米 2月に臨界前核実験を実施 トランプ政権で2回目
2019年5月25日 14時55分
「エディザ」と名付けられた今回の実験では、プルトニウムを反応させるために高性能爆薬を使用し、核分裂の際のデータを測定したということで、研究所では、アメリカが保有する核弾頭の安全性の向上につながったと評価しています。
アメリカが臨界前核実験を行うのはおととしの12月以来29回目で、トランプ政権では2回目です。
トランプ政権は、去年2月、新たな核戦略を発表し、ロシアや中国に対抗するため、実験などを通じて核戦力の近代化を進めるとともに、「低出力核」と呼ばれる威力を抑えた核兵器の増強などを進めています。
今回の実験はことし2月の2回目の米朝首脳会談の直前に行われていて、トランプ政権として、北朝鮮に非核化を迫る一方、みずからは臨界前核実験を通じて核兵器の性能向上を進めていた形で、反核団体などからは強い反発が予想されます。
「低出力核」増強進めるアメリカ
新たな戦略では、核戦力を増強するロシアや中国に対抗するため、臨界前核実験などを通じてアメリカの核戦力の近代化を進めるとともに、限定的な核攻撃も辞さない姿勢を示すロシアへの抑止力として、「低出力核」と呼ばれる威力を抑えた核兵器の増強が進められています。
こうした方針を受けて、エネルギー省の傘下にあるNNSA=核安全保障局は、ことし2月、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルに搭載する低出力核弾頭の製造を開始したことを明らかにしました。
NNSAでは、ことし10月までに新たな核弾頭をアメリカ海軍に引き渡す見通しで、「低出力核弾頭は、脅威が高まる中でそれに合わせた抑止力を提供できる」としています。
核兵器関連予算を拡充
こうした方針を受けて、ことし3月にトランプ政権が議会に提出した来年度の予算教書では、老朽化した施設の近代化や新しい核弾頭の開発や維持など、核兵器に関連する予算は124億ドル(日本円にして1兆3500億円余り)と、前の年度と比べて11%余り増えています。
日本被団協「許し難い行為」
そのうえで、「原爆は人間の歴史を終わりにしかねないもので、絶対に人間とは相いれない存在だ。核兵器で脅すことはもうやめて、核兵器を廃棄するよう求めたい」と話していました。
臨界前核実験、2月実施 17年12月以来
毎日新聞 2019年5月25日 夕刊 8面
【ワシントン共同】米核研究機関のローレンス・リバモア国立研究所(カリフォルニア州)は24日、プルトニウムを用い、核爆発を伴わない臨界前核実験を2月に西部ネバダ州の施設で実施したと発表した。トランプ政権下では2017年12月にも同様の実験が行われたことが確認されている。
同研究所によると「エディザ」と名付けられた今回の実験は砂漠の地下深くで2月13日に実施された。
貯蔵された核弾頭の安全性を向上させるため、プルトニウムのデータを取得することが目的だったと説明している。
臨界前核実験 汚染確認、少量のプルトニウム 研究機関
毎日新聞 2019年5月26日 朝刊 7面
【ワシントン共同】米核研究機関のローレンス・リバモア国立研究所(カリフォルニア州)は24日、プルトニウムを用い、核爆発を伴わない臨界前核実験を2月に西部ネバダ州の施設で実施したと発表した。トランプ政権下では2017年12月にも同様の実験が行われた。
貯蔵された核弾頭の安全性を向上させるための実験。政権は18年2月公表の核戦略指針で核兵器の役割拡大を表明している。
実験に用いた核物質封じ込め用容器の付近で少量のプルトニウムによる汚染が確認されたことも、米大統領とエネルギー長官への助言機関の報告書やエネルギー省の核安全保障局(NNSA)への取材で分かった。報告書などによると、容器の接続部品に亀裂が見つかった。NNSAは「原因は調査中」とした上で、外部への影響はないとしている。
米、2月に臨界前核実験 トランプ政権2017年12月以来
2019年5月25日 東京新聞 夕刊 1面トップ記事
米国立研究所 未臨界核実験 トランプ政権で2回目
2019年5月26日 読売新聞 朝刊7面
朝日新聞は、2019年5月25日夕刊でも、同年5月26日朝刊でも、記事を書きませんでした。トランプ大統領の来日、大相撲観戦を報道しながら。ダメな新聞です。
と書いたところ、朝日新聞2019年5月27日朝刊紙面4面には、「未臨界核実験米が2月実施 トランプ政権2回目」と書きました。奇妙なことに、朝日新聞電子版にはこの記事そのものが、ありません。他紙(東京、毎日、読売)が書いたから、仕方なく朝日新聞は、紙面には記事だけをアリバイ的に載せたのではないでしょうか。
紙面記事
未臨界核実験米が2月実施 トランプ政権2回目
朝日新聞 2015年5月27日 朝刊4面
朝日新聞 2019年5月27日 朝刊 デジタル版には、同記事がない。