5/21「とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会」結成集会決議文
 └──── 参加者一同

 日本原電(株)は、東海第二原発の再稼働(20年延長申請)審査を昨年の11月24日に原子力規制委員会に申請した。
 現在、原子力規制委員会による適合性審査が行われているが、東海第二原発は1978年に運転を開始し、今年の11月28日に40年を迎える老朽原発で
あり、11月27日までに、全ての審査を終えなければ廃炉となる。

 原発の立地30キロ圏内には96万人の住民が暮らし、一度過酷事故が発生すれば、1500万人が生活する東京はもとより、50キロ圏の栃木東部、80キロ圏の千葉をはじめ関東一帯の住民は避難するまもなく、被ばくする。
 東海第二原発は、東日本大震災で被災、損傷した原発である。急遽建設された6.1mの防護壁から進入した津波により、非常用発電機1台が停止。冷温停止まで3日半かかるという事態を引き起こしている。

 また、応力腐食割れなどの劣化が進行し、シュラウドのひび割れも発覚。茨城沖地震が頻繁に発生している中で、中規模な地震によってもひび割れが破断となり、制御棒が挿入できなくなる事態が懸念されている。
 このような重大な危険性がある原発を運転継続40年の原則を反古にし、再稼働することは許されない。
 さらに、東海第二原発は、東電福島第一原発事故を引き起こした原発と同型の沸騰水型原発である。
 事故原因の究明も曖昧なまま、新規制基準への適合性のみで安全が担保されるわけではなく、二度目の過酷事故は防ぐことはできない。

 建設時270ガルだった基準地震動は、1009ガルに引き上げられているものの、一定程度は強化されたところもあるが、原子炉の基本構造はそのままであり、見せかけに過ぎない。
 又、原電は、『燃え易いケーブルの半分を難燃性ケーブルに交換。残りは防火シートでくるむ』としている。だが、安全系のケーブルについて言っているだけで、ケーブル全体総延長1400kmから見ると、既に難燃化してあるのが6%、今から難燃性に交換するのは9%のみである。

 原発事故は地震や津波だけで起きているわけではない。スリーマイル島原発事故や国内の事故例を見ても、安全対策費の削減による事故が繰り返し起きている。
 日本原電は、東海第二の再稼働にあたって、1740億円の安全対策費を東電などからの資金援助によるとした。その費用はさらに膨らむであろう。
 一企業の商業利益と引き換えに住民の暮らしといのちが犠牲になる再稼働は断じて許せない。
 東海村には核施設が集中している。原発に隣接する東海再処理施設に放置されている「高レベル放射性廃液」は、冷却機能が失われれば東日本全滅の破局的事態になる。

 「新規制基準」に照らしても、東海第二原発の再稼働審査は同施設を複合災害の審査対象にしなければならないことは明らかである。
 廃止が決まった再処理施設には防潮壁はなく、廃液のガラス固化に20年、施設廃止には70年を要する。
 JCO臨界事故、動燃再処理工場火災事故、原子力機構プルトニウム被曝事故。繰り返される事故に住民の不安と怒りは計り知れない。
 茨城県内44市町村6割の27自治体において、20年延長反対、再稼働反対の意見書が可決されている。

 もはや、日本原電、東電、東北電などの電力各社、規制当局に私たちのいのちと子どもたちの未来をゆだねることはできない。
 3月11日、首都圏の市民と茨城の住民500名は、日本原電に対し、東海第二原発の再稼働反対、廃炉を求める抗議、申し入れ行動を行った。

 東海第二原発の再稼働は私たち首都圏の住民の力でとめる。
 そのために大衆的な闘いを拡大強化し、再稼働を許さない行動をより広範囲な皆さんに訴え、共に行動するため、本日、『とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会』を結成する。
 日本原電は直ちに東海第二原発の再稼働を撤回し廃炉とすべきである。
 右決議する。

2018年5月21日「とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会」結成集会参加者一同