玄海原発3号機、営業運転に復帰

定期検査終える

2019年8月21日 佐賀新聞
玄海原発3号機(手前)と4号機=東松浦郡玄海町

 

玄海原発3号機(手前)と4号機=東松浦郡玄海町

 

 九州電力は2019年8月20日、定期検査を終えた玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)が同日営業運転に復帰したと発表した。

 定検は5月に開始。8月20日にあった国の最終審査に合格し、同日午後3時50分に営業運転を再開した。

 原子炉内の燃料集合体は、全193体のうち約3分の1を取り換えた。プルサーマル発電に使うプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料は新たに4体を装荷し、計36体となった。使用済みMOX燃料は出なかった。

 昨年3月、さびによる腐食で配管に穴が空き、蒸気漏れが起きた2次系統の脱気器空気抜き管は、16本全てをさびにくい材質のものに取り換えた。

玄海3号機、20日起動 九電、8月20日営業運転

2019年7月20日 佐賀新聞
 

 九州電力は2019年7月19日、新規制基準下で初めての定期検査(定検)に入っていた玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)について、20日に原子炉を起動すると発表した。全ての検査が終了して、営業運転に復帰するのは8月20日となる見通し。

 定検は5月13日に開始し、原子炉本体や核燃料貯蔵施設など九つの施設や設備で107項目を検査した。今回、燃料集合体193体のうち72体を取り換え、新たにウラン・プルトニウム混合酸化化合物(MOX)燃料を4体追加し、193体のうち36体に増えた。

 定検中に、燃料集合体に挿入して燃料集合体に流れる冷却水の流量を調整する「プラギングデバイス」の一部が変形するトラブルが発生。確認が不十分なまま挿入したためで、予備品と交換するなどして運転開始に影響はないという。

 九電によると、7月20日午前11時に原子炉を起動、21日午前0時に核分裂反応が安定的に続く臨界に到達し、22日に発電を再開させる予定。18年6月に再稼働した玄海4号機の定検は、8月16日に開始する予定となっている。

 

玄海3号機運転再開中止を 13団体、知事に要請書

2019年8月15日 佐賀新聞
玄海原発3号機の運転再開中止を求め、要請書を提出する反原発団体のメンバー(右)=佐賀県庁

 

玄海原発3号機の運転再開中止を求め、要請書を提出する反原発団体のメンバー(右)=佐賀県庁

 

 定期検査(定検)を終え、20日営業運転復帰予定の玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)に関し、佐賀県内外の反原発グループが14日、運転再開中止を求めて山口祥義知事宛てに要請書を出した。使用済みウラン・プルトニウム混合酸化化合物(MOX)燃料の管理上の問題点を指摘している。

 提出したのは「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」(永野浩二事務局長)など佐賀、福岡、大分県の13団体。

 九州電力によると、プルサーマル発電を行う3号機は、MOX燃料36体を使用。九電は「運転期間や燃料の組み合わせなどを考慮して決めている」としているが、2020年の定検時に16体が初の使用済みMOX燃料となる可能性がある。

 要請書では、反原発団体が今年6月に意見交換した際、資源エネルギー庁の担当者は「使用済みMOX燃料は使用済みウラン燃料より発熱量が高い。ウランと同じくらいになるには300年以上かかるというのは事実」と述べたと指摘。この情報を県が知っていたかなど7項目を質問した。

 県原子力安全対策課の担当者は「知事に報告し、できるだけ早期に回答したい」とした。