[関西電力からの回答] 2019年6月27日

 2019年6月26日17:50pm、関西電力に電話しました。「関西電力のホームページ、大飯発電所運転出力状況トレンドを見ても、大飯原発3号機は出力0のままだ。本当に今日、3号機は再稼働しているのか? 」と。本日2019年6月27日11:10amに、関西電力、京都支社の松本さんから、回答がありました。「大飯発電所 運転出力状況トレンドは、原子炉の出力を示すものではなく、発電出力を表している。原子炉側の発電機が電力系統とつなぐ、並列した後に、出力が表示される。並列までは0表示です。」「昨日2019年6月26日夜21時に原子炉を起動させて、本日6月27日朝7時に臨界に達した。」と。「原子炉起動の時間、臨界の時間、関西電力のホームページに公表しているのですか?」「今回、原子炉の起動開始の時間、臨界の時間は公表していない」と。

「原子炉の起動から臨界までは非常に不安定になりますよね。無事できたなら、できたと公表するべきだ。」と強く要請しました。

○発電機で発生させた電気を電力系統に送り出すため、発電機と電力系統の電圧、周波数、位相を合わせて、電力系統に接続することを「並列」といいます。-「高浜発電所3、4号機の運転再開工程について」関西電力株式会社 2017年4月26日

以上、2019年6月27日 17:30pm記

[解説]

 関西電力が昨年2018年に、4機もの原発を再稼働させました。大飯原発3号機、4号機、高浜原発3号機、4号機です。これらのうち、高浜原発3号機と同4号機は、プルトニウムを強化したMOX燃料を使用しています。

 原発は13ヶ月運転するごとに、定期点検を行わなくてはなりません。原子炉の核分裂を止めます。大飯原発3号機は、今年2019年4月11から、定期点検に入っていました。ところが定期点検中の今年4月22日使用済み核燃料集合体を取り出し、新しい核燃料集合体と取り替える交換機が、止まるべき所で止まらず4cmもオーバーして止まるトラブルが起きました。

 そのため、2019年6月18日起動試験開始の予定を遅らせ2019年6月23日、原子炉を起動させて、再稼働工程を始める報道がありました。

 〈参考〉

一度、止まった原発を動かすな!関西電力、大飯原発3号機が2019年6月末再稼働か? 

 

そして、今日2019年6月26日、関西電力は大飯原発3号機の再稼働工程を始める、と発表しました。しかし、この2019年6月25日付けの関西電力の発表は、昨日の何時に行われたのでしょうか?編集者が昨日2019年6月25日15:00現在で、確認したところ、以下の関西電力の発表はありませんでした。このように再稼働工程を始める時期をギリギリまで明らかにせず、反対運動が盛り上がらないように、盛り上がらないようにしています。極めて姑息なやり方です。

 〈関西電力資料〉

2019年6月25日
関西電力株式会社

大飯発電所3号機の原子炉起動予定および調整運転の開始予定について

 大飯発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力118万キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、2019年4月11日から第17回定期検査を実施しておりましたが、2019年6月26日に原子炉を起動し、翌27日に臨界に達する予定です。
 その後は、諸試験を実施し、6月28日に定期検査の最終段階である調整運転を開始する予定であり、7月下旬には原子力規制委員会の最終試験を受けて本格運転を再開する予定です。

以 上

[解説]
2019年6月26日 6:30現在、再稼働工程で、原子炉起動は開始されていません。
2016年4月熊本地震、2018年6月大阪府北部地震、9月北海道胆振東部地震、2019年6月新潟県下越沖地震と、直下型の地震が頻発しています。
 
 原発を地震大国、日本で動かすことは自殺行為です。原発事故と放射能汚染の恐怖を抱えながらの生活はおかしいです。そもそも、白血病や甲状腺がん、心筋梗塞、脳梗塞、様々ながんを引き起こしかねない、被曝労働が前提の原発など倫理的に運転させることは間違いです。
 
[記事]

福井・大飯原発3号機、きょう再稼働

2019年6月26日 毎日新聞 朝刊 21面

 関西電力は219年6月25日、4月から定期検査中だった大飯原発3号機(福井県おおい町、出力118万キロワット)を26日に再稼働させると発表した。調整運転を経て7月下旬から営業運転に入る。大飯4号機は7月上旬に定期検査に入るため、3号機の再稼働が順調に進めば、関電の原発(11基中4基が廃炉決定)で今夏に営業運転するのは高浜3、4号機(同県高浜町)と合わせて3基となる。

きょう原子炉起動 来月7月23日にも営業運転 大飯3号

2019年6月26日  福井新聞

 

 福井新聞関西電力は2019年6月26日、定期検査中の大飯原発3号機(加圧水型軽水炉、出力118万キロワット)の原子炉を起動させる。28日に発電・送電を開始し、7月23日にも原子力規制委員会の最終試験を受けて営業運転を再開する見込み。

 関電から25日、県に入った連絡によると、今回の定検では燃料集合体193体のうち、新燃料36体を含む64体を取り換えた。2次系配管207カ所を超音波で肉厚測定したが、問題はなかった。過去の点検で減肉傾向などが確認された67カ所を、耐食性に優れたステンレス鋼配管などに交換した。

 このほか、新規制基準に適合した原発では初めて、原子炉停止時に必要な高圧注入ポンプといった重要安全施設に電力供給する電気盤の遮断器の遮断時間を変更する工事などを行った。

 4月22日には、原子炉に装荷している燃料を使用済み燃料プールに移送中、移送装置が正規の位置を超えて停止。装置の速度を磁力で切り替えるスイッチと装置の部品が変形した。このトラブルで、原子炉起動は当初の予定より5日遅れとなった。

 大飯3号機は2018年3月に原子炉を起動。同4月から営業運転を行い、19年4月に定検に入った。次回定検は20年夏ごろの予定。(牧野将寛)