東京電力は2014年1月30日、東京電力福島第一原子力発電所1号機が格納容器下部の水漏れ個所から、最小0.89m3/時~最大3.35m3/時漏れている、と発表しました。また、この日の発表で、「今回調査で確認された流水箇所の合計では炉注水量(4.4m3/h)に満たないことから、外れていないサンドクッションドレン管を含め、他からも流水があることが想定される」と発表しています。

東京電力 福島第一原子力発電所1号機ベント管下部周辺- 流水箇所の流量評価について- 20140130

 東京電力が国際原子力機関(IAEA)に報告したレポート ChpterⅢ Efforts to bring the accident under stable control には、すでに、原子炉圧力容器、格納容器から冷却水が漏れ、それをタービン建屋に溜め、その汚染水を浄化して、また、冷却水として使う計画が書かれています。

 ChapterⅢ Efforts to bring the accident under stable control

 つまり、原子炉建屋に流入していると言われ続けてきた「地下水」の正体と単に、原子炉圧力容器や格納容器がぼろぼろに壊れていて、核燃料デブリを冷やすために1日400トンもの水が上から注がれているものが汚染水となって、床にそして、タービン建屋に溜っているものではないでしょうか。

 2014年1月30日、東京電力は1号機から3号機の原子炉圧力容器および格納容器への注水量を発表しています。

 東京電力 福島第一原子力発電所の状況 平成26年1月30日

 1m3の水の質量は1トンです。

 1号機には2.0 m3/時+2.5m3/時=4.5m3/時、つまり1時間あたり4.5トンの水が注水されています。同様に、2号機には2.3 m3/時+2.0m3/時=4.3m3/時、つまり1時間あたり4.3トンの水が注水されています。

 3号機は2014年1年14日から、炉心スプレイ系の流量をそれまで3.5m3/時入れていましたが、これを上の表のように0.0m3/時にしています。これは3号機原子炉建屋内での障害物の撤去作業を無人重機で行うため、と東京電力は説明しています。3号機には0.0 m3/時+5.4m3/時=5.4m3/時、つまり1時間あたり5.4トンの水が注水されています。

 この1号機4.5トン/時、2号機4.3トン/時、3号機4.3トン/時、合計 14.2トン/時。1日は24時間ですから、24倍して、1日340.8トン。

 2014年1月14日までは3号機の炉心スプレイ系に3.5m3/時入れていたのですから、その時までは合計 17.7トン/時。24倍して、1日424.8トンです。

 この1日424.8トンという数字は、「1日の地下水の流入量400トン」と奇妙に一致します。

 東京電力は2013年8月23日、福島第1原発の1~4号機建屋周囲を通って海に流れる地下水の総量について、従来の日量約600トンから同約400トンに修正しました。同日開かれた経済産業省の汚染水処理対策委員会に報告しています。これは単に、地下水の量が変わったのではなく、この1~3号機への炉心スプレイ系と給水系への合計の注入量が1時間あたり25トン/時17.7トン/時に3分の2に減少させたからではないでしょうか?

 この核燃料デブリを冷やすために注入された汚染水が「地下水」と呼ばれ、それが1日400トン海に流出している、のではないでしょうか?大量のトリチウム、ストロンチウム90などのベータ線核種をこの汚染水は含んでいます。

 原発事故はまったく収束していません。宮城県沖から千葉県一体沖までの魚類トリチウム濃度、ストロンチウム90の濃度を徹底的に測定し、市民に公表すべきです。