参院茨城選挙区 立民公認 小沼氏が出馬表明 原発再稼働反対を明言

2019年5月28日(火)  茨城新聞

参院選茨城選挙区に立憲民主党公認で出馬表明した小沼巧氏(中央)と同党の枝野幸男代表(左)、難波奨二県連代表=水戸市内
参院選茨城選挙区に立憲民主党公認で出馬表明した小沼巧氏(中央)と同党の枝野幸男代表(左)、難波奨二県連代表=水戸市内

立憲民主党は27日、今夏の参院選茨城選挙区(改選数2)に、新人で鉾田市出身の元経済産業省官僚、小沼巧氏(33)を公認候補として擁立すると発表した。小沼氏は水戸市内で記者会見し、日本原子力発電東海第2原発の再稼働の是非について「住民合意を含めた観点から反対の立場に立つ。官民それぞれの経験を生かし、茨城から原発ゼロに向けた第一歩を踏み出していく」と、再稼働反対を明言した。

会見に同席した枝野幸男代表は「(参院選の)1人区は安倍政権と一騎打ちの構図を作る。一方で複数区は、政党の持ち味の違いを発揮しないと全体のパイを拡大できない。茨城では各党が切磋琢磨(せっさたくま)する」と語った。一方、難波奨二県連代表は国民民主党県連や連合茨城と統一候補を協議してきた経緯を踏まえ、「協力関係をもらう各政党や連合と十分協議し、一本化や協力関係ができるよう努力する」と述べ、今週にも国民や社民、連合茨城に協議を要請する考えを示した。

枝野代表は小沼氏擁立について「原発発祥の地の茨城で、経産省出身でありながら原発ゼロを訴えることでリアリティーを感じてもらえる」と説明。立民公認での出馬を希望していた現職の藤田幸久氏(69)については、参院選比例区か衆院選小選挙区で処遇したいとの考えを示した。

小沼氏は清真学園高、早稲田大を卒業後、キャリア官僚として経産省に入省。通商政策課課長補佐などを務め、2017年の退官後は経営コンサルティング会社に勤めた。

同選挙区はほかに、再選を目指す自民党現職の上月良祐氏(56)、共産党新人で元県議の大内久美子氏(69)、無所属新人で前那珂市長の海野徹氏(69)が出馬を表明している。(三次豪)

■立民の現職・藤田氏 党の決定に従う

国民民主党から立憲民主党に移籍し、参院選茨城選挙区に立民公認での出馬を目指していた現職の藤田幸久氏(69)は、党本部の決定に従うとした上で、「小沼氏を一生懸命応援する。野党の貴重な1議席を守るため、頑張ってほしい」と話した。

自身の今後の対応については、「参院比例代表を含め、いろいろな選択肢の中で後援会と相談し、決めたい」と述べるにとどめた。