内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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2014年5月

【35カ月目の福島はいま】体調悪化は本当に被曝と無関係?闘い終わらぬ郡山市の夫妻 民の声新聞 2014年2月2日

【35カ月目の福島はいま】 体調悪化は本当に被曝と無関係?闘い終わらぬ郡山市の夫妻 出典:鈴木博喜 民の声新聞 被曝から子どもを守ろう。民を守ろう。その一念で書き続けます    2014年2月2日版  鈴木博喜さんの許可を得て、全文を転載させていただきます。 夫婦に次々と起こった体調悪化に、妻の疑問はふくらむばかりだった。「本当に被曝と無関係なの?」。依然として高濃度汚染が解消されない郡山市で、Aさんは足の痛みと闘いながら東電への訴えを続けている。除染が済んでいない自宅の雨どい直下は16μSv/hを超す。落ち葉掃除が日課だった夫は白内障を患った。2人の子どもは関西に逃がしたが、のう胞や結節が見つかっている。数十年後でもいい、死後でもいいから因果関係を認めさせたいとAさんは語る。 【夫は白内障、妻は足の骨にのう胞】  郡山駅から路線バスで西に約20分。県立郡山高校の校庭では野球部のバッティング練習が行われていた。金属バットが乾いた打球音を発し、別の建物からは吹奏楽部の演奏が漏れ聞こえてくる。震災前から続いているであろう、何気ない日常の光景。ただ一つ異なるのは、校舎の周辺や隣接する西部公園で依然として0.3μSv/hの放射線量が計測されることだ。もうすぐ原発事故から丸3年になるが、飛び交う放射線が子どもたちの健康を害する恐れは消え去っていない。 近所に住む50代のAさんは、県民健康管理調査の結果に釈然としない毎日を送っている。やはり50代の夫と日々の事故後の行動パターンがほぼ同じだったとして、似通った内容の問診票を一緒に提出した。しかし、問診票から推計された外部被曝線量は、あまりにもかけ離れていた。Aさん自身は「4カ月間で1.8mSv」と算出されたのに対し、夫の推計値は「2週間で0.8mSv」と記載されていた。なぜ算出期間が大きく異なるのか。どちらが本当の数値なのか。Aさんは福島県立医大の問い合わせ窓口に電話をかけたが、木で鼻を括ったような回答しか得られなかったという。「一件一件調べられないとのことでした」。 夫妻の体調に異変が生じ出したのは2012年9月頃。2人とも身体に赤い発疹のようなものができるようになった。血液検査をしてもアレルギー反応は認められない。落ち葉の掃除が日課だった夫は昨年3月、甲状腺に結節3つあることが判明、関西の病院で細胞診を受けた。その際、電話予約をしようとすると「福島の方は福島で検査を受けるように」と断られ、ようやく検査を受けられたという。夫はその2ヶ月後から目がかすみ始め、12月に白内障と診断。手術を受けることになる。 Aさんは、足の骨にのう胞が見つかった。初めは左足だけだったが、やがて両足にのう胞が認められるようになった。若い頃、スポーツに打ち込み国体にも出場経験があるAさんは、股関節の病気を患いながらも震災前は走っていたという。それが今はじっとしていても痛みが走り、歩くには杖が必要になった。医師に相談しても加齢が原因だと言われる。被曝の可能性を問うと「そんなこと無い無い」と一蹴されたという。 「今までのう胞が見つかることは無かったのに、どうして元々悪かったからのう胞が出来ただけと言い切れるのでしょうか。被曝の影響ではないかと不安でたまりません」 (上)夫婦のデータが綴じられた「県民健康管理ファイル」(中)Aさんの推定外部被曝実効線量は4カ月間で1.8mSv(下)だが、夫の線量はわずか14日間で0.8mSvと記載されている 【わが子の避難と苦い記憶】  東電に治療費を賠償請求したが、半年後の回答は「却下」だった。理由は「郡山市だから」。電話で再三、問いただしたが「20km圏内と郡山市は違う」「既に避難費用として賠償金を支払っており、治療費もその中に含まれる」と一点張りという。たしかにAさん一家は賠償金として1人8万円、計32万円を受け取ったが、当時の書類にも治療費を含む旨の文言は無い。コールセンターのオペレーターに「これだけ放射線量が高いのに、20km圏内と何が違うのか」と尋ねても明快な解答は無し。「汚染された土を郵送すれば証明できますか?」と迫ったが、「できかねます」と上司に取り次ぐことさえしてもらえなかったという。 「郡山高校の側溝は事故後、100μSv/hもありました。自宅の花壇も4μSv/hに達していた。それなのに、なぜ20km圏内と区別するのでしょうか」。Aさんの怒りはもっともだ。 2人の子どもは2011年3月17日、兵庫県内のAさんの実家に逃がした。当時、関西電力関係の仕事を請け負っていた友人からは「子どもだけでも早く逃がせ」と電話で言われていた。ようやく見つけた2席分の航空券を確保し、福島空港から羽田経由で伊丹空港へ。福島空港には、キャンセル待ちの人々が、毛布にくるまるようにしていたという。 避難後、三重県内の会社に就職した息子は、結婚前に婚約者の両親から検査を求められた。「一人娘だし、相当心配だったんでしょう」とAさん。息子の甲状腺からは数えきれないほどののう胞が見つかったが、血液検査では異常は認められなかった。20代の娘も1.6cmの結節が見つかったが、体調に変化はないという。「私の判断は間違っていなかったんですよ」。Aさんの頬が一瞬だけ緩んだ。 原発事故でよみがえった苦い記憶。小学生の頃、同級生に多指症の子どもが2人いた。母親が広島で被爆。1人の健康手帳には「原爆症」と記載されていたという。当時「ピカはうつる」との誤った認識が定着してしまい、誰も2人に近づこうとしなかった。運動会のフォークダンスでも、2人だけは誰からも手をつないでもらえなかった。教師もそれを咎めない。白内障でレンズの厚いメガネをかけていた同級生。原発事故後に当時の友達と会食した際、1人が「えっ?福島から来たの?大丈夫?」と一瞬だが避けるような仕草をした。「ああと思いました。それと同じですよね。当時、私たちがしていたのは残酷ないじめでしたよね」。 わが子を守ると同時に、次の世代への思い。被曝が遺伝しないと本当に言い切れるのか。Aさんがいち早く子どもたちを関西へ逃がした背景には、当時の贖罪もあったのかもしれない。 (上)いまだに16μSv/hを超すA]さん宅の雨どい直下(中)別の雨どい直下も4μSv/hを上回った(下)自宅からほど近い西部公園では間もなく、汚染された木製遊具が交換される 【数十年後のためにデータ保存】  水俣病など、健康被害が数十年後にようやく認められるケースが少なくない。「私たちも、仮に因果関係が認められるとすれば、死んだ後でしょう。多くの人が亡くなって人数が少なくなってから、ようやく認め始めるのではないでしょうか」とAさん。今できるのは「その時」に備えることだけ、とデータの保存に余念がない。 そして、子どもを連れて避難したいと願う親への金銭的補償が早く用意されることを願っている。「20km圏内の方々はきちんと補償してもらっているのに、どうして自主避難には補償がないのか理解できません。避難に要した実費だけでも補償して欲しいです」。 (了)  

東京第一原発事故前の放射性物質の降下物の最高値と、大人が1日食品から取った放射性物質の最高値

 原子力安全委員会の資料「環境放射線モニタリング指針解説と現行指針解説の対照表」に、1975年~2005年までに、日本全国に降った放射性物質の平均値と、大人が1日食べた放射性物質濃度の平均値が掲載されています。 環境放射線モニタリング指針解説と現行指針解説の対照表 原子力安全委員会  1975年から2005年までの、日本全国に降った放射性物質の最高値は、1986年チェルノブイリ原発事故の当年のセシウム137で10ベクレル/㎡です。ストロンチウム90については、1977年の2ベクレル/㎡から徐々に下がり、チェルノブイリ原発事故当年の1986年に一時的に0.2ベクレル/㎡に上昇しました。  大人が1日に食べた放射性物質濃度の最高値は、大気圏内核実験禁止条約締結(1963年)から12年後の1975年で、セシウム137は大人1日0.22ベクレル、ストロンチウム90は大人1日0.09ベクレル食べていました。  また、チェルノブイリ原発事故後の1987年にはセシウム137は大人1日0.2ベクレル、ストロンチウム90は大人1日0.1ベクレル食べていました。一度の、それも4号機1機の原発事故である、チェルブイリ原発事故後が、1975年と同等のセシウム137の摂取量となったことに注目する必要があります。  セシウム137を1日2ベクレル食べれば、チェルノブイリ原発事故後の最大値の10倍、ストロンチウム90を1日0.4ベクレル食べれば、チェルノブイリ原発事故後の最大値の4倍食べることになります。  チェルノブイリ原発事故は1986年4月26日に起きました。チェルノブイリ原発事故後7年後の1992年に日本の女性の甲状腺患者のピークが見られます。  しかし、15-19歳の女性、20-24歳の女性の甲状腺がんの患者数はチェルノブイリ原発事故後3年後の1989年から急増しています。福島県での甲状腺がんの子どもたちの多発年齢と一致しているように思えます。  日本政府、福島県は早急に、誠実な対応をするべきだと思います。  チェルノブイリ原発事故で被災したベラルーシの各州で、原発事故の起きた1986年から1992年までの7年間の小児甲状腺がんの発症数のグラフが以下です。汚染のひどかったゴメリ州では事故から3年後に小児甲状腺がんが早くも増加しています。    こんなものを食べてはいけないにもかかわらず、朝日新聞、福島コープは福島県の住民はセシウムを「1日たった4ベクレルしか食べていない」と報道しました。 『福島の食事、1日4ベクレル 被曝、国基準の40分の1』2012年1月19日 朝日新聞朝刊  これは犯罪であると思います。

東京第一原発から放出された球体セシウム微粒子 気象研究所 足立光司氏ら 2011年3月14日~15日

 気象研究所 環境・応用気象研究部の足立光司氏、梶野瑞王氏、財前祐二氏、五十嵐康人氏が、2013年8月30日のScientific Reports誌に、東京第一原発から放出された放射性物質が球体の粒子状となって、筑波の気象研究所にも飛んで来ていたことを発表しました。  その微粒子の主な成分は放射性セシウムであり、イメージング・プレート(IP)という手法で、放射性物質がわかるように可視化すると、特に2011年3月14日~3月15日、3月20日~3月21日に大量の放射性物質の微粒子が大気中を舞っていたことがわかりました。 Emission of spherical cesium bearing particles from an early stage of the Fukushima nuclear accident Kouji Adachi, Mizuo Kajino, Yuji Zaizen & YasuhitoIgarashi 20130612      この球状セシウムの微粒子は、Cs(セシウム)とともに相当量のFe(鉄)とZn(亜鉛)および少量のCl(塩素)、Mn(マンガン)、O(酸素)を含んでいました。直径は2.6マイクロメートル。この球状微粒子の密度を2.0g/cm3と仮定すると、微粒子の質量の5.5%がセシウムです。  またこの球状の微粒子たった1個にセシウム134が3.31 ± 0.06 ベクレル、セシウム137が3.27 ± 0.04ベクレル含まれていました。  この微粒子が鼻腔につけば、鼻血が、咽頭奥につけば長引く空咳が続く可能性があります。  大阪で放射能汚染がれきが燃やされて、焼却場周辺の住民に、鼻血、空咳、目の痛み、かゆみ、胸の息苦しさ、皮膚のかゆみ、ぴりぴりした感じがでています。放射能汚染がれきを燃やしたため、2011年3月15日と同様な金属微粒子が焼却場から飛び散った可能性があります。   以下は、たまあじさいの会の中西四七生さんが作成された資料です。たまあじさいの会とは、東京都の多摩地区400万人のゴミを最終処分するために東京都西多摩郡日の出町(人口約15,000人)に作られた、2つの巨大ゴミ最終処分場が、いかに周辺の環境を汚染し、住民の健康被害を引き起こしているか調査、報告している団体です。 『市民による日の出処分場の大気汚染に関わる周辺環境調査 たまあじさいの会』 『市民による日の出処分場の大気汚染に関わる周辺環境調査 たまあじさいの会 第二次の活動の取り組み(2003年3月~)』  ゴミ焼却場から出される微粒子のほとんぼは、PM2.5(2.5マイクロメートル以下の物質という意味)よりも小さく、その割合は質量比で全体の35%。つまり、焼却場から出る煤塵(ばいじん)のほとんどがPM2.5なのです。放射能がれきを大阪で燃やせば、また、放射性セシウムを中心とする、セシウム球ができます。その直径は2.6マイクロメートルほどである可能性が大きいです。この直径2.5マイクロメートル以下の微粒子はバグフィルターでも十分に捕捉することができず、境中に放出されていきます。環境省のいう、99.9%の煤塵(ばいじん)をバグフィルターで捕捉できる、の議論はでたらめです。焼却場ではバグフィルターが詰まり始めたときに、付着した煤塵(ばいじん)を払い落す時に、2.5マイクロメートル以下の微粒子の捕捉ができなくなるからです。  大阪府、大阪市は『美味しんぼ』に抗議するよりも先に、ハイボリューム・バキューム・エアサンプラーで、放射能汚染がれきを燃やしているときの大気を補足し、その大気中にセシウム球があるか、ないかを調べるべきだったのです。それを空間線量のマイクロシーベルト/時で「がれきを燃やしても空間線量は上がっていない」などと問題のすり替えをするべきではなかった、と思います。  参考:ハイボリューム・エアー・サンプラーに関する資料 内部被ばくを考える市民研究会『つくば市内における放射性物質及び放射線の測定 国立環境研究所』         

飲食セーフティーネットワーク第9回シンポジウム 5月25日(日) 14:00pm 東京・半蔵門

[ 2014年5月25日; 2:00 PM to 7:00 PM. ] 飲食セーフティーネットワーク第9回シンポジウム<2 周 年 特 別 企 画>~食と現実を見つめ日本の未来を考える~ 13:30 開場 (第一部)14:00 エリオ・ロカンダ・イタリアーナ 味方泰宏 挨拶14:05 飲食セーフティーネットワーク代表 藤井悠 挨拶14:10 登録店舗 挨拶14:15 <西里ふゆこ ドイツ民営放送ZDFプロデューサー>食について。ふくしまの嘘vol.2のノーカット版上映と、撮影の裏話 15:00 <川内博史 元衆議院文部科学委員長>食について。福島第一原発潜入時の動画上映と解説。東京電力と国の対応。15:45 <森ゆうこ 元文部科学副大臣>食について。事故当時の放射能対策。政権内部の様子。同僚議員の行動。給食アクション。国民に出来る事。16:30 質疑応答 休憩 (第二部) 司会進行 上杉隆 NOBORDER代表17:00 <鳩山由紀夫 元内閣総理大臣>      基調講演。食について。鳩山政権時代目指した事など。17:30 シンポジウム 「食と政治」鳩山由紀夫・孫崎享・八木啓代・森ゆうこ・西里ふゆこ・川内博史おしどりマコケン・大貫康雄・木内孝胤・川根眞也・味方泰宏・藤井悠 他 19:00 懇親会 満員御礼です。

ちくりん舎(NPO法人市民放射能監視センター)2014年度の総会 5月25日(日)13:30 東京・立川

[ 2014年5月25日; 1:30 PM to 4:45 PM. ]  2014年度の総会を開催いたします。ぜひご参加ください。なお後日改めて総会の資料とともにご案内の通知をお送りいたします。  日時:2014年5月25日(日) 場所:女性総合センター・アイム 第二学習室      (JR立川駅徒歩7分) 内容:13:30~15:30 活動報告会(3団体)                  ①内部被ばくを考える市民研究会                  ②多摩川流域ネット                  ③チャイるのネット                  ④たまあじさいの会      15:45~16:45 2014年度総会

原発事故後、双葉町、丸森町の住民には鼻血が多かった 中地重晴氏(熊本学園大)ら

 「(2013年)8月28日、岡山大学大学院環境生命科学研究科のご協力により、住民の健康状態に関する調査の報告会を実施いたしました。これは、昨年の11月、双葉町、滋賀県長浜市旧木之本町及び宮城県丸森町の住民を対象に調査を行い、比較検討を行ったものであります。町民の健康状態については、他の自治体の住民と比べ様々な疾患の多発が認められ、さらに精神的な症状を訴える方が多くなっているという報告をいただきました」 ー双葉町 平成25年双葉町議会第3回定例会行政報告 伊澤町長 2013年9月18日 中地重晴氏(熊本学園大)、津田敏秀氏(岡山大学大学院環境生命科学研究科)、頼藤貴志氏(同)、鹿嶋小緒里氏(広島大学医学部)が行った、双葉町の住民の健康把握のための疫学調査 『水俣学の視点からみた福島原発事故と津波による環境汚染』中地重晴(熊本学園大学社会福祉学部教授 環境化学、環境マネジメント論、リスクコミュニケーション) より (11)双葉町民の健康調査の中間報告 岡山大学大学院環境生命科学研究科の津田敏秀氏,頼藤貴志氏,広島大学医学部の鹿嶋小緒里氏と共同で,双葉町の町民の健康状態を把握するための疫学調査を実施した。  調査の目的は,2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により,近隣住民の健康影響への不安が募っている。福島県においても福島県立医科大学を中心として,県民健康管理調査が行われているが,様々な問題点が指摘されている。今回,我々は,県民健康管理調査ではカバーされていないと思われる様々な症状や疾患の罹患を把握すること,比較対照地域の設定をしっかりと行うことを通して,どのような健康状態が被ばくや避難生活によるものかを評価・検証することを目的として調査を行った。  福島県双葉町,宮城県丸森町筆甫地区,滋賀県長浜市木之本町の3か所を調査対象地域とし,事故後1年半が経過した2012年11月に質問票調査を行った。所属する自治体を一つの曝露指標,質問票で集めた健康状態を結果指標として扱い,木之本町の住民を基準とし,双葉町や丸森町の住民の健康状態を,性・年齢・喫煙・放射性業務従事経験の有無・福島第一原子力発電所での作業経験の有無を調整したうえで,比較検討した。  多重ロジスティック解析を用いた分析結果は,主観的健康観(self-rated health)に関しては,2012年11月時点で,木之本町に比べて,双葉町で有意に悪く,逆に丸森町では有意に良かった。更に,調査当時の体の具合の悪い所に関しては,様々な症状で双葉町の症状の割合が高くなっていた。双葉町,丸森町両地区で,多変量解析において木之本町よりも有意に多かったのは,体がだるい,頭痛,めまい,目のかすみ,鼻血,吐き気,疲れやすいなどの症状であり,鼻血に関して両地区とも高いオッズ比を示した(丸森町でオッズ比3.5(95%信頼区間:1.2,10.5),双葉町でオッズ比3.8(95%信頼区間:1.8,8.1))。2011年3月11日以降発症した病気も双葉町では多く,オッズ比3以上では,肥満,うつ病やその他のこころの病気,パーキンソン病,その他の神経の病気,耳の病気,急性鼻咽頭炎,胃・十二指腸の病気,その他の消化器の病気,その他の皮膚の病気,閉経期又は閉経後障害,貧血などがある。両地区とも木之本町より多かったのは,その他の消化器系の病気であった。治療中の病気も,糖尿病,目の病気,高血圧症,歯の病気,肩こりなどの病気において双葉町で多かった。更に,神経精神的症状を訴える住民が,木之本町に比べ,丸森町・双葉町において多く見られた。  今回の健康調査による結論は,震災後1年半を経過した2012年11月時点でも様々な症状が双葉町住民では多く,双葉町・丸森町ともに特に多かったのは鼻血であった。特に双葉町では様々な疾患の多発が認められ,治療中の疾患も多く医療的サポートが必要であると思われた。主観的健康観は双葉町で悪く,精神神経学的症状も双葉町・丸森町で悪くなっており,精神的なサポートも必要であると思われた。これら症状や疾病の増加が,原子力発電所の事故による避難生活又は放射線被ばくによって起きたものだと思われる。  宮城県丸森町は,福島県境に接しており,福島原発事故による放射能汚染地域であり,住民には,放射能汚染脳汚染に関するストレスがかかっており,双葉町民と同様の健康障害が出てきていると考えられる。今後は,この調査と双葉町が実施した動向調査(3月12日から3月中の避難先の記録)から外部被ばくを相対化し,被ばく量との関係を評価する予定である。本年5月28日に,双葉町のほぼ全域が「帰還困難区域」に指定され,町民は,自宅に5年以上戻れないという宣告を受けた。避難生活が長引く中で,健康管理をどのように進めていくのか,継続して調査したり,町への支援を続けていく予定である。         双葉町は平成25年双葉町議会第3回定例会行政報告

福島取材で鼻血と若田光一船長の毎日1mSv被ばく

 福島に取材に入ったために鼻血がでるなら、毎日1mSv被ばくした、宇宙から帰還した若田光一船長は毎日鼻血を出すはずだ、という議論がありました。はい、若田光一氏が鼻血を出す事はありませんでした。  宇宙飛行士は鼻腔の粘膜に、放射性物質が入ってくることはありませんし、宇宙食が放射性物質で汚染されていない限りは、体内の放射性物質の濃度が上がる事はありません。  しかし、福島では福島市や郡山市でも大量の放射性物質が土中にあり、風とともに土ぼこりが舞いあがります。2013年10月1日福島駅前のイトーヨーカドーで購入した、福島県産梨を測定したところ、セシウム137が2ベクレル/kg検出されました。福島県に住み、福島県産の野菜、果物、肉を摂り続けていけば、鼻腔の粘膜に放射性物質がつき、血管の内側にアテローム硬化が起きる可能性があります。  それが鼻血の原因となっていると思います。  放射線医学総合研究所の市川龍資元副所長が、ビキニ事件の第五福竜丸の乗組員にも鼻血が出るという健康影響は出ていないと言っています(2014年5月13日 毎日新聞朝刊)。これはでたらめです。  ビキニ事件の被ばく者、第五福竜丸の乗組員、大石又七さんが書かれた、『ビキニ事件の真実』みすず書房2003年 のpp.41にこういう記述があります。 「しかし、被爆から6週間が過ぎた頃から、急にこれまで感じていなかった『だるさ』が襲ってきた。骨髄が放射能に犯され、白血球、赤血球、血小板が激減してきていたのだ。 耳や腕、骨髄穿刺で胸骨、腸骨、背骨からも骨髄細胞を何度も取り出しては検査する日々がつづいた。通常15万前後ある骨髄細胞数が1万から2万台、白血球数は健康な人で7000から8000あるものが1000を割って100台に下がるものも出てきた。 赤血球も400万以下に激減してきた。血小板は血液の凝固に欠くことができないもの、通常20万から90万が1万から2万に減り、そのため腹中出血が血便となって出てきた。発熱と同時に、鼻血、歯茎からの出血、皮下出血。腸や腎臓からの出血も認められるようになり、下痢もなかなか止まらない。放射線の影響をいちばん受けやすい生殖細胞は、当然のように数百に減った者や、無精子の者まで出てきた。」 -大石又七『ビキニ事件の真実』みすず書房2003年 pp.41  また、pp.38にはビキニ事件の被ばく者、第五福竜丸の増田三次郎さんの体調悪化について、以下の記述があります。 「現在のところ、生命の心配はないが、長い将来にかけてはガンの発生も懸念される。また、化学分析の結果では、ジルコニウム、ニオブ、テルル、ヨウ素、中でも強力なベータ線を出し半減期29年という持続性を持つストロンチウム90の存在がほぼ確かめられたので、これを有効に体外に取り出す方法がない現在、極めて心配だ。」同書 pp.38 「(1954年)3月27日、白血球数が2000台に下がっている者が3人、この3人の体表放射能は、上頭部が毎時2.4ミリレントゲン(=21マイクロシーベルト/時)であった。増田三次郎さんの頭髪には6~9ミリレントゲン(=52~78マイクロシーベルト/時)、自らの頭から約15000カウントの放射能を出していた。」同書 pp.38-39  ちなみに、原発事故当時、福島県で原発周辺から避難された方が、からだ表面の放射能汚染をスクリーニング検査で測定されています。その時に13000カウント(cpm)を超える数値が出たかたは2011年3月12日および3月13日だけで901人います。13000カウント(cpm)は甲状腺等価線量100ミリシーベルトに相当すると、原子力安全委員会も認めていたため、この13000カウントを除染基準としていたのですが、福島県は除染に使うお湯が作れない、寒さから除染に伴う健康被害の方が大きい、という理由で、除染基準を10万カウント(cpm)に引き上げてしまいます。2011年3月14日からです。それでもこの10万カウント(cpm)を超える被ばくをした方が102人いた、と報告されています。 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会 中間報告 20111226  つまり、福島県住民でも、ビキニ事件の被ばく者と同じ程度の被ばくをした方がいる、ということではないでしょうか?ビキニ事件の被ばく者が、のちに「だるさ」を覚え、発熱と同時に、鼻血、歯茎からの出血、皮下出血。腸や腎臓からの出血もあったように、福島の住民の中にも同じ症状を訴える者がいても何ら不思議ではありません。  これを、福島県も、双葉町も、環境省も、認めないのです。まさに、内部被ばく無視の住民切り捨てだと思います。彼らは被ばく者が死ぬのを待っているかと、疑いたくなります。  だいたい、ミリシーベルトで住民の健康被害を想定すること自体、間違っています。外部被ばくと内部被ばくを足し算で考えることなど、人体の仕組みをまったく無視する暴論です。  宇宙飛行で188日間いた若田さんは188ミリシーベルト相当を外部被ばくしたことになります。しかし、宇宙飛行で188ミリシーベルト浴びるのと、年間1ミリシーベルト超えの福島県の地域で生活するのとを比べると、年間1ミリシーベルト超えの方がリスクが明らかに高いです。それがベラルーシ、ウクライナ、ロシアの現実です。  ビキニ事件で被災した方がた、チェルノブイリ原発事故で被災した方々、の健康被害にしか、本当の真実はありません。

5.21福島県に抗議する緊急記者会見・市民集会のお知らせと参加の呼びかけ

[ 2014年5月21日; 6:30 PM to 7:45 PM. ] 5.21福島県に抗議する緊急記者会見・市民集会のお知らせと参加の呼びかけ 日時: 5月21日 18時開場・18時30分開始  (19時45分終了予定) 場所: 参議院議員会館 Bー103室  (会館ロビーで当メンバーが受付をお待ちしています) 参加者:山本太郎 井戸謙一(ふくしま集団疎開裁判弁護団)     ノーム・チョムスキー(メッセージ)、    キャサリン・ハムネット(メッセージ)    アナンド・グローバー(メッセージ) 主催: ふくしま集団疎開裁判の会  4月28日・5月12日「週刊ビッグコミックスピリッツ」の「美味しんぼ」の表現に対し、福島県が表明した抗議文『週刊ビッグコミックスピリッツ「美味しんぼ」に関する本県の対応について』に対し、本日(5月15日)、下記の4団体が抗議を福島県に申し入れました。  会津放射能情報センター 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト・郡山 ふくしま集団疎開裁判の会  しかし、その後も、「美味しんぼ」の表現に対する政府閣僚、政治家からの抗議、批判が相次ぎ、それを「王様の飼い犬」たちが「鼻血、聞いたことない」などとヒステリックに報道しています。 「福島の真実」の可能性を持つ少数意見を、このように頭から根拠のない噂=風評として葬り去ろうとする排除の姿勢は、表現の自由に対する由々しい侵害であり、民主主義の基盤である「自由な言論と討論の広場」を破壊する言論の最悪の抑圧です。  そこで、福島県に対する抗議に続いて、5月21日、参議院議員会館で緊急記者会見を開催します。 その場で、3.11以来、いわれのない鼻血、免疫力の低下、慢性疲労症候群、めまい等で苦しんできた福島の人々の声を日本と世界に伝えたい、また、ノーム・チョムスキーやキャサリン・ハムネットなど世界の良識ある人たちが、今回の騒動をどう見ているのか、報告したいと思います。  政府の過ちを最終的にただせるのは私たち市民だけです。 私たちと一緒につながりましょう。 みなさまのご参加をお待ちしています。

「美味しんぼ」と「脱ひばく」を合言葉に 2014年5月16日 松井英介

「美味しんぼ」と「脱ひばく」を合言葉に 2014年5月16日 松井英介   はじめに   被災者の訴え=自覚症状を無視してはいけません    「美味しんぼ」が、新しい話し合いの渦を産みだしています。多くの人びとの関心が、双葉町をはじめとする被災現地の人びとの苦難に寄せられています。この機会に、あらためて3.11事故がもたらした、健康といのちの危機について、話し合い考え行動することができれば良いと思います。私は一臨床医ですから、私の日常は、患者さんの訴えを訊くことから始まります。訴えの多くは、ノドが痛い、目がかゆい、息が苦しい、むねやけがする、脈がとぶなど、何らかの自覚症状に関することです。その意味で、自覚症状は、患者さんが苦しめられている実態を示す、とても大切なものです。 今回「美味しんぼ」に登場し、話題になっている鼻血やひどい疲労感も、これら自覚症状のひとつです。テレビや新聞に登場する人の中には、そんなものはなかったとか、“風評被害”を煽るものだとかいう人もいるようですが、それらの人々は苦しんでいる被災現地の人びとを思いやる心がないのかと疑ってしまいます。現に苦しんでいる人がいるのに、それらの訴えは仮病だとでもいうのでしょうか。 3.11事故によってふるさとを奪われ、不自由な仮設住宅や借り上げ住宅暮しをしなければならなくなって、また、見知らぬ地に移り住まざるをえなくなって、すでに3年以上。全国各地に数万人、岐阜にも300人ほどの方が移り住んでいらっしゃいますが、多くの場合家族ばらばらの不自由な暮らしを強いられています。これら、今まで経験したことがない状況の下で苦しんでいる人びと、とくに子どもたちに想いを馳せることが、いま最も求められていることではないのか、私は思います。   異様な「美味しんぼ」攻撃  今回私は全く偶然に「美味しんぼ」の作者たちと出会ったのですが、それから1年以上おつきあいしてみて、ある感銘を覚えています。それは、雁屋哲さんと編集部の方たちが、じつに丹念な取材を重ね作品を仕上げられる、その姿勢に対してです。私への取材も昨年の秋から今年にかけて、随分長い時間がかかりました。私も忙しい毎日でしたが、私を惹きつけて離さない力が彼らにはありました。それが、30年もつづいてきた「美味しんぼ」人気の秘密かもしれません。 今回の「美味しんぼ」攻撃の特徴は、東電原発事故の原因をつくった日本政府が乗り出していることです。菅義偉官房長官、石原伸晃環境大臣、環境省、石破茂自民党幹事長らが舞台に上がりテレビメディアにも登場しています。橋下徹大阪市長や佐藤福島県知事らは“風評被害”などというわけのわからない言葉を使って、「美味しんぼ」の内容があたかもウソであるかのように印象づける発言をしています。 「美味しんぼ」に描かれていることは事実です。 被災者が実際に経験した自覚症状など具体的事実を元に表現された作品に対する、権力者のこのような対応は、国家権力主導の異様なメディアコントロールだと言えるのではないでしょうか。 東電と国による言論・表現の自由の圧殺    3.11事故は、多額の税金を使いながら巨利を貪ってきた東電関連原子力産業と国策として原発を推進してきた日本政府におもな責任があるので、彼らがまず被害を受けた福島県をはじめとする汚染地域の住民に謝罪し、賠償すべき事柄です。それが、あろうことか、あたかも住民の健康被害はなかったがごとく言い募り、住民の立場から福島の過酷な現実を活写した「美味しんぼ」を攻撃するという挙に出ているのです。彼らの行いは「美味しんぼ」の抹殺と作者の口封じであり、言論と表現の自由の圧殺に道を開くことものだと言えましょう。 3.11事故によって最も甚大な被害をうけ全町民と役場が避難を余儀なくされた双葉町は、「差別助長」「風評被害」を謳い文句にした抗議文を「美味しんぼ」の出版社小学館に出しました。住民のいのちと生活を守るために活動すべき第一線の自治体として、同町と町民の苦難の現実を、また井戸川克隆前町長と伊澤史朗現町長の今までの努力と実績を、全国民に知らせる良い機会にすることもできたであろうに、まことに残念の極みです。 双葉町は井戸川克隆前町長の時に、疫学調査を行っており、町民が訴えた症状は鼻血のみに留まらず、様々な自覚症状が記録されています。 この問題に関して放射線防護の研究者、野口邦和・安斎育郎両氏は、2014年4月29日付毎日新聞紙上で、「被ばくと関連ない」「心理的ストレスが影響したのでは」と述べています。お二人は、血小板が減少し全身の毛細血管から出血するような、1シーベルト以上の大量急性被曝を、鼻血や全身倦怠感など自覚症状発症の条件だとしています。このような考え方は、残念ながら彼らに特異的な事柄ではなく、広く一般の臨床現場の医師にもある誤った認識です。その論拠は、後述する「被曝の健康リスクを知り知らせる」の項をご参照ください。 「低線量」放射線内部被曝を理解して患者さんの自覚症状に耳を傾ける    「美味しんぼ」でもご紹介しましたが、私たちの身体の70%以上は水です。その水の分子をイオン化放射線は切断して、細胞の中に、水酸基や過酸化水素など毒性の強い物質を生成します。これらの毒が粘膜や毛細血管の細胞、さらに遺伝子やDNAを傷つけるのです。この現象をバイスタンダー効果といいますが、このような放射線がもたらした間接効果の方が、放射線そのものによる直接効果より、健康影響は大きいことがわかってきています。 遺伝子不安定性の誘導だとかエピ・ジェネティックスといわれる現象も、最近の分子生物学の成果です。 「低線量」放射線内部被曝の健康影響を、私たちは十分理解した上で、住民の方々の訴えについて考える必要があるのではないでしょうか。後で述べるように、アスベストとか有害な化学物質との複合作用も重要です。 様々な自覚症状を訴える被災者の方々が相談にこられたとき、このような“専門家”や医師の心ない対応が、新たなストレスになることを、私たちは肝に命じなければならないと、日々、自分に言い聞かせております。 心理的ストレスといわれるものも、元をたどれば、その原因は3.11東電原発大惨事にあるのですから、患者さんの自覚症状や訴えを頭ごなしに否定するのではなく、まず虚心に耳を傾けることから始めるべきではないでしょうか。 3.11事故によって生活環境に放出された放射性物質の処理    3.11事故によって自然生活環境に放出された放射性物質は、東電が自らの産業活動の過程で排出したいわば産業廃棄物だと私は考えます。ですから東電が自らの責任において、処理するのが原則です。放射性物質はできるだけ拡散させず、1ヶ所に集めて、言うならば事故を起こした原発の敷地内に集めて管理・処理するべきです。  大量の人工放射線微粒子とガスは、今も出つづけていますが、これら様々な核種は県境を超えて拡がり、地形や気象状況によって、福島県だけでなく東北・関東地方などにもホット・スポットを形成しました。日本政府は、これら人工核種によって汚染された岩手県と宮城県のガレキと呼称される汚染物を、汚染が少ないからよいとして日本各地の自治体に受け入れさせて、処理してきました。大阪府もそれら自治体のひとつでした。前述したように、放射性物質を広く拡散させることは厳に慎むべきことで、一点に集中して管理・処理するのが原則です。このような日本政府の放射性核種拡散政策は根本的な誤っています。しかし政府はそれを強行し、大阪府はその処理を受け入れてしまいました。このことによって、福島県など高度汚染地域から避難してきた母と子が、二度目三度目の避難・移住を強いられる事例がでてきているのです。 「大阪おかんの会」の健康調査と大阪府放射性物質濃度調査の問題点    大阪府のガレキ処理による健康影響について熱心に調査を続けてきたお母さんたちがいます。  「大阪おかんの会」http://ameblo.jp/osakaokan2012/ 大阪府が本格焼却を始めた2013年2月以降4月19日までの集計結果は次のようです。報告人数797名/自覚症状総数1826=2.29(一人あたりの平均発症数)① 喉の異常・咳・痰…585② 鼻の異常…鼻水・痛み188+鼻血97=226③ 眼の痛み・かゆみ…272④ 頭痛…135⑤ 皮膚の異常…80[皮膚の症状:痒み、ピリピリする、発疹、吹き出物(全身)]⑥ 肺、気管支の異常・息苦しい…86⑦ 心臓・動悸・胸痛…71⑧ 倦怠感…55⑨ 発熱…53⑩ 腹痛・下痢…38⑪ 吐き気…31⑫ 骨・筋肉、関節…23⑬ 耳、めまい、ふらつき…36 [耳の症状:痛み、耳鳴り、聞こえが悪い(喉、鼻にも異常有り)など]⑭ 眠気、ヘルペス、痙攣、その他…61  その他注目すべきこととして、つぎのようなことが挙げられます。1.避難してきていた人たちが、避難する前に感じたことや症状が同じと感じた。2.臭いがひどい、喉が痛くなるなどでしていたマスクに赤い色が付いた。3.最初は中国からのPM2.5かと思った。しかし強い臭いがし、黄色いような色が着いたものが流れてきて中国からのものでないと思った。  橋下徹大阪市長は、これら「大阪おかんの会」の調査結果を無視し、大阪府市の住民の健康といのちを軽視した妄言を繰り返しています。住民のいのちを守る市長としては、失格だと言わざるを得ません。 大阪府は、ガレキ処理に際して調査した放射性物質濃度の測定結果を発表しています。それによれば2012年10月31日に採取された災害廃棄物の放射性セシウムの濃度がキログラムあたり8ベクレル。また、2012年11月30日に採取された飛灰の放射性セシウムの濃度は、それぞれキログラムあたり37~38ベクレル。 飛灰の基準値は大阪ではキログラムあたり2000ベクレル(日本国の基準値は3.11事故後2011年6月3日8000ベクレルとした)ですが、基準値そのものに、胎児や子どもの基準値を示さないなど重大な問題点があります。 ドイツ放射線防護協会は、乳児、子ども、青少年に対する一キログラムあたり4ベクレル以上の基準核種セシウム137を含む飲食物を与えないよう推奨」しており、それに比べると、38ベクレルは10倍近い値。身体に影響が無いとは、断定できません。 松井英介著「見えない恐怖―放射線内部被曝―」(2011年)旬報社刊  ガレキを汚染した人口放射性核種に関しては、放射性セシウムが測定されているだけです。後述するように、ストロンチウム90など、全ての人工核種の検査が、放射線による健康影響調査には不可欠です。 加えて私たちが見落としてはならない大切なことは、それら人工放射性核種とアスベストや有害な化学物質との複合汚染による健康影響があるということです。 「低線量」内部被曝の健康リスクを知り知らせる    3.11事故現場から生活環境に放出された人工放射核種について日本政府が発表したデータで、宮城県南隣、福島県相馬市でセシウム137(137Cs)の1/10のストロンチウム90(90Sr)を検出されています。しかし、土や食品に含まれる放射性セシウム以外の核種についての検査はほとんどなされておらず、ストロンチウム90(90Sr)をふくむ全ての人工放射性核種の検査が健康影響評価には不可欠です。呼吸や飲食で体内に入ったストロンチウム90(90Sr)は、カルシウムとよく似た動きをするため、骨や歯や骨髄に沈着し、セシウム137(137Cs)の何百倍も長い時間、すなわち数年~数十年間排出されず、骨髄中の血球幹細胞を障害しつづけます。その結果胎児の発達が障害され、白血病など血液疾患発症の原因となります。 私たちの細胞60兆個の元はたった一個の細胞=受精卵。約10ヶ月で脳眼鼻耳手足心肝などの細胞に分化します。胎児は放射線感受性が高いことを学校で教えるべきです。人工放射性物質はゼロ!放射性汚染物の処理は東電事故現場一点集中が原則です。私たちは、記録を将来にわたって継続するため、最近「健康ノート」を発刊しました。  低線量放射線被曝の健康影響は、まだ不明な点が多いなどと言う研究者もいますが、そんなことはありません。低線量放射線のとくに内部被曝による健康障害に関する多くの調査研究結果がすでに集積されています。低線量被曝による身体への影響は、2009年に発表されたニューヨーク科学アカデミーの論文集にも、チェルノブイリ事故後の多くの実例が紹介されています。また、通常運転中の原発から5km圏内に住む5歳以下の子どもたちに2倍以上白血病が多発しているという、ドイツで行われた疫学調査結果も重要です。 今後日本で放射線による健康影響を調査して記録していく上で不可欠の条件は、まず、生活環境に出た全ての人工放射性核種を調べ、それら核種の放射線量をベクレルで表示することです。そして、それらデータと自覚症状を含む病状、そしてさまざまな検査結果との関係を記録し解析することが必要です。 また、年間100ミリシーベルト閾値に関しては、「全固形がんについて閾値は認められない」とした放射線影響研究所の2012年疫学調査結果報告「原爆被爆者の死亡率に関する研究第14報 1950-2003年:がんおよびがん以外の疾患の概要」に注目すべきです。  おわりに   「脱ひばく」を合言葉に、チェルノブイリ法、国連人権理事会特別報告者報告と勧告、IPPNW声明を、子どもたち=次世代に伝えましょう    1991年成立したチェルノブイリ法の基本目標はつぎのようなものです。すなわち,最も影響をうけやすい人びと、つまり1986年に生まれた子どもたちに対するチェルノブイリ事故による被曝量を、どのような環境のもとでも年間1ミリシーベルト以下に、言い換えれば一生の被曝量を70ミリシーベルト以下に抑える、というものです。 2013年5月に公表された国連人権理事会特別報告者報告と勧告、そしてそのすぐ後に出された核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の声明は、日本政府の提唱する年間20ミリシーベルトは容認できないとし、被曝線量を最小化するためには、年間1ミリシーベルト以上の地域からの移住以外に代替案はないとしました。 3.11以降想像を絶する苦難を押し付けられた双葉町をはじめとする被災現地の人びとの現状を知り、人びとが家族や地域の人間関係をこわすことなく、汚染の少ない地域にまとまって移り住み、働き、学ぶ条件を整えることが、求められています。 「脱ひばく」すなわち「子どもたち=次世代にこれ以上の被曝をさせない!」を合言葉に、「美味しんぼ」に関心を寄せる良心の若者を総結集し、活動の輪を大きく拡げましょう。 <健康ノートについて > 川根 眞也  2部作で、1部は資料編、もう1部はカルテ編です。資料編には、東京第一原発事故からの経過のメモ、2011年3月11日からの福島県および関東・東北地方の天気、放射能プルームが襲った地域、福島県の心臓疾患および脳血管疾患による死亡率の増加と放射性降下物との関係、など掲載しています。  税込価格 840円です。 健康ノートご注文先は 垂井日之出印刷  TEL:0584-22-2140  FAX:0584-23-3832  ■取扱い書店■ 取扱い書店を募集しております。 (問い合わせ)kawaneアットマークradiationexposuresociety.com 内部被ばくを考える市民研究会 <愛知県名古屋市> ほっとブックス新栄 〒461-0004名古屋市東区葵1丁目22-26 TEL:052-936-7551  

―被災者に寄り添ってー 今福島から・・・ 私たちは何ができるかを考える 5/17 17:30 東京・東村山市

[ 2014年5月17日; 5:30 PM to 8:30 PM. ] 講演シンポジウム  ―被災者に寄り添ってー 今福島から・・・ 私たちは何ができるかを考える   日時: 5月17日(土) 17:30~20:30 講師:  「沈黙のアピール」呼びかけ人 代表 佐々木慶子氏   福島の声               森園かずえ氏 ゴフマン研究会          蔵田計成氏 場所:東村山市立中央公民館 (第1・第2会議室)    東村山市本町2丁目33番地2    ☎042-395-7511    西武新宿線東村山駅東口3分  資料代:500円 主催 :517シンポジウム実行委員会 (連絡先:080‐3411‐3982)     「同じ被災地でも福島に入ると希望の光が見えない」と言った人がいるそうです。   2重の意味で先が見えなくなっています。一つは、子供たちの健康問題です。すでに甲状腺がんの子供が74名見つかり、チェルノブイリでは5年後に6000人ががんになっていたという話を聞くと、震災後3年たっても心配がつのるばかりです。  もう一つは、政府がとる支援策です。被災者支援のための復興資金を役人が流用したり、被災者の声を無視した箱もの事業への資金投入などが行われています。  国の政策は、今もなお空間線量が高い地域に、根拠なく「安全だ」を掲げて“帰卿”させることが柱となり、避難者への支援策の打ち切りが図られようとしています。  未曾有の大惨事から3年。「今福島では」を、お二人の方からお話を伺います。  次にこの福島に対して、私たちが東京や全国から何ができるのかも考えてゆきます。  国や福島県は、偽りの安全宣言のために、被爆による影響を隠そうとしています。  この影響隠しに協力しているのが、山下俊一長崎大学副学長などの医療専門家です。彼らは、事故直後、甲状腺疾患を防止できる安定ヨウ素剤の配布をやめさせました。  現状、100万人に一人と言われた甲状腺がんが、多発状態になり、配布をやめさせた判断の誤りが明らかになっています。それどころか今般福島県立医大の関係者や家族に、ヨウ素剤を配布していたことが分かりました。  市民に配布する必要はないとし、自分たちだけはちゃっかり服用していました。  韓国船の船長が、船内放送で、室内で留まるようにと指示しながら自分たちだけ、船外に逃れ助かろうとしたと同様の行動です。韓国では逮捕され、厳罰が待っています。日本では私たちが声を上げなければ、不正が許され今後の対策も放置されます。  県と福島県立医大のこの誤った判断の責任者として山下俊一現長崎大学副学長の公職追放などを、蔵田さんの緻密な資料を受け、話し合ってゆきたいと思います。

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