2014年11月7日、鹿児島県臨時県議会の原子力安全対策等特別委員会(15人)は、31本の川内原発再稼働に反対する陳情(3号機増設反対やすべての原発の廃炉をもとめる陳情も含む)を否決し、たった1本の薩摩川内市の商工団体などが提出した川内原子力発電所1・2号機の一日も早い再稼働を求める陳情」を賛成11名(自民党9名、公明党1名、無所属1名)、反対3名(日本共産党 松崎真琴氏、県民連合 遠嶋春日児氏、県民連合 えの義春氏)で採択しました。

鹿児島臨時県議会 請願・陳情一覧

鹿児島臨時県議会 請願・陳情の内容(原子力安全対策等特別委員会)

鹿児島県議会 原子力安全対策等特別委員会 委員一覧

  本会議は2014年11月7日午前10時に開会。特別委員会の委員長報告の後、民主、社民党系会派・県民連合(7人)、共産党県議団(1人)から各1人と、無所属(3人)の1人による反対討論だけが行われました。

 県民連合の柳誠子議員は、避難計画の実効性に疑問を示し「拙速な判断をしないことを強く求める」と主張。共産の松崎真琴議員は「福島の現状と住民の苦しみを直視すれば、原発を動かす判断はできない」と訴えました。無所属の下鶴隆央議員も「無条件に同意すれば将来に大きな禍根を残す」と批判しました。(ここまで2014年11月8日 読売新聞朝刊)

 これを受け、伊藤祐一郎知事は11月7日、記者会見を開き、政府が原発の新規制基準下で国内初の再稼働を目指す九州電力川内原発1、2号機(同県薩摩川内市)について、「国民の生活レベルを守り、わが国の産業活動を維持する上で再稼働はやむを得ない。政府の再稼働方針を理解する」と表明しましました(2014年11月7日 西日本新聞)。

 自民党、公明党の、伊藤知事の住民の命と健康を無視した、なりふり構わぬ原発再稼働に怒りを覚えます。川内原発再稼働に賛成した県会議員、知事のリコールが必要です。

 原発再稼働を行うためには、①原子力規制委員会の新基準の適合判断 審査書案の発表 ②パブリックコメントの実施・検討 ③地元自治体の同意 があれば、再稼働ができる、とされています。今回、地元自治体として同意したのは、2014年10月20日薩摩川内市議会と岩切秀雄市長、11月7日鹿児島県議会と伊藤祐一郎知事だけです。

 原発30km圏内の他の市町村自治体の同意は得られていません。

 東京電力の姉川尚史(たかふみ)常務は11月6日の衆院原子力問題調査特別委員会で、原発の再稼働の際に同意が必要な「地元」の範囲について「原発の30km圏内の自治体の理解がなければ、再稼働させるには十分ではない」と述べています。いちき串木野市(人口29,868人 2014年10月末現在)では市民の過半数を超える15,464名の再稼働反対の署名が集まっています。

の住民の再稼働反対の声を無視して、川内原発の再稼働は許されない、と思います。

 

 

 

地図:川内原発の審査結果、住民説明会を追加へ 鹿児島知事:朝日新聞デジタル 2014年5月16日13時58分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 広瀬隆さんより、11月7日付け東京新聞「原発再稼働『30キロ圏自治体理解必要』東電常務 衆院委で明言」が送られてきました。

 以下、紹介します。

原発再稼働「30キロ圏自治体理解必要」 東電常務 衆院委で明言

2014年11月7日 東京新聞 朝刊

 東京電力の姉川尚史(たかふみ)常務は六日の衆院原子力問題調査特別委員会で、原発の再稼働の際に同意が必要な「地元」の範囲について「原発の三十キロ圏内の自治体の理解がなければ、再稼働させるには十分ではない」と述べた。電力会社幹部が再稼働の条件として立地自治体以外の「理解」に言及するのは異例だ。今後、全国にある原発の再稼働手続きに影響を与える可能性がある。 (宮尾幹成)
 再稼働への「地元」の同意に関し、法律に明文規定はない。電力会社は従来、原発が立地する道県や市町村と安全協定を結び、両者の同意を事実上の条件としてきた。東京電力福島第一原発事故を受け、原発事故に備えた避難計画を含む地域防災計画の策定を義務付けられる自治体の範囲が、半径八~十キロ圏から三十キロ圏に拡大されたが、電力各社は「地元」の範囲を広げるのには消極的だ。
 姉川氏は東電の原子力部門トップの原子力・立地本部長や、原発の安全対策などに取り組む「原子力改革特別タスクフォース」の事務局長を務めている。六日の発言は、民主党の菅直人元首相の質問に対する答弁。
 菅氏は、本紙の取材に「電力会社が三十キロ圏内の自治体の了解がなければ再稼働できないと言ったのは、私が知る限り初めてだ」と指摘。「現状では三十キロ圏内の自治体の了解がないまま、電力会社の裁量で再稼働が進みかねない。電力会社幹部が国会で発言した意味は非常に大きい」と話した。
 東電は柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働に向け、新規制基準への適合性審査を原子力規制委員会に申請しているが、新潟県の泉田裕彦知事は「福島の事故の検証と総括なくして再稼働はありえない」と慎重な姿勢だ。原発の三十キロ圏内には、柏崎市と刈羽村を含めて九市町村がある。
 原発再稼働に関しては、鹿児島県にある九州電力川内(せんだい)原発で手続きが進んでいる。九州電力は「地元」の範囲を明らかにせず、伊藤祐一郎知事は同意が必要な自治体を県と立地自治体の薩摩川内市のみと説明している。
 しかし、三十キロ圏内にある日置、いちき串木野の両市議会は「地元」に両市を加えるよう県に求める意見書を可決。姶良(あいら)市議会も再稼働反対と廃炉を求める意見書を可決している。