日本がアメリカに、使用済み核燃料からのプルトニウム抽出権を放棄する、と通告すべきなのは、今日2018年1月16日まで、でした。同協定は、6ヵ月前にどちらかが通告すれば、日米原子力協定は終了するはずでした。今日のうちに、日本が通告しないということは、同協定の期限、2018年7月16日に自動延長されてしまうことになります。小泉純一郎氏らの原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)が、2018年1月10日になって、「原発即時ゼロ法案」を公表しましたが、なぜ、昨年の国会時に公表出来なかったのでしょうか?日本の原発は、日本の国内問題だけではなく、日本が戦争被爆国でありながら、核大国アメリカを支持していることと、密接に絡んでいます。日米原子力協定の終了ぬきに日本の原発ゼロはありえません。日本の原発ゼロは、すぐれて対米政策の転換を伴わなければなりません。小泉純一郎氏に、その意志はあるのでしょうか?意図的に「原発即時ゼロ法案」の発表を、日米原子力協定の自動延長が決まる、2018年1月16日直前まで遅らせた疑いすらあります。

  ちなみに、本日の東京新聞朝刊には、日米原子力協定の自動延長に関する記事は一切ありませんでした。東京新聞も時々、脱原発の世論をミスリードします。東京新聞だけを信用するのは危険です。(東京新聞2018年1月11日朝刊6面に「日米原子力協定自動延長に慎重 河野外相」の記事あり。しかし、2018年1月16日のことは書かず。)

 今、確認しましたが、2018年1月16日の朝刊および夕刊で、日米原子力協定の自動延長について書いたのは、毎日新聞朝刊だけであり、朝日、東京、読売はいずれも朝夕刊で書きませんでした。それほど、報道するに足りない事なのでしょうか。各紙の編集長の見識が疑われます。

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日米原子力協定延長へ
毎日新聞 2018年1月16日 東京朝刊1面

 日米原子力協定が今年7月以降に自動延長されることが16日、事実上確定する。協定は日本に対して使用済み核燃料からプルトニウムを抽出し、混合酸化物(MOX)燃料として再利用する「核燃料サイクル」を認めており、自動延長で日本の核燃料サイクル政策は継続できることになる。

 ただ、延長後はいずれか一方が通告すれば6カ月後に協定が終了するため、日本の原子力政策は米国の意向に左右されやすくなる。

 米国は原子力技術を他国に供与する際、核不拡散の観点から原子力協定で核物質の扱いや関連設備の取り扱いを規制。日米原子力協定では、非核保有国の日本に対し、使用済み核燃料の再処理やウラン濃縮など核燃料サイクル事業を行うことを特例的に認めている。

 1988年7月発効の現協定は今年7月16日に期限の30年を迎えるが、その6カ月前に日米いずれかが終了を通告しなければ自動延長される。日本政府は協定の現状維持を図るべく交渉機会をうかがっていた。だが、トランプ政権の交渉体制が整わず、本格的な交渉を経ることなく自動延長となる。【片平知宏】

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日米原子力協定
延長へ 見直し議論せず 原発輸出推進で思惑一致
毎日新聞 2018年1月16日 東京朝刊  2面

 日本の核燃料サイクル事業を認める日米原子力協定は16日、自動延長が確定する。原子力政策の現状維持で日米の思惑が一致した結果だが、日本の核燃料サイクル政策は事実上破綻。日本政府の「利用目的のないプルトニウムは持たない」との国際公約は説得力を欠いているのが実情だ。

 日米両政府には、原子力協定の具体的な見直しは選択肢になかった。「利用目的のないプルトニウムは持たない」という原則を国際的に表明した日本は、核燃料サイクル政策を簡単に変更できない。原発輸出推進で足並みをそろえる米国も日本に配慮した。

 安倍政権は原発輸出を成長戦略の柱の一つにしている。輸出には日立と米ゼネラル・エレクトリック(GE)社など日米のメーカーが関わるため、第三国への輸出でも日米の協定が欠かせない。トランプ政権も同様だ。

 対北朝鮮での連携をはじめ日米同盟の重要性が増す中、両政府間で協定見直し論議の優先順位は高くなかった。米エネルギー省のブルイエット副長官は昨年10月に来日した際、「(日米協定を)再交渉する理由はない」と明言。続く11月の安倍晋三首相とトランプ大統領の会談でも議題に上った形跡はない。

 日本では昨年8月、首相が核燃料サイクル政策に批判的な河野太郎氏を外相に起用したことを受け、協定見直し論が浮上するのではないかという見方が広がった。しかし、河野氏は就任後、持論を封印し、管轄外の原子力政策に踏み込むのを控えている。

 河野氏は今月11日放送のBS11の番組で、協定に関連して「プルトニウムの利用を国際社会に胸を張って説明できるような状況をつくる必要、義務がある」と懸念を示したものの、「協定は日本の原子力の平和利用の基盤になっている」とも述べ、見直しには言及しなかった。

 協定が自動延長される7月16日以降、規定上は、日米のいずれかが通告すれば半年後に協定を終了できるようになる。米国防総省や国務省の国際安全保障・不拡散局内には、日本が核兵器に転用可能なプルトニウムを大量保有していることへの懸念がある。

 外務省関係者は「日米間には信頼関係があり、米側が協定に疑問を持つことは当面ないだろう」と楽観するが、米側で協定見直し論が浮上する可能性は消えていない。【仙石恭、ワシントン高本耕太】

核燃料サイクル、事実上破綻

 日米原子力協定で認められている日本の核燃料サイクル政策は原子力政策の根幹をなしてきたが、実態は破綻している。

 核燃料サイクルは、原発の使用済み核燃料から「再処理」と呼ばれる化学処理によってウランとプルトニウムを取り出し、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料に加工して再利用する。政府は当初、高速増殖炉でプルトニウムを増やしながら使う「増殖サイクル」を目指したが、中核を担う高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)はトラブル続きで2016年12月に廃炉が決まった。政府はプルトニウムを燃やして消費する「高速炉」をフランスなどと開発するとしているが、具体的なめどは立っていない。

 現在、国内でプルトニウムが利用可能な手段は、既存の原発でMOX燃料を使う「プルサーマル発電」のみ。電力大手でつくる電気事業連合会は09年、15年度までに全国の原発16~18基にプルサーマル発電を導入する計画を発表した。だが福島第1原発事故後の規制強化で稼働は関西電力高浜原発3、4号機(同県高浜町)の2基にとどまっており、電事連は16年に「計画を改訂・公表できる状況にはない」とプルサーマル発電の行き詰まりを認めた。

 プルトニウムは核兵器に転用できるため、政府は「利用目的のない分は所有しない」ことを国際公約にしている。日本が保有するプルトニウムは16年末現在、国内外で約47トンあるが、プルサーマル発電によるプルトニウム消費量は原発1基当たり年0・4トン程度に過ぎない。さらに年最大8トンのプルトニウムを生み出す能力を持つ日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)が21年度上期に完成予定でもあり、日本がプルトニウムを消費できるめどは立っていない。

 核不拡散問題に詳しい阿部信泰・元原子力委員は「核燃料サイクルは実態としては動いていない。このままでは、使用目的のないプルトニウムは持たないという日本への国際社会の信頼は低下する。少なくとも再処理工場の稼働規模は小さくする必要がある」との懸念を示した。【岡田英】