「三陸の復興なくして、復興なし」の合言葉のもと、被災地の漁業の復興が急速に進められてきました。しかし、一体、海の放射能汚染の実態もわからないのに、港湾施設や漁船、養殖施設の復旧を進めるのは間違いだと指摘してきました。

 環境省が海水、海底土の調査を行っていることを発見しました。

 おそるべき海洋汚染の実態の一部が見られます。海水で仙台沖で表層0.5mで0.08ベクレル/kg(放射性セシウム合計)、海底21mで0.087ベクレル/kg(放射性セシウム合計)、海底土では1740ベクレル/kg(放射性セシウム合計、23m)もあります。ストロンチウム90も仙台湾で海底土から0.16ベクレル/kgも計測されています。(環境省 被災地の海洋環境の第3次モニタリング調査結果 2012年4月13日 以下データ参照)

 三陸の海と仙台湾の汚染が深刻です。政府はただちに漁獲制限区域を設定すべきです。放射能汚染された魚を摂取することによる内部被ばくの危険性を正しく伝えるべきです。特に漁民とその子どもたちの内部被ばくが心配です。

 この海域の底魚が高い濃度に汚染されているのは当然といえば当然です。そして陸に落ちた放射性物質が阿武隈川、名取川によって、仙台湾へと運ばれ、沿岸流によって三陸の海まで汚染されています。これは現在進行中のできごとであり、第1次モニタリング調査(2011年6月3日~10日)、第2次モニタリング調査(2011年8月30日~9月1日)、第3次モニタリング調査(2011年12月6日~12月26日)につれて、汚染が深刻になってきていることからも明らかです。順番に汚染マップとデータを並べてあります。比べてご覧下さい。

 また、こうした調査結果を新聞、テレビは正しく伝えるべきです。まったくと言っていいほど、海の汚染実態が報道されていません。真実を伝え、市民の健康を守るための情報を伝えることは、マスコミの社会的責任であると思います。

第1次被災地の海洋環境のモニタリング調査結果 2011年6月3日~20日

第2次被災地の海洋環境のモニタリング調査結果2011年8月30日~9月1日  

第3次被災地の海洋環境のモニタリング調査結果2011年12月6日~26日

環境省 被災地の海洋環境の放射能汚染マップ 20121208

環境省 被災地の海洋環境のモニタリング調査結果の公表について データ 20121215