福島だけではない 東北・関東に広がる小児甲状腺がん 2017年12月18日記:川根 眞也

 福島県県民健康調査検討委員会は、未だに、「多発する小児甲状腺がんは原発事故の放射線のせいではない」「福島の小児甲状腺がんの発症年齢はチェルノブイリ原発事故の多発した発症年齢(0~4歳)と異なるから原発事故の放射線のせいではない」と語っています。

 果たして本当でしょうか。

 これらの説明とは異なり、原発20km圏内の避難指示が出された地域よりも、避難指示がなく原発事故以降、住み続けている、福島市、郡山市、いわき市などで小児甲状腺がんが多発しています。2017年6月30日現在で、原発があり2011年3月12日以来避難指示が出ている大熊町、双葉町では、小児甲状腺がんの子どもたちは、大熊町で3人、双葉町では0人です。福島民報、福島民友もあえて特筆して報道しませんが。原発立地自治体で3人、0人なのに、県庁所在地 福島市で先行検査 12人、本格検査(2回目) 10人、計22人 も小児甲状腺がんの子どもたちが出ています。福島県一の大都市、郡山市では先行検査 25人、本格検査(2回目) 18人、計43人 です。線量が早くから下がり、また、多くの避難指示の出た自治体の出張所が置かれた、いわき市では選考検査 24人、本格検査(2回目) 9人、33人 です。いわき市には高濃度のヨウ素131のプルームが襲っています。宮城県南部と茨城県北部は明らかに、小児甲状腺がん多発が疑われる地域です。

ヨウ素131の拡散シュミレーション 2011年3月12日~3月23日 【作成】国立環境研究所

http://www.nies.go.jp/fukushima/images/conc_i.gif

 川根はあえて言います。福島市、郡山市、いわき市等で避難指示が出ていたら、これほどの小児甲状腺がんの患者が出ていなかったかもしれない、と。福島県全域の0-19歳の対象者は38万人、37万人、33万人です。原発事故からまだ7年未満。1年で0.1人~0.2人/10万人あたりですから、福島県全域で年間0.4~0.8人の小児甲状腺がんの患者が出ても仕方がありません。原発立地自治体ではもっと患者が出るはずです。しかし、福島市の発症率の方がずっと高いのです。22人/4万3000人(2011年~2015年)。

 福島市の小児甲状腺がんの発症率は年間12.8人/10万人あたり、です。これはベラルーシの高放射能汚染地帯、ゴメリ州の13人/10万人あたり、に並びます。

 福島県知事 佐藤雄平(当時)、現知事 内堀雅雄氏、そして、各自治体首長の犯罪は明らかである、と思います。浜通りよりも、中通りの小児甲状腺がんの多発の責任を負うべきです。

福島だけではない 東北・関東に広がる小児甲状腺がん 2017年12月18日 作成:川根 眞也

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