高崎CTBTが大気中の放射性物質をmBq/m3の単位まで計測し、公表ています。ところが、2015年11月19日発表の、2015年10月1日までのデータで更新が止まっています。本日2016年4月6日まで、早4ヶ月間更新が止まっています。何か「不都合な真実」でもあったのでしょうか?

 考えられるのは、2015年10月に3号機は異常な放射性物質を出していたことです。

 実は、その5ヶ月前、2015年5月に3号機は異常な放射性物質を出していました。東電発表によれば、福島第一原子力発電所3号機原子炉建屋上部における空気中放射性物質の核種分析結果 原子炉上南西側②180Bq/m3 (通常は2.4~14Bq/m3 。2015年。) 試料採取日は2015年5月14日でした。

 なんと、高崎CTBTは、2015年5月14日から5月15日のデータを飛ばす、という「工夫」をしています。理由は「装置等の不具合」です。果たして、装置が壊れていたからデータがなかったのでしょうか?

 そして、2015年5月15日および5月16日は、東電 福島第一原発が日中、深夜にいきなり真っ白な霧で覆われた日でもあります。まずはこの動画からご覧ください。この日に放射性物質の大量放出があった危険性が大です。

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2015年5月15日 15時12分15秒 4号機あたりから真っ白い煙で覆われる。16時までずっと全画面が真っ白に覆われる。
https://www.youtube.com/watch?v=zlQxD3oTbVU

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2015年5月15日 21時09分44秒 4号機あたりから真っ白い煙で覆われる。23時56分51秒あたりで消える。
https://www.youtube.com/watch?v=Tf4PiaLkhw4

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2015年5月16日 01時29分20秒 4号機あたりから真っ白い煙で覆われる。04時までずっと全画面が真っ白に覆われる。
https://www.youtube.com/watch?v=G1J4m-m7pVo

東電 福島第一3号機の建屋上部の空気中の放射性物質の分析結果 2015年5月15日試料採取 原子炉上南西側② 180Bq/m3 (通常は2.4~14Bq/m3 。2015年。)

高崎CTBT、2015年5月14日から5月15日のデータを飛ばす。

 これとまったく同じことが、2015年10月、12月、2016年1月に起きているのです。2015年10月は3号機、2015年12月と2016年1月は2号機です。

 2015年10月9日 3号機建屋屋上 原子炉南西側で140 Bq/m3を観測しています。

  また、2号機建屋排気フィルタ入口では、2015年12月17日に100 Bq/m3を観測しています。通常は0.87~39Bq/m3です。2015年。

 ところが、今年2016年に入って、2016年1月7日には1000Bq/m3を観測しています。通常は0.87~39Bq/m3です。2015年。 あまりにも異常事態だったからでしょう。東電はこの1号機建屋上部、2号機建屋排気設備、3号機建屋上部の空気中の放射性物質の分析結果を、通常はたった月1回しか発表していませんが、2016年1月の2号機排気設備に限っては1月7日分と1月12日分の2回を公表しています。

 高崎CTBTは昨年2015年5月15日のデータと同様に、2015年10月9日のデータ、2015年12月17日のデータ、2016年1月7日のデータを隠してしまうのでしょうか?高崎CTBT事務局は、国民の税金で運営されている機関です。東電 福島第一原発事故の現在進行形の放射能の大量放出を隠すことなく、事実を事実として公表すべきである、と考えます。