水産庁 水産総合研究センターが2011年4月6日から、水産物のストロンチウム90を測定し、公表しています。いや、測定、公表していました、と過去形で書くべきかもしれません。
この水産物ストロンチウム等調査結果は、非常にわかりにくいです。そもそも、魚を採取してから結果が公表されるまで2か月から4か月かかっています。中にはほぼ1年かかっているものがあります。ストロンチム90の測定に2~4週間かかるとは言え、これは明らかな公表の先送りです。
採取日から公表までにかかって日数も一覧表に加え、採取日順に一覧表にしました。
水産物からストロンチウム89、ストロンチウム90が検出された場合は青字で、プルトニウム238、プルトニウム239+240が検出された場合は赤字で表記しました(編集者)。
すると、とんでもないことがわかりました。2014年1月1日以降に採取されたデータが1つもないのです。今日はすでに11月12日。2013年、昨年の検査では短くて1か月と16日、長くても9か月と24日で、公表されていました。
水産総合研究センターは意図的に公表を遅らせているのでしょうか?それとも、2013年末で調査を打ち切ったのでしょうか?東京第一原発からはストロンチウム90汚染水がトレンチを通り、また、地下水として直接海に流れ込んでいます。
継続的な調査が行われるべきです。そして結果が判明した段階での早急な公表が求めらます。真実を明らかにすべきです。まさか、解散総選挙で自民党が圧勝した後に公表するのではないでしょう。それではあまりに党利党略、国家の私物化であると思います。
ちなみに、採取日が最後の水産物は、宮城県七ヶ浜地先のノリ、ストロンチウム90 0.07ベクレル/kgと同産地のワカメ、ストロンチウム90 0.06ベクレル/kgです(採取日2013年12月19日)。
これらは、どちらも過去の水産物の海藻類のストロンチウム90の最高値 0.056ベクレル/kgを超えるものです。(文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全課防災環境対策室「放射性ストロンチウム分析法」2003年11月10日 pp.103)
まさか、ストロンチウム90の汚染が深刻化しているのを隠すために、測定を中断したのではないでしょうね。
〔初稿〕2014年11月12日 川根眞也
〔追記〕2014年11月20日 川根眞也