8月15日 福島第1の凍土壁、規制委が凍結最終認可

2019年8月14日  日本経済新聞

2016年11月、「凍土壁」の凍結状況を確認する経済産業省の担当者=代表撮影

2017年8月15日、原子力規制委員会は東京電力福島第1原子力発電所の汚染水発生を抑える「凍土壁」の凍結について最後の認可を出した。同年11月には1~4号機を取り囲む全面凍結がほぼ完了した。同原発は11年の東日本大震災の影響で、原子炉内の核燃料が溶け落ちる炉心溶融事故を起こした。原子炉を冷やすために注入する水や建屋に流れ込んだ雨水、地下水が大量の汚染水となり問題となった。その対策の切り札が凍土壁だ。

16年3月に凍結を始めて、建屋の周囲1.5キロメートルにわたって、約1600本の凍結管を埋めて地下を凍らせた。建設に約345億円の国費を投じた。専門家からは費用対効果が低いとの指摘もあったが、東電は18年3月、1日あたり約95トン減らす効果があるとの試算を出した。汚染水は徐々に減ってはいるものの18年度には1日平均170トン発生した。