内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
ブログ
  • HOME »
  • ブログ »
  • 2015年5月

2015年5月

東京第一原発敷地内地下から吹き出る水蒸気 大気のトリチウム汚染か? 2015年5月15日~5月16日

 東京第一原発敷地内地下から吹き出る水蒸気 大気のトリチウム汚染か? 2015年5月15日~5月16日  Fukushima DaiichiさんがyoutubeにUPされている、東京第一原発のライブカメラの動画があります。これはもう、地下から噴き出す水蒸気。果たして、これに放射能が入っていないなんて、さすがの原子力規制委員会も言えないでしょう。  大手マスコミが1つもこの大量に地下から噴出する水蒸気について報道しないのがおかしい。全部、大本営発表ということ?せめて東京新聞くらい取り上げるべき。 2015.05.15_13.00-16.01.Unit4side2015年5月15日 15時12分15秒 4号機あたりから真っ白い煙で覆われる。16時までずっと全画面が真っ白に覆われる。https://www.youtube.com/watch?v=zlQxD3oTbVU 2015.05.15_21.00-00.01.Unit1side2015年5月15日 21時09分44秒 4号機あたりから真っ白い煙で覆われる。23時56分51秒あたりで消える。https://www.youtube.com/watch?v=Tf4PiaLkhw4 2015.05.16_01.00-04.00.Unit4side2015年5月16日 01時29分20秒 4号機あたりから真っ白い煙で覆われる。04時までずっと全画面が真っ白に覆われる。https://www.youtube.com/watch?v=G1J4m-m7pVo  奈良の薬師寺で観測した、0.30マイクロシーベルト/時の空間放射線量率、そしてベ―タ線9cpm。これは自然放射能ではなく、5月15日~5月16日の福島から出てきた放射能プルームの可能性大です。 『奈良 薬師寺 玄奘三蔵院前にて 2015年5月16日 14:58pm 東京第一原発のプルームか?』  <おまけ>どこが最大線量9.7Sv/時なの?普通に24.9Sv/時出てます。(2015年4月10日14:16:58pm)自分の目で見て、考えない報道が多すぎる。東京新聞を信じすぎるのもだめでしょう。 2015/04/13 1号機格納容器内ロボット調査 https://www.youtube.com/watch?v=rlhbRwnDnTA    

5/30(土)5月例会のお知らせ

[ 2015年5月30日; 6:30 PM to 9:00 PM. ] 5月例会のお知らせです。 日 時 5月30日(土) 18:30〜21:00場 所 浦和コミュニティセンター第6集会室(浦和パルコ10階)参加費 会員の方300円    一般参加の方600円    高校生以下は無料 テーマ 1.参加されたみなさんからの意見交流 ※ここの部分はツィキャスしません。      18:30~19:00     2.福島の子どもたちの甲状腺がん126人 報告:川根眞也 19:00~19:30     3. 楢葉町の避難指示解除、4月7日から一時帰宅。年20ミリシーベルトまで住民帰還をめざす政府と福島県、自治体 報告:川根眞也 19:30~19:50     4. 1号機建屋カバー解体、原発から噴出する水蒸気 報告:川根 眞也 19:50~20:10     5.伊方原発の原子力規制委員会による合格証。狙われる川内原発の再稼働 報告:川根 眞也 20:20~20:50     6. 内部被ばくに関する最新情報 報告:川根 眞也 20:50~21:00       5月16日の奈良で観測されたプルーム、他  ※例会の様子を 19:00pmからTwitcasting を使って生中継します。(プライバシー保護のため、18:30~19:00はツィキャスをしません。ご了承ください)内部被ばくを考える市民研究会のアカウントはこちらです。ぜひサポーター登録&通知設定をお願いします。  ※5月は日程の関係で、5月学習会は行いません。お詫びして、御連絡します。 内部被ばくを考える市民研究会Twitterアカウント @naibuhibakushimツイキャスURL http://twitcasting.tv/naibuhibakushim ツイキャスとは?ツイキャスは、iPhone、Android、パソコンからライブ中継を見る事ができ、見るだけではなく、自分で撮影した動画を配信する事も出来ます。まだ使った事がない方は、ヘルプページをご参照ください。 http://twitcasting.tv/indexhelp.php 中継を見逃しても、保存、公開されているものは、後日見る事も出来ます。例会ライブ履歴はこちらから見る事が出来ます。http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/

栃木県はどこが放射能汚染されているか?

 栃木県が現時点(2014年7月18日現在)で、日本政府の要請を受け、出荷制限している野生きのこ、山菜の地域のマップを作りました。基本的にこの地域の農作物も多かれ少なかれ、放射能汚染されていると考えるべきです。 【出典】栃木県 野生きのこ等の出荷自粛要請について 2014年7月18日  その放射能汚染のようすは、2011年11月25日に、文部科学省が公表した、『航空機モニタリングで測定された放射性セシウムの沈着量と地形の関係』に表されている放射能汚染の実態とよく似ています。   厚生労働省が全国47都道府県、市町村の自治体が行っている、食品の放射性物質の検査結果をまとめています。その2013年9月から2014年8月までの1年間の月別検査結果から、栃木県産の食品で放射性物質が検出されたもののデータを整理しました。参考にして下さい。 厚生労働省 食品 放射能汚染データ 栃木県 2013年9月から2014年8月 検出食品 ジャンルごと        

福島の子どもの甲状腺がんは126人

 2015年5月18日、福島県の第19回県民健康調査検討委員会が開かれ、福島の子どもの甲状腺がんが1巡目の検査で111人(良性腫瘍であった1人を除く)、2巡目の検査で15人と診断されたことが報告されました。合計126人の福島の子どもたちが甲状腺がんと診断されました。  福島県小児甲状腺がんおよび疑い合計126人(2015年3月31日現在) 「福島原発事故後の日本を生きる」さん作成。更に川根が地名を書きくわえました。【原典作成】福島原発事故後の日本を生きるhttp://www.sting-wl.com/fukushima-children5.html【編集】川根 眞也  新聞各紙は126人の子どもが甲状腺がんに罹っていることをまったく報道していません。これまで、福島県立医大は、甲状腺がんの手術を終えた子どもだけを「甲状腺がん確定」とし、穿刺細胞診で甲状腺がんであると診断された子どもを「甲状腺がん疑い」としてきました。甲状腺の細胞を注射器で直接吸い取り、悪性か良性かを判断する穿刺細胞診は甲状腺がんか否かを確定する国際的に確立した診断方法であるにもかかわらず。 ベラルーシ ブレスト州内分泌学診療所にて 穿刺細胞診 1 超音波検査で結節の場所を確認 ベラルーシ ブレスト州内分泌学診療所にて 穿刺細胞診 2 結節の場所を確認しているエコー画像 ベラルーシ ブレスト州内分泌学診療所にて 穿刺細胞診 3 甲状腺の結節の細胞を注射器で吸い取る ベラルーシ ブレスト州内分泌学診療所にて 穿刺細胞診 4 吸い取った細胞を顕微鏡で観察して、甲状腺がんかどうか診断 ベラルーシ ブレスト州内分泌学診療所にて 穿刺細胞診 5 甲状腺がんの1つ 乳頭がんの細胞(顕微鏡写真)  甲状腺がんの手術を終えた子どもだけを「甲状腺がん確定」としたのは「甲状腺がん」が確定した人数を、手術後の時点に遅らせることで、数のあまりの多さに気付かれないようにするための姑息な手段だったのではないでしょうか?  しかし、今回の第19回県民健康調査検討委員会からは、小児甲状腺がんの人数をはっきりと穿刺細胞診の人数として公表し、資料の一番最後に手術を終えて「確定」した子どもの人数を書く形に変えています。もう、甲状腺がんにかかった子どものあまりの多さを隠し切れなくなったからではないでしょうか?  資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要【暫定版】 [PDFファイル/2.9MB]         ↓ pp.5に「穿刺吸引細胞診」の結果が、pp.27に「悪性ないし悪性疑い者の手術症例」が掲載されています。  資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査(本格検査)」実施状況 [PDFファイル/2.12MB]     ↓ pp.5に「穿刺吸引細胞診」の結果が、pp.17に「悪性ないし悪性疑い者の手術症例」が掲載されています。  内部被ばくを考える市民研究会では、今後、福島県立医大の言う「甲状腺がん疑い」、「甲状腺がん確定」を区別せず、「甲状腺がん」とした診断された子どもたちとして表現していきたいと思います。  第18回県民健康調査検討委員会(2015年2月12日開催)と、第19回県民健康調査検討委員会(2015年5月18日開催)の、先行検査(2011年度、2012年度、2013年度)と、本格検査(2014年度以降、2014年度~2015年3月31日現在)での福島の子どもたちの甲状腺がんの患者の人数は以下の通りです。 福島の子どもたちの小児甲状腺がん 第18回(2014年12月31日現在)      第19回(2015年3月31日現在)  先行検査(2011、2012、2013年度)    先行検査(2011、2012、2013年度)   109人(良性結節であった1名を除く)→  111名 本格検査(2014年4月1日~12月31日現在) 本格検査(2014年4月1日~2015年3月31日現在)     8人               →   15名  合計 117名              →  126名  先行検査ではいわき市が23名が24名に1名患者が増えました。会津若松市が6名が7名に1名患者が増えました。  本格検査では7名患者が増えています。福島市が2名から6名に4名患者が増えました。伊達市が2名から3名に1名患者が増えました。南相馬市が0名であったものが1名に、二本松市が0名であったものが1名に、患者が増えています。  2015年3月31日現在15名の子どもたちが本格検査(2014年4月1日~2015年3月31日)で小児甲状腺がんと診断されています。この子どもたちは先行検査(2011~2013年度)では、8名がA1判定でした。つまり、先行検査では結節ものう胞も認められなかったのです。8名は原発事故4年間の発症した、ということになります。また6名がA2判定でした。先行検査で結節が5.0mm以下またはのう胞が20.0mm以下だったのです。1回目の検査から2回目の約2年間の検査で結節またはのう胞が大きくなり、穿刺細胞診で悪性であることがわかった、ということです。  イタリアのアンドレア・コリマ医師は、論文「Thyroid Nodules in Pediatrics: Which Ones Can Be Left Alone, Which Ones Must be Investigated, When and How」の中で、「小児の甲状腺結節の頻度は成人より少ないが、悪性の割合は成人より高い。最近の統計では小児の甲状腺結節の25%が悪性であるとされている」と書いています。 資料『小児の甲状腺結節:経過観察でよいものと精査すべきものの判別、および、いつ、どのようにして実施すべきか Andrea Corrias, Alessandro Mussa』  先行検査では、2015年3月31日現在、実に2,278人の子どもたちが5.0mm以上の結節または20.0mm以上ののう胞があります。 本格検査では、2015年3月31日現在、実に1,043人の子どもたちが5.0mm以上の結節または20.0mm以上ののう胞があります。(先行検査の対象者と本格検査の対象者は重複します。)  もし、アンドレア・コレア氏の論文が正しければ、500人を超える子どもたちが小児甲状腺がんに罹る危険性があります。福島県、日本政府は事実を低くみせる努力などするのではなく、本格的に内分泌専門の病院を福島県のみならず、全国各地に建設し、専門的な医師の育成を始めるべきです。  また、高放射能汚染地帯である、福島市や郡山市、二本松市、伊達市などから住民を避難させるべきです。敷地が放射線管理区域にあたる、セシウム134、137など4万ベクレル/m2以上の学校はただちに閉鎖させるべきです。  高放射能汚染地帯に住んだ期間が長いほど、小児甲状腺がんのリスクは高くなります。一刻の猶予のなりません。  新聞各紙の報道です。ちなみに読売新聞がこの126人の福島の子どもたちの小児甲状腺がんの報道を一切しませんでした。事実を隠ぺいする犯罪的な新聞です。    ベラルーシ・プロジェクト報告はこちらで。ベラルーシの甲状腺がんの診断と治療を調査のレポートです。廃村になった村の空間線量の写真も掲載されています。      

新たな日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)全文 2015年4月28日

新たな日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)全文朝日新聞 2015年4月28日05時00分より  安倍政権は、オバマ米大統領と「新たな日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)」に合意しました。2015年4月28日。 新たな日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)全文2015年4月27日 ニューヨーク,USA  ■1 防衛協力と指針の目的  平時から緊急事態までのいかなる状況においても日本の平和及び安全を確保するため、また、アジア太平洋地域及びこれを越えた地域が安定し、平和で繁栄したものとなるよう日米両国間の安全保障及び防衛協力は、次の事項を強調する。  ・切れ目のない、力強い、柔軟かつ実効的な日米共同の対応  ・日米両政府の国家安全保障政策間の相乗効果  ・政府一体となっての同盟としての取り組み  ・地域の及び他のパートナー並びに国際機関との協力  ・日米同盟のグローバルな性質  日米両政府は、日米同盟を継続的に強化する。各政府は、その国家安全保障政策に基づき、各自の防衛態勢を維持する。日本は「国家安全保障戦略」及び「防衛計画の大綱」に基づき防衛力を保持する。米国は引き続き、その核戦力を含むあらゆる種類の能力を通じ、日本に対して拡大抑止を提供する。米国はまた、引き続き、アジア太平洋地域において即応態勢にある戦力を前方展開するとともに、それらの戦力を迅速に増強する能力を維持する。  日米防衛協力のための指針(以下「指針」という)は、二国間の安全保障及び防衛協力の実効性を向上させるため、日米両国の役割及び任務並びに協力及び調整の在り方についての一般的な大枠及び政策的な方向性を示す。これにより、指針は、平和及び安全を促進し、紛争を抑止し、経済的な繁栄の基盤を確実なものとし、日米同盟の重要性についての国内外の理解を促進する。  ■2 基本的な前提及び考え方  指針並びにその下での行動及び活動は、次の基本的な前提及び考え方に従う。  A 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(日米安全保障条約)及びその関連取極(とりきめ)に基づく権利及び義務並びに日米同盟関係の基本的な枠組みは、変更されない。  B 日本及び米国により指針の下で行われる全ての行動及び活動は、紛争の平和的解決及び国家の主権平等に関するものその他の国際連合憲章の規定並びにその他の関連する国際約束を含む国際法に合致するものである。  C 日本及び米国により行われる全ての行動及び活動は、おのおのの憲法及びその時々において適用のある国内法令並びに国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われる。日本の行動及び活動は専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われる。  D 指針はいずれの政府にも立法上、予算上、行政上またはその他の措置をとることを義務付けるものではなく、また、指針はいずれの政府にも法的権利または義務を生じさせるものではない。しかしながら、二国間協力のための実効的な態勢の構築が指針の目標であることから、日米両政府がおのおのの判断に従い、このような努力の結果をおのおのの具体的な政策及び措置に適切な形で反映することが期待される。  ■3 強化された同盟内の調整  指針の下での実効的な二国間協力のため、平時から緊急事態まで、日米両政府が緊密な協議並びに政策面及び運用面の的確な調整を行うことが必要となる。  二国間の安全保障及び防衛協力の成功を確かなものとするため、日米両政府は、十分な情報を得て、様々なレベルにおいて調整を行うことが必要となる。この目標に向かって、日米両政府は、情報共有を強化し、切れ目のない、実効的な、全ての関係機関を含む政府全体にわたる同盟内の調整を確保するため、あらゆる経路を活用する。この目的のため、日米両政府は、新たな、平時から利用可能な同盟調整メカニズムを設置し、運用面の調整を強化し、共同計画の策定を強化する。  A 同盟調整メカニズム  持続する、及び発生する脅威は、日米両国の平和及び安全に対し深刻かつ即時の影響を与え得る。日米両政府は、日本の平和及び安全に影響を与える状況その他の同盟としての対応を必要とする可能性があるあらゆる状況に切れ目のない形で実効的に対処するため、同盟調整メカニズムを活用する。このメカニズムは、平時から緊急事態までのあらゆる段階において自衛隊及び米軍により実施される活動に関連した政策面及び運用面の調整を強化する。このメカニズムはまた、適時の情報共有並びに共通の情勢認識の構築及び維持に寄与する。日米両政府は、実効的な調整を確保するため、必要な手順及び基盤(施設及び情報通信システムを含む)を確立するとともに、定期的な訓練・演習を実施する。  日米両政府は、同盟調整メカニズムにおける調整の手順及び参加機関の構成の詳細を状況に応じたものとする。この手順の一環として、平時から、連絡窓口に係る情報が共有され及び保持される。  B 強化された運用面の調整  柔軟かつ即応性のある指揮・統制のための強化された二国間の運用面の調整は、日米両国にとって決定的に重要な中核的能力である。この文脈において、日米両政府は、自衛隊と米軍との間の協力を強化するため、運用面の調整機能が併置されることが引き続き重要であることを認識する。  自衛隊及び米軍は、緊密な情報共有を確保し、平時から緊急事態までの調整を円滑にし及び国際的な活動を支援するため、要員の交換を行う。自衛隊及び米軍は、緊密に協力し及び調整しつつ、おのおのの指揮系統を通じて行動する。  C 共同計画の策定  日米両政府は、自衛隊及び米軍による整合のとれた運用を円滑かつ実効的に行うことを確保するため、引き続き、共同計画を策定し及び更新する。日米両政府は、計画の実効性及び柔軟、適時かつ適切な対処能力を確保するため、適切な場合に、運用面及び後方支援面の所要並びにこれを満たす方策をあらかじめ特定することを含め、関連情報を交換する。  日米両政府は、平時において、日本の平和及び安全に関連する緊急事態について、おのおのの政府の関係機関を含む改良された共同計画策定メカニズムを通じ、共同計画の策定を行う。共同計画は、適切な場合に、関係機関からの情報を得つつ策定される。日米安全保障協議委員会は、引き続き、方向性の提示、このメカニズムの下での計画の策定に係る進捗(しんちょく)の確認及び必要に応じた指示の発出について責任を有する。日米安全保障協議委員会は、適切な下部組織により補佐される。  共同計画は、日米両政府双方の計画に適切に反映される。  ■4 日本の平和及び安全の切れ目のない確保  持続する、及び発生する脅威は日本の平和及び安全に対し深刻かつ即時の影響を与え得る。この複雑さを増す安全保障環境において、日米両政府は日本に対する武力攻撃を伴わない時の状況を含め、平時から緊急事態までのいかなる段階においても切れ目のない形で日本の平和及び安全を確保するための措置をとる。この文脈において、日米両政府はまた、パートナーとの更なる協力を推進する。  日米両政府はこれらの措置が各状況に応じた柔軟、適時かつ実効的な二国間の調整に基づいてとられる必要があること、及び同盟としての適切な対応のためには省庁間調整が不可欠であることを認識する。したがって、日米両政府は、適切な場合に次の目的のために政府全体にわたる同盟調整メカニズムを活用する。  ・状況を評価すること  ・情報を共有すること、及び  ・柔軟に選択される抑止措置及び事態の緩和を目的とした行動を含む同盟としての適切な対応を実施するための方法を立案すること  日米両政府はまた、これらの二国間の取り組みを支えるため、日本の平和及び安全に影響を与える可能性がある事項に関する適切な経路を通じた戦略的な情報発信を調整する。  A 平時からの協力措置  日米両政府は、日本の平和及び安全の維持を確保するため、日米同盟の抑止力及び能力を強化するための、外交努力によるものを含む広範な分野にわたる協力を推進する。  自衛隊及び米軍はあらゆるあり得べき状況に備えるため、相互運用性、即応性及び警戒態勢を強化する。このため、日米両政府は、次のものを含むが、これに限られない措置をとる。  1 情報収集、警戒監視及び偵察  日米両政府は、日本の平和及び安全に対する脅威のあらゆる兆候を極力早期に特定し並びに情報収集及び分析における決定的な優越を確保するため、共通の情勢認識を構築し及び維持しつつ、情報を共有し及び保護する。これには、関係機関間の調整及び協力の強化を含む。  自衛隊及び米軍は、おのおののアセット(装備品等)の能力及び利用可能性に応じ、情報収集、警戒監視及び偵察(ISR)活動を行う。これには、日本の平和及び安全に影響を与え得る状況の推移を常続的に監視することを確保するため、相互に支援する形で共同のISR活動を行うことを含む。  2 防空及びミサイル防衛  自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル発射及び経空の侵入に対する抑止及び防衛態勢を維持し及び強化する。日米両政府は、早期警戒能力、相互運用性、ネットワーク化による監視範囲及びリアルタイムの情報交換を拡大するため並びに弾道ミサイル対処能力の総合的な向上を図るため、協力する。さらに、日米両政府は、引き続き、挑発的なミサイル発射及びその他の航空活動に対処するに当たり緊密に調整する。  3 海洋安全保障  日米両政府は航行の自由を含む国際法に基づく海洋秩序を維持するための措置に関し、相互に緊密に協力する。自衛隊及び米軍は、必要に応じて関係機関との調整によるものを含め、海洋監視情報の共有を更に構築し及び強化しつつ、適切な場合に、ISR及び訓練・演習を通じた海洋における日米両国のプレゼンスの維持及び強化等の様々な取り組みにおいて協力する。  4 アセットの防護  自衛隊及び米軍は、訓練・演習中を含め、連携して日本の防衛に資する活動に現に従事している場合であって適切なときは、おのおののアセットを相互に防護する。  5 訓練・演習  自衛隊及び米軍は、相互運用性、持続性及び即応性を強化するため、日本国内外双方において、実効的な二国間及び多国間の訓練・演習を実施する。適時かつ実践的な訓練・演習は、抑止を強化する。日米両政府は、これらの活動を支えるため、訓練場、施設及び関連装備品が利用可能、アクセス可能かつ現代的なものであることを確保するために協力する。  6 後方支援  日本及び米国は、いかなる段階においても、おのおの自衛隊及び米軍に対する後方支援の実施を主体的に行う。自衛隊及び米軍は日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品または役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(日米物品役務相互提供協定)及びその関連取り決めに規定する活動について、適切な場合に補給、整備、輸送、施設及び衛生を含むが、これらに限らない後方支援を相互に行う。  7 施設の使用  日米両政府は、自衛隊及び米軍の相互運用性を拡大し並びに柔軟性及び抗たん性(攻撃に耐える能力)を向上させるため、施設・区域の共同使用を強化し、施設・区域の安全の確保に当たって協力する。日米両政府はまた、緊急事態へ備えることの重要性を認識し、適切な場合に、民間の空港及び港湾を含む施設の実地調査の実施に当たって協力する。  B 日本の平和及び安全に対して発生する脅威への対処  同盟は、日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対処する。当該事態については地理的に定めることはできない。この節に示す措置は、当該事態にいまだ至ってない状況において、両国のおのおのの国内法令に従ってとり得るものを含む。早期の状況把握及び二国間の行動に関する状況に合わせた断固たる意思決定は、当該事態の抑止及び緩和に寄与する。  日米両政府は、日本の平和及び安全を確保するため、平時からの協力的措置を継続することに加え、外交努力を含むあらゆる手段を追求する。日米両政府は、同盟調整メカニズムを活用しつつ、おのおのの決定により、次に掲げるものを含むが、これらに限らない追加的措置をとる。  1 非戦闘員を退避させるための活動  日本国民または米国国民である非戦闘員を第三国から安全な地域に退避させる必要がある場合、各政府は、自国民の退避及び現地当局との関係の処理について責任を有する。日米両政府は、適切な場合に、日本国民または米国国民である非戦闘員の退避を計画するに当たり調整し及び当該非戦闘員の退避の実施に当たって協力する。これらの退避活動は、輸送手段、施設等の各国の能力を相互補完的に使用して実施される。日米両政府は、おのおの、第三国の非戦闘員に対して退避に係る援助を行うことを検討することができる。  日米両政府は退避者の安全、輸送手段及び施設、通関、出入国管理及び検疫、安全な地域、衛生等の分野において協力を実施するため、適切な場合に、同盟調整メカニズムを通じ初期段階からの調整を行う。日米両政府は、適切な場合に、訓練・演習の実施によるものを含め、非戦闘員を退避させるための活動における調整を平時から強化する。  2 海洋安全保障  日米両政府は、おのおのの能力を考慮しつつ、海洋安全保障を強化するため、緊密に協力する。協力的措置には、情報共有及び国際連合安全保障理事会決議その他の国際法上の根拠に基づく船舶の検査を含み得るが、これらに限らない。  3 避難民への対応のための措置  日米両政府は、日本への避難民の流入が発生するおそれがあるまたは実際に始まるような状況に至る場合には、国際法上の関係する義務に従った人道的な方法で避難民を扱いつつ、日本の平和及び安全を維持するために協力する。当該避難民への対応については、日本が主体的に実施する。米国は、日本からの要請に基づき、適切な支援を行う。  4 捜索・救難  日米両政府は適切な場合に、捜索・救難活動において協力し及び相互に支援する。自衛隊は日本の国内法令に従い、適切な場合に、関係機関と協力しつつ、米国による戦闘捜索・救難活動に対して支援を行う。  5 施設・区域の警護  自衛隊及び米軍はおのおのの施設・区域を関係当局と協力して警護する責任を有する。日本は米国からの要請に基づき、米軍と緊密に協力し及び調整しつつ、日本国内の施設・区域の追加的な警護を実施する。  6 後方支援  日米両政府は、実効的かつ効率的な活動を可能とするため、適切な場合に、相互の後方支援(補給、整備、輸送、施設及び衛生を含むが、これらに限らない)を強化する。これらには、運用面及び後方支援面の所要の迅速な確認並びにこれを満たす方策の実施を含む。日本政府は、中央政府及び地方公共団体の機関が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する。日本政府は、自国の国内法令に従い、適切な場合に、後方支援及び関連支援を行う。  7 施設の使用  日本政府は、日米安全保障条約及びその関連取極に従い、必要に応じて、民間の空港及び港湾を含む施設を一時的な使用に供する。日米両政府は、施設・区域の共同使用における協力を強化する。  C 日本に対する武力攻撃への対処行動  日本に対する武力攻撃への共同対処行動は、引き続き、日米間の安全保障及び防衛協力の中核的要素である。  日本に対する武力攻撃が予測される場合、日米両政府は日本の防衛のために必要な準備を行いつつ、武力攻撃を抑止し及び事態を緩和するための措置をとる。  日本に対する武力攻撃が発生した場合、日米両政府は極力早期にこれを排除し及び更なる攻撃を抑止するため、適切な共同対処行動を実施する。日米両政府はまた、第4章に掲げるものを含む必要な措置をとる。  1 日本に対する武力攻撃が予測される場合  日本に対する武力攻撃が予測される場合、日米両政府は、攻撃を抑止し及び事態を緩和するため、包括的かつ強固な政府一体となっての取り組みを通じ、情報共有及び政策面の協議を強化し、外交努力を含むあらゆる手段を追求する。  自衛隊及び米軍は、必要な部隊展開の実施を含め、共同作戦のための適切な態勢をとる。日本は、米軍の部隊展開を支援するための基盤を確立し及び維持する。日米両政府による準備には、施設・区域の共同使用、補給、整備、輸送、施設及び衛生を含むが、これらに限らない相互の後方支援及び日本国内の米国の施設・区域の警護の強化を含み得る。  2 日本に対する武力攻撃が発生した場合  a 整合のとれた対処行動のための基本的考え方  外交努力及び抑止にもかかわらず、日本に対する武力攻撃が発生した場合、日米両国は、迅速に武力攻撃を排除し及び更なる攻撃を抑止するために協力し、日本の平和及び安全を回復する。当該整合のとれた行動は、この地域の平和及び安全の回復に寄与する。  日本は、日本の国民及び領域の防衛を引き続き主体的に実施し、日本に対する武力攻撃を極力早期に排除するため直ちに行動する。自衛隊は、日本及びその周辺海空域並びに海空域の接近経路における防勢作戦を主体的に実施する。米国は、日本と緊密に調整し、適切な支援を行う。米軍は、日本を防衛するため、自衛隊を支援し及び補完する。米国は、日本の防衛を支援し並びに平和及び安全を回復するような方法で、この地域の環境を形成するための行動をとる。  日米両政府は、日本を防衛するためには国力の全ての手段が必要となることを認識し、同盟調整メカニズムを通じて行動を調整するため、おのおのの指揮系統を活用しつつ、おのおの政府一体となっての取り組みを進める。  米国は、日本に駐留する兵力を含む前方展開兵力を運用し、所要に応じその他のあらゆる地域からの増援兵力を投入する。日本は、これらの部隊展開を円滑にするために必要な基盤を確立し及び維持する。  日米両政府は、日本に対する武力攻撃への対処において、おのおの米軍または自衛隊及びその施設を防護するための適切な行動をとる。  b 作戦構想  1 空域を防衛するための作戦  自衛隊及び米軍は、日本の上空及び周辺空域を防衛するため、共同作戦を実施する。  自衛隊は、航空優勢を確保しつつ、防空作戦を主体的に実施する。このため、自衛隊は、航空機及び巡航ミサイルによる攻撃に対する防衛を含むが、これに限られない必要な行動をとる。  米軍は、自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する。  2 弾道ミサイル攻撃に対処するための作戦  自衛隊及び米軍は、日本に対する弾道ミサイル攻撃に対処するため、共同作戦を実施する。  自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル発射を早期に探知するため、リアルタイムの情報交換を行う。弾道ミサイル攻撃の兆候がある場合、自衛隊及び米軍は、日本に向けられた弾道ミサイル攻撃に対して防衛し、弾道ミサイル防衛作戦に従事する部隊を防護するための実効的な態勢を維持する。  自衛隊は、日本を防衛するため、弾道ミサイル防衛作戦を主体的に実施する。  米軍は、自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する。  3 海域を防衛するための作戦  自衛隊及び米軍は、日本の周辺海域を防衛し及び海上交通の安全を確保するため、共同作戦を実施する。  自衛隊は、日本における主要な港湾及び海峡の防備、日本周辺海域における艦船の防護並びにその他の関連する作戦を主体的に実施する。このため、自衛隊は、沿岸防衛、対水上戦、対潜戦、機雷戦、対空戦及び航空阻止を含むが、これに限られない必要な行動をとる。  米軍は、自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する。  自衛隊及び米軍は、当該武力攻撃に関与している敵に支援を行う船舶活動の阻止において協力する。  こうした活動の実効性は、関係機関間の情報共有その他の形態の協力を通じて強化される。  4 陸上攻撃に対処するための作戦  自衛隊及び米軍は、日本に対する陸上攻撃に対処するため、陸、海、空または水陸両用部隊を用いて、共同作戦を実施する。  自衛隊は、島嶼(とうしょ)に対するものを含む陸上攻撃を阻止し、排除するための作戦を主体的に実施する。必要が生じた場合、自衛隊は島嶼を奪回するための作戦を実施する。このため、自衛隊は、着上陸侵攻を阻止し排除するための作戦、水陸両用作戦及び迅速な部隊展開を含むが、これに限られない必要な行動をとる。  自衛隊はまた、関係機関と協力しつつ、潜入を伴うものを含め、日本における特殊作戦部隊による攻撃等の不正規型の攻撃を主体的に撃破する。  米軍は、自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する。  5 領域横断的な作戦  自衛隊及び米軍は、日本に対する武力攻撃を排除し及び更なる攻撃を抑止するため、領域横断的な共同作戦を実施する。これらの作戦は、複数の領域を横断して同時に効果を達成することを目的とする。  領域横断的な協力の例には、次に示す行動を含む。  自衛隊及び米軍は、適切な場合に、関係機関と協力しつつ、おのおののISR態勢を強化し、情報共有を促進し及びおのおののISRアセットを防護する。  米軍は、自衛隊を支援し及び補完するため、打撃力の使用を伴う作戦を実施することができる。米軍がそのような作戦を実施する場合、自衛隊は、必要に応じ、支援を行うことができる。これらの作戦は、適切な場合に、緊密な二国間調整に基づいて実施される。  日米両政府は、第6章に示す二国間協力に従い、宇宙及びサイバー空間における脅威に対処するために協力する。  自衛隊及び米軍の特殊作戦部隊は、作戦実施中、適切に協力する。  c 作戦支援活動  日米両政府は、共同作戦を支援するため、次の活動において協力する。  1 通信電子活動  日米両政府は、適切な場合に、通信電子能力の効果的な活用を確保するため、相互に支援する。  自衛隊及び米軍は、共通の状況認識の下での共同作戦のため、自衛隊と米軍との間の効果的な通信を確保し、共通作戦状況図を維持する。  2 捜索・救難  自衛隊及び米軍は、適切な場合に、関係機関と協力しつつ、戦闘捜索・救難活動を含む捜索・救難活動において、協力し及び相互に支援する。  3 後方支援  作戦上おのおのの後方支援能力の補完が必要となる場合、自衛隊及び米軍は、おのおのの能力及び利用可能性に基づき、柔軟かつ適時の後方支援を相互に行う。  日米両政府は、支援を行うため、中央政府及び地方公共団体の機関が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する。  4 施設の使用  日本政府は、必要に応じ、日米安全保障条約及びその関連取極に従い、施設の追加提供を行う。日米両政府は、施設・区域の共同使用における協力を強化する。  5 CBRN(化学・生物・放射線・核)防護  日本政府は、日本国内でのCBRN事案及び攻撃に引き続き主体的に対処する。米国は、日本における米軍の任務遂行能力を主体的に維持し回復する。日本からの要請に基づき、米国は、日本の防護を確実にするため、CBRN事案及び攻撃の予防並びに対処関連活動において、適切に日本を支援する。  D 日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動  日米両国が、おのおの、米国または第三国に対する武力攻撃に対処するため、主権の十分な尊重を含む国際法並びにおのおのの憲法及び国内法に従い、武力の行使を伴う行動をとることを決定する場合であって、日本が武力攻撃を受けるに至っていないとき、日米両国は、当該武力攻撃への対処及び更なる攻撃の抑止において緊密に協力する。共同対処は、政府全体にわたる同盟調整メカニズムを通じて調整される。  日米両国は、当該武力攻撃への対処行動をとっている他国と適切に協力する。  自衛隊は、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態に対処し、日本の存立を全うし、日本国民を守るため、武力の行使を伴う適切な作戦を実施する。  協力して行う作戦の例は、次に概要を示すとおりである。  1 アセットの防護  自衛隊及び米軍は、適切な場合に、アセットの防護において協力する。当該協力には、非戦闘員の退避のための活動または弾道ミサイル防衛等の作戦に従事しているアセットの防護を含むが、これに限らない。  2 捜索・救難  自衛隊及び米軍は、適切な場合に、関係機関と協力しつつ、戦闘捜索・救難活動を含む捜索・救難活動において、協力し及び支援を行う。  3 海上作戦  自衛隊及び米軍は、適切な場合に、海上交通の安全を確保することを目的とするものを含む機雷掃海において協力する。  自衛隊及び米軍は、適切な場合に、関係機関と協力しつつ、艦船を防護するための護衛作戦において協力する。  自衛隊及び米軍は、適切な場合に、関係機関と協力しつつ、当該武力攻撃に関与している敵に支援を行う船舶活動の阻止において協力する。  4 弾道ミサイル攻撃に対処するための作戦  自衛隊及び米軍は、おのおのの能力に基づき、適切な場合に、弾道ミサイルの迎撃において協力する。日米両政府は、弾道ミサイル発射の早期探知を確実に行うため、情報交換を行う。  5 後方支援  作戦上おのおのの後方支援能力の補完が必要となる場合、自衛隊及び米軍はおのおのの能力及び利用可能性に基づき、柔軟かつ適時に後方支援を相互に行う。  日米両政府は支援を行うため、中央政府及び地方公共団体の機関が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する。  E 日本における大規模災害への対処における協力  日本において大規模災害が発生した場合、日本は主体的に当該災害に対処する。自衛隊は、関係機関、地方公共団体及び民間主体と協力しつつ、災害救援活動を実施する。日本における大規模災害からの迅速な復旧が日本の平和及び安全の確保に不可欠であること、及び当該災害が日本における米軍の活動に影響を与える可能性があることを認識し、米国は、自国の基準に従い、日本の活動に対する適切な支援を行う。当該支援には、捜索・救難、輸送、補給、衛生、状況把握及び評価並びにその他の専門的能力を含み得る。日米両政府は、適切な場合に、同盟調整メカニズムを通じて活動を調整する。  日米両政府は、日本における人道支援・災害救援活動に際しての米軍による協力の実効性を高めるため、情報共有によるものを含め、緊密に協力する。さらに、米軍は、災害関連訓練に参加することができ、これにより、大規模災害への対処に当たっての相互理解が深まる。  ■5 地域の及びグローバルな平和と安全のための協力  相互の関係を深める世界において、日米両国は、アジア太平洋地域及びこれを越えた地域の平和、安全、安定及び経済的な繁栄の基盤を提供するため、パートナーと協力しつつ、主導的役割を果たす。半世紀をはるかに上回る間、日米両国は、世界の様々な地域における課題に対して実効的な解決策を実行するため協力してきた。  日米両政府のおのおのがアジア太平洋地域及びこれを越えた地域の平和及び安全のための国際的な活動に参加することを決定する場合、自衛隊及び米軍を含む日米両政府は、適切なときは、次に示す活動等において、相互に及びパートナーと緊密に協力する。この協力はまた、日米両国の平和及び安全に寄与する。  A 国際的な活動における協力  日米両政府は、おのおのの判断に基づき、国際的な活動に参加する。共に活動を行う場合、自衛隊及び米軍は、実行可能な限り最大限協力する。  日米両政府は、適切な場合に、同盟調整メカニズムを通じ、当該活動の調整を行うことができ、また、これらの活動において三カ国及び多国間の協力を追求する。自衛隊及び米軍は、円滑かつ実効的な協力のため、適切な場合に、手順及びベストプラクティスを共有する。日米両政府は、引き続き、この指針に必ずしも明示的には含まれない広範な事項について協力する一方で、地域的及び国際的な活動における日米両政府による一般的な協力分野は次のものを含む。  1 平和維持活動  日米両政府が国際連合憲章に従って国際連合により権限を与えられた平和維持活動に参加する場合、日米両政府は、適切なときは、自衛隊と米軍との間の相互運用性を最大限に活用するため、緊密に協力する。日米両政府はまた、適切な場合に、同じ任務に従事する国際連合その他の要員に対する後方支援の提供及び保護において協力することができる。  2 国際的な人道支援・災害救援  日米両政府が、大規模な人道災害及び自然災害の発生を受けた関係国政府または国際機関からの要請に応じて、国際的な人道支援・災害救援活動を実施する場合、日米両政府は、適切なときは、参加する自衛隊と米軍との間の相互運用性を最大限に活用しつつ、相互に支援を行うため緊密に協力する。協力して行う活動の例には、相互の後方支援、運用面の調整、計画策定及び実施を含み得る。  3 海洋安全保障  日米両政府が海洋安全保障のための活動を実施する場合、日米両政府は、適切なときは、緊密に協力する。協力して行う活動の例には、海賊対処、機雷掃海等の安全な海上交通のための取り組み、大量破壊兵器の不拡散のための取り組み及びテロ対策活動のための取り組みを含み得る。  4 パートナーの能力構築支援  パートナーとの積極的な協力は、地域及び国際の平和及び安全の維持及び強化に寄与する。変化する安全保障上の課題に対処するためのパートナーの能力を強化することを目的として、日米両政府は、適切な場合に、おのおのの能力及び経験を最大限に活用することにより、能力構築支援活動において協力する。協力して行う活動の例には、海洋安全保障、防衛医学、防衛組織の構築、人道支援・災害救援または平和維持活動のための部隊の即応性の向上を含み得る。  5 非戦闘員を退避させるための活動  非戦闘員の退避のために国際的な行動が必要となる状況において、日米両政府は、適切な場合に、日本国民及び米国国民を含む非戦闘員の安全を確保するため、外交努力を含むあらゆる手段を活用する。  6 情報収集、警戒監視及び偵察  日米両政府が、国際的な活動に参加する場合、自衛隊及び米軍はおのおののアセットの能力及び利用可能性に基づき、適切なときは、ISR活動において協力する。  7 訓練・演習  自衛隊及び米軍は、国際的な活動の実効性を強化するため、適切な場合に、共同訓練・演習を実施し及びこれに参加し、相互運用性、持続性及び即応性を強化する。また、日米両政府は、引き続き、同盟との相互運用性の強化並びに共通の戦術、技術及び手順の構築に寄与するため、訓練・演習においてパートナーと協力する機会を追求する。  8 後方支援  日米両政府は、国際的な活動に参加する場合、相互に後方支援を行うために協力する。日本政府は、自国の国内法令に従い、適切な場合に、後方支援を行う。  B 三カ国及び多国間協力  日米両政府は、三カ国及び多国間の安全保障及び防衛協力を推進し及び強化する。特に、日米両政府は、地域の及び他のパートナー並びに国際機関と協力するための取り組みを強化し、並びにそのための更なる機会を追求する。  日米両政府はまた、国際法及び国際的な基準に基づく協力を推進すべく、地域及び国際機関を強化するために協力する。  ■6 宇宙及びサイバー空間に関する協力  A 宇宙に関する協力  日米両政府は宇宙空間の安全保障の側面を認識し、責任ある、平和的かつ安全な宇宙の利用を確実なものとするための両政府の連携を維持し及び強化する。  当該取り組みの一環として、日米両政府はおのおのの宇宙システムの抗たん性を確保し及び宇宙状況監視に係る協力を強化する。日米両政府は能力を確立し向上させるため、適切な場合に相互に支援し、宇宙空間の安全及び安定に影響を与え、その利用を妨げ得る行動や事象についての情報を共有する。日米両政府はまた、宇宙システムに対して発生する脅威に対応するために情報を共有し、また、海洋監視並びに宇宙システムの能力及び抗たん性を強化する宇宙関係の装備・技術(ホステッド・ペイロードを含む)における協力の機会を追求する。  自衛隊及び米軍はおのおのの任務を実効的かつ効率的に達成するため、宇宙の利用に当たって引き続き、早期警戒、ISR、測位、航法及びタイミング、宇宙状況監視、気象観測、指揮、統制及び通信並びに任務保証のために不可欠な関係する宇宙システムの抗たん性の確保等の分野において協力し、かつ政府一体となっての取り組みに寄与する。おのおのの宇宙システムが脅威にさらされた場合、自衛隊及び米軍は、適切なときは、危険の軽減及び被害の回避において協力する。被害が発生した場合、自衛隊及び米軍は、適切なときは、関係能力の再構築において協力する。  B サイバー空間に関する協力  日米両政府はサイバー空間の安全かつ安定的な利用の確保に資するため、適切な場合に、サイバー空間における脅威及び脆弱(ぜいじゃく)性に関する情報を適時かつ適切な方法で共有する。また、日米両政府は適切な場合に、訓練及び教育に関するベストプラクティスの交換を含め、サイバー空間における各種能力の向上に関する情報を共有する。日米両政府は適切な場合に、民間との情報共有によるものを含め、自衛隊及び米軍が任務を達成する上で依拠する重要インフラ及びサービスを防護するために協力する。  自衛隊及び米軍は、次の措置をとる。  ・おのおののネットワーク及びシステムを監視する態勢を維持すること  ・サイバーセキュリティーに関する知見を共有し、教育交流を行うこと  ・任務保証を達成するためにおのおののネットワーク及びシステムの抗たん性を確保すること  ・サイバーセキュリティーを向上させるための政府一体となっての取り組みに寄与すること  ・平時から緊急事態までのいかなる状況においても、サイバーセキュリティーのための実効的な協力を確実に行うため、共同演習を実施すること  自衛隊及び日本における米軍が利用する重要インフラ及びサービスに対するものを含め、日本に対するサイバー事案が発生した場合、日本は主体的に対処し、緊密な二国間調整に基づき、米国は日本に対し適切な支援を行う。日米両政府はまた、関連情報を迅速かつ適切に共有する。日本が武力攻撃を受けている場合に発生するものを含め、日本の安全に影響を与える深刻なサイバー事案が発生した場合、日米両政府は緊密に協議し、適切な協力行動をとり対処する。  ■7 日米共同の取り組み  日米両政府は二国間協力の実効性を更に向上させるため、安全保障及び防衛協力の基盤として、次の分野を発展させ及び強化する。  A 防衛装備・技術協力  日米両政府は、相互運用性を強化し、効率的な取得及び整備を推進するため、次の取り組みを行う。  ・装備品の共同研究、開発、生産、試験評価並びに共通装備品の構成品及び役務の相互提供において協力する。  ・相互の効率性及び即応性のため、共通装備品の修理及び整備の基盤を強化する。  ・効率的な取得、相互運用性及び防衛装備・技術協力を強化するため、互恵的な防衛調達を促進する。  ・防衛装備・技術に関するパートナーとの協力の機会を探求する。  B 情報協力・情報保全  ・日米両政府は、共通の情勢認識が不可欠であることを認識し、国家戦略レベルを含むあらゆるレベルにおける情報協力及び情報共有を強化する。  ・日米両政府は緊密な情報協力及び情報共有を可能とするため、引き続き、秘密情報の保護に関連した政策、慣行及び手続きの強化における協力を推進する。  ・日米両政府はまた、情報共有に関してパートナーとの協力の機会を探求する。  C 教育・研究交流  日米両政府は、安全保障及び防衛に関する知的協力の重要性を認識し、関係機関の構成員の交流を深め、おのおのの研究・教育機関間の意思疎通を強化する。そのような取り組みは、安全保障・防衛当局者が知識を共有し協力を強化するための恒久的な基盤となる。  ■8 見直しのための手順  日米安全保障協議委員会は適切な下部組織の補佐を得て、この指針が変化する状況に照らして適切なものであるか否かを定期的に評価する。日米同盟関係に関連する諸情勢に変化が生じ、その時の状況を踏まえて必要と認める場合には、日米両政府は適時かつ適切な形でこの指針を更新する。  

前双葉町町長 井戸川克隆氏が書いた第一原発事故の真実『なぜわたしは町民を埼玉に避難させたのか』(3)

前双葉町町長 井戸川克隆氏が書いた第一原発事故の真実『なぜわたしは町民を埼玉に避難させたのか』(3)  川根は、これまで双葉町で小児甲状腺がんの子どもがでていないことから、「福島市、郡山市、二本松市、など高放射能汚染地帯に子どもたちを住まわせ続けたらからではないのか?全村避難をした双葉町の子どもたちから小児甲状腺がんの患者が出ないことがその証左になるかもしれない。もし、そうならば高放射能汚染地帯(ヨウ素131による土地汚染が10万ベクレル/m2以上の小学校が多くあった)に住まわせ続けた、日本政府、福島県の責任は重い。」と語ってきました。  この井戸川克隆氏の本著『なぜわたしは町民を埼玉に避難させたのか』(駒草出版)の中で、井戸川氏は「私は12日の爆発時に、直接、空から降ってくる高レベルの放射性物質に晒されました。そのときに持っていた線量計は振り切れて測れませんでした。だからその日の夜に、私たちは職員と3人で福島県立医大に行って、計測してもらったんです。きっといい加減にされると思ったから。  夜、門を叩いて測ってもらった。その数字は正確には測れない。セシウム137が万単位のベクレル。ヨウ素が10万単位のベクレルとだけ言っておきます。本当かどうかわからないくらい大きい。初期のヨウ素をものすごい量、被っているんです。これ以外の多方面の検証もしないといけないと思います。」pp.226 「私は、事故後、鼻血が出て、喉は悪い状態となりました。  3年経った今でも同じです。鼻血は出ますし、喉も調子悪いまま。3,4日前(2014年2月当時)は、喉が塞がってすぐに電話に出ることもできませんでした。疲れやすいし、目は白内障にかかっている、筋肉の痛みもあったんですが、最近はとれました。毛も抜けました。頭髪ではないんです、体毛がぬけるんです。心臓がどきどきすることがあったんですが、最近はなくなりました。当然甲状腺の異常はあります。のう胞は2年前に確認されています。小さいものはたくさんあるんですね。」pp.226~227 「福島県内の多くは、放射線管理区域でいうこのC領域(4万~40万ベクレル/m2。ここでは全身を覆って皮膚の露出がないという状態で、決められた手袋や帽子、靴下、ゴム手袋のほかに、半面マスクという内部被ばくを避けるための特別なマスクを装備しなければ、そこにいてはいけない領域)に相当するんです。  こんなところに子どもを住まわせることができますか。24時間そんな装備をしていられるわけがない。本来18歳未満の子どもがいてはいけない場所なんです。」pp.210 「県外に避難されている双葉町住民の方で甲状腺がんで手術された方がいますが、この方はこの県民健康管理調査の数には含まれまていません。それに健康被害は甲状腺がんだけではないのです。」pp.136~137  井戸川克隆氏はここで、甲状腺がんの手術をされた方が、原発事故当時0~18歳だったのか、18歳以上であったのかは触れていません。非常に意味深な表現を使っています。もし、この方が原発事故当時18歳未満であったとしたら、これまでの福島県の県民健康調査検討委員会の数字そのものが実態を反映しないでたらめなものであること。実際はもっと多くの小児甲状腺がんに苦しんでいる、子どもたち、青年がいることになります。  真実はどこにあるのでしょうか?  政府事故調の中間報告をたんねんに読むと、福島県民で原発事故数日で100ミリシーベルト以上被ばくした可能性がある住民、少なくとも1003人であることが示唆されます。 『福島の原発事故で100ミリシーベルト以上の被ばくをした住民は1003人』          

前双葉町町長 井戸川克隆氏が書いた第一原発事故の真実『なぜわたしは町民を埼玉に避難させたのか』(2)

前双葉町町長 井戸川克隆氏が書いた第一原発事故の真実『なぜわたしは町民を埼玉に避難させたのか』(2)  前双葉町町長の井戸川克隆氏は、原発再稼働を迎える自治体に、こう語っています。 「私は国民のみなさんに言いたい。特に今、再稼働の問題をつきつけられている町の地元の人たちに。なんであなた方は、最初から負けているんだと。負けている話をするなと。  再稼働の前に福島の様にしないと約束させた方がいい。再稼働に同意した首長に全ての責任を求めると住民のみなさんは契約した方がいい。言葉だけだと私のようにされますよ。勝ちなさい、原発立地の皆さん。」pp.370

熊本で内部被ばくを考える市民研究会5月5日10時

[ 2015年5月5日; 10:00 AM to 12:00 PM. ] 熊本で内部被ばくを考える市民研究会5月5日10時 昨年開催して好評をいただいた、内部被ばくを考える市民研究会の川根先生がゴールデンウィークに来熊されるタイミングで今年も勉強会を開催したいと思います。 熊本では数少ない勉強会となります。 ぜひおいでください。 昨年と同じ会場です。 託児はありませんが、和室ですのでお子様連れでも来られやすいと思います。 【日時】 2015年5月5日(火・祝)10時~12時 【参加費】 200円 【ところ】 熊本市東部交流センター(熊本県熊本市東区戸島町2588−1) バスでお越しの方へ市営バス/交通センターから三山荘行きバスで三山荘バス停にて下車。徒歩10分です。※一部、交通センターに乗り入れあり 【主催】内部被ばくを考える市民研究会 新谷 【申し込み】こくちーずにて 定員15名 お子様同伴大歓迎です。

Copyright © 内部被ばくを考える市民研究会 All Rights Reserved.
Powerd by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.