内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会

増山麗奈さん(いのちを守るお母さん全国ネットワーク)

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  内部被ばくを考える市民研究会によせるメッセージ

   私には9歳と5歳の娘が二人います。多くの親御さんたちと同じように、おっちょこちょいで頑固 な、笑顔のカワイイお姫様たちを心から愛しています。下の子はもともと夫婦とも劣化ウラン弾の被 曝が心配されているイラクに行ってから産んだ子ということもあり、放射能には敏感でした。311の 震災の2日後から産まれた時から離れた事のなかった関東を離れ、親戚のいない関西に自主避難しま した。今は多くの方の助けを借り、兵庫県の西宮に住民票を移し、子ども達はアパートから学校に通 っています。その時の私の行動がやり過ぎだと笑いとばせる日が来るといいなと思っていましたが、 事故からもうすぐ6ヶ月、楽観的なマスコミの風潮とは逆に、冷静に考えて事態は悪化の一途をたど っていると思います。

   広島型原発原発167個分のセシウム137が環境中に放出され(チェルノブイリは90個)、土壌汚染 はこの世界国土でチェルノブイリ事故後の数倍?数十倍の濃度だと言われています。福島第一原発事 故は既にチェルノブイリを超えている。しかも、この小さな国土です。今後日本ではチェルノブイリ 以上に悲惨な被害が起こるのではないでしょうか。

  チェルノブイリ事故から16年後、チェルノブイリから80kmのベラルーシの都市ゴメリでは、健康に産まれてくる赤ちゃんがたった2割弱で、多くの子ども達は心臓に健康被害を抱え、奇形児も産 まれてきます。(映画「チェルノブイリ・ハート」はぜひご覧になってください。)チェルノブイリ 事故25年たってウクライナのキエフでは、産まれた赤ん坊の9割が1年で亡くなってしまいます。 私たちの社会の宝である子ども達を守りきる事が出来るのでしょうか。

  私はなるべく汚染のひどい地域(関東含む)からは、関西以南か北海道、もしくは外国へと避難し た方がいいと考えています。今からでも遅くはない。ぜひ、より線量が低いところに避難してほしい 。既になかなか治りにくい風邪、喉の痛み、鼻血、下痢などさまざまな健康被害が出てきています。 医療機関に行ってもこれらの症状が放射線の影響であるとなかなか解明できません。でもあきらかに 去年までとは違う、そんな実感を多くのお母さんがもっていらっしゃるのではないでしょうか。

  しかし、子どもを守るには避難するだけでは十分ではありません。ガレキや、食料や、セメントな どさまざまな物流にのって放射能物質は追いかけてきます。

  とくに毎日定期的に一定量売れていく給食産業は、コストを抑えるために汚染された食べ物を使わ れやすい。横浜では8万4千人の生徒が汚染牛・および汚染された牛肉を食べてしまいました。「食 べて応援」の言葉とは逆に、福島の農家の方は通常の半額以下でこの肉を買いたたかれたそうです。 農家の顔を札束で叩き、子ども達を内部被曝させることで肥え太る原発事故処理利権システムがうま れています。外食・お菓子・給食・ペットボトル飲料・そして既に出回り始めた新米。一見昨日まで と同じのどかな日常のあちこちに、恐ろしい落とし穴があります。

  放っておいても国も、メディアも、だれも子ども達を守ってくれません。自分たちで立ち上がるし かないのです。私たちは子ども達を短期的視野での経済の犠牲にする、このような流れに終止符を打 ち、子ども達が少しでも未来に希望を持てる社会をつくっていきたいと考えています。

  私の夢はいつか子ども達に子どもが産まれて、孫と、ペットに囲まれて好きな絵を描いて暮らすこ とです。ささやかな私の夢を叶える事はとてもハードルが上がってしまいました。でも、子ども達の 体に有毒物質を少しでも入れないように、体に取り込んでしまった放射性物質を少しでも排出できる ように、子ども達が明日に希望をもてるように、ハイエナのような大人だけじゃないんだって、思っ てもらえるように、日本中のお母さん、お父さん、先生方、世界中の人々と知恵を出し合い、手をつ ないでいきたいです。

  私たちは一人じゃない。時々くじけてあきらめてしまいそうになるけれど、あきらめたらそこで終 わりです。現実を見なくなれば、大事な子どもを失い、病気になり、奇形児が産まれる確率が上がり ます。しんどいけれど、現実を直視しすこしでも子ども達を守れるように、正しい情報をシェアし、 この時代を支え合って生きていきましょう。そして、5年後、10年後、あの時はやりすぎちゃった ね、でもそのお陰で少しは社会がよくなったかもね、って一緒に美味しいものを食べながら、笑い合 える日が来ますように。  

                      増山麗奈(画家・いのちを守るお母さん全国ネットワーク)

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