

 大飯3号機は2018年3月に原子炉を起動し、同4月から営業運転に移行した。今回の定検に向け11日早朝から出力を下げ始め、同日昼ごろ原子炉を停止する。国の検査を経て6月下旬に原子炉を起動し、7月中旬の営業運転再開を目指す。(牧野将寛)

燃料取り出し中警報が鳴り中断 大飯3号

2019年5月8日 福井新聞

 関西電力は7日、定期検査中の大飯原発3号機で原子炉から燃料の取り出し作業中、警報が鳴り5日間、作業を中断したと発表した。燃料集合体に異常はなく、環境への放射能の影響はないとしている。

 4月22日午前2時55分ごろ、原子炉に装荷している燃料を使用済み燃料プールに移送中、移送装置が正規の位置を超えて停止したことを示す警報が鳴った。正規位置を4センチ超えていた。

 関電によると、装置の速度を磁力で切り替えるスイッチと装置の部品が変形していた。取り出し作業前にスイッチの位置調整を行った際、取り付け金具の固定ボルトの締め付けが不十分だったと推定。スイッチが装置側にずれて、部品と接触したとみている。

 対策として、変形したスイッチと装置の部品を予備品に取り換えた。作業要領書には、固定ボルトが十分に締め付けられていることを確認する手順を記載する。

 大飯3号機は4月11日から定検を開始。燃料取り出しは同23日完了予定だったが、中断で同28日に終えた。6月23日の発電・送電を予定しているが、関電は「定検工程について検討している」としている。(牧野将寛)

大飯原発、燃料取り出し中に警報

移送装置が止まらず

2019年5月7日  18:20 佐賀新聞

 関西電力は7日、定期検査中の大飯原発3号機(福井県おおい町)で4月22日、燃料集合体の取り出し作業中に移送装置が正しい位置で止まらず、警報が鳴るトラブルがあったと発表した。集合体に異常はないが、取り出しの工程に数日の遅れが出ており、定検の工程に影響が出る可能性があるとしている。

 関電によると、4月22日午前3時前、原子炉容器から112体目を取り出し、装置に載せ燃料プールに運ぶ途中、定位置から約4センチ超えて装置が停止した。

 速さや動きを制御する二つの金属部品が変形したり、外れたりしていた。111体目を運び終えた際に部品同士が接触したことが原因とみて詳しい経緯を調べている。

 大飯3号機では4月11日から定検が始まり、集合体193体を原子炉容器から取り出し、うち64体を交換する予定。6月下旬に原子炉を起動、7月中旬の営業運転再開を予定している。