2014年2月7日、第14回福島県 県民健康管理調査検討委員会が開かれ、福島の子どもたち75人が小児甲状腺がんおよび疑いと発表されました。ちなみにこの「がん疑い(悪性疑い)」とは、疑いではなくて、本来、穿刺細胞診(せんしさいぼうしん)で小児甲状腺がんと診断すべき患者をまだ手術が終わっていないので100%の信頼度で小児甲状腺がんと確定できないから、「がん疑い(悪性疑い)」とするとされている患者です。つまり、手術待ちの子どもです。

 ところが、多くの新聞がこの小児甲状腺がんおよびがん疑い75名と言う数字ではなく、小児甲状腺がん確定者数33名だけを報道するようになっています。事態を矮小化する、福島県立医大の術中にはまったとしか言いようがありません。

 正しく報道しているのは朝日新聞のみです。しかし、朝日では37面、毎日24面、読売31面とほとんど目につかない記事に追いやられています。唯一、東京新聞だけが2面に掲載していますが、やはり、甲状腺がん確定の子どもたちが7名増えて33名になったという報道に力点を置いてしまっています。福島県で起きている事態をマスコミが意図的に無視し始めています。

 2014年2月7日の第14回福島県 県民健康管理調査検討委員会では、同委員である、本甲状腺外科学会前理事長の清水一雄氏が、「0~15歳の小児甲状腺がんは年間6000人」という、とんでもないでたらめ発言をしています。どこの新聞もこのでたらめ発言を撤回させていません。事実は0~24歳まで範囲を拡大しても1999年から2008年までの10年間で1883人。年間188人にすぎません。0.03%が小児甲状腺がんになることは決してありませんでした。これが、日本甲状腺外科学会の前理事長の発言だというのですから、日本甲状腺外科学会のそのものの存在意義が問われる発言です。

清水一雄(日本甲状腺外科学会前理事長):今までがんセンターから、1900何年でしたっけ、2000何年かに、ちゃんとインターネットにも出ていますけれども発表がありますけども、15歳以下は非常に少ないですね。先程、2000万の中の0.03%、6000人。これは確かにそれと比べると多いです。その時の報告と比べるとですね。ただこれは癌センターから、癌研からのデータですね、それは全員比較して調べた結果ではなくて、発症して初めて病気だと分かって患者さんの手術をしたということですね。診断できたという事で。今回のは全員調べています。ふつう病気じゃない方ですね、全員の検査をした中の0.03%ですので、これはあの、ちょっとそのデータとも比較できないし、これから検証しなくてはならないと思います。」

ー<甲状腺がん悪性・悪性疑い74人>「想定される範囲だろう」と言えると思います。〜福島健康調査記者会見全て文字起こし2/7 ブログ みんな楽しくHappy♡がいい♪さんより

 福島県立医大は正式に謝罪と訂正会見を行うべきです。また、福島県は責任をもって、子どもたちの健康を管理できるよう、根本的にこの甲状腺エコー検査、診断と治療体制の見直しを行うべきです。