川内原発1号機の核燃料集合体の損傷による、ヨウ素131の漏れは、神戸製鋼製だったからではないのか?

 高浜原発4号機の蒸気発生器からの放射能漏れは、三菱マテリアル製のパッキンだったからではないのか?

 九州電力、関西電力は、神戸製鋼製の配管等使用部品のリスト、三菱マテリアル製のパッキン等の使用部品のリストを公表すべきだ。原子力規制委員会はなぜ、これほど配管やポンプに異常が出るのか、原因を突き止めるべきだ。電力会社の報告書で審査するのではなく、現地検査を徹底的に行うべきだ。

■川内原発1号機、核燃料棒1本から放射性物質漏れ 

毎日新聞 2018年4月5日

  九州電力は2018年4月5日、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)で1次冷却水の放射性ヨウ素濃度が上昇した問題について、1本の核燃料棒から放射性物質が漏れていたことが判明したと発表した。

 核燃料棒は二百数十本を一つに束ねて燃料集合体として使用されているが、老朽化で固定力が弱まり、燃料棒が細かく振動したことなどから1本に微細な穴が開いたとみられる。

 川内1号機は昨年3月以降、1次冷却水の放射性ヨウ素131の濃度が通常値より上昇。ただ、保安規定で定められた制限値を大幅に下回っていたため、測定の頻度を増やすなどして運転を続けた。

 2018年1月からは定期検査で原子炉を停止し、燃料を取り出して詳しく調べていた。燃料を交換し、2018年6月下旬の営業運転再開を目指す。【浅川大樹】

※ 図の赤い部分から、一次冷却水にヨウ素131がずっと漏れていた。2017年3月から、川内原発1号機のヨウ素モニタの数値が高かったにもかかわらず、九州電力は原子力規制委員会への告示限度より低いからと、1年放置。2018年1月からの定期点検で初めて、核燃料集合体が損傷し、ヨウ素131が漏れ続けていたことを確認した。公表したのは2018年4月5日。川内原発1号機の一次冷却水へのヨウ素131漏れは実に1年1ヶ月放置されていた。核燃料集合体が損傷して、出てくる放射能はヨウ素131だけではない。当然、トリチウムやセシウム134,137,ストロンチウム90も一次冷却水に出ていたことだろう。これが九州電力の「原子力発電の安全管理」の実態である。

※ この核燃料集合体の部材は、神戸製鋼製ではないのか?問題の部品がどこのメーカーなのか、九州電力も原子力規制委員会も公表していない。欠陥部品を原発で使うなどありえない。

■玄海4号機、再稼働延期へ ポンプ不具合で 試験申請取り下げ

佐賀新聞 2018年5月15日

 再稼働を控えた国の検査が続く玄海原発4号機(東松浦郡玄海町)に関し、九州電力は2018年5月14日、試験的に動かすために原子力規制委員会に提出していた申請書を取り下げると発表した。5月3日に起きた冷却水を循環させるポンプの不具合で、5月18日から予定していた試験運転を実施できなくなったため。再稼働工程を中断した問題箇所の点検が10日間続いており、5月25日前後と見られていた再稼働時期は6月にずれ込みそうだ。

 原子炉の安定的な連続運転を確認する検査には、原発を動かす必要があり、試験運転のための申請書を、4月25日に提出していた。

 4号機は、1~5号まである使用前検査のうち3号まで終了。残りの検査の準備を進めていたところ、放射性物質を含んだ冷却水が流れる1次系統のポンプで不具合が発生。5月5日から再稼働工程を中断して、問題箇所を分解点検している。

 原因の特定と対策を検討した上で、再稼働に向けた手続きを進める考えだが、その時期は見通せない。2016年に伊方原発3号機(愛媛県)の1次系冷却水ポンプで起きた同様の不具合では、点検復旧に約2週間かかっている。

 また3号機は、5月15、16日で書類の確認やフル出力で機器が異常なく作動するかをチェックする5号検査を終え、合格証の交付を受ける予定。同日中に営業運転への復帰を見込んでいる。

■玄海3号機から蒸気漏れ 発送電を停止 九州電力 再稼働1週間

佐賀新聞 2018年3月31日

 配管から蒸気漏れを確認し、発電と送電を停止する玄海原発3号機=2018年3月30日午後11時半、佐賀県唐津市鎮西町串から

 九州電力は2018年3月30日、玄海原発3号機(佐賀県東松浦郡玄海町)の2次系設備の配管から、微量の蒸気漏れを確認したと発表した。放射性物質の漏れはないという。3号機は3月23日に再稼働したばかり。3月25日に再開した発電と送電を停止すると明らかにした。原子炉の停止は漏えい箇所の調査をして判断する。4月24日予定の営業運転復帰は遅れる見通し。

 3月23日、2010年12月に定期検査で停止して以来、約7年3カ月ぶりに再稼働し、3月25日には発電と送電を再開。徐々に出力を上げ27日に50%に達し、30日は75%で調整運転していた。

 3月30日午後7時ごろ、2次系の水に含まれる酸素などのガスを取り除くための設備である「脱気器空気抜き管」から微少な蒸気漏れがあった。定期巡視中の運転員が目視で確認した。今後は準備が整い次第出力を下げ、3月31日早朝にも発送電を停止する。

 3号機は4月5日にも約100%の定格出力運転になり、原子力規制委員会の最終的な検査を経て営業運転に復帰する見通しだった。九電佐賀支社は「いったん発電を停止して補修を行うため、発電開始までの必要な期間は延びる」と説明した。

※ この九州電力の資料を読むと、こういうことがわかる。7年3ヶ月ぶりに再稼動するに当たり、配管の腐食がないか、断熱材を外して点検することすらしていない、ということ。アメリカでもフランスでも3,4年運転を停止していた原発が再稼動するときに数々のトラブルを引き起こしていることを九州電力はまったく学んでいないらしい。お金をケチること以外は。

※ この配管等も、神戸製鋼製ではないのか?問題の部品がどこのメーカーなのか、九州電力も原子力規制委員会も公表していない。欠陥部品を原発で使うなどありえない。

■玄海3号機影響なし データ改ざん製品使用

佐賀新聞 2018年1月26日

 九州電力は2018年1月25日、神戸製鋼所や三菱マテリアルの製品データ改ざん問題を受けた川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)と玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)の調査が終わり、いずれも運転に影響がないことを確認したと明らかにした。1月25日までに原子力規制庁などに報告した。

 九電によると、データが改ざんされた製品は新規制基準に対応した設備などの部材で使われていたが、必要な規格は満たしていたという。

 玄海3、4号機は改ざん問題の影響もあり、それまで1月以降を予定していた再稼働時期が遅れている。玄海4号機は、神鋼製の溶接材や鉄鋼製品について調査を続けており、2月上旬に完了する見込み。

 神鋼グループの製品は、原子炉格納容器を構成する配管や弁の他、燃料集合体の部材などに使われていたがいずれもデータの改ざんはなかった。三菱マテリアルの子会社は水や空気などの漏れを防ぐゴム製部品を納入。一部にデータを改ざんしていた部品もあったが、日本工業規格(JIS)を満たしており安全上の問題はないという。

※ 今後、パッキンの不正による、放射能漏れの事故が起きる可能性が十分にある。三菱マテリアル製のパッキンがどこに使われているのか、明らかにするべきだ。

■高浜4号機、伝熱管2本に傷 外部影響なし

佐賀新聞 2018年6月22日

 福井県は22日、定期検査中の関西電力高浜原発4号機(同県高浜町)で、3台ある蒸気発生器のうち1台の伝熱管2本に、長さ約3・4ミリと約3・8ミリの傷が見つかったと発表した。外部への放射性物質漏れなどの影響はないという。

 伝熱管は、1台の蒸気発生器の中に約3400本が通っており、運転中は内部に放射性物質を含む高温の1次冷却水が流れる。県によると、傷は伝熱管に電流を流す検査で見つかり、貫通はしていなかった。関電が2本に栓をして、運転再開後も冷却水が流れないようにするという。

※ この配管等も、神戸製鋼製ではないのか?問題の部品がどこのメーカーなのか、関西電力も原子力規制委員会も公表していない。欠陥部品を原発で使うなどありえない。

■高浜4号機で蒸気漏れ、福井 放射性物質含む、外部影響なし

佐賀新聞 2018年8月20日

 関西電力は20日、定期検査中の高浜原発4号機(福井県高浜町)で、原子炉内部に温度計を入れるための管と原子炉容器上ぶたの接合部から、放射性物質を含む微量の蒸気が漏れたと発表した。外部への影響はないとしている。

 関電などによると、同日午後3時ごろ、職員が原子炉上部の巡視点検中に蒸気漏れを確認した。

 4号機は昨年5月に再稼働し、今年5月に定検で停止。関電は今月中の原子炉起動、9月の営業運転開始を目指している。

※ 高浜原発4号機が、原子炉圧力容器に出し入れする温度計の部分から放射能漏れのトラブルを起こしていた。2018年8月20日、上記新聞記事。関西電力は、管と管をつなぐ際に、養生テープでゴミが入らないようにしていたが、その養生テープにゴミがついていたからだ、と説明。原子炉圧力容器に出し入れする温度計部分の養生テープをきちんゴミをふき取るように指示した、として再稼動工程を始めた。2018年8月31日。しかし、パッキンにかみこんだ、とされる直径0.3mmのゴミは見つかっていない。そもそも、パッキンが三菱マテリアル製であり、欠陥部品であったのではないか? 問題の部品がどこのメーカーなのか、関西州電力も原子力規制委員会も公表していない。欠陥部品を原発で使うなどありえない。

以下、関西電力が2018年8月24日公表した資料を全文転載します。

高浜発電所4号機の定期検査状況について(原子炉容器上蓋の温度計引出管接続部からの蒸気漏れに係る原因と対策について)
関西電力 2018年8月24日

 高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)は、第21回定期検査中の8月20日15時頃、最終ヒートアップ(昇温・昇圧)後の現場点検中に、原子炉容器上蓋の温度計引出管接続部から、わずかな蒸気が漏えいしていることを当社社員が発見しました。今後、漏えいの原因について調査する予定です。なお、本事象による環境への放射能の影響はありません。

2018年8月20日お知らせ済み]

※原子炉容器の上蓋上部に設置されている筒状のもので、炉内の温度を計測する温度計を挿入するためのもの。

1 原因調査

 蒸気漏えいが確認された原子炉容器内温度計引出管接続部の構成部品を取り外し、各部位の点検を実施しました。

(1)点検結果
  1. ①上部クランプ

    ・外観点検の結果、変形や傷等の異常は認められませんでした。また、締付寸法計測、締付トルクを確認した結果、異常は認められませんでした。

  2. ②温度計引出管の支持筒(コラム)

    ・パッキンを取り付けている部分にほう酸の析出痕を確認しました。ほう酸を除去した後、パッキンとの接触面やポジショナのはめ込み部(溝部)などの外観点検を実施した結果、変形や傷等の異常は認められませんでした。

  3. ③フランジ

    ・パッキンとの接触面やポジショナとの接触面の外観点検を実施した結果、変形や傷等の異常は認められませんでした。

  4. ④ポジショナ(コラム位置決め治具)

    ・フランジとの接触面を点検した結果、変形や傷等の異常は認められませんでした。また、据え付け状態確認のため、コラム上端面とポジショナ上端面の周方向3箇所の高低差を計測した結果、有意な傾きがないことを確認しました。

  5. ⑤パッキン

    • ・コラムとフランジの間に挿入されていたパッキンの外観点検を実施した結果、コラムとの接触面にほう酸の析出痕を確認しました。また、ほう酸を除去した後、拡大観察を行った結果、接触面に微小なへこみ(直径約0.3mm)が認められました。
    • ・パッキン納入時の製品検査成績書を確認したところ、外観に問題がない製品が納入されていることを確認しました。
    • ・このため、コラムとの接触面に何らかの微小な異物が噛みこんだ可能性があるものと推定しました。
(2) 作業手順の確認(温度計引出管接続部の構成部品の組立作業)

 パッキンとコラムの接触面に異物が混入した可能性について、調査を実施した結果は以下の通りです。

  • ・温度計引出管接続部は、定期検査毎に取り外し、各構成部品の点検を行い、その後、一次冷却材系統のヒートアップ(原子炉の昇温・昇圧)前に組立作業を実施しています。
  • ・組立作業は、コラム上部の温度計引出管に養生テープを巻き付けた後に清掃を実施し、パッキンを装着、フランジを据え付ける手順となっています。その後、異物混入防止のため、コラムとフランジの隙間には養生テープを取り付けていたことを確認しました。
  • ・その後、下部クランプを据え付け、コラムとフランジの隙間の養生テープを取り外し、ポジショナを装着する手順となっており、その際に異物が混入した可能性があるものと推定しました。