九州電力、玄海4号機は本来2018年5月18日から再稼働工程に入る予定でした。しかし、一次冷却水の循環ポンプで水漏れ、原因を調べていました。しかし、九州電力は、原因不明のまま、一次冷却水ポンプを交換するだけで2018年6月17日より再稼働工程を始めようとしています。朝日新聞などは、玄海原発4号機のトラブルは、全国版には書かず、西部本社版にだけ書いています。また、原発再稼働の情勢を書いた記事で、玄海原発3号機、玄海原発4号機の二次冷却水の脱気器空気抜き管トラブル、一次冷却水のポンプトラブルについて一切書いていません。また、東電が再稼働を目論んでいる、柏崎刈羽原発6号機、柏崎刈羽原発7号機のダクトに開いた穴についても書いていません(下記、記事をご覧下さい)。頼りになるのは、佐賀新聞や西日本新聞です。

朝日新聞の「脱原発ポーズ」、次々と起きる原発トラブルを一言も書かない 2018年5月13日2面

玄海4号機のポンプ異常、水の熱膨張で隙間 
九電が原因発表
佐賀新聞 2018年5月16日 9:20am

 九州電力は15日、玄海原発4号機(東松浦郡玄海町)で発生した原子炉容器内の水を循環させる一次冷却水ポンプの異常について、ゴム製のリングが機器の隙間にかみ込んだことが原因だったとする調査結果を発表した。4台全てのポンプで該当箇所の部品を新品に交換する復旧作業を同日から始めた。終了まで約10日間を見込み、再稼働は6月になる可能性が高い。

 ポンプの軸部分の隙間からモーター側への冷却水流入を防ぐための「シール部」と呼ばれる装置で3日に流入防止用の水が通常の倍の量になる異常が分かり、5日から分解点検していた。

 九電によると、ポンプの点検前に配管内のセンサーがうまく機能するように、内部を水で満たした。ところが予想以上に気温が上昇したため、水が膨張。機器の隙間を埋めるためのゴム製のリング(直径27センチ、厚さ5・5ミリ)が水に押し上げられて機器が固定されたことで隙間が空いた。そこから本来流れ込まないはずの水が流れ込み、異常を示した。

 対策として、部品を新品に交換するほか、水の膨張に対応する余裕を確保するため、これまで閉じていた弁の一部を開くよう運用を見直す。同日は、原子力規制委員会や佐賀県、玄海町、唐津市、伊万里市にも報告した。

玄海4号、6月中旬再稼働
九電、原子力規制委に申請
佐賀新聞 2018年5月28日 21:19pm

 九州電力は28日、玄海原発4号機(佐賀県玄海町)に関し、1次冷却水を高い温度で循環させるなどして冷却機能の性能を確認するといった再稼働前に実施する最終段階の検査を6月10日以降に行うとの申請書を原子力規制委員会に提出した。3月に再稼働した玄海3号機の日程などを踏まえると、再稼働は6月17日前後になるとみられる。

 九電はこれまで5月24日にも再稼働するとの申請書を出していたが、3日に1次冷却水を循環させるポンプに不具合が見つかったことを受け、いったん取り下げていた。

 今回の申請書によると、再稼働の前後に安全設備が正常に機能するかなどを確かめる検査は、当初の5月中に終えるとしていた日程を6月までに変更した。再稼働後、原子炉の発電出力がフル稼働状態になってから行う検査は7月に入ってから実施。営業運転は7月中旬になるとみられる。

 3号機では、再稼働して1週間後の3月30日に、穴が開いた配管から蒸気が漏れるトラブルが発生。同タイプの配管を交換するなどし、5月16日に営業運転に復帰した。

 

平成30年5月28日
九州電力株式会社

玄海原子力発電所4号機に係る使用前検査申請書の変更及び試験使用承認の再申請を行いました

 玄海原子力発電所4号機については、起動工程を一旦止め、1次冷却材ポンプシール部の点検をおこなっておりましたが、点検・復旧の後、同ポンプの健全性を確認し、起動工程を再開しました。

 このことから、今後の起動工程を踏まえ使用前検査工程の見直しを行い、原子炉等規制法等に基づき、原子力規制委員会等へ申請している使用前検査申請書について、本日、変更手続きを行いました。

 また、発電所の総合的な性能を確認する最終の使用前検査(五号検査)を受検するにあたり、平成30年6月10日から使用前検査の合格日まで原子炉本体を試験使用する必要があるため、原子炉等規制法に基づき、本日改めて、試験使用承認を同委員会へ申請しました。

 当社は、引き続き、国の検査に真摯かつ丁寧に取り組むとともに、再稼働工程を慎重に進めてまいります。

以上
添付ファイル 玄海原子力発電所4号機に係る使用前検査申請書の変更及び試験使用承認の再申請を行いました(本文)
(別紙)玄海4号機に係る使用前検査申請書の変更内容及び試験使用承認の再申請内容について