福井県の廃炉が決まり、廃炉作業が行われている高速増殖炉もんじゅ。そもそもでたらめ点検、管理で原子力規制委員会からもダメ出しを食らった、日本原子力研究開発機構がそのまま廃炉作業を担っています。沸騰水型原子炉(BWR)や加圧水型原子炉(PWR)が冷却水に水を使っているのとは違い、高速増殖炉もんじゅは冷却材に金属のナトリウムを使っています。ナトリウムが高温、高圧でも液体状態を保つことができるためです。ところが塩化ナトリウム(食塩)という形では、日常普段に接することができるのに対し、ナトリウム(純粋な金属)は空気中の水蒸気と触れ合うと爆発的に燃える性質があります。
CERON 金属ナトリウムの廃棄 大胆すぎる方法 – YouTube
高速増殖炉もんじゅの核燃料はこの金属ナトリウムの中に漬かっています。当然、空気中にそのまま核燃料集合体を出したら、金属ナトリウムがついていますから、空気中の水蒸気と触れ合い、爆発します。そのため、核燃料集合体についているナトリウムをアルゴンという気体で「洗う」必要があります。少しでも、金属ナトリウムがついていたら、爆発的に燃え、作業は中断します。もんじゅが運転を停止したのは2010年8月。以来8年間放置されてきました。核燃料集合体の健全性も不明と言えるでしょう。金属ナトリウムの爆発、同時に、破損した核燃料からの気体性放射性物質の拡散などの危険性を抱えています。
4度目のトラブル、聞いたことがないよ、と言われる読者もいるでしょう。そうです。大新聞はほとんど、もんじゅの事故を報道しないのです。福井県には、大飯原発3号機、4号機、高浜原発3号機、4号機と4基もの原発が2018年12月14日現在、稼働中です。4基の原発に事故・トラブル続きのもんじゅ。福井県や周辺の自治体に住む住民の命と健康が大丈夫なのでしょうか?
もんじゅの廃炉か、原発の稼働か、少なくともどちら1つでしょう。両方が事故を起こした場合の対策は打ちようがないのではないでしょうか。結論はただ一つ、福井県の原発はすべて廃炉にして、もんじゅの廃炉に集中すべきです。もんじゅのトラブル、事故をつつみ隠さず報道するべきだと考えます。
もんじゅ燃料取り出し、また中断 出入機で警報、8月以降4回目 佐賀新聞 2018年12月10日
日本原子力研究開発機構は10日、使用済み核燃料の取り出しを進めている高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、燃料出入機の異常を知らせる警報が9日に鳴り、作業を中断したと発表した。4日に別の出入機の警報で中断し、7日に再開したばかりだった。8月の取り出し開始以降、警報で中断するのは4回目。
機構によると、警報は9日午後9時20分ごろ、燃料貯蔵設備に運ぶ模擬燃料を出入機でつかむ作業中に鳴った。出入機の先端部に冷却材の液体ナトリウムが付着して固まったのが原因とみられ、数日かけて洗浄するとしている。
機構は、8日までに計56体の取り出しを終えた。当初、年内としていた計100体の取り出し完了時期は来年1月に延期している。
もんじゅ、冷却材の抜き取り開始 液体ナトリウム、年内完了予定 佐賀新聞 2018年12月4日
日本原子力研究開発機構は4日、廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、冷却材の液体ナトリウムの抜き取り作業を始めたと発表した。対象は放射性物質を含まない2次系の約220トンで、年内に完了するとしている。
機構によると、原子炉補助建物にある配管から抜き取り、同建物内のタンクで保管する。今年4~5月にも約530トンを抜き取ったが、タンクの容量不足のため、約220トンは抜き取らず配管内を循環させていた。
機構はタンクの空き容量を確保するため付近にタンクを増設し、先月25日までに保管中のナトリウムの一部を移送した。
抜き取ったナトリウムは当面、タンク内で固めて保管する。最終的な搬出先や処分方法は未定。
ナトリウムは、空気や水に触れると激しく燃える性質を持ち、扱いが難しいとされる。1995年のナトリウム漏れ事故では、2次系の配管から約640キロが漏れて火災が発生した。
もんじゅ核燃料の取り出し延期 計100体、作業の中断相次ぎ 佐賀新聞 2018年12月2日
8月に取り出し作業を始めた高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の使用済み核燃料について、日本原子力研究開発機構が、年内としていた計100体の取り出し完了時期を延期することが2日、政府関係者への取材で分かった。
燃料出入機の警報が鳴るトラブルや機器整備のため作業の中断が相次ぎ、これまでに取り出したのは計51体にとどまる。機構は1日当たり1体の取り出しペースを速めることを検討していたが、計画通りの実施は困難になっていた。
関係者によると、機構が今後、廃止措置計画の変更を原子力規制委員会に届け出るとみられ、来年1月中には計100体の取り出しを終えるとしている。所管する文部科学省の担当者が3日、福井県と敦賀市を訪れて説明する。
取り出し作業は8月末の開始以降、9月に警報が鳴るトラブルで2回中断。冷却材の液体ナトリウムが出入機の先端部に付着して固まったことが原因とみられ、機構は10月中旬から11月初めまで、取り出しをせず出入機の洗浄などを実施。11月中旬にも洗浄のため中断したほか、同28日からは出入機の部品交換のためとして中断している。
計画では、2022年度までに原子炉などにある使用済み燃料計530体の取り出しを完了。18年中には燃料貯蔵設備にある160体のうち100体の取り出しを終えるとしていた。
取り出し作業を巡っては、開始前にも機器のトラブルなどが相次ぎ、当初7月としていた開始時期が8月にずれ込み、機構が計画を変更した。
もんじゅ核燃料取り出し作業中断 機器の部品交換のため 佐賀新聞 2018年11月30日
日本原子力研究開発機構は30日、廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、燃料出入機の部品交換のため、28日から使用済み核燃料の取り出し作業を中断したと発表した。交換が終わり次第、近く再開するという。
機構によると、25日の取り出し作業後に関連機器のデータを確認したところ、出入機が燃料を引き上げる速度が通常より遅かったため、26日は取り出し作業を行わずに機器を調整。27日に作業を再開したが改善せず、出入機の動きを調節している部品を交換することにした。
もんじゅでは8月に燃料取り出しを始めて以降、出入機の警報が鳴るトラブルや機器整備のため、作業の中断が相次いでいる。11月15~20日にも、冷却材の液体ナトリウムが付着した出入機先端部の洗浄などのため中断し、21日に再開したばかりだった。
使用済み燃料は、これまでに51体を取り出した。年内にあと49体取り出す計画だが、従来の1日当たり1体のペースでは間に合わず、機構は態勢の見直しを検討している。
もんじゅ燃料出入機で警報、福井 10月に4件目、運用見直し 佐賀新聞 2018年11月10日
廃炉作業中の日本原子力研究開発機構高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、10月15日に燃料出入機の異常を知らせる警報が鳴っていたことが10日、機構への取材で分かった。
当時、使用済み核燃料の取り出し作業は機器整備などのため中断中で、機構は「燃料を取り扱っておらず、重大なトラブルではない」としているが、出入機の運用改善を原子力規制委員会に報告した。
機構によると、冷却材の液体ナトリウムが、燃料をつかむ出入機の先端部に付着して固まったのが原因とみられ、同様の理由による警報は7月以降、4件目。
警報は10月15日夕、燃料から垂れたナトリウムを受け止める「ドリップパン」と呼ばれる容器を洗浄するため、出入機でつかもうとした際に鳴った。爪が開閉する構造の先端部にナトリウムが固着したとみられ、数日かけて洗浄した。
機構は、燃料の取り出しを繰り返すうちに付着するナトリウムが増えるなどし、爪の開閉時にかかる負荷が警報設定値を超えたと推定。開閉時の負荷を監視し、増加傾向があれば設定値に近づく前に取り出しをやめて洗浄するなど、出入機の運用を見直すとしている。
機構は10月13日に、同31日までの予定で取り出しを中断、11月3日に予定より2日遅れで再開した。
もんじゅ燃料取り出し再開 トラブル対応で延期 佐賀新聞 2018年11月3日
日本原子力研究開発機構は3日、機器整備などのため中断していた高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の使用済み核燃料取り出し作業を再開したと発表した。当初は1日に再開の予定だったが、中断中に起きたガス漏れトラブルへの対応などに時間がかかった。
8月末から開始した作業で、機構はこれまでに33体を燃料貯蔵設備から取り出した。今年中にあと67体の計100体を取り出す計画だが、従来通りの1日当たり1体のペースでは間に合わないため、作業態勢を見直す。
機構は、冷却材の液体ナトリウムが付着した燃料出入機の洗浄などのため、10月13日から燃料取り出し作業を中断。同18日、取り出した燃料に付いたナトリウムを洗い流す装置で、循環させていたアルゴンガスが漏れるトラブルがあった。
もんじゅ、装置乾燥用のガス漏れ 被ばくや外部への影響なし 佐賀新聞 2018年10月19日
日本原子力研究開発機構は19日、廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、燃料洗浄装置の乾燥のため循環させていたアルゴンガスが漏れるトラブルがあったと発表した。ガスに放射性物質は含まれておらず、作業員の被ばくや外部への影響はないという。
機構は13~31日の間、機器整備などのため、8月に始めた使用済み核燃料の取り出し作業を中断しているが、11月からの再開にも支障はないとしている。
機構によると、燃料洗浄装置は、取り出した使用済み燃料に付着した冷却材の液体ナトリウムを洗い流す装置。今月18日午後、装置内にガスを循環させて湿度を計測中、装置にガスを送り込む配管に取り付けてあった計測用の仮設ホースが外れ、ガスが装置のある室内に漏れた。流したガスの圧力が高かったとみられる。
もんじゅ燃料取り出し再開 出入機警報で中断 佐賀新聞 2018年9月25日
日本原子力研究開発機構は25日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で使用済み核燃料の取り出し作業を再開したと発表した。19日に燃料出入機の異常を知らせる警報が鳴ったため、中断していた。
機構によると、燃料をつかむ出入機の先端部に冷却材の液体ナトリウムが入り込んで固まったことが原因と分かった。出入機を別の建物に移して先端部を洗ったところ、正常に動くことが確認できたという。
燃料取り出しは8月30日に開始。機構はこれまでに「燃料貯蔵設備」から16体を取り出し、「燃料池」と呼ばれるプールに移した。12月までに計100体を移すとしている。
もんじゅ、取り出し作業一時中断 原子力機構「重大でない」 佐賀新聞 2018年9月6日
日本原子力研究開発機構は6日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、使用済み核燃料の取り出し作業中に「燃料洗浄設備」の異常を知らせる警報が4日に鳴り、作業を一時中断したと発表した。
5日の取り出しを中止して機器の点検を実施、6日に作業を再開したという。機構は「重大な事故や工程に影響のあるトラブルではないため、すぐに発表しなかった」としている。
機構によると、警報は4日午後8時40分ごろ、「燃料貯蔵設備」から取り出した燃料1体を洗浄設備で洗った後、設備を乾燥させていた際に鳴った。設備の弁の位置を確認する機器がずれていたため、閉じているはずの弁が「閉じていない」とする警報が出たという。
また、原子力規制委員会は6日、もんじゅで3カ月ごとに実施する保安検査を始めた。取り出し作業の準備段階で多発したトラブルへの対策などを確認するとしている。19日までの予定。
使用済み核燃料の取り出しは8月30日に開始。機構は6日までに7体を取り出した。
もんじゅデータが一時送れず 国の緊急時システムに 佐賀新聞 2018年9月5日
日本原子力研究開発機構は5日、廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)から、原子炉の状態を把握する国の緊急時対策支援システム(ERSS)へのデータ送信が一時的に停止したと明らかにした。データ送信は同日、停止と再開を2回繰り返した。
もんじゅを運営する機構と、原子力規制庁によると、5日午前3時ごろ、データ送信が停止した。同8時40分ごろ復旧したが、約20分後に再び止まった。午後1時35分ごろ再開した。送れない間、機構は電話やファクスなどでデータを規制庁に報告した。
データ送信に使用している回線業者のネットワークが台風21号の影響で障害を起こしたのが原因とみられる。
もんじゅでは、使用済み核燃料の取り出し作業を行っている。
もんじゅデータ送信が再び停止 佐賀新聞 2018年9月5日
日本原子力研究開発機構は5日、高速増殖原型炉もんじゅから、原子炉の状態を把握する国の緊急時対策支援システムへのデータ送信が午前9時ごろ、再び停止したと明らかにした。同日未明に送信が一度止まり、復旧していた。
もんじゅ、燃料1体取り出し終了 廃炉作業の第1段階、地元に不安 佐賀新聞 2018年8月30日
福井県敦賀市の高速増殖原型炉もんじゅで、使用済み核燃料の取り出し作業を開始する操作員ら=30日(代表撮影)
日本原子力研究開発機構は30日午後、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、使用済み核燃料1体を「燃料貯蔵設備」から取り出し、水で満たされた「燃料池」と呼ばれるプールに移す作業を終了した。
取り出しは30年かかる廃炉作業の第1段階。準備段階から相次いだ機器の不具合で開始が延期されるなど、地元関係者らに不安を残す中での作業となった。
機構によると、取り出し作業は、原子炉補助建屋にある「燃料取扱設備操作室」で、燃料出入機や、取り出した燃料をステンレス製の缶に入れる装置などを遠隔操作して実施。この日は操作員ら7人が作業に当たった。
機構は2022年までに、貯蔵設備の160体と、原子炉に入っている370体の計530体の取り出しを終える計画を示している。
もんじゅ燃料取り出し開始 廃炉第1段階、22年完了 佐賀新聞 2018年8月30日
日本原子力研究開発機構は30日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の使用済み核燃料の取り出し作業を始めた。燃料取り出しは30年かかるとされる廃炉作業の第1段階。準備段階でトラブルが相次ぎ、当初7月下旬を予定していた作業開始を延期していた。
機構は2022年までに「燃料貯蔵設備」と原子炉に入っている計530体の取り出しを終えると説明している。ただ、これまでに原子炉から2体しか取り出した経験がなく、空気や水に触れると激しく燃える冷却材の液体ナトリウムの扱いも難しいため、作業が難航する可能性もある。
燃料の取り出しに先立ち、機構は今月19~28日、貯蔵設備に入っていた制御棒を燃料に見立てて取り出す訓練を実施。初日に燃料出入機の警報が鳴って作業を中断したが、再開した20日以降は順調に1日1体ずつ取り出したという。機構は「操作員らの習熟が確認できた」としている。
機構によると、操作員ら計25人が3班体制で作業に当たり、この日はうち7人が作業。出入機を使って貯蔵設備にある燃料を取り出し、付着した液体ナトリウムを洗浄した後、ステンレス製の長さ約4・5メートルの缶に収納し、水で満たされた「燃料池」に移す。
機構は今年12月までに、貯蔵設備にある160体のうち100体を燃料池に移すことを目標とし、原子炉からの取り出しは来年7月に始める計画だ。47年度までに廃炉を完了するとしている。